湿度の低い爽やかな日曜日。
風も心地よい初夏日和。
昨日(16日)は、朝から相方と都内・世田谷シアタートラムへ、観劇に。
去年の同じ頃、同じ場所で、イキウメの『関数ドミノ』を見て以来、この劇団の上演する作品のいくつかを見たけれど、いづれも遜色がなく、粒ぞろいの作品である。
上演作品に、ハズレがない・・・というのは、凄いことなのである。
因みに、これまで、10の作品をみても、満足するのは、ふたつ、みっつ・・・くらいと思える演劇であったけれど、稀に見るヒット率でもある。
いつみても、満足が得られる・・・という意味では、希少な劇団かもしれない。
超常現象に潜む説明のつかない事象を巧みに切り取りながら、舞台という空間で、人の心の映し出す騙し絵を描き出す手法は、いつもながら、一時、現実を忘れ去らせてくれるようだ。
脚本もさることながら、演出、そして、その空間を作り上げる役者の力量も半端ない。
面白すぎる・・・!
物理的法則さえも無視して、説明のつかない場所が存在することは、あるのかもしれない。
スピリチュアル・・・というのとは、また一線を画すような・・・そんな空間に取り込まれた人々の織り成す様々なドラマ。
地方の素封家で、働かず気ままに暮らす兄・輝夫(安井順平さん)のもとへ、離婚を決意した妹・要(伊勢佳代さん)が戻ってきたことから事件が、始まる。
超常現象の出現するという噂のある家屋で、要は、夫の滋をと遭遇するが、滋は、この1ヶ月間の記憶が全くなく、しかも、滋(浜田信也さん)には、滋を名乗る同一人物の存在が、確認される。
その超常現象を追跡していた不動産仲介業の江口(盛隆二さん)は、輝夫の中学時代の同級生。
滋のドッペルゲンガーの出現の謎に迫る3人だったが・・・。
この先の展開は、どうなるのか・・・という期待と不安の中に、笑いを織り込み、飽きさせることなく約2時間の上演。
この芝居、チケット料金が安すぎる。
それくらい価値ある空間を演じきっている秀逸な舞台。