友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

ソロンの改革

2011年12月05日 21時32分03秒 | Weblog

 胸の痛みは恋の病だけれど、膝の痛みは何だろう。「それは老化です」と皆が口をそろえて言う。そう言われてしまっては情けないが仕方ないかと思う。先日、整形外科を受診して、患者の多いことに驚いた。入院施設の無い個人医院でも若い医者のところでも待合室は人でいっぱいだ。耳鼻科も人気のあるところは予約制で、それでも何時間も待たなくてはならないと聞く。内科や外科など年寄りの患者の多い病院は常に込み合っている。それだけ年寄りは、いろんな病気を抱え込んでいると言うことだろう。私の身体もあちこちと欠陥があらわになってきた。長い間使っていながらメンテナンスを怠ってきた罰だ。

 

 地球も次第に危機を迎えている。各国が税収を上回る支出を繰り返し、国債を発行して食いつないで来たが、いよいよ危機があらわになってきた。4日の朝日新聞に、紀元前6世紀初めのアテネの話が載っていた。アテネの繁栄は植民地を多く抱え、奴隷が生産を担ってきたからだが、市民の全員が豊な暮らしをしていたわけではなかった。「貧しい市民は、金持ちから金を借りてやりくりしていた。借金のかたは自分の体。返せない者は奴隷になった」。「落ちぶれた人が増え、社会は緊張が高まっていた」。「そこに、ソロンという政治指導者が登場する。彼は借金を帳消しにし、多くの市民を奴隷状態から市民に戻した」。

 

 そして、「人間を借金のかたにすることも禁じた。さらに、富裕層などに限られていた政治参加を貧しい市民に広げた」。ソロンの改革は古代民主主義の土台となったとある。やはり、この方法しかないだろう。借りたものを返すのは当然なことで、借金をした人は返さなくてはならない。しかし、借りた方が瀕死の状態にあるのなら、免除してもいいのではないだろうか。貸した方はそれで生活が出来なくなるわけではないだろうから。新聞には、「ギリシャ中央銀行よると、同国ですでに50万世帯が無収入状態」という。けれどもギリシャは高級車の保有数が高いとテレビでは報じていた。貧困にあえぐ人々がいるけれど、とても裕福な人もいるということだ。

 

 アメリカのニューヨーク市のウォール街でのデモのように、1%の富める人々が99%の貧しい人々を支配しているのだろう。いや多分、正確には1%の人々がどんどん富を集積していくのに、残りの99%の人はどんなに働いても貧しく、今や働く場所すら無くなっているというのが現実なのだろう。人々の労働と消費がなければ社会は成り立たない。ソロンは「人々の上に立つ者たちが不正で財をなす。聖なる宝も公共の財産を奪う。そして正義という神聖な原則さえないがしろにする」と言うけれど、資本主義社会では大金持ちは正当に働いて富を築くのだ。けれども、富が集中すればするほど、富から縁遠い人々が生まれてしまう。

 

 世界のあり方を根本から変える時代に差し掛かっているのだろう。人が老化していくことは止めようがないけれど、人の命が続いていくのであれば、その社会のあり方についてはみんなで知恵を出し合う必要がある。唐突だけれど、私は明日から3日間、ブログを休むことにする。

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