2) 素地に入れる異物の種類。
① 顔料を入れる。(色土を作る)
② 海砂を入れる。
③ 貝殻の微粉末を入れる。
④ 骨灰を入れる。
⑤ 火山灰や溶岩を入れる。:(以上までが前回の話です)
⑥ コーヒーの出からし(カス)を入れる。
) HON様より、土鍋に付いての情報(コメント)を頂きましたので、紹介します。
土鍋は焼成温度が低いので、他の物と一緒に焼けなくて不便との記事を読みましたが、
鍋を1230度で焼く2つの方法をご紹介します。
1)コーヒー豆の使用後のカスを目分量の体積比で約10%土に混ぜる。土はバサバサになり
菊練りがやっかいです。カスは燃えて無くなり土は耐熱性が高まります。
2) ある程度耐熱性のある土に、より土(道具土)を10%混ぜる。
私の使っているより土には3~4mmの石粒が入っているので、目開き1mmくらいの篩で
漉して使います。コーヒ豆よりは練り易いです。
注) 市販されている土鍋用の土は一般に、焼成温度は、最高1200℃までが推奨温度と詠って
います。それ以上の温度では、作品が壊れるそうです。
) 以上の方法で焼ける理由を考えてみました。
a)「コーヒーカス」を入れると、素焼き又は本焼きする事で、「カス」は燃え尽き、空洞が
出来る事になります。HON様はそのまま使うのか、擂り潰して使う(粒子を細かくする)
かは述べていませんが、当然、空洞(気泡)の大きさも異なります。
b) 素地の中に気泡が出来る事で、素地の伸び縮みに余裕が出来、高温での「ひびや割れ」に
対して抵抗が増します。又使用時には気泡は保温効果をもたらします。即ち、暖め難く
冷め難くする効果をもたらし、気泡を作る事は利点が有ると思われます。
c) 種類にもよりますが、石粒は本焼きで膨張するものもあります。特に長石粒は熔けて
やや透明になり表面に吹き出てきます。この現象は素地を圧縮する働きとなり、「ひびや
割れ」を防ぐと思われます。
⑥ 雑穀や種子などの植物を入れる。
) 作品の表面に細かい凹凸を立体的に入れる際、有機物を入れる方法があります。
即ち、雑穀や種子などの植物を入れる事です。素焼きや本焼きで焼失してしまう物を表面に
押し込むか、表面に塗る化粧土に混ぜ込み、凹凸感を出します。
尚、雑穀とは、ひえ、あわ、 きび、大麦、アマランサス、そば、豆(含む場合もある)などを
いいます。
) この季節、南天やピラカンサス、千両、万両などの赤い実が目にとまります。又西瓜や
かぼちゃ、ひまわり等のやや大型の種、その他、雑草の実なども使う事が出来るかも知れません
種類によって、その形状も変化しますので、異なった表現が出来るかも知れません。
) 籾殻(もみがら)、や蕎麦殻(そばがら)などを利用する事もできます。
尚、種子などは、十分に乾燥しておく必要があります。即ち、種子の乾燥が不十分な場合、
窯の中で弾け、作品を壊す恐れもあります。
更に、上記の植物は燃焼すると灰になります。植物の灰は釉の原料になり、場合によっては独自の
色を呈する事もあり、凸凹の周辺に色が着く場合もあります。それ故、燃えカスを無理に取り
除かずに、そのまま釉を掛けてしまう方法もあります。
⑦ 川原や道端で拾ってきた石を入れる。
)一般には、凸凹した石の表面を押し当て文様を作りますが、小石ややや大きめの石を直接
埋め込む方法もあります。埋め込みが浅い場合、抜け落ちてしまいますので、ある程度押し
込む事になります。
入れた多くの石は高温で焼成しても、ほとんど色も形も変化しませんし、大きさも変化し
ません。やや光沢が鈍くなる程度です。
⑧ 「ビー玉やオハジキ」を入れる。
以前小学校の授業で、粘土に「ビー玉やオハジキ」を入れた作品の素焼きを依頼された事が
ありました。楽焼を目的とした作品でしたが、素焼き程度の温度(約750℃前後)では、ほとんど
変化がありませんでした。より高い800℃以上に成ると熔けて流れるかもしれません。
尚、ビー玉等はガラス質ですが、陶芸の釉よりもかなり低い温度で熔け、流動性がある物が
多いです。
以上色々述べてきましたが、素地その物に異質な物を入れる事で、従来に無い焼き肌を作る事が
できます。興味のある方は、色々試すのも良いでしょう。
以上で、「素地(粘土)に異物を入れる行為」の話を終わります。
① 顔料を入れる。(色土を作る)
② 海砂を入れる。
③ 貝殻の微粉末を入れる。
④ 骨灰を入れる。
⑤ 火山灰や溶岩を入れる。:(以上までが前回の話です)
⑥ コーヒーの出からし(カス)を入れる。
) HON様より、土鍋に付いての情報(コメント)を頂きましたので、紹介します。
土鍋は焼成温度が低いので、他の物と一緒に焼けなくて不便との記事を読みましたが、
鍋を1230度で焼く2つの方法をご紹介します。
1)コーヒー豆の使用後のカスを目分量の体積比で約10%土に混ぜる。土はバサバサになり
菊練りがやっかいです。カスは燃えて無くなり土は耐熱性が高まります。
2) ある程度耐熱性のある土に、より土(道具土)を10%混ぜる。
私の使っているより土には3~4mmの石粒が入っているので、目開き1mmくらいの篩で
漉して使います。コーヒ豆よりは練り易いです。
注) 市販されている土鍋用の土は一般に、焼成温度は、最高1200℃までが推奨温度と詠って
います。それ以上の温度では、作品が壊れるそうです。
) 以上の方法で焼ける理由を考えてみました。
a)「コーヒーカス」を入れると、素焼き又は本焼きする事で、「カス」は燃え尽き、空洞が
出来る事になります。HON様はそのまま使うのか、擂り潰して使う(粒子を細かくする)
かは述べていませんが、当然、空洞(気泡)の大きさも異なります。
b) 素地の中に気泡が出来る事で、素地の伸び縮みに余裕が出来、高温での「ひびや割れ」に
対して抵抗が増します。又使用時には気泡は保温効果をもたらします。即ち、暖め難く
冷め難くする効果をもたらし、気泡を作る事は利点が有ると思われます。
c) 種類にもよりますが、石粒は本焼きで膨張するものもあります。特に長石粒は熔けて
やや透明になり表面に吹き出てきます。この現象は素地を圧縮する働きとなり、「ひびや
割れ」を防ぐと思われます。
⑥ 雑穀や種子などの植物を入れる。
) 作品の表面に細かい凹凸を立体的に入れる際、有機物を入れる方法があります。
即ち、雑穀や種子などの植物を入れる事です。素焼きや本焼きで焼失してしまう物を表面に
押し込むか、表面に塗る化粧土に混ぜ込み、凹凸感を出します。
尚、雑穀とは、ひえ、あわ、 きび、大麦、アマランサス、そば、豆(含む場合もある)などを
いいます。
) この季節、南天やピラカンサス、千両、万両などの赤い実が目にとまります。又西瓜や
かぼちゃ、ひまわり等のやや大型の種、その他、雑草の実なども使う事が出来るかも知れません
種類によって、その形状も変化しますので、異なった表現が出来るかも知れません。
) 籾殻(もみがら)、や蕎麦殻(そばがら)などを利用する事もできます。
尚、種子などは、十分に乾燥しておく必要があります。即ち、種子の乾燥が不十分な場合、
窯の中で弾け、作品を壊す恐れもあります。
更に、上記の植物は燃焼すると灰になります。植物の灰は釉の原料になり、場合によっては独自の
色を呈する事もあり、凸凹の周辺に色が着く場合もあります。それ故、燃えカスを無理に取り
除かずに、そのまま釉を掛けてしまう方法もあります。
⑦ 川原や道端で拾ってきた石を入れる。
)一般には、凸凹した石の表面を押し当て文様を作りますが、小石ややや大きめの石を直接
埋め込む方法もあります。埋め込みが浅い場合、抜け落ちてしまいますので、ある程度押し
込む事になります。
入れた多くの石は高温で焼成しても、ほとんど色も形も変化しませんし、大きさも変化し
ません。やや光沢が鈍くなる程度です。
⑧ 「ビー玉やオハジキ」を入れる。
以前小学校の授業で、粘土に「ビー玉やオハジキ」を入れた作品の素焼きを依頼された事が
ありました。楽焼を目的とした作品でしたが、素焼き程度の温度(約750℃前後)では、ほとんど
変化がありませんでした。より高い800℃以上に成ると熔けて流れるかもしれません。
尚、ビー玉等はガラス質ですが、陶芸の釉よりもかなり低い温度で熔け、流動性がある物が
多いです。
以上色々述べてきましたが、素地その物に異質な物を入れる事で、従来に無い焼き肌を作る事が
できます。興味のある方は、色々試すのも良いでしょう。
以上で、「素地(粘土)に異物を入れる行為」の話を終わります。