カレーライスを食べる時は、やっぱ「スプーン」でしょ!
週末に面白いニュースを聞いた。学校給食でカレーライスを箸で
食べているそうな。
詳しくは聞かなかったが、ご飯給食になって、スプーンを出してないらしい。
必然的にカレーも「お箸」で食べる事になる。
僕自身、ご飯給食が本格的に始まったのは中学生になってからだと記憶している。
小学校6年の頃には、「ご飯」は出る事があったが、それはパンの代わりに
おにぎりが三つほど出ていた。それも一ヶ月に数回だけ。
僕としては、「パン」の給食が好きだった。家でパンを食べる事が少なかった
事もあって、給食でも「ご飯」が出たときには、少しがっかりした。
始まった当初は、週二日ほどが「ご飯給食」だった。
その日はスプーンは出ない。各自「お箸」を持参して給食を食べる。
忘れた時が大変だ。初めの方は給食所に取りに行けば手に入ったが、
徹底させる為に、徐々に貸してもらえなくなった。
今なら「手で食わしているのか!」って、勘違いした親がおこってくれるかも
知れないが、当時はまだ「忘れるお前が悪い!」って言われてるのがオチだった。
忘れた時には、学校の裏山にいって枝を折り、箸の代わりにする猛者も居た。
女子の中にはスプーンを持参する強者もいた。
でもカレーの時には「スプーン」が出ていた。やっぱり箸では食べにくいからだ。
カレーはスプーンでは「食べにくい」であって「食べられない」ではない。
実際僕はカレーライスを箸で食べている人を見た事がある。
会社勤めをしていた時、昼食は会社の食堂で食べる。種類は豊富ではなかったが、
何よりも安価である事がよかった。
また、女性のいない職場にいた事もあって、女性と会話出来るのは、
食堂しかなかった。
色んな人が集う食堂。そこに彼がやってきた。
初めて見る顔だった。「新入りかな?」と彼を見ていた。彼のトレーには
カレーライスがのっている。
しかし彼は「スプーン」の在りかがわからないようだった。
勤めはじめてまだ日が浅いのだろう。顔見知りも居ず、また大人しそうな彼は
周りの誰にも「スプーンはどこですか?」と聞くことも出来ずに
少し困っていた。
「どうするかな?」
僕は彼がどうやって「カレーライス」を食べるのか静かに見守った。
席につくと、箸はある。
彼も意を決したのか、その箸を持ってカレーを食べはじめた。
苦労しただろう。ご飯にカレーを絡ませて慎重に箸を上げていく。
しかし予想以上にカレーがつき過ぎて、口に運ぶまでは至難の技だ。
何度も落としながら、彼はその「カレーライス」を完食した。
「すごいぞ、お前!」
声に出す事はなく、心の中で呟いた。
彼は少しだけ周りを気にしながら、席をたった。
会社の食堂なので、勿論片づけもセルフだ。
彼は苦心の跡が残るトレーを見つめながら、回収用の流し台に
歩いていった。
そしてその瞬間、彼は自分を苦しめた「スプーン」と対面した。
そう、「スプーン」は流し台の横、カウンターの一番奥にあったのだ。
「・・・・・」
時間にしてどれくらいだろうか?
彼はそのスプーンを見つめて、固まったまま動けずにいた。
週末に面白いニュースを聞いた。学校給食でカレーライスを箸で
食べているそうな。
詳しくは聞かなかったが、ご飯給食になって、スプーンを出してないらしい。
必然的にカレーも「お箸」で食べる事になる。
僕自身、ご飯給食が本格的に始まったのは中学生になってからだと記憶している。
小学校6年の頃には、「ご飯」は出る事があったが、それはパンの代わりに
おにぎりが三つほど出ていた。それも一ヶ月に数回だけ。
僕としては、「パン」の給食が好きだった。家でパンを食べる事が少なかった
事もあって、給食でも「ご飯」が出たときには、少しがっかりした。
始まった当初は、週二日ほどが「ご飯給食」だった。
その日はスプーンは出ない。各自「お箸」を持参して給食を食べる。
忘れた時が大変だ。初めの方は給食所に取りに行けば手に入ったが、
徹底させる為に、徐々に貸してもらえなくなった。
今なら「手で食わしているのか!」って、勘違いした親がおこってくれるかも
知れないが、当時はまだ「忘れるお前が悪い!」って言われてるのがオチだった。
忘れた時には、学校の裏山にいって枝を折り、箸の代わりにする猛者も居た。
女子の中にはスプーンを持参する強者もいた。
でもカレーの時には「スプーン」が出ていた。やっぱり箸では食べにくいからだ。
カレーはスプーンでは「食べにくい」であって「食べられない」ではない。
実際僕はカレーライスを箸で食べている人を見た事がある。
会社勤めをしていた時、昼食は会社の食堂で食べる。種類は豊富ではなかったが、
何よりも安価である事がよかった。
また、女性のいない職場にいた事もあって、女性と会話出来るのは、
食堂しかなかった。
色んな人が集う食堂。そこに彼がやってきた。
初めて見る顔だった。「新入りかな?」と彼を見ていた。彼のトレーには
カレーライスがのっている。
しかし彼は「スプーン」の在りかがわからないようだった。
勤めはじめてまだ日が浅いのだろう。顔見知りも居ず、また大人しそうな彼は
周りの誰にも「スプーンはどこですか?」と聞くことも出来ずに
少し困っていた。
「どうするかな?」
僕は彼がどうやって「カレーライス」を食べるのか静かに見守った。
席につくと、箸はある。
彼も意を決したのか、その箸を持ってカレーを食べはじめた。
苦労しただろう。ご飯にカレーを絡ませて慎重に箸を上げていく。
しかし予想以上にカレーがつき過ぎて、口に運ぶまでは至難の技だ。
何度も落としながら、彼はその「カレーライス」を完食した。
「すごいぞ、お前!」
声に出す事はなく、心の中で呟いた。
彼は少しだけ周りを気にしながら、席をたった。
会社の食堂なので、勿論片づけもセルフだ。
彼は苦心の跡が残るトレーを見つめながら、回収用の流し台に
歩いていった。
そしてその瞬間、彼は自分を苦しめた「スプーン」と対面した。
そう、「スプーン」は流し台の横、カウンターの一番奥にあったのだ。
「・・・・・」
時間にしてどれくらいだろうか?
彼はそのスプーンを見つめて、固まったまま動けずにいた。