陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない
結果を招く事は多いです。
7) 窯出しに付いて。
窯出しは緊張と不安もありますが、どの様に焼き上がっているかの期待もある作業です。
何度経験してもこの感覚は変わりません。
① 窯出しの準備。
② 扉を開けて内部を観察します。
ⅰ) 作品ほ周囲に飛び散った破片がないかを外から確認する。(以上が前回までの話です)
ⅱ) 焼き上がりの状態を見る。
a) 釉が過不足なく熔けているかを確認する。
本焼きで最重要事項は、釉が十分熔けている事です。但し熔け不足も熔け過ぎも問題です。
イ) 熔け不足は、光沢のあるべき釉の表面が光沢不足や、下絵がはっきり浮き出ていない
又は釉肌が「ザラヅイタ」状態に成っていませんので、容易に見出せます。
熔け不足は窯全体の事もありますが、窯の一部の場所のみで起こる事が多いです。
特に窯の下部では、他の場所より温度が低くなり易く、熔け不足が多くなります。
原因は最高温度が低い為や、「寝らし時間」が短過ぎる為、窯詰めの際他の箇所より、
一箇所に多く詰め過ぎる等が考えられます。即ち作品同士の隙間が少な過ぎる等。
尚、熔け不足の程度にもよりますが、使用に耐えられない程度でしたら、再焼成します。
又、熔不足の釉肌では表面が「ザラツク」為、汚れ易くなります。
ロ) 熔け過ぎの場合、作品の表面より釉が棚板まで流れ落ちています。棚板まで流れ落ち
なくとも、高台近辺が雫状に盛り上がっていますので、熔け過ぎを見付ける事は比較的
容易です。問題なのは、熔け落ちた釉が棚板まで流れた場合です。作品が棚板にくっ付き
作品を棚板から取り上げられなくなります。最悪作品を壊す事にも成ります。
取り除く方法や棚板等その他の処理は後日述べます。
b) 釉の発色状態を観察する。
釉の確認は窯出し中でも観察可能ですので、必ずしもこの段階で確認する必要はありません
イ) 釉の発色は酸化又は、還元焼成によって大きく異なります。
焼成の際、いずれの方法で焼成するかは、予め予定を立てていたはずです。予想通りに
焼き上がっているこを確認します。
ロ) 結晶釉を使用した場合、予定通りの結晶が出ているかを確認します。
複数の結晶釉を同じ窯で焼成した場合、一部は良いが他は良くない場合があります。
勿論、これらは窯の扉を開けた際に見える範囲内しか確認できません。本格的な確認は窯出し
後になります。以上の事柄を外から観察したら、いよいよ窯出しに掛ます。
③ 窯出しの実施。
窯出しは、作品の状態を見ながら行います。又同じ釉でも、棚板の位置によって作品の表情は
変化しますので、どの位置に置いた作品かを記憶(又は記録)しておく必要がありおます。
窯より取り出すスペースは狭いですので、窯出しは一人で行い、他の人は搬出や作品を並べる等
の補佐的な役目になります。勿論小さな窯であれば一人で全てを行います。
ⅰ) 窯の上部から取り出すのが一般的です。
但し、窯の上部は一番温度が高い状態ですので、手袋をしても熱い場合があります。上扉式
でなく、横扉であれば冷えた下部から取り出す事もあります。但し棚板が邪魔になりますが・・
取り出す際には、なるべく両手で支えて、作品を真上に持ち上げる様にします。釉が棚板まで
流れ落ちていなければ、簡単に取り出す事ができます。
ⅱ) 棚板一枚に載せてある作品を全て取り出したら、その棚板を取り除きます。
その際注意する事は、棚板を下から支える支柱(3~4本)が棚板に張り付いている場合があ
り、棚板を移動する時一緒に移動し、途中で剥がれ下の作品の上に落ち、作品を破損する場合
があります。 それ故、棚板はゆっくり少し持ち上げ、支柱が張り付いていない事を確認して
から、取り除きます。支柱が張り付いている場合には、棚板を少し浮かせてから支柱に小さな
衝撃を与えると剥がれます。くれぐれも、支柱を作品の上やバーナー口に落とさない事です。
取り除いた棚板は、棚板置き場に立て掛けて重ねて置きします。
ⅲ) 窯出しには時間を掛ける事。
以下次回に続きます。
