織部焼: 極端に変形され、緑釉などが掛けられた、斬新なデザインの茶陶で、自由奔放な趣ある
焼き物が、織部焼です。「織部」の名前の付く器が、最初に記録に出るのは、1642年頃の茶会記から
です。これは、織部切腹後半世紀以上経ってからの事です。
① 「ヘウケモノ」の茶碗。 (ひょうきんもの、おどけるの意味)
「織部焼」は慶長年間(1595~1615年)に出現した、斬新なデザインの茶道具(茶陶)です。
茶碗、茶入、香合、向付等の他、蜀台や煙管(きせる)まで、多肢に渡っています。
② これらの焼き物は、岐阜県土岐市の元屋敷窯の、連房式の登窯で大量に焼かれたものと、
言われています。この期間は20~30年で終了しますが、短期間に多くのデザインが着けられ、
京都、大阪、江戸などの消費地に運ばれます。
古田織部が直接指示して、作らせたと言う事実は明白ではありませんが、織部が世に出た頃と
時期が一致している為、織部の関与が考えられています。
③ 織部焼きには以下の種類があります。
) 織部黒: 全体に鉄釉を掛け、瀬戸黒同様の「引き出し黒」の焼成によります。
多くは、轆轤成型ですが、口縁を歪ませ左右非対称で、沓茶碗になっています。
) 黒織部: 一部分窓抜きにし、その部分に鉄釉で文様を描き、更に透明釉(白釉)を掛けた
物です。絵文様は身近な自然風景や、幾何学文様が一般的です。
) 総織部: 器全体に、銅緑釉が掛けられた物で、変形ものは少なく単純な皿や鉢類が多い。
) 青織部: 一部に織部釉を掛け、残りの部分に鉄釉(鬼板など)で絵を描き、更に白釉
(透明系の釉)を掛けた物。織部釉は銅を加えた釉で、酸化焼成します。還元では辰砂に
成り、赤や赤紫に成ってしまいます。青織部の青はブルーでなく、グリーンの意味です。
絵模様は、抽象や具象的て、非対称に描かれている物が多いです。
型抜き成型がほとんどで、様々な形状が見られ、環足、半環足と呼ばれる足が付くのも
特徴です。 主に鉢、向付などの食器が多いです。
) 鳴海(なるみ)織部: 釉薬、文様は青織部と同じ技法ですが、素地に収縮率の近い
白土と赤土を張り合わせて成型します。
) 赤鳴海織部: 赤土を素地に使い、鉄絵文様や白化粧土で装飾されていす。
主に平向付、平向付型の茶碗、皿、鉢などに多くみられます。
) 志野織部 : 大窯で焼かれた志野(古志野)に対して、登り窯で焼かれた志野を
志野織部と呼びます。薄作りで焼成時間も短縮され、釉下の鉄絵が鮮明に浮び、繊細な
線で表現する様になります。ロクロ成型から、型抜き成型が主になって行きます。
) 唐津織部: 織部の窯で焼かれた唐津風の焼き物です。唐津よりも柔らかい雰囲気です。
主に、向付などの食器が多く焼かれました。
以上の様に、多種類の織部焼があり、現在でも作られ、人気のある焼物ですが、「織部」と言うと、
青織部と、総織部がほとんどです。
以下次回に続きます。
焼き物が、織部焼です。「織部」の名前の付く器が、最初に記録に出るのは、1642年頃の茶会記から
です。これは、織部切腹後半世紀以上経ってからの事です。
① 「ヘウケモノ」の茶碗。 (ひょうきんもの、おどけるの意味)
「織部焼」は慶長年間(1595~1615年)に出現した、斬新なデザインの茶道具(茶陶)です。
茶碗、茶入、香合、向付等の他、蜀台や煙管(きせる)まで、多肢に渡っています。
② これらの焼き物は、岐阜県土岐市の元屋敷窯の、連房式の登窯で大量に焼かれたものと、
言われています。この期間は20~30年で終了しますが、短期間に多くのデザインが着けられ、
京都、大阪、江戸などの消費地に運ばれます。
古田織部が直接指示して、作らせたと言う事実は明白ではありませんが、織部が世に出た頃と
時期が一致している為、織部の関与が考えられています。
③ 織部焼きには以下の種類があります。
) 織部黒: 全体に鉄釉を掛け、瀬戸黒同様の「引き出し黒」の焼成によります。
多くは、轆轤成型ですが、口縁を歪ませ左右非対称で、沓茶碗になっています。
) 黒織部: 一部分窓抜きにし、その部分に鉄釉で文様を描き、更に透明釉(白釉)を掛けた
物です。絵文様は身近な自然風景や、幾何学文様が一般的です。
) 総織部: 器全体に、銅緑釉が掛けられた物で、変形ものは少なく単純な皿や鉢類が多い。
) 青織部: 一部に織部釉を掛け、残りの部分に鉄釉(鬼板など)で絵を描き、更に白釉
(透明系の釉)を掛けた物。織部釉は銅を加えた釉で、酸化焼成します。還元では辰砂に
成り、赤や赤紫に成ってしまいます。青織部の青はブルーでなく、グリーンの意味です。
絵模様は、抽象や具象的て、非対称に描かれている物が多いです。
型抜き成型がほとんどで、様々な形状が見られ、環足、半環足と呼ばれる足が付くのも
特徴です。 主に鉢、向付などの食器が多いです。
) 鳴海(なるみ)織部: 釉薬、文様は青織部と同じ技法ですが、素地に収縮率の近い
白土と赤土を張り合わせて成型します。
) 赤鳴海織部: 赤土を素地に使い、鉄絵文様や白化粧土で装飾されていす。
主に平向付、平向付型の茶碗、皿、鉢などに多くみられます。
) 志野織部 : 大窯で焼かれた志野(古志野)に対して、登り窯で焼かれた志野を
志野織部と呼びます。薄作りで焼成時間も短縮され、釉下の鉄絵が鮮明に浮び、繊細な
線で表現する様になります。ロクロ成型から、型抜き成型が主になって行きます。
) 唐津織部: 織部の窯で焼かれた唐津風の焼き物です。唐津よりも柔らかい雰囲気です。
主に、向付などの食器が多く焼かれました。
以上の様に、多種類の織部焼があり、現在でも作られ、人気のある焼物ですが、「織部」と言うと、
青織部と、総織部がほとんどです。
以下次回に続きます。
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