引き続き、窯焚き一生の話を、続けます。
6) 少ない燃料と、短い時間で、窯を焚く
⑦ 窯を冷やすのも、窯焚きの内
窯焚きは、温度を上げる時以外にも、窯を冷ます際にも、十分気を付ける必要があります。
「窯を冷やすのも、窯焚きの内」と言う諺が、ある様に、冷まし方次第で、作品の出来具合は、
大きく変化します。
) 特に結晶釉を使う場合には、ある温度を保持しながら、ゆっくり窯を冷やし、結晶を成長させます。
当然、容量の大きな窯が、冷却速度は遅くなりますし、窯の壁の厚みも、大きく関係して
きます。自然冷却では、早く温度が下がる、小型の窯では、燃料(電気)を減らしながら、
点火したまま温度を、徐々に下げます。 徐冷の温度範囲や、時間などは、釉の成分によって、
差が有ります。
) 釉の中には、急冷した方が、良い発色をするものもあります。
当然、容積の小さな窯や、壁の厚みが薄い窯では、急冷し易いです。
) 一度の窯焚きで、両方の釉を使う事も、稀ではありません。(基本的には、分けて窯を焚く
べきですが)対策として、窯詰めの際に、位置を変えます。
即ち、窯の上部は、冷却スピードが遅く、下部ではスピードが速い事を、利用します。
結晶釉は上部に、早く冷却したい作品は、下部に置きます。
別の方法に、早く冷却する作品は、窯が完全に冷える(一般に100℃以下)前に、
窯から強制的に、引き出す事です。
少し危険ですが、早めに窯の扉を少しずつ、開いて行きます。窯の温度が、300℃を切ると、
扉を完全に開いても、安全と言われていますが、その前より徐々に扉を開けて行きます。
但し、早めに扉を開けると、作品に貫入(かんにゅう=小さなひび)が入り易いです。
) 冷却スピードは、作品の周囲の状況によっても、左右されます。
即ち、スピードを遅くするには、熱容量の大きな作品(肉が厚くて、大きな作品など)や、
耐火煉瓦、棚板などを、傍に置く事です。棚板を二枚重ねにして、使用する手もあります。
作品を蜜に、窯詰めするのも、一つの方法です。
逆にスピードを速めるには、外気が入り易い所や、窯の壁際に置いたり、周りに多くの作品を
置かずいに、まばらに、作品を置く事です。
⑧ 温度上昇速度や、酸化、還元等の雰囲気は、毎回変化します。
窯焚きが難しく、窯焚き一生と言われる、所以は、窯が一定にならず、毎回変化する事です。
逆に、この変化が予想出来ない事が、窯焚きの魅力かも知れません。
) 過去のデータは、必ずしもそのまま再現してくれる、保障はありません。
同じ手順と、調整を施しても、まるっきし違って、焼き上がる事さえあります。
いくら、詳細のデータであっても、窯出し時には、不安と期待が入り混じった感情に成ります。
) 一度点火してしまうと、基本的には、「後は窯任せ(神任せ)」となります。
焼成中には、状況に応じて、前に述べた様な各種の、調整方法がありますが、必ずしも、
意のままには成らないのが、窯焚きです。
) 窯の中は、一様ではない
窯の各部分(位置)は、その位置特有の焼成をする事が、多いです。
「この釉は、この位置で最も良く発色する」と言う所があるはずです。他の場所では、
まったく感じが違ってしまう事もあります。
又、「この位置は、還元が強く出る」と言うところや、「この位置は、他の場所より、温度が
高くなり易い」と言う場所もある事でしょう。更に、作品の半分で色が変化してしまう所も
有ります。 長年一つの窯を焚いていると、この様な事は解かってきます。
これがその窯特有の癖(くせ)ともいえます。早くその窯特有の癖を、見つける事は、
焼きで失敗しない為にも、必要な事です。
話が、いまいち要領を得ないと、感じている方も多いと思いますので、次回は今までの要点を、整理して
お話したいと、思います。
以下次回に続きます。
6) 少ない燃料と、短い時間で、窯を焚く
