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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道具 香合 6 (国焼き 2)

2010-07-08 22:45:04 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
唐物が、珍重されていた香合も、江戸時代になると、各地の窯場で、多彩な香合が、焼かれる様に

成ります。 この小さな、入れ物は、その独特な形や、独創的な意匠により、茶人以外にも、

鑑賞用として、一般の方のコレクションの、対象にもなりうる、物となります。

 ③ 楽焼: 低い温度で焼く、楽焼の香合も有ります。

     楽焼は、京都だけでなく、各地の新興の窯で、焼かれる様に成ります。特に江戸中期から、

     幕末に掛けて、数多くの香合も焼かれますが、いずれの窯で、焼成されたか、

     不明な物も多い様です。

   ) 一方堂焼、 天保年間(1830~1844年)に、京都嵯峨で焼かれた、色絵陶器や、磁器。楽焼、

     交趾写し等の、鉢、徳利、茶碗、水指などの、茶陶が焼かれ、楽焼の香合も、含まれています。

     作品の多くは、前述の、仁阿弥道八の作では、ないかと言われています。尚、一方堂の印が、

     有ります。

   ) 楽家の香合は、数は少ないが、楽家三代、道入の頃から、作られています。

     九代了入(りょうにゅう)は、文化8年(1811年)に、隠居するまで、香合を作り、その技は、

     巧みな物です。旦入(たんにゅう):了入の次男で、多くの香合を、作っています。印は「楽」。

     楽家では、了入、旦入、慶入と、楽の名工を、輩出し、優れた香合を、作っています。

   )大樋焼: 加賀の窯で、楽焼の脇窯です。大樋焼の特徴は、飴釉で、他に黒釉、緑釉が有り

    楽焼の香合に、施釉されています。印は、「大樋」が、捺されています。

   )隅田川焼き: 文政年間(1818~1830年)以降に、江戸向島の百花園内で、焼かれた楽焼で、

    隅田川の中洲の土を使い、都鳥の絵や形の、香合などは、江戸の名物として、評判を得ます。

    印は「スミタ川」「隅田川製」で、「百花園」は、明治以降の、作品です。

 ④ その他: 朝日焼(京都宇治、印:「朝日」)、赤膚焼(奈良五条、印:「赤ハタ」「赤膚山」、

     萬古焼(桑名、江戸萬古、印:「萬古」)、湊焼(大阪堺、印:「湊」「湊焼」)、

     偕楽園焼(紀州西浜御殿、遠庭焼、印:「偕楽園製」)、古曾部焼(大阪高槻、印:古曾部)

     舞妓焼(兵庫県神戸市、印:「まいこ」)、須磨焼き(兵庫県神戸市、印:「スて」

     高取焼(福岡県、印:「高」)、薩摩焼(平佐焼、鹿児島、印:「平佐」)、平戸焼(長崎、磁器製)、

     九谷焼、正木焼(尾張、印:「正木」)、九朗焼(尾張、印:「九朗」)、常滑焼

     (白鴎、陶然、長三が有名)などです。

   個人名では、清水六兵衛(京都五条坂、印:「清」、「きよ水」)、宝山文三(京都粟田焼、

    印:「宝山」)など多数です。

以上、多くの窯場と、捺された、印や銘に付いて、記しましたが、何かの参考に成れば、喜ばしい事です。

その他、多数の陶工が、手掛けていますので、興味の有る方は、調べて下さい。

以下 次回茶道の「お道具拝見」に付いて、述べます。
     
     
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