結果を招く事は多いです。
7) 窯出しに付いて。
窯出しは緊張と不安もありますが、どの様に焼き上がっているかの期待もある作業です。
何度経験してもこの感覚は変わりません。
① 窯出しの準備。
② 扉を開けて内部を観察します。
ⅰ) 作品ほ周囲に飛び散った破片がないかを外から確認する。(以上が前回までの話です)
ⅱ) 焼き上がりの状態を見る。
a) 釉が過不足なく熔けているかを確認する。
本焼きで最重要事項は、釉が十分熔けている事です。但し熔け不足も熔け過ぎも問題です。
イ) 熔け不足は、光沢のあるべき釉の表面が光沢不足や、下絵がはっきり浮き出ていない
又は釉肌が「ザラヅイタ」状態に成っていませんので、容易に見出せます。
熔け不足は窯全体の事もありますが、窯の一部の場所のみで起こる事が多いです。
特に窯の下部では、他の場所より温度が低くなり易く、熔け不足が多くなります。
原因は最高温度が低い為や、「寝らし時間」が短過ぎる為、窯詰めの際他の箇所より、
一箇所に多く詰め過ぎる等が考えられます。即ち作品同士の隙間が少な過ぎる等。
尚、熔け不足の程度にもよりますが、使用に耐えられない程度でしたら、再焼成します。
又、熔不足の釉肌では表面が「ザラツク」為、汚れ易くなります。
ロ) 熔け過ぎの場合、作品の表面より釉が棚板まで流れ落ちています。棚板まで流れ落ち
なくとも、高台近辺が雫状に盛り上がっていますので、熔け過ぎを見付ける事は比較的
容易です。問題なのは、熔け落ちた釉が棚板まで流れた場合です。作品が棚板にくっ付き
作品を棚板から取り上げられなくなります。最悪作品を壊す事にも成ります。
取り除く方法や棚板等その他の処理は後日述べます。
b) 釉の発色状態を観察する。
釉の確認は窯出し中でも観察可能ですので、必ずしもこの段階で確認する必要はありません
イ) 釉の発色は酸化又は、還元焼成によって大きく異なります。
焼成の際、いずれの方法で焼成するかは、予め予定を立てていたはずです。予想通りに
焼き上がっているこを確認します。
ロ) 結晶釉を使用した場合、予定通りの結晶が出ているかを確認します。
複数の結晶釉を同じ窯で焼成した場合、一部は良いが他は良くない場合があります。
勿論、これらは窯の扉を開けた際に見える範囲内しか確認できません。本格的な確認は窯出し
後になります。以上の事柄を外から観察したら、いよいよ窯出しに掛ます。
③ 窯出しの実施。
窯出しは、作品の状態を見ながら行います。又同じ釉でも、棚板の位置によって作品の表情は
変化しますので、どの位置に置いた作品かを記憶(又は記録)しておく必要がありおます。
窯より取り出すスペースは狭いですので、窯出しは一人で行い、他の人は搬出や作品を並べる等
の補佐的な役目になります。勿論小さな窯であれば一人で全てを行います。
ⅰ) 窯の上部から取り出すのが一般的です。
但し、窯の上部は一番温度が高い状態ですので、手袋をしても熱い場合があります。上扉式
でなく、横扉であれば冷えた下部から取り出す事もあります。但し棚板が邪魔になりますが・・
取り出す際には、なるべく両手で支えて、作品を真上に持ち上げる様にします。釉が棚板まで
流れ落ちていなければ、簡単に取り出す事ができます。
ⅱ) 棚板一枚に載せてある作品を全て取り出したら、その棚板を取り除きます。
その際注意する事は、棚板を下から支える支柱(3~4本)が棚板に張り付いている場合があ
り、棚板を移動する時一緒に移動し、途中で剥がれ下の作品の上に落ち、作品を破損する場合
があります。 それ故、棚板はゆっくり少し持ち上げ、支柱が張り付いていない事を確認して
から、取り除きます。支柱が張り付いている場合には、棚板を少し浮かせてから支柱に小さな
衝撃を与えると剥がれます。くれぐれも、支柱を作品の上やバーナー口に落とさない事です。
取り除いた棚板は、棚板置き場に立て掛けて重ねて置きします。
ⅲ) 窯出しには時間を掛ける事。
以下次回に続きます。
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