轆轤作業を行う上で、どうしても必要な用具(道具)類と、有った方が良い用具類があります
轆轤は別名「水挽」と呼ばれ、水を使って素地の表面を溶かした泥を活用し、手指を滑らし
ながら形を作る方法です。初心者の方は、大量の水を使い、慣れた方では水の使用量は少なく
なります。水を多量に使うと、素地本体に吸い込まれ、土の腰を弱くしますので、手指が滑ら
せる為に泥を使用する様にします。但し、冬ならば温水を、夏ならば水を使います。
尚、一番便利な用具(道具)は人の手や指です。
1) 必須な用具(道具)
① 水を入れる桶です。
片手又は両手の手首まで入る幅の広さと深さが必要です。更に桶の縁で、手に付いた泥を
削ぎ落せる様に、やや角張った縁のある形が望ましいです。桶の材質は問いません。
容量は大きな物の方が便利ですが、手元に置いて使いますので、作業の邪魔にならない
程度の大きさにします。容量が小さいと水を継ぎ足す事になります。
この水は、後で述べる「なめし革」や「布」、「竹へら」、「コテ類」、切糸、スポンジ
等を濡らす際にも用います。これらは、使用する箇所とタイミングが存在します。
② なめし革。
ⅰ)主に完成間近の作品の縁を滑らかにすると同時に、土を締める(割れを防ぐ)働きを
します。その他作品の表面を撫ぜて、平滑にする働きも有ります。材質は鹿の皮が一般
的ですが、合成皮革を使う場合があります。ホームセンター等でも市販されています
ⅱ) 大きな皮から、縦約10cm、横幅約2cm程度の短冊状の形に切り出します。
肉厚は薄い方が使い易いです。水に濡らして使用します。
ⅲ) 使い方は、片手のみで行う方法と、両手を使う方法が有ります。どちらの方法を選
ぶかわ自由ですが(最初に教わった方法を選ぶ場合が多い)一長一短があります。
a) 両手を使う方法。
右手の人差し指と中指でチョキを作り、皮の一端を挟み込みます。反対側は左手親指
と中指で摘みます。皮の中間を右手の親指で上から軽く押さえ、左手の人差し指で
右手の親指と人差し指の中間を押し上げ小さな輪を作ります。この輪で作品の口の内
外を摘み拭く事で綺麗に仕上げます。即ち、右手の親指と人差し指で摘み、その間に
皮が存在する事になります。皮の反対側を軽く摘むのは、轆轤の回転によって、皮が
持って行かれるのを防ぐ為です。皮で拭く時間は轆轤が二回転する程度です。
注意点は、皮は右手の指先近辺で使う事です。又左手で持つ皮を強く引っ張ると、
皮の輪が直線状になり、摘み難くなると同時に、縁を上から押す事になりますので
口縁が押し潰された状態になります。又指先で摘む際には、皮の幅(約2cm)
の全体ではなく、指をやや斜めにして一部を使います。これは皮と土の摩擦を少なく
する為です。更に、右手の小指と中指を折って、作品に触れない様にします。
この方法の長所は、摘みに必要な指以外が作品から遠く退避出来る事です。
注意事項は、口縁が凸凹では、縁全体を拭く事ができませんので、なるべく口縁の
高さを揃える事です。更に、強く摘まむと肉厚が薄く成り過ぎますので、力の入れ
方も重要です。口縁の一部に円周状に筋が入る場合があります。これは拭いた所と
拭かれていない所が混在するからです。湯呑の様に口を付ける場所はなるたけ丸味を
付けます。角張ると唇に当たって痛いです。
尚、摘まむ指を捻る事で、口を開いたり閉じたりできます。即ち摘まんだ人差し指を
上に、親指を下に移動させれば、縁が開く事に成り(端反り)、逆に親指を上に人差
し指を下に移動させれば、縁が閉じる事になります。
b) 片手で口縁を拭く
右手中指と人指す指で、濡らした皮の一端をチョキで摘まむのは同じです。
他端を右手親指と薬指で摘まんで持ちます。両端を少し近付けて輪を作り、この輪で
口縁を摘まんで拭きます。
注意点は、皮で拭く際轆轤の回転で、持って行かされない様にする事です。
更に、右手の薬指が作品の近くに来ますので、指がぶつからない様にします。
c) なめし革で口縁を拭く場合、口縁が垂直の方が拭き易くなります。
逆に、お皿の様に口縁が斜め方向に成ると、斜め上から下に押す様になりますので
失敗し易いです。その際、皮を持つ親指を皿の下側から支える様にしてから、人差し
指を皿の内側に回し込んで拭くと失敗は少なくなります。難しい場合には完全に皿状
になる前に、皮を使いその後に平たい皿に仕上げます。
d) なめし革で、作品の表面を拭く方法。
上記の短冊状の皮で拭く場合は、皮の両端を両手で持ち、ピント伸ばして作品の表面
に押し当て、轆轤を回転させながら撫ぜる様に拭きます。その際、皮を上に移動する
場合と、下に移動する方法が有りますが、いずれの方法でもOKです。
尚、面積の広いなめし革を使う場合には、左手に持ち(時計回転の時)作品に強く
押し付けずに撫ぜる様に拭きます。
以下次回に続きます。
轆轤は別名「水挽」と呼ばれ、水を使って素地の表面を溶かした泥を活用し、手指を滑らし
ながら形を作る方法です。初心者の方は、大量の水を使い、慣れた方では水の使用量は少なく
なります。水を多量に使うと、素地本体に吸い込まれ、土の腰を弱くしますので、手指が滑ら
せる為に泥を使用する様にします。但し、冬ならば温水を、夏ならば水を使います。
尚、一番便利な用具(道具)は人の手や指です。
1) 必須な用具(道具)
① 水を入れる桶です。
片手又は両手の手首まで入る幅の広さと深さが必要です。更に桶の縁で、手に付いた泥を
削ぎ落せる様に、やや角張った縁のある形が望ましいです。桶の材質は問いません。
容量は大きな物の方が便利ですが、手元に置いて使いますので、作業の邪魔にならない
程度の大きさにします。容量が小さいと水を継ぎ足す事になります。
この水は、後で述べる「なめし革」や「布」、「竹へら」、「コテ類」、切糸、スポンジ
等を濡らす際にも用います。これらは、使用する箇所とタイミングが存在します。
② なめし革。
ⅰ)主に完成間近の作品の縁を滑らかにすると同時に、土を締める(割れを防ぐ)働きを
します。その他作品の表面を撫ぜて、平滑にする働きも有ります。材質は鹿の皮が一般
的ですが、合成皮革を使う場合があります。ホームセンター等でも市販されています
ⅱ) 大きな皮から、縦約10cm、横幅約2cm程度の短冊状の形に切り出します。
肉厚は薄い方が使い易いです。水に濡らして使用します。
ⅲ) 使い方は、片手のみで行う方法と、両手を使う方法が有ります。どちらの方法を選
ぶかわ自由ですが(最初に教わった方法を選ぶ場合が多い)一長一短があります。
a) 両手を使う方法。
右手の人差し指と中指でチョキを作り、皮の一端を挟み込みます。反対側は左手親指
と中指で摘みます。皮の中間を右手の親指で上から軽く押さえ、左手の人差し指で
右手の親指と人差し指の中間を押し上げ小さな輪を作ります。この輪で作品の口の内
外を摘み拭く事で綺麗に仕上げます。即ち、右手の親指と人差し指で摘み、その間に
皮が存在する事になります。皮の反対側を軽く摘むのは、轆轤の回転によって、皮が
持って行かれるのを防ぐ為です。皮で拭く時間は轆轤が二回転する程度です。
注意点は、皮は右手の指先近辺で使う事です。又左手で持つ皮を強く引っ張ると、
皮の輪が直線状になり、摘み難くなると同時に、縁を上から押す事になりますので
口縁が押し潰された状態になります。又指先で摘む際には、皮の幅(約2cm)
の全体ではなく、指をやや斜めにして一部を使います。これは皮と土の摩擦を少なく
する為です。更に、右手の小指と中指を折って、作品に触れない様にします。
この方法の長所は、摘みに必要な指以外が作品から遠く退避出来る事です。
注意事項は、口縁が凸凹では、縁全体を拭く事ができませんので、なるべく口縁の
高さを揃える事です。更に、強く摘まむと肉厚が薄く成り過ぎますので、力の入れ
方も重要です。口縁の一部に円周状に筋が入る場合があります。これは拭いた所と
拭かれていない所が混在するからです。湯呑の様に口を付ける場所はなるたけ丸味を
付けます。角張ると唇に当たって痛いです。
尚、摘まむ指を捻る事で、口を開いたり閉じたりできます。即ち摘まんだ人差し指を
上に、親指を下に移動させれば、縁が開く事に成り(端反り)、逆に親指を上に人差
し指を下に移動させれば、縁が閉じる事になります。
b) 片手で口縁を拭く
右手中指と人指す指で、濡らした皮の一端をチョキで摘まむのは同じです。
他端を右手親指と薬指で摘まんで持ちます。両端を少し近付けて輪を作り、この輪で
口縁を摘まんで拭きます。
注意点は、皮で拭く際轆轤の回転で、持って行かされない様にする事です。
更に、右手の薬指が作品の近くに来ますので、指がぶつからない様にします。
c) なめし革で口縁を拭く場合、口縁が垂直の方が拭き易くなります。
逆に、お皿の様に口縁が斜め方向に成ると、斜め上から下に押す様になりますので
失敗し易いです。その際、皮を持つ親指を皿の下側から支える様にしてから、人差し
指を皿の内側に回し込んで拭くと失敗は少なくなります。難しい場合には完全に皿状
になる前に、皮を使いその後に平たい皿に仕上げます。
d) なめし革で、作品の表面を拭く方法。
上記の短冊状の皮で拭く場合は、皮の両端を両手で持ち、ピント伸ばして作品の表面
に押し当て、轆轤を回転させながら撫ぜる様に拭きます。その際、皮を上に移動する
場合と、下に移動する方法が有りますが、いずれの方法でもOKです。
尚、面積の広いなめし革を使う場合には、左手に持ち(時計回転の時)作品に強く
押し付けずに撫ぜる様に拭きます。
以下次回に続きます。