鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『舞台 十三人の刺客』②

2012-08-17 22:56:07 | Weblog
暑い。午後から雷雨。

(昨日の続き)

柔と剛・・・。真逆な性格なれども、親友同士で、お互いを認め合い、その上で、過酷な運命の巡りあわせで、闘わなければならなくなった島田新左衛門(高橋克典さん)と鬼頭半兵ヱ(坂口憲二さん)。
相対する二人を、高橋さん、坂口さんが、好演。
穏やかで情に溢れる新左衛門、激しく義に厚く慎重な半兵ヱ。
二人の戦略と攻防が、この舞台の見所でもあります。
新左衛門には、彼に従う忠実な刺客12人が集います。
しかし、暴君を守る立場の半兵ヱには、その守るべき暴君、明石藩主・松平斉韶(袴田吉彦さん)に、忠義を尽くす価値を見いだせない家臣ばかり。
中でも、側用人・浅川(小須田康人さん)と反目します。
こういう官僚的(或いは、エリートサラリーマン的)役をやらせたら、抜群に上手い、小須田康人さん。第三舞台の電脳役者の面目躍如でした。

舞台は、セットを究極まで、そぎ落とすシンプルな構成。
終局の乱闘が、この舞台のヤマ場ですので、それに合わせたようです。

この赤坂ACT劇場は、奥行きは、それ程ないようですが、それに対して、高さのある舞台構造のようで、空間を上下二段に分割して、画面を構成した感じです。
高い位置での大名行列、それを阻む尾張藩など。
(余談ですが、この劇場が、リニューアルされたとき上演された『トゥーランドット』、一昨年の『ジャンヌ・ダルク』の高低差を利用した立体的な舞台構造を思い出しました)

もしかすると、この劇場は、二階席の最前列が、一番観劇しやすいのかもしれません。
(因みにそれ以降の後方とサイド席だと遠すぎるかも・・・?)

そして、大詰め。
一宿場を借り切って、明石藩主・松平斉韶を襲撃の場として、細い宿場の路地を想定した動くボックスの配置。前面に押し出して、空間を遮ります。
舞台構造上、無理だったのかもしれませんが、このシーンも上下二段で、やったら、かなり視覚的に面白いのでは・・・などと、浅はかな素人(←私です)は、考えたのですが・・・。