友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

男も女もみんな美しくなっていた

2016年11月28日 18時10分21秒 | Weblog

 何年ぶりだろう。「昭和47年3月の卒業以来です」と言う子もいたから、44年ぶりの再会になる。何年だったか覚えていないけど、どこかで一度開かれたクラス会に出席したことがある、それも随分前のことだ。待ち合わせ場所でキレイな女の人が立っていたが、まさかと思って素通りしたら、「あのー、先生?」と向こうから声をかけてくれた。バスケット部のキョウコちゃんだった。

 次々と人が集まって来るけれど、「あれっ、誰だっけ」と思い出せない。「先生、変わらないねえ」と言ってくれるが、お世辞であることは私自身が分かっている。この子たちを担任した時は24歳で、長髪の若造だったのに、髪はすっかり寂しくなっている。それでも私よりも頭が禿げあがっている子もいるし、少なくとも男はみんな白髪交じりで、すっかりオジイさんだ。

 「先生はいくつになられたんですか」と聞くから、「72歳だよ。君たちは?」とたずねると「63歳ですよ」と答える。24歳と15歳の時は歳の差は大きかったけれど、こうしてジジババになってしまうと変わらない。それでも高校時代と全く変わらない髪型の女の子がふたりいて、あの頃が昨日のようだ。久しぶりの再会に、大いに話し、飲んで、笑った。

 デザイン会社の社長になった人、世界的な靴デザイナーになった人、山荘を持っている人、海外に出かける人、鎌倉の海でサーフィンを楽しんでいる人、63歳にもなるともうみんな立派な大人だ。女の子も美しく歳を取っていて、どの顔も高校生の時よりも品がある。クラス会には「成功していないと参加できない」という面はあるだろう。それでも歳を重ねてくればもう大差ない。

 私より2歳年上の先生が、「来年からは絵描きに専念する」と言われた。「75歳までに逝きたい」などと言っている私が恥ずかしい。そうか、まだまだ前を向いて生きていこう。結果なんてどうでもいい、生きていれば何かが生まれる、そんな気持ちにさせてくれたクラス会だった。ありがとう、みんな、またね。

コメント (2)
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