とうとう11月になってしまった。歳を取ると時間の流れが速くなるというが、本当にそう感じる。チューリップの球根が届く前に、土づくりをしておこうと思い、朝から作業を始めたのに午後2時過ぎに突然風が強く吹き始めた。もう少し待ってと祈ったが止む気配はなく、結局作業を中断した。すると悲しいかな何をやったら良いのか分からない。またしてもぼんやりと本を読む。
カミさんは朝早くからゴルフに出かけた。よくまあ体力があると感心する。友だちのお姉さんは80歳だがアメリカからひとりで日本へ帰って来た。本当は5月に、女学校のクラス会に合わせて帰国する予定だったが、あの熊本地震で延期になった。アメリカでの暮らしが彼女を元気にしているのか、いつ会っても若々しく溌溂としている。歳を重ねても女性は皆元気だ。
友だちとお姉さんは日本とアメリカに離れているのに、電話をすると2時間くらい話しているそうだ。友だちは、幼い頃は引っ込み思案で、3歳年上のお姉さんに庇ってもらっていたという。そういう姉弟だからか、お姉さんが嫁いでアメリカにいってしまったからなのか、ベッタリと仲がいい。幼い時に父親を亡くしたので、お姉さんは弟が心配だったのかも知れない。弟の結婚相手についてもお姉さんは「吟味」している。
姉妹や兄弟でとても仲がいいと羨ましく、自分が出来なかったことを情けなく思う。14歳年上の姉にはお世話になったこともあり、月に1度は施設にいる姉を見舞いに行くが、2歳年下の妹には何もしてあげていない。私が高校1年の時、母が亡くなり、高校3年の時、父も亡くなった。妹が高校を卒業する時は我が家は倒産していたので、とにかく姉に妹を頼んで面倒をみてもらった。私は普通に暮らし、妹には「ダンナと別れたら絶対ダメだよ」と頼んだ。