わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

金彩備前

2010-01-23 22:03:18 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
絵付け以外でも、焼き方によって、金彩、銀彩、ラスター調に仕上げる事が出来ます。

 例えば、備前焼や、信楽焼きの様な、無釉焼き締めでも、金色や、銀色、ラスター色が、

 出る事が有ります。

 原理的には、強還元焼成によって、作品表面に、薄い炭素の層を、作る事により、光の乱反射で、

 発色する物と、思われます。

 ① 備前焼で「金彩、銀彩」と言われる模様は、金色や銀色が、縞模様になって、現れる窯変です。
  
   「備前金彩」(又は金彩備前)とも言われ、大変珍重され、高価な物です。

 ② 主に、桟切(サンギリ)と呼ばれる、窯変で起こる現象です。

   窯の隅や、器物の陰など、直接炎や、灰が当たらず、煙に包み込まれる様な所で、出来ます。

 ③ 酸素が少ない場所で、強い還元焼成を伴った場合に、偶然、作品の一部に、金、銀、ラスター調の

   模様が、又は、筋状に金色の光で、炎が走った模様が、現れる事も有ります。

   更に、作品全体が、金彩に被われる場合があり、これは、作品を密に詰め、炎の通りを、

   極力抑える事によって、偶然生まれるものです。

 ④ 現在では、ある程度、人工的に、作り出す事が、出来ます。

   即ち、焼成終了間際に、作品の上や側に、木炭を落とし入れ(炭入れ)、それを燃焼させる事に

   よって、強還元状況を、作り出して、金彩や銀彩などの、色を出します。
   
 ⑤ 炭素が、付着し易くする為に、窯詰めの際に、サヤに入れたり、作品の位置を工夫したりします。

   最後に、炭入れ前後の状況を、一定温度に、保ちます。

   しかし、希望する場所に、色を出すのは、かなり困難で、偶然が、大きく作用します。

 ⑥ 備前焼や信楽焼きは、燃料で薪(赤松など)を使います。

   ガス窯や電気窯等で、この様な、金彩や銀彩を、出したい場合には、サヤを使います。

   即ち、作品を藁(わら)で包み、炭(木炭)と一緒に、サヤに収め、蓋をして、焼成します。

   強還元で焼成しますので、運がよければ、発色も可能です。

   尚、当然、粘土は、備前の土や、信楽の土を使います。

   (但し、現在では、本物の備前の土は、一般の人は、手に入らないでしょう。備前の土と称して、

    市販されている土は、ほとんど合成備前だと、思って下さい。)

以下次回に続きます。

 備前金彩(金彩備前) 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 陶磁器の絵付け(ラスター彩... | トップ | 絵の具の話(和絵の具、洋絵... »

コメントを投稿

作品の装飾と陶磁器の絵付け」カテゴリの最新記事