おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

あの日のクワガタ

2017年05月31日 | 日記
時に人は、運命的な物を信じたくなるものだ
 
今朝、もう少し!と二度寝の快楽を楽しんでいると、

「すごいことが起きた!」

興奮気味に嫁さんが大きな音を立てて
階段を昇ってきた

寝ぼけ眼の僕は、どうしたん?ってな感じで
目だけを掛け布団から出した

「あんな」

ことの成り行きを喋りだす

核心に到達するまでに少しの時間を要したが、
クライマックスになると、嫁さんのボルテージが
一段上がった

「クワガタがおったんよぉ!」
 
ことの顛末はこうだ

愛犬を洗ってやろうと風呂場に近づくと
ドアの近くにクワガタが仰向けに寝ていたそうだ

「ゴキブリ?」

たぶん、クワガタだろうと思いながら
確信が持てず、僕に確認するために
虫カゴに捕獲したとの報告

その時点でそれがクワガタだろうと
予測はついた

仮にゴキブリなら、確認しなくとも
本能で拒絶するように人間ならできている
それを「クワガタかも?」とは
思わないはずだ

そうかそうか、じゃあ
俺があとで確認しますよ!と
目で合図してみると
おもむろに彼女が話の続きをしだした

今から2年ほど前だろうか

甥っ子たちにせがまれて
久々に虫取りに奔走した時があった
その時に虫かごを買った

時は流れ、甥っ子たちの興味も薄れていったが、
お盆にあう時に!と、去年も偶然みつけた
クワガタの世話をしていた

しかし、嫁さんの世話の甲斐もなく、
どうやらその生涯を終えたようだった

嫁さんはその死を痛み、畑の土のなかに
返してやった

その畑の土に返ったはずのクワガタから生まれたのが、
今日、風呂場の前でひっくり返っていた
クワガタではないのか!というのが、
嫁さんの推論だ

もちろん、頭から否定する話ではないが、
唐突には理解し難い仮説だ

しかし、どこかで僕もそれに
ある意味のファンタジーを感じたのは事実だ

時に人は、運命的な物を信じたくなるものだ