わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯詰め(棚板の組方2)

2009-06-10 23:01:27 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
前回の続き、「棚板の組み方」について、述べます。

⑤ 棚板の横方向の組み方

 1枚敷きの場合には、問題に成りませんが、

 2枚以上の棚板敷きの時、即ち、複数枚の棚板を横に並べる際、隣同士の棚板との段差について、

 ) 同じ高さに組む、段差が無い様に敷く方法です。

   基本は、棚板から作品が出ない事ですが、段差をなくして、棚板を組めば、隣の棚板に、

   少々架かっても、さほど問題も無く、スペース的にも有効に使えます。

   但し、炎の流れや、熱の伝わり方に、段毎に「むら」が生じる恐れが有ります。

   尚 棚板と、窯の壁との間隔、指1~2本分とし、棚板と棚板との間隔は、指1本程度とします。

 ) 段差をつける。

    隣同士の棚板との段差は、棚板の厚さ+指1本分以上の、隙間を作って、組んで行きます。

    特に炎は、縦方向(垂直方向)に流れる様にすると、熱の伝わり方が、均一になり、

    焼成むら(釉の熔け不足など)が、少なく成ります。

    又、段差なしより、若干棚板に載る量が、少なく成りますが、炎の流れからは、好都合です。

⑥ 火盾を置く

  炎の出る窯で、特に強制燃焼の場合、棚板上の作品に、直接炎が当ると、その部分が、

  急激に、温度上昇し、作品が破壊されたり、変形する恐れが有ります。

  その為、炎が直接当らない様に、作品前面に、火盾(ひだて)を設けます。

⑦ 作品を並べる時の注意

 ) 作品の詰め過ぎない事

   スペースが有れば、どうしても、そこに作品を置きたく成ります。

   又、上の棚板近くまで、作品を詰め込みたいと、思いがちです。

   (天井ぎりぎりまで、作品を詰めても、本焼きで、高さが縮む為、スペースが広がりますが、

    指1本分程度、開けれ下さい。)

   詰め込み過ぎると、熱の伝わりが偏り、温度上昇も、遅く成り、不経済です。

 ) 作品が少な過ぎる場合

   十分必要な作品数が、無い状態で、本焼きせざる得ない場合、

   a) 最上段にスペースを設ける。

   b) 全体に、まばらに作品を置く。

   c) 最下段に、作品を置かず、それ以上は、普通に、窯詰めします。

  以上の方法が有りますが、c)の方法が、最適と思われます。

 ) 作品同士の間隔も重要です。

   一般的には、指1本分程度の、隙間を作って、置いて行きます。

   指が入れば、隣の作品に触れずに、その作品を、移動させる事も、出来ます。
  
   a) 銅釉の揮発性に注意

     織部釉に代表される銅釉は、釉が熔け始める前に、銅が揮発し、隣の作品に転写し、

     作品を汚す恐れが、有ります。

     それ故、普通の隙間より、十分多く取るか、同じ釉の作品を、隣に置きます。

以上 色々述べて来ましたが、窯焚きも、窯詰めも、その人特有のやり方が、有ります。

一つの参考にして頂ければ、幸いです。

陶芸の窯詰め 

棚板の組み方
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窯詰め(棚板の組方1)

2009-06-09 22:35:11 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
窯詰めは、人により、又窯の種類により、色々な方法が有ると思います。

窯の種類も、燃料を使用する物、燃料を使用しない窯(即ち、電気窯)に分かれ、

更に燃料も、薪、灯油、ガス(都市ガス、プロパンガス)と、多彩です。

ここでは、電気、灯油、ガスを使った窯に付いて、一般的な事を、述べます。

窯の大きさによって、棚板の大きさ、枚数(何枚敷きか)も、違いが有るのは当然です。

 棚板の形状も、正方形、長方形、丸(円盤)形(窯の内側が円形の物)と色々有ります。

又 棚板を支える、支柱の高さも、数種類揃える必要が有ります。

 例として、私の窯(手作り、プロパンガス、容積0.33立方米)に付いて記しますと、

 棚板: 33cmX33cm、4枚敷き

 支柱の高さ: 3、4.5、6、7.5、9、12、15、18、21cm

 バーナー数: 6、  倒炎式、横扉構造です。

1) 棚板の組み方

 ① 棚板1枚に、3個の支柱(L字型)を使うのが、一般的です。(4個を使う人もいます)

