わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸家を目指す 15 (焼成依頼2) 

2010-11-30 21:48:05 | 陶芸家を目指す
前回に引き続き、「焼成依頼」の話しをします。

 3) 陶芸仲間からの、本焼き依頼

    一般に、自分の窯を、他の人に、操作させる事は、少ないと思います。むしろ嫌がるでしょう。

    但し、現在、主に薪窯を、指導つきで、貸し出す所も有ります。又、公民館活動のグループでは、

    窯焚きが、当番制の場合も多いです。

    一窯を貸切で、焼成する場合でも、窯の所有者が、窯焚きを、行うのが普通です。

  ① 私の陶芸仲間が、大量(その人にとっては、大量と言う意味です。)の注文を受けました。

    何でも、ある会社からの注文で、新年の挨拶代わりに、その会社の取引先に、配る作品との事
    
    でした。品物は、高さ18cm程度の、花瓶で、個数約250個程度です。

    実際に轆轤挽きした数は、300個だそうです。

  ② 轆轤挽きと、素焼までは、問題ないのですが、その仲間の使っている、窯の容積が小さく、

    何度も、本焼きを繰り返す必要があり、日数的にも、きついとの事で、私の所に、本焼きの依頼が

    来たわけです。

    私の窯でも、その作品だけを、焼成するだけでも、3回程、焼かねば成りませんでした。

  ③ 本焼きですから、釉は本人が持ち込み、私が施釉しました。

    幾つかは、施釉した作品を、テスト焼きし、釉掛けの濃淡や、窯の設定温度等を、決める必要が

    有りました。

  ④ この様な場合、料金はどの様に、見積もるかです。

    基本的には、燃料費、窯の償却費、人件費(手間賃)の合計に成ります。

    ) 燃料費は、実際に掛かった費用です。電気窯なら電気代、ガス窯ならガズ代と成ります。

    ) 窯の償却費では、その窯を取得した時の費用を、その窯の、限界使用回数で、割った値段に

       成ります。(税金上の耐用年数で、表示される、償却費とは、異なります。)

      ・ 例えば、取得費が、150万円で、使用出来る回数が、本焼きが、150回であれば

        一回の窯焚きの、償却費は、1万円と成ります。

    ) 次に手間賃です。作品に釉を掛ける作業や、窯詰め作業、焼成作業、窯出し作業、その他

       完成品と成るまでに、掛かる全ての時間と、時間単価を、かけた(乗じた)金額です。

       但し、この時間単価は、人により、変動が大きいです。又、これを決める事は、結構難しい

       事です。 以上の3項目の、合計金額と成ります。


 窯を所有している場合、焼成依頼が、あるかも知れません。

 その際、どう対応したら良いかを。予め、決めて置く事を。勧めます。

 「焼成依頼」は、受け付けないと言うのも、一つの選択肢ですし、依頼を受ける際には、どの様に
金額を

  提示すれば良いかを、決めて置く事を、考えていた方が、良いでしょう。

 以上で、「焼成依頼」の話を、終わります。


次回からは、もう一つの、収入源と成る、陶芸技術を、人に教えて収入を得る方法について、お話致します。
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