朝早く、仙台の次女が3歳の孫娘が作った小さな雪だるまをメールで送っていた。仙台は東北の中でも雪が少ない都市だが、今日は雪が積もっていて、孫娘は大喜びで雪だるまを作ったようだ。子どもは寒さよりも雪と遊べることがうれしいのに、大人になると寒さにはめっきり弱くなり、とても外に出かけていく気になれない。
教育評論家が「3歳までの子育てが大事」という。それは親の保護の下で大事に育てられていることを子どもが肌で感じ取るからだろう。大事に育てることは、子どもの言いなりになることではないが、聴く耳を持っていなくてはならない。危険なことや人の身体や心を傷つける行為は「ダメ」と教えなくてはならない。けれど、教えるばかりでなく、褒めることがなければ愛情は育っていかない。
子どもはやがて、「親はなくても子は育つ」という時期に移ってしまう。女の子なら「お父さん、入って来ないで」と父親の接近を拒むようになる。男の子なら母親と話もしなくなる。そうして子どもは次第に大人になり、親を手本か反面教師にして異性に近づき、やがて親元から離れていく。人間はそうして暮らしてきたのだから、受け止める以外にない。
「子どもが結婚しないので困っている」とか、「結婚したのに離婚すると言い出して」とか、親はいつまで経っても子どものことで悩む。「何しているだろう」とか、「仕事はできているのだろうか」とか、もっとビックリしたのは「ちゃんとご飯食べているかしら」とまで心配している。20歳を過ぎて、いやもう50歳になろうとしているのに、まだ子ども扱いして考えている。
北朝鮮がオリンピックを利用して韓国に接近していることを、「微笑み外交に騙されるな」と言う人がいる。いいじゃーないか、仲良くできるなら。圧力だけでは人の心は開かない。人と人とが心を許し合い、肌が接するまでになることが一番大事なことだ。大人と大人ならそれが出来るはずだ。