陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない
結果を招く事は多いです。
2) 施釉の手順。
⑦ 施釉を行う。
施釉作業は基本的には一発勝負です。間違った場合再度やり直すのは、釉を剥がしたり、
作品を綺麗にする為など、多くの手間が掛ります。
ⅰ) 施釉を行う前に、どの釉(場合によっては複数の釉)をどの様な方法で行うかは、頭に
描いておく必要があります。
ⅱ) 使用する釉の濃度の調節を行う。
ⅲ) 素焼きした作品に施釉するのが普通ですが、素焼きせずに直接施釉する方法があります。
ⅳ) 素焼きした作品は、一部の技法を除き、完全に乾燥させて置く事です。
(以上までが前回の話です。)
ⅴ) 施釉する際問題になるのは指跡です。
一般の作品では輪高台が多く、この高台部分を右又は左手の親指、人差し指、中指の三本の
指で摘み、指跡が出来るだけ少なくして施釉します。しかし、碁笥底高台の様にしっかり持つ
場所が無い為、底周辺を持ったり、大皿の様に高台部分が五本の指でも、片手で持てない
作品も多いです。この様な場合どうしても指跡が残り易くなります。
但し、施釉する際には、しっかり作品を保持しなければ成りません。良くある事故に施釉時に
作品を釉の容器に落として仕舞う事があります。これは持ち難い形状であったり、指跡を少
なくしようとして、十分保持出来ない(しない)事が原因です。
基本的には指跡は無い方が良いのですが、抹茶々碗などでは、五本の指で鷲掴みにし、あえて
指跡を残し、模様の一部とし景色と認めて、指跡が鑑賞される事も多いです。
a) 漬け掛け、流し掛けの場合、何処かに指跡が残り易いです。
但し、指跡を出来るだけ少なくする方法や、指跡を補修する方法もあります。
尚、指跡とは、作品を持った際、その部分のみが施釉できず、素地が指の形に露出する事を
言います。指跡の周辺は釉が他の部分より厚く塗られています。これは毛細管現象の結果で、
指と素地の狭い隙間に釉が多く流れ込みで起こります。その為、指跡はかなり目立つ存在に
なります。勿論持ち方によって指跡の形も変わります。指先で摘む場合や、指の腹を使う
場合が多いです。
b) 指跡を少なくする方法に、あらかじめ作品を持つ指の先端部又は腹を、釉に漬けて汚して
おく事です。指に付いた釉が作品に転写する事で、指跡を目立たなくする事ができます。
更に、指跡周辺に厚く掛かった釉を指等で削り(こすり)取り、釉を薄くする事で指跡を
目立たなくする方法もあります。
c) 指跡の補修は、施釉した直後に指先又は筆を用いて、釉を塗って綺麗にします。
釉が十分乾燥する前であれば、補修跡は目立ちませんが、乾燥後に補修を行うと、塗った跡が
凸凹して目立ち易くなりますので、早めに処置します。
d) 施釉の技法によっては、指跡を残さない方法もあります。
指跡は、作品を持った手が直接濡れた釉に触れる事で起こります。それ故、持つ位置を次々
に換えて、釉が持ち手に掛からない様にすれば良い訳です。尚、施釉終了後約10~20秒後
であれば、施釉した部分は乾燥しますので、素手で持つ事が可能になります。
施釉を一度の作業で終わらせ様とすると、どうしても指跡が残ります。その為、二度又は
複数に分けて施釉する事で、指跡の無い作品に仕上げる事が出来ます。例えば、右(又は上)
半分を先に施釉薬し、その後左(又は下)半分を施釉する方法です。又吹き掛けの方法も
指跡は残りません。吹き掛けと同時に釉が乾いてしまう為です。
ⅵ) 施釉の実際。
以下次回に続きます。
結果を招く事は多いです。
2) 施釉の手順。
⑦ 施釉を行う。
施釉作業は基本的には一発勝負です。間違った場合再度やり直すのは、釉を剥がしたり、
作品を綺麗にする為など、多くの手間が掛ります。
ⅰ) 施釉を行う前に、どの釉(場合によっては複数の釉)をどの様な方法で行うかは、頭に
描いておく必要があります。
ⅱ) 使用する釉の濃度の調節を行う。
ⅲ) 素焼きした作品に施釉するのが普通ですが、素焼きせずに直接施釉する方法があります。
ⅳ) 素焼きした作品は、一部の技法を除き、完全に乾燥させて置く事です。
(以上までが前回の話です。)
ⅴ) 施釉する際問題になるのは指跡です。
一般の作品では輪高台が多く、この高台部分を右又は左手の親指、人差し指、中指の三本の
指で摘み、指跡が出来るだけ少なくして施釉します。しかし、碁笥底高台の様にしっかり持つ
場所が無い為、底周辺を持ったり、大皿の様に高台部分が五本の指でも、片手で持てない
作品も多いです。この様な場合どうしても指跡が残り易くなります。
但し、施釉する際には、しっかり作品を保持しなければ成りません。良くある事故に施釉時に
作品を釉の容器に落として仕舞う事があります。これは持ち難い形状であったり、指跡を少
なくしようとして、十分保持出来ない(しない)事が原因です。
基本的には指跡は無い方が良いのですが、抹茶々碗などでは、五本の指で鷲掴みにし、あえて
指跡を残し、模様の一部とし景色と認めて、指跡が鑑賞される事も多いです。
a) 漬け掛け、流し掛けの場合、何処かに指跡が残り易いです。
但し、指跡を出来るだけ少なくする方法や、指跡を補修する方法もあります。
尚、指跡とは、作品を持った際、その部分のみが施釉できず、素地が指の形に露出する事を
言います。指跡の周辺は釉が他の部分より厚く塗られています。これは毛細管現象の結果で、
指と素地の狭い隙間に釉が多く流れ込みで起こります。その為、指跡はかなり目立つ存在に
なります。勿論持ち方によって指跡の形も変わります。指先で摘む場合や、指の腹を使う
場合が多いです。
b) 指跡を少なくする方法に、あらかじめ作品を持つ指の先端部又は腹を、釉に漬けて汚して
おく事です。指に付いた釉が作品に転写する事で、指跡を目立たなくする事ができます。
更に、指跡周辺に厚く掛かった釉を指等で削り(こすり)取り、釉を薄くする事で指跡を
目立たなくする方法もあります。
c) 指跡の補修は、施釉した直後に指先又は筆を用いて、釉を塗って綺麗にします。
釉が十分乾燥する前であれば、補修跡は目立ちませんが、乾燥後に補修を行うと、塗った跡が
凸凹して目立ち易くなりますので、早めに処置します。
d) 施釉の技法によっては、指跡を残さない方法もあります。
指跡は、作品を持った手が直接濡れた釉に触れる事で起こります。それ故、持つ位置を次々
に換えて、釉が持ち手に掛からない様にすれば良い訳です。尚、施釉終了後約10~20秒後
であれば、施釉した部分は乾燥しますので、素手で持つ事が可能になります。
施釉を一度の作業で終わらせ様とすると、どうしても指跡が残ります。その為、二度又は
複数に分けて施釉する事で、指跡の無い作品に仕上げる事が出来ます。例えば、右(又は上)
半分を先に施釉薬し、その後左(又は下)半分を施釉する方法です。又吹き掛けの方法も
指跡は残りません。吹き掛けと同時に釉が乾いてしまう為です。
ⅵ) 施釉の実際。
以下次回に続きます。