3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。
⑧ 焼成方法。(前回の続きです。)
) 温度が上昇する条件。
バーナーに点火したり、電気のスイッチをONにすると窯の温度はどんどん上がります。
しかし、そのままですと、上昇はどんどん鈍り、ある温度になると完全に停止してしまい
ます。この場合は、燃料や電気量の不足が主な原因ですので、徐々にそれらを増やせば、
確実に温度上昇に転じます。燃料の場合、燃料のみでなく、供給する空気量にも左右され
ますので空気の供給を増やしたり、煙突の引きを弱くする事で、温度上昇させる事も
可能な場合があります。
a) 上昇しない原因を探る。
イ) 窯焚きの初期の場合は、上記の様に燃料不足が主な原因ですが、その他には、窯の熱が
外部に漏れる事が上げられます。即ち、窯焚きの初期では、扉の一部を開放したり、
窯の壁に開けられた小さな穴を開いた状態にしてある為、ここから熱が逃げます。
扉や穴が開いている理由は、作品の素地や釉に含まれている水分を蒸発させ、外に逃がす
必要があるからです。蒸発した水蒸気を外に逃がさないと、水蒸気は冷えている天井や
壁で冷やされ、水滴に成って作品の上に落ちて、汚い斑(まだら)文様を付けてしまい
ますので、必ず外に逃がす事に成ります。電気窯の場合も同様で、多くは天井近くに
穴が付いている事が多いです。水蒸気は何度位まで発生するかですが、素地や釉では
400~500℃程度で無くなりますので、500℃程度で開いた扉や、穴を塞ぐ事に成ります。
但し、生の素地の場合、560℃程度で素地の結晶水が失われますので、素焼きしていない
場合には、590℃程度まで、開けておく必要があります。但し、結晶水による蒸発量は
少ないですので、必ずしも窯の扉や穴を塞ぐ必要はありません。
尚、温度上昇中は、窯の温度も均一では有りません。それ故ある程度の温度幅が必要に
成ります。
ロ) 酸化炎、還元炎、中性炎。
窯を焚く場合、上記三通りの方法があります。多くの場合どの様に焚くかは、窯焚き
前に決めておく場合が多いです。即ち、釉の種類によっては、酸化焼成のみの物、還元
焼成の物、両方でもそれ成りに発色する物があります。それ故、釉の種類によって酸化、
還元、中性炎が選択されます。上記三通りの焼成は、主に950~1180℃程度の範囲の場合に
行います。即ち、釉が熔け始める温度から、釉の表面が熔けガラス質になる迄の温度
範囲です。釉の表面が熔けガラス質で覆われると、釉の内部では、外の雰囲気の影響を
受けなく成るからです。単に温度のみが必要になります。
ハ) 温度が一番良く上昇するのは、中性炎と言われています。
中性炎は、適量の空気量かやや過剰の場合に起こります。
但し、中性炎では窯の中の炎が一定せず。酸化の部分、還元の部分など、場所によって
違いが出易いです。
ニ) 強酸化や強還元焼成では、温度上昇は鈍ります。
空気(酸素)が過剰のものが酸化で、燃料過剰の物が還元焼成になります。
煙突のある窯(燃料を必要とする窯)では、引きの強さに寄って調整する事が多いです。
引きを強くすれば、外部より空気が強く引き込まれ酸化焼成に、引きを弱くすると外から
の空気量が減少し、相対的に燃料過剰になります。特に強還元焼成では、温度が降下する
事も珍しく有りません。引きの強さは、主に煙突の根元にあるダンパーの穴を塞ぎ具合で
調整します。 塞げば酸化、開ければ還元焼成に成ります。
以下次回に続きます。
⑧ 焼成方法。(前回の続きです。)
) 温度が上昇する条件。
バーナーに点火したり、電気のスイッチをONにすると窯の温度はどんどん上がります。
しかし、そのままですと、上昇はどんどん鈍り、ある温度になると完全に停止してしまい
ます。この場合は、燃料や電気量の不足が主な原因ですので、徐々にそれらを増やせば、
確実に温度上昇に転じます。燃料の場合、燃料のみでなく、供給する空気量にも左右され
ますので空気の供給を増やしたり、煙突の引きを弱くする事で、温度上昇させる事も
可能な場合があります。
a) 上昇しない原因を探る。
イ) 窯焚きの初期の場合は、上記の様に燃料不足が主な原因ですが、その他には、窯の熱が
外部に漏れる事が上げられます。即ち、窯焚きの初期では、扉の一部を開放したり、
窯の壁に開けられた小さな穴を開いた状態にしてある為、ここから熱が逃げます。
扉や穴が開いている理由は、作品の素地や釉に含まれている水分を蒸発させ、外に逃がす
必要があるからです。蒸発した水蒸気を外に逃がさないと、水蒸気は冷えている天井や
壁で冷やされ、水滴に成って作品の上に落ちて、汚い斑(まだら)文様を付けてしまい
ますので、必ず外に逃がす事に成ります。電気窯の場合も同様で、多くは天井近くに
穴が付いている事が多いです。水蒸気は何度位まで発生するかですが、素地や釉では
400~500℃程度で無くなりますので、500℃程度で開いた扉や、穴を塞ぐ事に成ります。
但し、生の素地の場合、560℃程度で素地の結晶水が失われますので、素焼きしていない
場合には、590℃程度まで、開けておく必要があります。但し、結晶水による蒸発量は
少ないですので、必ずしも窯の扉や穴を塞ぐ必要はありません。
尚、温度上昇中は、窯の温度も均一では有りません。それ故ある程度の温度幅が必要に
成ります。
ロ) 酸化炎、還元炎、中性炎。
窯を焚く場合、上記三通りの方法があります。多くの場合どの様に焚くかは、窯焚き
前に決めておく場合が多いです。即ち、釉の種類によっては、酸化焼成のみの物、還元
焼成の物、両方でもそれ成りに発色する物があります。それ故、釉の種類によって酸化、
還元、中性炎が選択されます。上記三通りの焼成は、主に950~1180℃程度の範囲の場合に
行います。即ち、釉が熔け始める温度から、釉の表面が熔けガラス質になる迄の温度
範囲です。釉の表面が熔けガラス質で覆われると、釉の内部では、外の雰囲気の影響を
受けなく成るからです。単に温度のみが必要になります。
ハ) 温度が一番良く上昇するのは、中性炎と言われています。
中性炎は、適量の空気量かやや過剰の場合に起こります。
但し、中性炎では窯の中の炎が一定せず。酸化の部分、還元の部分など、場所によって
違いが出易いです。
ニ) 強酸化や強還元焼成では、温度上昇は鈍ります。
空気(酸素)が過剰のものが酸化で、燃料過剰の物が還元焼成になります。
煙突のある窯(燃料を必要とする窯)では、引きの強さに寄って調整する事が多いです。
引きを強くすれば、外部より空気が強く引き込まれ酸化焼成に、引きを弱くすると外から
の空気量が減少し、相対的に燃料過剰になります。特に強還元焼成では、温度が降下する
事も珍しく有りません。引きの強さは、主に煙突の根元にあるダンパーの穴を塞ぎ具合で
調整します。 塞げば酸化、開ければ還元焼成に成ります。
以下次回に続きます。
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