陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない
結果を招く事は多いです。
5) 窯の温度を上げる。
電気窯の場合には、電力(電流量)をあげるに従い、温度は上昇しますが、ガスや灯油の場合には
一概に燃料を増量すれば、温度が上がる訳ではありません。空気量との関係で、むしろ温度が
低下する事も稀では有りません。
① 窯焚きでの一番の失敗は、所定温度まで上がらない事です。
② 窯焚きに掛かる時間は、窯の容量及び窯の壁の厚み、作品の量(窯詰量)と種類(大きさ)、
釉の種類に左右されます。
③ 素焼きと本焼きでは、温度上昇スピードが異なります。
④ 点火直後は窯も冷えていますので、温度は急上昇します。(本焼きの場合です。)
窯の容積(大きさ)にもよりますが、個人で使う窯程度では、最初の1時間で250~300℃程度
まで上昇する事は稀ではありません。急上昇させてもさほど問題になる事はありません。
ⅰ) 200℃を超える当たりから水蒸気が発生します。(以上が前回までの話です。)
ⅱ) 蒸気の発生が無くなったら扉を閉じる。
水蒸気は最初湯気が出る程度です。冬場であれば目に見えますが、夏場ではほとんど見えませ
ん。次第に蒸気量も増えるに従い、目に見えて蒸気抜き穴や扉の隙間より、勢い良く噴出して
きます。特に、施釉直後に窯焚きを行うと顕著ですが、数日後に行うと水蒸気の量は激減しま
す。場合によっては、ほとんど蒸気を認められない事もあります。500℃程度に成れば蒸気は
無くなりますので(実際にはその後も水蒸気は出続けます)、扉や蒸気抜き穴を閉じます。
この間燃料を増やしたり、電流を増やして、温度を急激に上げてもほとんど問題ありません。
尚、窯が室内にある場合は、水蒸気で視界が遮られますので、換気扇を回して外に逃がします。
⑤ 燃料を使用する窯では、温度が上昇し易い窯の雰囲気は、中性炎又は弱酸化炎(又は弱還元
炎)と言われています。
ⅰ) 還元焼成は950℃前後から操作します。(この温度は窯を焚く人によって異なります)
ドラフトやダンパー、バーナーの空気取り入れ等を操作し、煙突の引きと供給燃料のバランス
を取る事により、還元の強弱が決ります。
ⅱ) 還元焼成か酸化焼成の判断は、炎の色と色見穴からの空気の流れから判ります。
即ち、バーナーがら出た炎が綺麗な青色であれば酸化炎になります。赤味が指すに従い還元炎
となります。又酸化焼成の場合には、色見穴へ空気が引き込まれ、還元焼成の場合には、
炎が外に出てきます。出入りの量は還元又は酸化の度合いによって決まります。どちらでも
ない状態では中性炎と見て良いでしょう。
ⅲ) 強酸性や強還元炎の場合には、温度上昇が極端に悪くなります。
温度を上げようとして、燃料を増やしても温度が上がらず、逆に下がる場合もあります。
これは、空気の量が少な過ぎたり、燃料の供給が多過ぎる場合(強還元)に起こり易いです
ので、温度の上昇具合を見ながら、燃料と空気量を調整する必要があります。
ⅳ) 窯の状態を見る時間間隔に付いて。
窯の前に常時くっ付いて、状態を観察するのがベストですが、窯の状態によってある程度
の間隔で窯の様子を観察するだけで大丈夫の事もあります。一般には30分程度に一回見れ
ば良く、温度上昇具合を観察しますが、山場に差し掛かった時には、刻々状態が変化します
ので、張り付いていなければ成りません。具体的な山場とは、点火時から炎が安定するまで
の間、蒸気の発生が無くなり扉などを閉める必要がある場合、温度上昇が鈍く成ってきた
状態、還元焼成を掛ける際、燃料を更に供給する際、最高温度に近づいている状態の時など
です。その他、窯の中ので異常音がした時もしばらく付きっ切りで、様子を見る必要があり
ます。
ⅴ) 温度の上昇スピードは徐々に落ちていきます。
以下次回に続きます。
