わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯焚き一生12(窯の改造)

2011-07-12 21:33:47 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
引き続き、窯焚き一生の話を、続けます。

7) 窯の改造

  納得の行く焼き上がりに、成らない場合には、窯を改造する事もあります。

  ご自分で、築いた窯ならば、容易に改造する事も、可能ですが、市販のメーカーの窯を購入した

  場合には、改造するのは、大変ですが、いくつかの事なら、窯をいじる事も可能です。

  但し、容積を増やす様に、改造する事は、大改造に成ってしまいますので、まず行わない方が良い
 
  でしょう。又改造したからといって、理想の状態に成るとは、限りません。一度焼成しないと、

  結果はわかりません。

 ・よく「窯を焚いていて、暑くは有りませんか?」と言う質問を、受ける事がありますが、

  窯焚き中は、暑くは有りません。窯が暑い様では、熱がどんどん外に、逃げている状態ですので、

   窯の壁が薄い証拠で、熱が無駄になっています。

   但し、窯が冷える段階では、外部に熱を放出しますので、窯は暑くなります。

 ① 窯の冷えを遅くする

   結晶釉の様に、徐冷する為には、燃料や電気を供給しながら、冷ます事も出来ますが、窯の壁を

   厚くする事によって、窯の冷えを遅くする事も出来ます。

   小型の窯や、壁の薄い窯は、冷えが早いです。そこで、窯の外側を断熱材で覆います。

   但し、軽量耐熱レンガですと、厚みが厚くなりますので、他の断熱材を使うと良いです。

  ) 断熱材シリカボード(例:610*300*25mm)

    しっかりしたボード(板)状で、カッターなどの刃物で、簡単に切れますので、容易に細工出来

    貼り付ける事が出来ます。平らな面が多い場合に、向いてます。

  ) セラミック・ウール(耐火断熱パキン)

    窯の扉や蓋の周囲に、取り付けられている場合が多いです。柔軟性のある、シート状に成って

    いる為、円筒形の窯等に、向いています。又、専用のウール接着材もありますので、上手に

    取り付ける事が、可能に成ります。

 ② 煙突を高くして、引きを強くする。

   前にもお話した様に、引きの弱い窯は、窯をコントロールするのが、難しいのが普通です。

   それ故、引きを強くする為には、煙突を高くするのが、一番簡単な方法と思われます。

   但し、レンガを積み上げた物や、コンクリート製の煙突では、やや困難ですが、ステンレス製の

   断面が丸い筒状の煙突ならば、途中に繋げて、高くする事が出来ます。

   この丸い煙突は、繋げる様に作られていますので、作業は割合容易です。

 ③ 簡易ガスバーナーを取り付ける

   電気の窯では、酸化焼成専門の窯と。還元可能の窯があります。

   酸化専門の窯の場合、還元焼成する為に、窯の下部や横方向の壁に、穴を開けガスバーナーを、

   差し込む様にします。出来れば、バーナーを保持する取り付け台も、作りたいです。

  ・ 但し、電熱線に直接ガス(炎)が当たると、電線を傷め、寿命が短く成りますから、注意の事。

 ④ その他の改造、

  ) 熱電対温度計の場所を変える

  ) 楽焼も焼ける様に、窯の一部に取り出し口(差し込口)を新設する

  ) その他、必要に応じて改造する。

以下次回に続きます。

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