⑦ 窯を冷やすのも、窯焚きの内
窯焚きは、温度を上げる時以外にも、窯を冷ます際にも、十分気を付ける必要があります。
「窯を冷やすのも、窯焚きの内」と言う諺が、ある様に、冷まし方次第で、作品の出来具合は、
大きく変化します。
) 特に結晶釉を使う場合には、ある温度を保持しながら、ゆっくり窯を冷やし、結晶を成長させます。
当然、容量の大きな窯が、冷却速度は遅くなりますし、窯の壁の厚みも、大きく関係して
きます。自然冷却では、早く温度が下がる、小型の窯では、燃料(電気)を減らしながら、
点火したまま温度を、徐々に下げます。 徐冷の温度範囲や、時間などは、釉の成分によって、
差が有ります。
) 釉の中には、急冷した方が、良い発色をするものもあります。
当然、容積の小さな窯や、壁の厚みが薄い窯では、急冷し易いです。
) 一度の窯焚きで、両方の釉を使う事も、稀ではありません。(基本的には、分けて窯を焚く
べきですが)対策として、窯詰めの際に、位置を変えます。
即ち、窯の上部は、冷却スピードが遅く、下部ではスピードが速い事を、利用します。
結晶釉は上部に、早く冷却したい作品は、下部に置きます。
別の方法に、早く冷却する作品は、窯が完全に冷える(一般に100℃以下)前に、
窯から強制的に、引き出す事です。
少し危険ですが、早めに窯の扉を少しずつ、開いて行きます。窯の温度が、300℃を切ると、
扉を完全に開いても、安全と言われていますが、その前より徐々に扉を開けて行きます。
但し、早めに扉を開けると、作品に貫入(かんにゅう=小さなひび)が入り易いです。
) 冷却スピードは、作品の周囲の状況によっても、左右されます。
即ち、スピードを遅くするには、熱容量の大きな作品(肉が厚くて、大きな作品など)や、
耐火煉瓦、棚板などを、傍に置く事です。棚板を二枚重ねにして、使用する手もあります。
作品を蜜に、窯詰めするのも、一つの方法です。
逆にスピードを速めるには、外気が入り易い所や、窯の壁際に置いたり、周りに多くの作品を
置かずいに、まばらに、作品を置く事です。
⑧ 温度上昇速度や、酸化、還元等の雰囲気は、毎回変化します。
窯焚きが難しく、窯焚き一生と言われる、所以は、窯が一定にならず、毎回変化する事です。
逆に、この変化が予想出来ない事が、窯焚きの魅力かも知れません。
) 過去のデータは、必ずしもそのまま再現してくれる、保障はありません。
同じ手順と、調整を施しても、まるっきし違って、焼き上がる事さえあります。
いくら、詳細のデータであっても、窯出し時には、不安と期待が入り混じった感情に成ります。
) 一度点火してしまうと、基本的には、「後は窯任せ(神任せ)」となります。
焼成中には、状況に応じて、前に述べた様な各種の、調整方法がありますが、必ずしも、
意のままには成らないのが、窯焚きです。
) 窯の中は、一様ではない
窯の各部分(位置)は、その位置特有の焼成をする事が、多いです。
「この釉は、この位置で最も良く発色する」と言う所があるはずです。他の場所では、
まったく感じが違ってしまう事もあります。
又、「この位置は、還元が強く出る」と言うところや、「この位置は、他の場所より、温度が
高くなり易い」と言う場所もある事でしょう。更に、作品の半分で色が変化してしまう所も
有ります。 長年一つの窯を焚いていると、この様な事は解かってきます。
これがその窯特有の癖(くせ)ともいえます。早くその窯特有の癖を、見つける事は、
焼きで失敗しない為にも、必要な事です。
話が、いまいち要領を得ないと、感じている方も多いと思いますので、次回は今までの要点を、整理して
お話したいと、思います。
以下次回に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます