暦の上では、今日が立秋。
秋が立つ日。
2,3日前(・・・もう少し前だったかもしれない)から、夜半に蟋蟀(こおろぎ)の鳴く声が聞こえた。
5年前くらいだろうか・・・まだ、お勤めをしていて、合併前の新館に引っ越す前の事務所での月初めの残業を終えて、ヤレヤレ・・・と駐車場へ向かう帰り道、萩の藪の中から、蟋蟀の声が聞こえて来て・・・こんなに暑いのに夏ももう終わりなのだな・・・と一抹の寂しさとこの暑さにも陰りがみえてきて、涼しい秋の到来を待ち望んだ日のことを思い出した。
・・・あの頃は、残業ばかりしていたなぁ・・・と思う。
いまの状態(失業)は、想像していなかったな・・・。
失業するかもしれない・・・という思いは日々あったけれど、こんなに仕事をしない日々を送るとは、思いもしなかった。
過去ばかり、思い出しているこの頃である。
秋の虫のコンチェルトは、まだ少し先で、鈴虫などが加わるのは、お盆過ぎごろだろうか・・・。
秋虫のオーケストラは、準備中である。
夏虫達の中で、喧(かま)びすしいのは、蝉(セミ)達である。
蜩(ひぐらし)は、7月の中旬頃、朝と夕方に、切り裂くように啼き始める。
7月下旬になると、そこへ、油蝉が加わる。
蜩は、まだ情緒があるが、油蝉は、節操がない。煩い。喧(やかま)しい。騒音である。
そして、最後の大物・・・。
昨日、つくつくぼうしが、鳴き出したのだ。
記憶違いなのかどうか・・・。つくつくぼうしは、お盆過ぎ・・・に鳴き出す・・・ように思っていたけれど、8月の初旬のようである。
3種類の蝉の鳴き声が、重なるのが、今頃。
蝉の最盛期。
そろそろ、蜩も終わりかもしれない。
夏も足早に去っていく・・・。
それにつけても・・・。
今年の夏は、どんよりしたもったりした陰湿な夏のようである。
カラリ・・・と爽やかに晴れない。
湿度と熱暑のとんでもない夏である。