必須な用具(道具)(前回の続きです)
④ スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)、切り糸、スポンジ。
作品の大きさを測定するのは、作品を作る上で重要です。又、陶器類は乾燥、焼成
によって、作った寸法より確実に収縮します。更に、焼成温度によっても、その差が
大きくなります。収縮率(焼き縮)も素地の種類によって、10~20%程と大きな
差があります。但し陶芸材料店等で市販されている土類は、約12~13%程度に
調整された物が多いです。縦横高さ共同率で縮ますので、体積では7割程度と成りま
す。その為、実際に出来上がる寸法より、径、高さ等も大きくする必要があります。
ⅰ) スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)。
a) 定規(物差し)は、20又は30cm程度が測る事が出来れば十分です。
(100円ショップで入手可能です。)
それ以上を測定するには、巻き尺が便利です。材質は竹やプラスチックよりも
ステンレス製が汚れに強い為適します。作品制作途中で使いますので、泥が付き
目盛りが読み難くなります。必要な位置をマジック等で印を付けて置くと便利
です。尚、マジックは油絵具で使用する、ペインテングオイルをテッシュ等に
含ませて、拭けば簡単に取れます。
b) 陶尺は、土類がどの位縮まるかを示すスケールです。
市販されている物は見掛けた事はありません。一般にご自分で使う土を使い、
ご自分の窯で焼いて作ります。
作り方は以下の通りです。(以前にもご紹介したと思いますが、再度述べます)
イ)使用する土で、厚み10~15mmのタタラ(陶板)を幅3cm程度、長さ
20~30cm程度に切り出します。
使用する土が数種類ある場合、陶尺はその数だけ作る必要があります。
ロ)上記タタラの右又は左端に0.5又は1cmの幅で、目盛りを付けます。
5、10、15、20cmの目盛りは目立つ様に長めの目盛りにします。
ハ) 乾燥後、使用する温度で無釉で本焼きします。
タタラは確実に縮小しています。どの位縮んでいるかわは、正規の定規を
当てれば判明します。
ニ) 上記タタラの目盛りの他端に、正規の目盛りをマジック等で印を付ける。
使い方は、作品を正規の目盛りで測定した物が、焼成後、反対側の目盛りに
焼き上がる事が判ります。
c) スケールで測定するのは、作品の高さと、口径の大きさです。胴体や首の
太さを測る道具は、コンパスです。
口径は多くの場合、外々を測ります。胴体の太さを測るには、コンパスを使い
ます。コンパスには、外側を測る外パスと、器の内側の径を測る内パスがあり
ます。いずれも鉄製で市販されています。当然、コンパスには目盛りは有りませ
んので以下の様に使います。
コンパスの両先端で作品を挟み込み、その状態で作品から離し、スケールを当て
てその間隔を測ります。逆に先に必要な寸法まで両端を開きこれを作品に当て
その隙間の度合いを測ります。(隙間が無ければその寸法に成っている事になり
ます。)
d) トンボは、口径と深さを同時に測る道具です。
同じ形状の器を多数作る際には便利な道具ですが、異形な物を一個作る際には
必ずしも必要ではありません。竹製の物が市販されています。
構造は器の深さを測る縦の棒と、その棒の中程に2~3個の穴があり、その穴に
必要な径(内、外)を測る横棒(ヒゴ状)を差し込みます。
縦棒の最上段に持ちてとなる部分を取り付けます。
異なる器を作るには、縦棒と横棒は長さの異なる数種が必要です。
以下次回に続きます。