地球上にいる(又は、ある)あらゆる生物や鉱物は、時の経過とともに一定の法則の下で変化して
行きます。これを経年変化(けいねんへんか)と言います。
1) 経年変化。
① 経年変化が起きる理由。
) 空気中の酸素に触れ、酸化作用(錆びる事)を受けます。但し酸素は地中や水中にも
存在しますが、大気中ほど多くはありません。
身近な例として、鉄に錆び(さび)が発生したり、神社仏閣の銅葺の屋根が緑色に変色
(酸化)します。古代卑弥呼の時代の鏡も、従来赤銅色であったものが、発掘された時には
緑青(ろくしょう)を発しています。
) 酸素は地中や水中にも存在します。更に地中には、熱水や塩分、硫黄などの酸が存在し、
鉱物などに変化を与えます。これを風化といいます。地中に長く放置された陶磁器などの
発掘物も、風化現象を伴うのが普通です。
川の中では、水流の力により削り取られ、角が丸くなるなど、変形する事もあります。
) 太陽の光の影響も多く関係しています。特に紫外線は生物に大きな影響を与え、老ける
原因になります。紙や布なども紫外線の影響を強く受け変色し、場合によっては「ボロボロ」
に成る場合も多いです。(美術館でストロボ撮影を禁じているのは、この為です)
)微生物の影響。
微生物は空気中よりも、地中の方が多く存在します。腐敗菌を含む多くの微生物は、地中に
埋もれた生命体を、時間を掛けて分解し土に戻す働をします。
又、黴(カビ)や昆虫類も、生命体を食料として増殖し、生命体(有機物)を分解します。
陶磁器類でも、貫入部分から黴が進入し変色させたり、貫入部を破壊する事もある様です。
) 茶渋が厚く付いた抹茶茶碗や、貫入に汚れが入った物、口縁の割れや直しの痕など
長い年月使い込まれたと思われる物、これらを使用痕(しようこん)といい、経年変化の
一つです。
上記の様に、「古い物は古く見えます」。 原則的に新作物には、これら経年変化を表す物は、
出現しません。
② 同じ作品であっても、どの様にして世間に出現したかによって、古色の経年変化に差がでます
) 伝世品の中には、今窯から出て来たばかりと、見間違える程、経年変化が見られない
作品もあります。長年大切に扱われ、屋内で保管されていた為、経年変化を逃れた結果です
) 真の発掘品の場合には、「自然風化」が見られます。偽者は、「人工風化」がなされます
尚、自然風化と人工風化については、後日お話します。
③ 新作物に、古色を簡単に付ける事が可能です。
古色を付ける事は、古い物と錯覚を起こさせる為の行為です。その事によりその作品をより
値打ちの有る様に見せかける事が出来ます。
又、現代作や贋作を古陶磁器に見せ掛ける溜、骨董の世界では、古色を付ける事は極く普通に
行われているとの事です。
) 古色を付易い物と、やや付け難い焼き物があります。
古色は陶磁器本体に後から付けた物ですので、本体によって差が出ます。
a) 付け易い物として、陶器が上げられます。表面に凹凸が在る物、焼きが甘い物、貫入が
多い物は、比較的古色が付け易いです。
b) 器(せっき)や磁器は比較的付き難いです。
注: 器とは、無釉の焼締陶器です。土の色が表面に出て入る為、素地の色なのか、
古色なのか判別し難いですし、古色を付ける意味も無いかも知れません。
尚、磁器も高温で焼成されて、貫入はほとんどありません。
) 簡単に見破る事の出来る古色付けと、見分けるのが困難な古色付けがあります。
これらの詳細は順次お話しする予定です。
2) 古色を付ける方法。
以下次回に続きます。
行きます。これを経年変化(けいねんへんか)と言います。
1) 経年変化。
① 経年変化が起きる理由。
) 空気中の酸素に触れ、酸化作用(錆びる事)を受けます。但し酸素は地中や水中にも
存在しますが、大気中ほど多くはありません。
身近な例として、鉄に錆び(さび)が発生したり、神社仏閣の銅葺の屋根が緑色に変色
(酸化)します。古代卑弥呼の時代の鏡も、従来赤銅色であったものが、発掘された時には
緑青(ろくしょう)を発しています。
) 酸素は地中や水中にも存在します。更に地中には、熱水や塩分、硫黄などの酸が存在し、
鉱物などに変化を与えます。これを風化といいます。地中に長く放置された陶磁器などの
発掘物も、風化現象を伴うのが普通です。
川の中では、水流の力により削り取られ、角が丸くなるなど、変形する事もあります。
) 太陽の光の影響も多く関係しています。特に紫外線は生物に大きな影響を与え、老ける
原因になります。紙や布なども紫外線の影響を強く受け変色し、場合によっては「ボロボロ」
に成る場合も多いです。(美術館でストロボ撮影を禁じているのは、この為です)
)微生物の影響。
微生物は空気中よりも、地中の方が多く存在します。腐敗菌を含む多くの微生物は、地中に
埋もれた生命体を、時間を掛けて分解し土に戻す働をします。
又、黴(カビ)や昆虫類も、生命体を食料として増殖し、生命体(有機物)を分解します。
陶磁器類でも、貫入部分から黴が進入し変色させたり、貫入部を破壊する事もある様です。
) 茶渋が厚く付いた抹茶茶碗や、貫入に汚れが入った物、口縁の割れや直しの痕など
長い年月使い込まれたと思われる物、これらを使用痕(しようこん)といい、経年変化の
一つです。
上記の様に、「古い物は古く見えます」。 原則的に新作物には、これら経年変化を表す物は、
出現しません。
② 同じ作品であっても、どの様にして世間に出現したかによって、古色の経年変化に差がでます
) 伝世品の中には、今窯から出て来たばかりと、見間違える程、経年変化が見られない
作品もあります。長年大切に扱われ、屋内で保管されていた為、経年変化を逃れた結果です
) 真の発掘品の場合には、「自然風化」が見られます。偽者は、「人工風化」がなされます
尚、自然風化と人工風化については、後日お話します。
③ 新作物に、古色を簡単に付ける事が可能です。
古色を付ける事は、古い物と錯覚を起こさせる為の行為です。その事によりその作品をより
値打ちの有る様に見せかける事が出来ます。
又、現代作や贋作を古陶磁器に見せ掛ける溜、骨董の世界では、古色を付ける事は極く普通に
行われているとの事です。
) 古色を付易い物と、やや付け難い焼き物があります。
古色は陶磁器本体に後から付けた物ですので、本体によって差が出ます。
a) 付け易い物として、陶器が上げられます。表面に凹凸が在る物、焼きが甘い物、貫入が
多い物は、比較的古色が付け易いです。
b) 器(せっき)や磁器は比較的付き難いです。
注: 器とは、無釉の焼締陶器です。土の色が表面に出て入る為、素地の色なのか、
古色なのか判別し難いですし、古色を付ける意味も無いかも知れません。
尚、磁器も高温で焼成されて、貫入はほとんどありません。
) 簡単に見破る事の出来る古色付けと、見分けるのが困難な古色付けがあります。
これらの詳細は順次お話しする予定です。
2) 古色を付ける方法。
以下次回に続きます。
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