わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

割れ(ひび)の原因と対策(その5)

2008-04-11 23:27:39 | 陶芸技法 焼物の技法
 素焼後の割れ(ひび)の対策

  本焼きをすると割れ(ひび)は、確実に幅、長さ共に拡大します。

 それ故 割れ(ひび)が大きい場合、この段階で最初からやり直した方が、

 綺麗に出来上がるり、苦労も少なくてすむ場合が多いです。

  尚 どうしても補修して直したい物は、以下の方法があります。

  1) 釉薬でくっ付ける方法

     2個以上に割れた場合、糊等で着なくとも位置が保持出来る物は、

    釉薬で付ける事が出来ます。

     方法は施釉の際、動かない様に普通の糊(やまと糊等)で固定し、

    釉薬を掛けます。接合部はやや濃い目にします。

     (「ひび」が大きい場合は、切り離した方が良好です)   
     
    尚 市販の陶芸の素焼本焼き共用の、接着剤を使用しても良い。

      (上手に処理をしないと、釉を弾く事が在ります)

  2) 割れた部分に充填する方法

    イ)濃い目の釉薬を割れ目に流し込む。

    ロ)底割れ等割れが大きい場合、割れ部にシャモット(又は素焼した粉)

      を化学糊(C M C)等で混ぜ、割れ部に針等で押し込み、表面を紙ヤス
      
      リで整え施釉する。

  3)本焼きすると、粘土が軟らかくなる事を利用する方法

     角皿等の口縁に「ひび」が入った時は、小さな粘土球に貝を載せる、
 
    「ひび」を中心にして、前記の貝2個をブリッジ状に置く。

     (貝はアサリ、しじみ、はわぐり等何でもよい)

     本焼きで「ひび」に圧縮する方向に力が働き、釉薬で傷が消える。

     (本焼き後貝の粉と、貝の痕が残ります。粉は水で荒い流す)

  4)二度焼きして補修する方法

    一度目の本焼きで割れ(ひび)が最大になります。同じ温度で焼いても

    一度目より割れが大きくなる事はありません。

    それ故 一度目の本焼き後に上記1)~3)の方法で補修し、同じ温度で

    二度目の本焼きをすれば、より効果的に補修が出来ます。

  5)完全に割れた物を別々に焼いて、本焼き後に接着する方法。

    釉薬が掛からない焼き締め等の場合、この方法が良い。
    
    (傷跡は残る)

 本焼き後の割れと補修

  1)灰皿など内側に、ガラスを多量に入れる場合、窯が冷える際のガラスの強

    い収縮で素地が、綺麗に輪状に割れる事があります。

    原因: ガラスが多すぎる。窯の冷えが速い。

    対策: ガラスの量を減らす。ゆっくり冷やす。

  2)窯の扉を速く開けると、釉の表面に「ひび」が入る(貫入)。

    素地に「ひび」が入る訳ではないが、水漏れの要因となります。

    (シリコン等水漏れ防止剤を使う。食器類は食器用を使用の事)
  
  3)使用中に壊れた場合、市販の陶磁器用の接着剤(エポキシ系)を使用

    すると良い。

    又 高価な作品の場合、金継の方法も在ります。

     (これは漆や「にかわ」で接着後、傷跡に沿って漆を塗り、その上に

      金粉を振り掛け、真綿で押さえて蜜着くさせた物です。)
   
 、
    
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