青磁は、釉が発明(発見)されて以来存在していたと、言われていますが、紀元前14世紀頃の中国(殷)が
起源とされています。(この件については、後でお話します。)
この青磁(釉)の製造技術は、韓国(高麗)や日本にも伝播して、東洋陶磁史の根幹をなしていました。
中国では、1世紀始~3世紀始にかけて、お盛んに作られる様に成ります。
その用途は、支配階級の王侯貴族が、死後の世界で、日用品として、使用する為で、専用に作られます。
(但し、現在では、その用途が、不明な形の物も多い様です。)
1) 明器(めいき)とは
中国では一般庶民の葬儀である、薄葬(はくそう)と、王侯貴族の葬儀である、厚葬(こうそう)が
有りました。後者は、壮大な墳墓を築き、その福葬品(明器=めいき)として、高価な青銅器や、
玉(ぎょく)、金銀器を埋葬しました。
即ち、死後の世も、生前と同様の暮らしをすると考え、墓の中に色々な日常生活品を、持ち込みます。
その中には、従者や下僕などの人物模型(俑=よう)、馬などの家畜模型、邸宅などの建築模型なども
有りました。
・ 秦始皇帝の有名な兵馬俑は、壮大で膨大な副葬品(明器)の一部で、陶器で作られた人物(兵士)と
馬の模型です。これも、生前の様子をそのまま、再現したものです。
時代が下るに従い、高価な青銅器や、金銀製品は、陶磁器で代用される様に成ります。
地中に於いては、腐食する事も無く、安定的な状態を保持できる、陶磁器が打ってつけで有った為です。
この埋葬する為に、福葬品として作られた専用の器を、明器(めいき)と言います。
2) 明器は当時の生活様式や、陶磁器の技術水準を伝える、大変重要な資料に成ります。
各地の墳墓から、保存状態の良い、陶磁器が発掘されます。その中に、高価な青銅器に似せた、
緑釉等の、低火度の鉛釉陶器や、唐三彩など他、青磁などの陶磁器も出土します。
明器は「タイムカプセル」とも呼べる性質を持っています。
3) 青磁の発色の原理
① 釉薬と胎土に含まれる、微量の鉄分が、還元焔焼成で、発色するものです。
鉄分の量の多少(1~3%)によって、青~緑色に変化します。
釉は、木灰が多いと、透明感のある、緑みを帯びた色になり、長石が多いと、透明感が少なくなり、
青色を帯びると、言われています。
還元では、酸素不足に成る為、酸化鉄から、酸素を奪い、胎土は青灰色になり、釉も青味を帯びます。
② 更に、ルーペなどで、釉を細かく観察すると、気泡や石英などの細かい好物質が、びっしり、
釉の中に浮かび、これが、乱反射して、青磁独特の色に成ります。
それ故、光の加減が大きく作用します。強い光や、明るい胎土では、明るい青磁になり、鉄分の多い
胎土では、黒っぽい色に成ります。
③ 釉は自然灰が掛かる事により、発見されます。その為、灰を水に溶かした、灰釉が釉の起源です。
灰釉は、一般に褐色に成ったり、緑色に発色ます。
それ故、緑色を呈する青磁は、釉の創世期より、存在していたとも言えます。
④ 現在市販されている、青磁釉は顔料を混入した物です。それ故、酸化でも発色します。
(酸化クロムを主原料にするものと、銅を主原料にする物があります。)
4) 青磁の色にも色々あります。
以下次回に続きます。
起源とされています。(この件については、後でお話します。)
この青磁(釉)の製造技術は、韓国(高麗)や日本にも伝播して、東洋陶磁史の根幹をなしていました。
中国では、1世紀始~3世紀始にかけて、お盛んに作られる様に成ります。
その用途は、支配階級の王侯貴族が、死後の世界で、日用品として、使用する為で、専用に作られます。
(但し、現在では、その用途が、不明な形の物も多い様です。)
1) 明器(めいき)とは
中国では一般庶民の葬儀である、薄葬(はくそう)と、王侯貴族の葬儀である、厚葬(こうそう)が
有りました。後者は、壮大な墳墓を築き、その福葬品(明器=めいき)として、高価な青銅器や、
玉(ぎょく)、金銀器を埋葬しました。
即ち、死後の世も、生前と同様の暮らしをすると考え、墓の中に色々な日常生活品を、持ち込みます。
その中には、従者や下僕などの人物模型(俑=よう)、馬などの家畜模型、邸宅などの建築模型なども
有りました。
・ 秦始皇帝の有名な兵馬俑は、壮大で膨大な副葬品(明器)の一部で、陶器で作られた人物(兵士)と
馬の模型です。これも、生前の様子をそのまま、再現したものです。
時代が下るに従い、高価な青銅器や、金銀製品は、陶磁器で代用される様に成ります。
地中に於いては、腐食する事も無く、安定的な状態を保持できる、陶磁器が打ってつけで有った為です。
この埋葬する為に、福葬品として作られた専用の器を、明器(めいき)と言います。
2) 明器は当時の生活様式や、陶磁器の技術水準を伝える、大変重要な資料に成ります。
各地の墳墓から、保存状態の良い、陶磁器が発掘されます。その中に、高価な青銅器に似せた、
緑釉等の、低火度の鉛釉陶器や、唐三彩など他、青磁などの陶磁器も出土します。
明器は「タイムカプセル」とも呼べる性質を持っています。
3) 青磁の発色の原理
① 釉薬と胎土に含まれる、微量の鉄分が、還元焔焼成で、発色するものです。
鉄分の量の多少(1~3%)によって、青~緑色に変化します。
釉は、木灰が多いと、透明感のある、緑みを帯びた色になり、長石が多いと、透明感が少なくなり、
青色を帯びると、言われています。
還元では、酸素不足に成る為、酸化鉄から、酸素を奪い、胎土は青灰色になり、釉も青味を帯びます。
② 更に、ルーペなどで、釉を細かく観察すると、気泡や石英などの細かい好物質が、びっしり、
釉の中に浮かび、これが、乱反射して、青磁独特の色に成ります。
それ故、光の加減が大きく作用します。強い光や、明るい胎土では、明るい青磁になり、鉄分の多い
胎土では、黒っぽい色に成ります。
③ 釉は自然灰が掛かる事により、発見されます。その為、灰を水に溶かした、灰釉が釉の起源です。
灰釉は、一般に褐色に成ったり、緑色に発色ます。
それ故、緑色を呈する青磁は、釉の創世期より、存在していたとも言えます。
④ 現在市販されている、青磁釉は顔料を混入した物です。それ故、酸化でも発色します。
(酸化クロムを主原料にするものと、銅を主原料にする物があります。)
4) 青磁の色にも色々あります。
以下次回に続きます。