前回の記事から大分時間が過ぎてしまいましたが、話を再開したいと思います。
3) 窯の設計。
① 窯の種類と構造と形を決める。
ⅰ) 窯の種類とは、電気、ガス、灯油、薪などの燃料(熱源)の違いです。
ⅱ) 燃料の差によって、窯の構造と形が変わります。
② 窯の内寸を決める。(窯の容量、容積を決める)
ⅰ) 棚板の大きさを決め、一段に何枚使うか(何枚敷)を決めます。
ⅱ) 棚板の数は1、2、4、6、8枚それ以上の中から選ぶ事に成ります。
ⅲ) 窯の底の大きさ(内寸)を決る。
ⅳ) 窯の底の外寸を決める。
以上が前回に述べた事柄です。
ⅴ) 煙道、煙突の設計。
燃料を使う窯では、煙突は絶対必要な装置です。当然窯の大きさ(容量)や燃料の差によって
煙突の高さや太さに違いが出ます。又、煙突を何処に設けるかによって、煙道の長さにも差が
でます。煙突は窯の外側に設けますので、必然的に設置面積も大きくなります。
a) 煙突の主な役目は、外部から空気を取り入れ、良く燃焼させる事にあります。
即ち、煙突の「引き」の強弱により、空気の取り入れる量が変化します。この事は酸化、還元
焼成に大きく影響を与える事になります。
b) 強制燃焼の場合には、燃料と空気を同時に送り込む装置がありますが、煙突は必要です。
燃焼に伴い二酸化ガスが発生しますので、これを外部に排出する必要があるからです。
c) 煙突は窯と一体構造にする場合と、別体構造にする方法があります。
容量(容積)の小さな窯であれば、一体型が多く、大きな容量の場合には、窯からやや離れ
た位置に立てる事が多いです。別体型では、煙道が長くなります。
c) 一般に煙突は一本が多いですが、容量の大きな窯などでは二本にする事もあります。
その場合には、煙道も二本になります。
d) 煙突の「引き」の悪い状態では温度も、必要な高温まで十分上がらない事にも成ります。
その為、煙突の高さや煙突の太さ等の設計が大切です。燃焼理論からこれらの数値が計算
されるとの事ですが、ここではおおよその事を述べます。
・ 煙突の高さは、窯の内部の高さのおよそ3倍程度が良いそうです。即ち内部の高さが
1m程度であれば、煙突の高さは3mになります。
・ 煙突の内部の太さ(断面積)は、煙突の高さの約1/25程度で良いそうです。
例えば、1mの高さの煙突では12cmになります。但し、太い分には都合が良いとも
言われています。細いと煙突掃除が大変です。
・ 煙道も煙突の一部とみなす事が出来ます。但し水平煙道の効果は、垂直煙道の1/4
程度です。傾斜のある煙道の場合には、煙突効果は増大します。水平煙道の断面積は
煙突の断面積よりやや大きくする事も大切です。
e) 「引き」が強すぎる場合には、「引き」の強弱を調整するダンバーや空気穴(馬鹿穴)を
設けます。ダンバーは、窯から煙突の抜ける場所に設けます。一般に横又は縦方向に板状の
物をスライドさせて、排気量を調節します。空気穴は煙突の最下部に設け、穴の面積を広く
する事で、外部から空気を取り入れますので、「引き」を弱くします。一般にレンガなどを
積み上げ穴の大きさを調整します。
f) 煙突の材質はステンレスが多いです。
古い窯や本格的な窯元の窯では、レンガを積み上げていましたが、現在ではステンレス製の
煙突が使われています。尚煙道などには、土管などが使われる場合もあります。小さな窯で
は水平煙道を設ける事が少なく、極短い場合が多いですので、耐火煉瓦が使われます。
g) 煙突自体は建築材料店や資料館などで、各種の大きさの物が市販されています。
(多くはストーブ用)陶芸材料店で購入するよりも、安価に購入できます。尚煙突の頂上部
には、雨避けの部材が必要です。特に窯と一体の煙突では、軒先より外に突出させなければ
雨漏れの原因に成り易いです。場合によっては、煙突をクランク状にする必要が生じます
更に、煙突には風対策も必要です。嵐などの強風が吹く事もありますので、針金やワイヤー
で倒れるのを防ぐ必要があります。
以下次回に続きます。
3) 窯の設計。
① 窯の種類と構造と形を決める。
ⅰ) 窯の種類とは、電気、ガス、灯油、薪などの燃料(熱源)の違いです。
ⅱ) 燃料の差によって、窯の構造と形が変わります。
② 窯の内寸を決める。(窯の容量、容積を決める)
ⅰ) 棚板の大きさを決め、一段に何枚使うか(何枚敷)を決めます。
ⅱ) 棚板の数は1、2、4、6、8枚それ以上の中から選ぶ事に成ります。
ⅲ) 窯の底の大きさ(内寸)を決る。
ⅳ) 窯の底の外寸を決める。
以上が前回に述べた事柄です。
ⅴ) 煙道、煙突の設計。
燃料を使う窯では、煙突は絶対必要な装置です。当然窯の大きさ(容量)や燃料の差によって
煙突の高さや太さに違いが出ます。又、煙突を何処に設けるかによって、煙道の長さにも差が
でます。煙突は窯の外側に設けますので、必然的に設置面積も大きくなります。
a) 煙突の主な役目は、外部から空気を取り入れ、良く燃焼させる事にあります。
即ち、煙突の「引き」の強弱により、空気の取り入れる量が変化します。この事は酸化、還元
焼成に大きく影響を与える事になります。
b) 強制燃焼の場合には、燃料と空気を同時に送り込む装置がありますが、煙突は必要です。
燃焼に伴い二酸化ガスが発生しますので、これを外部に排出する必要があるからです。
c) 煙突は窯と一体構造にする場合と、別体構造にする方法があります。
容量(容積)の小さな窯であれば、一体型が多く、大きな容量の場合には、窯からやや離れ
た位置に立てる事が多いです。別体型では、煙道が長くなります。
c) 一般に煙突は一本が多いですが、容量の大きな窯などでは二本にする事もあります。
その場合には、煙道も二本になります。
d) 煙突の「引き」の悪い状態では温度も、必要な高温まで十分上がらない事にも成ります。
その為、煙突の高さや煙突の太さ等の設計が大切です。燃焼理論からこれらの数値が計算
されるとの事ですが、ここではおおよその事を述べます。
・ 煙突の高さは、窯の内部の高さのおよそ3倍程度が良いそうです。即ち内部の高さが
1m程度であれば、煙突の高さは3mになります。
・ 煙突の内部の太さ(断面積)は、煙突の高さの約1/25程度で良いそうです。
例えば、1mの高さの煙突では12cmになります。但し、太い分には都合が良いとも
言われています。細いと煙突掃除が大変です。
・ 煙道も煙突の一部とみなす事が出来ます。但し水平煙道の効果は、垂直煙道の1/4
程度です。傾斜のある煙道の場合には、煙突効果は増大します。水平煙道の断面積は
煙突の断面積よりやや大きくする事も大切です。
e) 「引き」が強すぎる場合には、「引き」の強弱を調整するダンバーや空気穴(馬鹿穴)を
設けます。ダンバーは、窯から煙突の抜ける場所に設けます。一般に横又は縦方向に板状の
物をスライドさせて、排気量を調節します。空気穴は煙突の最下部に設け、穴の面積を広く
する事で、外部から空気を取り入れますので、「引き」を弱くします。一般にレンガなどを
積み上げ穴の大きさを調整します。
f) 煙突の材質はステンレスが多いです。
古い窯や本格的な窯元の窯では、レンガを積み上げていましたが、現在ではステンレス製の
煙突が使われています。尚煙道などには、土管などが使われる場合もあります。小さな窯で
は水平煙道を設ける事が少なく、極短い場合が多いですので、耐火煉瓦が使われます。
g) 煙突自体は建築材料店や資料館などで、各種の大きさの物が市販されています。
(多くはストーブ用)陶芸材料店で購入するよりも、安価に購入できます。尚煙突の頂上部
には、雨避けの部材が必要です。特に窯と一体の煙突では、軒先より外に突出させなければ
雨漏れの原因に成り易いです。場合によっては、煙突をクランク状にする必要が生じます
更に、煙突には風対策も必要です。嵐などの強風が吹く事もありますので、針金やワイヤー
で倒れるのを防ぐ必要があります。
以下次回に続きます。
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