わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動ろくろ10(轆轤作業に必要な用具類5)

2019-07-13 14:48:15 | 続 電動ろくろに付いて

必須な用具(道具)(前回の続きです)

 ④ スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)、切り糸、スポンジ。

  作品の大きさを測定するのは、作品を作る上で重要です。又、陶器類は乾燥、焼成

  によって、作った寸法より確実に収縮します。更に、焼成温度によっても、その差が

  大きくなります。収縮率(焼き縮)も素地の種類によって、10~20%程と大きな

  差があります。但し陶芸材料店等で市販されている土類は、約12~13%程度に

  調整された物が多いです。縦横高さ共同率で縮ますので、体積では7割程度と成りま

  す。その為、実際に出来上がる寸法より、径、高さ等も大きくする必要があります。

  ⅰ) スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)。

   a) 定規(物差し)は、20又は30cm程度が測る事が出来れば十分です。

    (100円ショップで入手可能です。)

    それ以上を測定するには、巻き尺が便利です。材質は竹やプラスチックよりも

    ステンレス製が汚れに強い為適します。作品制作途中で使いますので、泥が付き

    目盛りが読み難くなります。必要な位置をマジック等で印を付けて置くと便利

    です。尚、マジックは油絵具で使用する、ペインテングオイルをテッシュ等に

    含ませて、拭けば簡単に取れます。

   b) 陶尺は、土類がどの位縮まるかを示すスケールです。

    市販されている物は見掛けた事はありません。一般にご自分で使う土を使い、

    ご自分の窯で焼いて作ります。

    作り方は以下の通りです。(以前にもご紹介したと思いますが、再度述べます)

    イ)使用する土で、厚み10~15mmのタタラ(陶板)を幅3cm程度、長さ

     20~30cm程度に切り出します。

     使用する土が数種類ある場合、陶尺はその数だけ作る必要があります。

    ロ)上記タタラの右又は左端に0.5又は1cmの幅で、目盛りを付けます。

     5、10、15、20cmの目盛りは目立つ様に長めの目盛りにします。

    ハ) 乾燥後、使用する温度で無釉で本焼きします。

     タタラは確実に縮小しています。どの位縮んでいるかわは、正規の定規を

     当てれば判明します。

    ニ) 上記タタラの目盛りの他端に、正規の目盛りをマジック等で印を付ける。

     使い方は、作品を正規の目盛りで測定した物が、焼成後、反対側の目盛りに

     焼き上がる事が判ります。    

   c) スケールで測定するのは、作品の高さと、口径の大きさです。胴体や首の

    太さを測る道具は、コンパスです。

    口径は多くの場合、外々を測ります。胴体の太さを測るには、コンパスを使い

    ます。コンパスには、外側を測る外パスと、器の内側の径を測る内パスがあり

    ます。いずれも鉄製で市販されています。当然、コンパスには目盛りは有りませ

    んので以下の様に使います。

    コンパスの両先端で作品を挟み込み、その状態で作品から離し、スケールを当て

    てその間隔を測ります。逆に先に必要な寸法まで両端を開きこれを作品に当て

    その隙間の度合いを測ります。(隙間が無ければその寸法に成っている事になり

    ます。)

   d) トンボは、口径と深さを同時に測る道具です。

    同じ形状の器を多数作る際には便利な道具ですが、異形な物を一個作る際には

    必ずしも必要ではありません。竹製の物が市販されています。

    構造は器の深さを測る縦の棒と、その棒の中程に2~3個の穴があり、その穴に

    必要な径(内、外)を測る横棒(ヒゴ状)を差し込みます。

    縦棒の最上段に持ちてとなる部分を取り付けます。

    異なる器を作るには、縦棒と横棒は長さの異なる数種が必要です。

以下次回に続きます。

    

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