鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

初夏の休日②~寄り道・銀座 みゆき館 

2012-05-20 22:53:02 | Weblog
薄曇り。


昨日は、都下へ出て、もう1件、寄るところがあった。
劇場枠で予約した演劇チケットの引取りに、日比谷へ。
宝塚劇場の隣のビルが、いつのまにか消失(再開発?)していて、皇居のお堀端の緑が見える。
この方が見通しがいいよなぁ・・・。それにつけても、案外、狭いもんだな・・・と思う。

JR有楽町駅で下車して、帝国ホテル前の劇場まで、歩く。

そして、そのあと、銀座に出て、久しぶりに中華ランチでも食べようかと帝国ホテル前の道を銀座方面へ。泰明小学校前を通過(・・・ここが、あの?朝丘雪路さんが人力車で乳母と通った学校だったかね?)。

みゆき通りに到る。
みゆき族発祥?の地。(みゆき族に関しては、多分、この頃、まだ生まれていなかったと思うので、実態は不明。夕暮れ族なら、多少?知ってるんだけどね???)

この周辺は、懐かしい。
もうなくなってしまったのだけれど、ここには、むかし『みゆき館』という小劇場スペースがあって、ここで、加藤健一さんの『審判:バリー・コリンズ・著』をみたのだった。
1970年代の終り頃だったと思う。

『有罪ですか?ええ・・・。有罪に決まってますとも・・・。』

脱出不可能な地下牢(・・・だったと思いますが、そのへん曖昧・・・)に閉じ込められた数人の士官が、死んでいく仲間達を食べて、生き続け、最後のひとりとなったヴァホフ大尉が、終戦後、奇跡的に救出されたものの、裁判にかけられる。その被告役を、2時間にわたり、ひとりの俳優が演じていく。

舞台にセットが、被告席ひとつだけ・・・。
近くの大劇場では、華やかなレヴューや芝居をしている同じ銀座にあって・・・100席に満たないこの地下の小劇場では、人道に触れる物語がひとりの役者によって、展開している・・・なんつぅ・・・ギャップだろうか・・・。

この『審判』。
加藤健一さんの他に江守徹さんが演じていらしたけれど、その後、再演の噂は、聞いていない。
加藤さんは、その後、『麻雀放浪記』で、女を質にいれても博打を打つ女衒の鬼気迫る演技は、秀逸だったし、松坂慶子さん主演の『椿姫』の相手役(アルマン・・・なんだろうなぁ・・・原作では。映画じゃ、タクシーの運転手さんだったけど・・・)を演じていらした。


そんなことを回想していうちに、私は、中央通りと外堀通りを間違えたとも知らず・・・何故か、新橋方面へ向かって歩いているのであった・・・。