わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る46(蓋物4、丼を作る1)

2013-03-20 17:43:54 | 陶芸入門(初級、中級編)

丼(どんぶり)は何処の家にも一つ位はある食器です。

 小さな器(小丼、10cm未満)から20~25cm程度の大きさの器まで、大きさはまちまちです。

  注: 丼と鉢は似た様な形をしておりますが、一般に底の部分が広めで、高さ(深さ)のある器を

     丼と言います。(厳密な定義は無いようですが・・)

     又、ご飯茶碗にも似た形ですが、茶碗が常に手に持つ必要性があり、軽く作られているのに

     対し、丼は必ずしも手に持つ事が少ない為、やや肉厚で重みがあり、中の料理が冷め難く

     なっています。

1) 丼は御新香や煮物を入れたりする物と、うどんや蕎麦、ラーメンなどの麺類を入れる容器として

   使われる他、所謂(いわゆる)丼物として、ご飯とおかずを一つに盛り付ける器として使用されます

   注:丼物(どんぶりもの)として、天丼、親子丼、かつ丼、海鮮丼、うな丼、中華丼、牛丼など多種類

      の丼物があります。

2) 丼には、蓋の付いた物がありますが、主に上記丼物と呼ばれる料理を入れる器の場合が顕著

   です。 麺類用の丼では蓋が無いのが普通です。

   丼物の形は他の丼とはかなり異なります。即ち口縁が極端な端反りに成っていて、その端反りの

   部分が蓋受けと成っています。

   又、丼を持って食する事もありますので、極端に大きくて、重たい事はありません。

   高台もやや高めの撥高台に成っています。

3) 蓋の無い丼は、蕎麦やうどん用の丼の様に、口縁が垂直に立ち上がっている形が多く、

   口径は20cm前後で、やや深めに出来ています。主に汁が一緒に入りますので、高台部も

   広く、安定感のある作りに成っている必要があります。

   ラーメン丼(鉢)は、底が狭く口縁が外に開いている形が多く、口径も20cm以上の物です。

   但し、高さ(深さ)は蕎麦などの麺類用の丼よりも、やや浅めになります。

4) 蓋付きの丼物用の器を作る。一般的には、電動轆轤挽きで作る事が多いです。

  ① 本体(身)を作る。

   ) 本体側に特別の蓋受けを作りません。底をやや広めに取ったら、土を上に伸ばしてから

      上部に行くほど径を広げます。丼の容量によって、直径と高さを決めます。

   ) 端反りの量は2~4cm程度と広く取る。この部が蓋受けと成ります。

       端反り部はやや内側に湾曲した形にし、蓋の移動を防ぎます。

   ) 端反り部の中央の径をコンパスで計っておきます。この寸法が蓋の直径に成ります。      

  ② 蓋を作る。

     蓋の形状は「こんもり」した山型にし、載せた具が十分収まる様にします。

   ) 蓋は天地を逆さにして作ります。即ち下側を摘み部分にします。

      摘み部分を削り出すか、後付けにするかによって、下部の肉厚に差が出ます。

      丼物用の蓋は蓋を取ったら逆さに置き、皿代わりに使う事が多く、摘みの直径も大きく

      3~5cm程度にします。摘みも撥形の輪高台風にし手の滑りを予防します。

      高さも 2~3cm程度とかなり高く、3~5本の指で安定して摘みあげます。

   ) 作り方は、やや深めの皿状とし、口縁は垂直にします。

      蓋の大きさは、本体を作った時に、計って置いた寸法で、本体の端反り部のおよそ中央に

      位置する大きさにします。この作り方では、蓋の寸法が少々狂っていても、さほど問題に

      成りません。

   ③ 本体と蓋を削る。

      本体の底は撥高台風に仕上げ、安定感を持たせます。

      摘み部分を削り出す場合には、摘み部分が肉厚に成っていますから、十分乾燥後に行い

      ます。 付ける場合には、摘み部を別に作り、蓋に接着する方法と、蓋の頂点に軟らかい

      土を載せ轆轤挽きする方法があります。後者の方法はやや熟練を要しますが、蓋の中心に

      摘みが付く事と、蓋の状態を見ながら、摘みの大きさや形を決められる利点があります。

以下次回に続きます。

   

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