わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

本焼き (酸化、還元)

2008-06-03 16:15:22 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
窯焚きをする場合、今現在 酸化炎か、還元炎か、中性炎で焚いてるかを、把握し

て置かなければなりません。

 (電気窯の場合は、還元装置が付いていなければ、常に酸化です)

 ・ 酸化炎か、還元炎かを決める温度範囲は、最大で900℃~1200℃で

  一般的には、950℃~1180℃ の範囲です。(陶器の場合)

 ・ 作品の表面の釉薬が「ガラス化」する前に、酸化、還元の状態に保持して

   おく必要があります。表面が完全に「ガラス化」すると、酸素も炭素も釉薬

   の中に、ほとんど入り込めません。

 ・ 絶対に酸化炎で焚く範囲は、1200℃以上です。

   ほとんどの釉薬は1200℃で表面が完全に「ガラス化」すると言われて

   います。(陶器の場合)

   (この範囲は強酸化炎にします、還元炎にすると、炭素成分が若干入り、

    釉薬が汚れるます)

 ・ その他の温度範囲は、一番温度上昇率が良い、中性炎で炊きます。

 1) 酸化とは

   イ)地球上に有る、ほぼ全ての鉱物(粘土、釉薬の原料)は、空気中の酸素

    に触れて、酸化物になっています。

    (酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化錫、酸化マンガン、酸化チタン、酸化

     コバルト、酸化カルシュウム、酸化ナトリュウム、各種灰等々です)

    ・それ故 炎の出ない(炭素成分が無い)電気窯では、必然的に酸化と

     なります。

    ・炎の出る燃料(薪、ガス、油)を使っても、酸素の供給量を十分確保

     すれば、酸化炎(酸化)になります。

 2) 還元とは

   イ)酸化された鉱物が、鉱物本来の色(姿)に戻る事です。

   ロ)それ故、還元の強さによって同じ物質でも、変化に富んだ色と成ります

    鉄では、黒、赤、褐色、黄色、灰色、その他複雑な色に成ります。

    銅では、緑、紫、赤で、その他黒等になる場合もあります。

    その他、石灰系透明釉も、酸化より「グレー」に仕上がります。

   ハ)炎の出る燃料は炭素(化学記号=C)を含み、燃焼によって一酸化炭素

    (C O)が発生し、更に前記鉱物中の酸素を奪い、二酸化炭素(C O2)とな

    って排出されます。

   ニ)還元炎にするには、燃料を少しづつ増やし(一度に増やすと、温度上昇

    は鈍り、場合によっては、温度が下がりますので、注意)、同時に酸素の

    供給量を減らします。(一般的には、煙突の引きを弱くします)

    還元炎にすると一般に温度上昇は、鈍ります。

   ホ)窯変など、思いがけない色が出ますが、難点は再現性に乏しい事です。

     なるべく、窯詰めや焼成データー等、記録を取る事により、安定的な

     再現性を目指してください。
   

 
    私の H P 明窓窯です. 興味が有りましたら、御覧下さい。
 
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