   2個は、棚板の角に、他の1個は、反対側の辺の中央に、置きます。

  3個は、棚板を安定に保持すると同時に、棚板の広さを、有効に使う事が出来ます。

  (4個の場合、支柱1本が、浮き上がり、調整する場合も有ります。)

 ② 支柱の位置は、下から上まで、同じ位置にします。

   (支柱が、1本の様に見える様にします)

   支える強度を、強くする為です。

 ③ 窯の構造に関係なく、下から上へと、作品を、順次積み上げていきます。

  ) 窯の内側の底面より、3~5cm浮かせた位置に、最下部の棚板を敷きます。

    浮かせるのに、「さいころ」状の支柱を使います。

  ) 複数枚を敷く場合、指1本分、隙間を開けて、並べます。

  ) 1段目の作品を、置いていきます。

    奥の方から、作品間に、指1本ほどの間隔を取り、並べて置いて行きます。

    「行き当たりばったり」だと、何度も作品の位置を、変えなければ、ならなく成ります。

    当然、塗った釉に、悪影響を与えますので、なるべく、移動が少ない様に、

    予め予想を立ててから、行動して下さい。

 ④ 上下の棚板の間隔について

   炎や、熱を窯全体に、均一に伝える為、棚板の上下の隙間も、重要な要素です。

   ) 下部を密にし、上部を粗く、して行く方法

      下部に背の低い作品を置き、上に行くに従い、段々背の高い作品を置いて行く方法

      即ち、下部には、短い支柱を使い、上に行くに従い、徐々に長い支柱を使います。

   ) 下部を粗にし、上に行くに従い、密にする方法

      下部に、やや背の高い作品を置き、上に行くに従い、段々背を低くして行く方法

      (但し天井にアーチの有る窯の、アーチ部を除きます)

    尚 一番大きな作品は、最上段に置き、アーチを有効に、使います。

  上記2種類の、詰め方が有りますが、窯の状態、燃焼の仕方、燃料の差、その他経験により、

  決めて下さい。

  (ちなみに、私は、)の方法を取っています。)

以下 次回に続きます。

陶芸の窯詰め 

棚板の組み方

  

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窯詰め(準備)

2009-06-08 23:30:24 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
作品に釉を掛け終わると、次の段階は「窯詰め」となります。

窯詰めは、本焼きを成功させる為に、大切な作業です。

窯詰めの仕方によって、作品の良し悪しが、決まると言っても、過言ではありません。

窯詰めは、時間を掛けて、試行錯誤を繰り返し、作品を並べる作業と成ります。

・ 窯詰めを、開始する段階で、窯詰めする量の、少なくとも7割程度の作品に、釉が、

  掛かっている事が、望ましいです。

窯詰めは、同じ釉の種類、同じ位の高さの作品が、ある程度集まってから、作業したい為です。

1) 同じ種類の釉とは、同じ様な条件で、焼成する必要が有る作品と言う事です。即ち

 ① 焼成が酸化か、還元か、どちらでも良いか。

   釉は、酸化、還元焼成で、作品の色は変化する物が、多いです。

   それ故、焼成方法を、予め決め手置く必要が有ります。

   釉がどちら向きなのか、グループ分けして置きます。

   燃料を使う窯では、還元が強く出やすい場所もあるはずです、その場所を上手に使います。

 ② 急冷が良いか、徐冷が良いのか。

   結晶釉などは、徐冷が良く、黒く仕上る釉(黒天目など)は、急冷が向いています。

   窯は、下部から冷めていきます。最上部は、一番遅く冷えます。それ故、多種類の釉を、

   使う場合、この事を、考慮します。

 ③ 作品の置く場所の範囲が、同じ様な所か。

   この釉は、この範囲の位置で、良い色に発色すると言う場所が、あるはずです。

   (窯には、窯ことに、その窯特有の性質が有ります。何度も焼成すると、窯の性格も解かります。)

2) 同じ高さの作品を揃える。

 ① 窯に詰める作品の量は、多すぎても、少なすぎても、温度上昇が、遅く成ります。

  又 皿などの様に高さが、低い作品が多いと、棚板の数も増え、温度上昇も、鈍く成ります。

 ② スペースの無駄を省く為、1枚の棚板に乗る量の作品は、同じ位の高さ寸法にします。

  但し、天井部が、アーチ状に成った窯は、このアーチに沿った様に、作品を並べます。

3) 棚板の掃除

 棚板は、表面をアルミナコーチングと言う、物質でコーティングされています。

 数度の本焼き後に、棚板全体を、このコーチングで、刷毛塗りします。

 (これは、棚板を、長持ちさせる為です。)

 一度本焼きをした棚板には、流れ落ちた釉が、「こびりつく」場合が多いです。

 この釉は、鏨(たがね)などを使い、アルミナコーチング部分より、取り除く必要が有ります。

 取り除いた部分には、水に溶いた、コーチングで、補修をします。

 尚、市販されている棚板は、片方に厚く、他方に薄く、コーチングが塗られています。

   厚く塗られた方が、上面(載せる側)ですが、補修を繰り返すと、表面が凸凹してきます。

   凸凹の面に作品を置くと、不安定に成ります。その際には、棚板をひっくり返して使用しても、

   問題有りません。

以下 次回に続きます。

 陶芸の窯詰め 

 
 
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施釉薬後の作業2(指跡、アルミナを塗る)

2009-06-06 21:33:31 | 釉薬の調合と釉を掛ける
前回の続を述べます。

3) 指跡の処置

   一般に、輪高台の場合、高台を持って、施釉する事が多いです。

   持った高台部分に、釉が掛からない、所謂指跡が、残ります。

   特に、「碁笥底高台」の場合、指跡が付き易いです。

   (釉を塗る際、工夫次第で、指跡を残さないで塗る方法も、出来ます。)

 ① 指跡をあえて残す場合

   抹茶茶碗などに多いのですが、あえて指跡を残し、景色として珍重する場合が有ります。

   (あえて残す場合には、高台ではなく、茶碗の腰を、3本の指で持つのが一般的です。)

   同様に、食器や、花瓶など、あえて指跡を残し、景色として用いても、問題有りません。

   (指跡が、3箇所で有る事は、景色的にも、バランスが取り易いです。)

 ② 指跡を消す

   一般には、指跡を消します。指跡は、指の周囲に、釉が厚く盛り上がります。

   そのまま、筆などで補修すると、その盛り上がった所が、目立ちます。

   それ故、この盛り上がりを、滑らかにしてから、補修します。

   尚 筆で補修する(塗る)と、釉が薄くなり勝ちです、濃い目の釉を使い、置いて行く様にます。

   又、指跡部分が、濡れている早い段階で、指に着けた釉で、補修すると、割合

   上手くいきます。

 ③ 指跡を残さない塗り方

  ) 霧吹きや、ガン吹きなどで、施釉すれば、作品を持つ事無く、指跡は付きません。

  ) 半分づつ施釉する。

    作品を持った指に、釉が掛からない様に、半分掛けた後、掛けた釉が乾いたら、

   その部分を持ち、残りの部分に、施釉します。

  ) 釉で濡らした手で、作品を持つ

    持つ手が、綺麗だと、その部分に、釉薬が載らず、指跡と成ります。

    予め、釉に指先を釉で濡らし、高台を持てば、手に付いた釉が、作品にしみ込みます。

    その結果、指跡が消えたり、薄く成たりします。

4) 作品に、アルミナを塗る

   作品と棚板が、接着しない様に、又 蓋物など、作品同士がくっつかない様に、アルミナを

   塗ります。

  ① 作品が、棚板に接する部分に、水に溶いたアルミナ(水酸化アルミナ、酸化アルミナ)を

   筆や、漬け(浸し)て塗ります。

  ② 蓋物(急須など)は、本体と一体にして、焼成するのが、基本です。

   別々に焼成した場合、一方が熱により、変形すると、蓋が合わなくなる危険性があるからです。

   一体で焼成すれば、たとえ器が変形しても、その合わせた位置では、必ず蓋が出来ます。

   但し、一体で焼成した場合、蓋と本体が接する部分(本体と蓋両方)には、釉が塗れません。

   この部分に、アルミナを塗る事を、忘れない様にします。

   忘れると、蓋が取れなくなってしまう事が、多いです。

 ・ 尚 本体の蓋受けに、釉を掛けたい時は、別焼きと成ります。耐火度の高い土を使うか、

    蓋受け周辺を、やや肉厚に作り、変形を起さない様にします、蓋受けに釉を掛ける場合

    釉の厚みで、蓋が出来なく成る事を防ぐために、若干蓋との隙間を多く取ります。


以上で、 釉掛けの項を、終わります。

次回から、窯詰めについて、お話したいと思います。

陶芸の釉薬の掛け方 

指跡 アルミナ
   

   
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施釉薬後の作業1(釉の補修、釉を剥がす)

2009-06-05 21:37:09 | 釉薬の調合と釉を掛ける
作品に釉薬を掛けた後、窯詰め前に、幾つかの確認事項と、幾つかの必要な作業が有ります。

1) 釉の塗り残し、釉の剥がれ、が無いかを、確認します。

 ① 釉薬の塗り残しは、注意していても、見逃す事が有ります。

   特に、見えない裏側の陰の部分や、細かい凹凸部分などで、気泡が残り、釉が、

   掛かっていない場合が有ります。(ピンホール)

  (気泡の部分は、指や、硬めの筆で、周囲を擦り、粉を出し、その粉を、掛かって居ない部分に

   摺り込むように、入れます。)  

 ② 釉は、素焼の作品の上に、載っているだけで、剥がれ易いです。

   作品同士が、ぶつかる場合は勿論、それ以外でも、剥がれる要素は、沢山有ります。

   特に厚く塗ると、触っただけで、剥がれる場合も、有りますので、取り扱いに注意。

 ③ 剥がれや、塗り残しは、筆(刷毛)などで、補修します。

   注意する事は、当然ですが、剥がれた(塗り残した)釉と、同じ釉を塗る事です。

   色々な作品に、施釉すると、後から補修する際、どの釉を使用したか、解からなくなってしまいます。

   生の状態の、釉は、同じような色をした物が、多数有ります。

   掛けた釉が何であるか、判断に困る場合も、多いです。

  ・ それ故、施釉後、どの釉を掛けたを、記した紙切れなどを、入れて置く事を、勧めます。

   (窯詰めまでは、そのまま使用します。窯詰めの際、取り除きます。)

2) 施釉出来ない部分の処置

 ① 作品は、棚板の上に載せて、焼成します。釉は、高温に成ると、熔けてガラス質に成ります。

  それ故、棚板に接する部分は、釉を掛けないか、剥がして置く、必要が有ります。

  これを怠ると、最悪、作品を壊さなければ、成らなく場合も有ります。

  (作品より、棚板の方が、高価であり、大切な物だからです。)

 ② 釉は、種類によって、流れ易い(流動性の有る)釉と、流れ難い釉が有ります。

   流れ難い釉は、底(高台)より、1~2mm程度、施釉しない部分を残します。

   流れ易い釉は、その流動性に応じて、3~5mm程度、残さなければ、成りません。

   釉は、ブラシなどで、簡単に剥がす事が、出来ます。

 尚 施釉する釉が、どの位流動性があるかは、前もって知って置かなければ、成りません。

   更に、釉単体では、流動性が少ないのに、他の釉を重ね掛けると、流動性が増す釉も有ります。

   それ故、釉の性質を、十分理解して置かなければ、成りません。

   (特に、新しい釉を作ったり、購入した場合には、試し焼きをしなければ成りません。)

 ③ 粘土は、本焼き(高温になる)すると、若干軟らかく成ります。

   その為、棚板に接する面積が増えます。即ち、底が広がり、②で述べた寸法では、不足する

   事が有ります。特に重量の有る作品や、高台の無い「ベタ底」の場合が危険です。

以下 次回に続来ます。

陶芸の釉薬の掛け方 



釉の補正 釉を剥がす
   
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釉薬を掛ける5(多色塗り3)

2009-06-03 21:46:38 | 釉薬の調合と釉を掛ける
前回(多色塗り)の続を述べます。

4) 撥水剤を使う。

   撥水剤が、一般的でなかった時代には、蝋抜(ろうぬき)と言って、熔かした蝋を使いましたが、

   今では、撥水剤を使うのが、普通です。

   撥水剤を塗った所は、釉を弾き、釉が掛かりません。

   撥水剤を素焼した作品に、筆などで塗ると、塗った所は素地のままと成ります。

   釉薬を掛けた上に、撥水剤を使用すると、その部分だけ、重ね掛けは、出来ません。

   撥水剤使用上の注意点

  ① 一度撥水剤の掛かった所は、紙やすりでも、取れません。

   (素焼するしか方法は有りません。)

   それ故、余分な所には、絶対に付けない事です。又「タップリ」筆に液を含ませると、

   にじみ易く、周囲に広がりますから、注意してください。

   若干塗り不足の方が、失敗は少ないです。

  ② 使った筆は、水洗いだけでは、液が落ちません。石鹸液で、洗ってください。

   (水を弾く物は、水だけでは、洗えません。)

以上、多色の釉薬を、使う方法を述べましたが、かなり苦労する事と、思います。


以下で、釉でなく、他の方法で、色を塗り分ける方法を、述べます。

 多色塗りは、意外と手間暇が係ります。

  釉薬で処理するのでは無く、他の方法を選んだ方が、良い場合が多いです。

  勿論、釉薬と他の方法とでは、作品の質感は、違います。好みの方法を選んで下さい。

 ① 色土を使う。 作品を作る際、土に練り込み用顔料を混ぜ、必要な色土を作り、作陶します。

   下絵付け用と、兼用の顔料又は、練り込み用の、顔料を使います。混入する割合は、3~10%

   程度で、色の濃さを調節します。

   細かい部分に、多数の色を付けるには、適しています。

   特に「練り上げ技法」に多用されています。

 ② 化粧土を使う。 作品表面に、多種類の、化粧土で、絵柄を付ける。

   上記練り込み用の顔料を、素地と同じ土に、混ぜ水を加えて、軟らかくし、筆などで、

   絵の具の様に、好みの場所に塗ります。(各色の化粧土が、市販されています)

   釉は、透明釉が一般的ですが、これに準じた釉を薄めにし、施釉しても、色が出ます。

 ③ 絵付けを施す。 下絵付けや、上絵付けで、多色の絵柄を付ける。

   絵付け用の、絵の具には、下絵付け用と、上絵付け用とが、有ります。

   製品仕様が、違いますので、共用できません。

陶芸の釉薬の掛け方 

釉を掛ける 多色塗り



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釉薬を掛ける4(多色塗り2)

2009-06-02 21:55:45 | 釉薬の調合と釉を掛ける
一つの作品に、3色(種類)以上の釉薬を掛ける場合、その掛け分け方によっては、

かなり、工夫が要ります。

単に、下から順に、重ね合わせて、釉薬を掛ける分には、さほど問題ありませんが、好みの位置に、

釉薬を掛けていく場合には、以下の方法が有ります。

1) 筆(刷毛)で塗る方法(この方法が、一般的です。)

 注意点は、

 ① 「塗りむら」が出易い事です。

   濃度が部分的に違い、均等な濃さに、中々塗れません。

   原因は、素地が急速に釉の水分を吸い込み、釉が伸び無いため、度々筆に釉を含ませ、

   継ぎ足して、塗る必要が有るからです。

   糊(CMCなど)を入れ、釉が伸びる様にするか、釉を若干薄くし、数度塗り重ねます。

 ② 筆塗りは、全般的に、濃度が薄くなり易いです。

   筆は引いて使わず、置いて行く様にして塗ると、濃く塗れます。

   その際、釉薬の濃度を、若干濃度します。 (①で述べた事とは、調和させて下さい。)

2) スプレーで掛掛ける

  釉薬を霧状にして、必要な位置のみに、掛ける方法で、手動のブラシング(網とブラシの組)や、

  霧吹き、コンプレサーなどを使い「ガン吹き」し、施釉薬します。

 注意点、

 ① 「マスキング」が必要に成ります。

    必要な位置のみ、施釉する為には、それ以外は、釉が掛から無い様に、します。

    ガムテープを貼ったり、陶画のり(後で述べます)を使用したり、その他の方法で、

    作品を覆い隠します。「マスキング」も意外と大変な、作業と成ります。

    市販の「マスキングテープ」は、貼り付かない為、ほとんど、役に立ちません。

 ② コンプレサーなどを使う場合、霧状の釉を吸込まない様に、屋外か、それなりの設備の有る所で、

  行なってください。又霧で周囲が汚れ易いです。

3) 陶画のり(ラテックス)を使う

  素焼した作品の上に、筆で陶画のりを塗ります。「のり」を塗った所は、釉が掛かっても、

  「のり」を剥がす事により、釉を取り除く事が、出来ます。

  使い方は、「のり」を塗ると、直ぐに乾燥し、透明に成りますので、施釉する事が出来ます。

  施釉後は、針などで、乾いた「のり」を剥がします。

  剥がした部分に、更に施釉します。(後から塗る部分は、筆で塗る事が、多いです。)

 注意点

  ① 筆が傷みやすいので、「のり」を塗ったら、直ぐに、石鹸などで、水洗いして下さい。

   そのままにして置くと、筆は「のり」で固まり、使えなく成ります。

  ② 「陶画のり」の容器は、密封し、容器の中で、固まるのを、防ぎます。

以下 次回に続きます。


陶芸の釉薬の掛け方 

釉を掛ける 多色塗り



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