丼(どんぶり)は何処の家にも一つ位はある食器です。
小さな器(小丼、10cm未満)から20~25cm程度の大きさの器まで、大きさはまちまちです。
注: 丼と鉢は似た様な形をしておりますが、一般に底の部分が広めで、高さ(深さ)のある器を
丼と言います。(厳密な定義は無いようですが・・)
又、ご飯茶碗にも似た形ですが、茶碗が常に手に持つ必要性があり、軽く作られているのに
対し、丼は必ずしも手に持つ事が少ない為、やや肉厚で重みがあり、中の料理が冷め難く
なっています。
1) 丼は御新香や煮物を入れたりする物と、うどんや蕎麦、ラーメンなどの麺類を入れる容器として
使われる他、所謂(いわゆる)丼物として、ご飯とおかずを一つに盛り付ける器として使用されます
注:丼物(どんぶりもの)として、天丼、親子丼、かつ丼、海鮮丼、うな丼、中華丼、牛丼など多種類
の丼物があります。
2) 丼には、蓋の付いた物がありますが、主に上記丼物と呼ばれる料理を入れる器の場合が顕著
です。 麺類用の丼では蓋が無いのが普通です。
丼物の形は他の丼とはかなり異なります。即ち口縁が極端な端反りに成っていて、その端反りの
部分が蓋受けと成っています。
又、丼を持って食する事もありますので、極端に大きくて、重たい事はありません。
高台もやや高めの撥高台に成っています。
3) 蓋の無い丼は、蕎麦やうどん用の丼の様に、口縁が垂直に立ち上がっている形が多く、
口径は20cm前後で、やや深めに出来ています。主に汁が一緒に入りますので、高台部も
広く、安定感のある作りに成っている必要があります。
ラーメン丼(鉢)は、底が狭く口縁が外に開いている形が多く、口径も20cm以上の物です。
但し、高さ(深さ)は蕎麦などの麺類用の丼よりも、やや浅めになります。
4) 蓋付きの丼物用の器を作る。一般的には、電動轆轤挽きで作る事が多いです。
① 本体(身)を作る。
) 本体側に特別の蓋受けを作りません。底をやや広めに取ったら、土を上に伸ばしてから
上部に行くほど径を広げます。丼の容量によって、直径と高さを決めます。
) 端反りの量は2~4cm程度と広く取る。この部が蓋受けと成ります。
端反り部はやや内側に湾曲した形にし、蓋の移動を防ぎます。
) 端反り部の中央の径をコンパスで計っておきます。この寸法が蓋の直径に成ります。
② 蓋を作る。
蓋の形状は「こんもり」した山型にし、載せた具が十分収まる様にします。
) 蓋は天地を逆さにして作ります。即ち下側を摘み部分にします。
摘み部分を削り出すか、後付けにするかによって、下部の肉厚に差が出ます。
丼物用の蓋は蓋を取ったら逆さに置き、皿代わりに使う事が多く、摘みの直径も大きく
3~5cm程度にします。摘みも撥形の輪高台風にし手の滑りを予防します。
高さも 2~3cm程度とかなり高く、3~5本の指で安定して摘みあげます。
) 作り方は、やや深めの皿状とし、口縁は垂直にします。
蓋の大きさは、本体を作った時に、計って置いた寸法で、本体の端反り部のおよそ中央に
位置する大きさにします。この作り方では、蓋の寸法が少々狂っていても、さほど問題に
成りません。
③ 本体と蓋を削る。
本体の底は撥高台風に仕上げ、安定感を持たせます。
摘み部分を削り出す場合には、摘み部分が肉厚に成っていますから、十分乾燥後に行い
ます。 付ける場合には、摘み部を別に作り、蓋に接着する方法と、蓋の頂点に軟らかい
土を載せ轆轤挽きする方法があります。後者の方法はやや熟練を要しますが、蓋の中心に
摘みが付く事と、蓋の状態を見ながら、摘みの大きさや形を決められる利点があります。
以下次回に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます