1) 必須な用具(道具) (前回の続きです)
③ 竹へら(箆)
竹を割って平にした物です。主に作品の形を整えたり、作品の裾野に付いた不要な土を
取り除いたりします。その他、「へら目」と言い作品の胴体部分に押し当て凹み模様
を作る時に利用します。使い方は、表面を水に濡らし、良く滑る様にして使います。
尚、へらには竹製ではなく、金属製の「金ベラ」も存在しますが、用途は若干異なります
ⅰ)「なぜ(撫ぜ)べら」と「切りべら」
幅15~20mm程度で、長さ20cm程度が使い易いです。先端は尖らします。
縦の中心線のより左右対称に、やや円弧状に丸めた形が「なぜへら」です。
斜め直線にナイフ状にカットされているのが、「切りべら」です。いずれも陶芸材料店
で入手可能ですが、出来ればご自分で制作してください。竹の中央部分は肉厚にし、
端に行く程(エッジ部分)肉薄にします。又ヘラの先端部分も肉薄にした方が使い易い
です。
「なぜべら」又は「切りべら」専用にするには、へらの後ろの部分は、軸に対して直角
に切っておきます。この形状も別の使い方があります。
尚一本の竹へらの両端を使い、「なぜベラ」と「切りベラ」の両方を作る事も出来ます
竹は皮側と内(身)側とに別れますが、一般に皮側の方が、滑りが良いので皮側を使う
事が多いです。
ⅱ) 竹へらの使い方。
a) へらの先端を使う。
持ち方は鉛筆持ちです。その際、へらが振れない様に、他の手を添えて使います。
へらの先端を使う場面は、ろくろ挽し出来上がった作品は、裾野には大量の不用の
土が付いていますので、竹へらで剥ぎ取ります。この作業を省略すると、底割れ
や、底周辺に「ヒビ」が入り易くなります。即ち、底の角を面取りしていないと、
その角から乾燥が起こり底中心に向かって「ヒビ」が伸びて行きます。
なぜなら、底周辺には肉薄の不用な物と、鋭角な角が出来易いです。乾燥はこの
鋭角部分より始まります。更に面取りしないと、肉厚になり収縮量も多くなり
より「ヒビ」が」入り易くなります。「ヒビ」はどんどん発達します。
(初心者ほど、不用な土は多くなります。)
作品を切り糸で切り離す際、切り口を固定する為に使います。
勿論、手慣れた人ならば、竹へらでは無く、ご自分の親指の爪を使います。
竹へらの先端部分を切り口に押し当て5mm以上の溝を設け、ここに糸(シッピキ)
を通し切り離します。即ち、糸の通る位置を決めます。尚上手に切る為には、
切り口がその外側より、高くなければなりません。周囲が高いと、この高さで糸が
入る事に 成り、底抜けになる可能性があります。その為、へらの先端を切り口に
当てた状態で竹へらの尻を下に落とし込みます。
ⅱ) 竹へらの側面を使う。
「なぜへら」」では、先端付近の丸味のある側面を使い、「切りへら」ではナイフ
状の刃の部分を使います。側面が丸味のある場合は「なぜへら」を、垂直の場合に
は「切りべら」を使い形を整える際に行います。作品の表面のドベ(泥)を取り
除く様に、力を入れ過ぎずに、撫ぜる様に使います。基本的には直径を小さくなる
様になります。
ⅲ) 「木へら」について。
竹へらと同じ様な道具に、木製のへらがあります。主に手捻りで使う事が多いです。
指先では細工し難いや修正する際に使用します。多種多様の種類が有り、陶芸
材料店でも、入手可能です。電動ろくろでは比較的出番は少ないです。
以下次回に続きます。