結果を招く事は多いです。
5) 窯の温度を上げる。
電気窯の場合には、電力(電流量)をあげるに従い、温度は上昇しますが、ガスや灯油の場合には
一概に燃料を増量すれば、温度が上がる訳ではありません。空気量との関係で、むしろ温度が
低下する事も稀では有りません。
① 窯焚きでの一番の失敗は、所定温度まで上がらない事です。
② 窯焚きに掛かる時間は、窯の容量及び窯の壁の厚み、作品の量(窯詰量)と種類(大きさ)、
釉の種類に左右されます。
③ 素焼きと本焼きでは、温度上昇スピードが異なります。
④ 点火直後は窯も冷えていますので、温度は急上昇します。(本焼きの場合です。)
窯の容積(大きさ)にもよりますが、個人で使う窯程度では、最初の1時間で250~300℃程度
まで上昇する事は稀ではありません。急上昇させてもさほど問題になる事はありません。
ⅰ) 200℃を超える当たりから水蒸気が発生します。(以上が前回までの話です。)
ⅱ) 蒸気の発生が無くなったら扉を閉じる。
水蒸気は最初湯気が出る程度です。冬場であれば目に見えますが、夏場ではほとんど見えませ
ん。次第に蒸気量も増えるに従い、目に見えて蒸気抜き穴や扉の隙間より、勢い良く噴出して
きます。特に、施釉直後に窯焚きを行うと顕著ですが、数日後に行うと水蒸気の量は激減しま
す。場合によっては、ほとんど蒸気を認められない事もあります。500℃程度に成れば蒸気は
無くなりますので(実際にはその後も水蒸気は出続けます)、扉や蒸気抜き穴を閉じます。
この間燃料を増やしたり、電流を増やして、温度を急激に上げてもほとんど問題ありません。
尚、窯が室内にある場合は、水蒸気で視界が遮られますので、換気扇を回して外に逃がします。
⑤ 燃料を使用する窯では、温度が上昇し易い窯の雰囲気は、中性炎又は弱酸化炎(又は弱還元
炎)と言われています。
ⅰ) 還元焼成は950℃前後から操作します。(この温度は窯を焚く人によって異なります)
ドラフトやダンパー、バーナーの空気取り入れ等を操作し、煙突の引きと供給燃料のバランス
を取る事により、還元の強弱が決ります。
ⅱ) 還元焼成か酸化焼成の判断は、炎の色と色見穴からの空気の流れから判ります。
即ち、バーナーがら出た炎が綺麗な青色であれば酸化炎になります。赤味が指すに従い還元炎
となります。又酸化焼成の場合には、色見穴へ空気が引き込まれ、還元焼成の場合には、
炎が外に出てきます。出入りの量は還元又は酸化の度合いによって決まります。どちらでも
ない状態では中性炎と見て良いでしょう。
ⅲ) 強酸性や強還元炎の場合には、温度上昇が極端に悪くなります。
温度を上げようとして、燃料を増やしても温度が上がらず、逆に下がる場合もあります。
これは、空気の量が少な過ぎたり、燃料の供給が多過ぎる場合(強還元)に起こり易いです
ので、温度の上昇具合を見ながら、燃料と空気量を調整する必要があります。
ⅳ) 窯の状態を見る時間間隔に付いて。
窯の前に常時くっ付いて、状態を観察するのがベストですが、窯の状態によってある程度
の間隔で窯の様子を観察するだけで大丈夫の事もあります。一般には30分程度に一回見れ
ば良く、温度上昇具合を観察しますが、山場に差し掛かった時には、刻々状態が変化します
ので、張り付いていなければ成りません。具体的な山場とは、点火時から炎が安定するまで
の間、蒸気の発生が無くなり扉などを閉める必要がある場合、温度上昇が鈍く成ってきた
状態、還元焼成を掛ける際、燃料を更に供給する際、最高温度に近づいている状態の時など
です。その他、窯の中ので異常音がした時もしばらく付きっ切りで、様子を見る必要があり
ます。
ⅴ) 温度の上昇スピードは徐々に落ちていきます。
以下次回に続きます。
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