パソコンのニュースを見ると、「中山美穂さん 死亡」が出ていた。中山美穂さんのファンでもないし、関心があった訳では無いが、生年月日を見て驚いた。長女と同じ1970年だった。54歳、まだまだ先は長いはずなのに。
昨日、カミさんに教えられてベランダから月を見た。月に近いところに星が輝いていた。月と金星のランデブーと思い、急いでスマホを向けた(写真)。すぐに雲が広がって来て、月も金星も見えなくなってしまった。
今日、同じ時間に空を見たが、すっかり雲に覆われ暗かった。チャンスはそんなにあるものではないようだ。古い写真を整理していたら、たくさんの結婚式の記念写真が出て来た。仲人を頼まれた卒業生の結婚式、カミさんの弟や妹の結婚式、そしてカミさんのお父さんとお母さんの記念写真もあった。
懐かしい写真ばかりなので、また仕舞い込んでしまった。私はまだ、私の父の日記や母が裁縫教室を開いていた時、父が撮っただろう写真のアルバムが処分出来ずにいる。小太りで、大声で笑う母のことが懐かしい。
幼い時、母に呼ばれて縁側で、母の膝枕で耳の掃除をしてもらった。母の腿は柔らかくて気持ちよかったが、耳掃除は痛くて、呼ばれると「またか」という気分だった。母の乳房を吸う妹が羨ましかった。
若い女の子に洋裁を教えながら、洋服や和服の仕立てもしていたので、母は休む暇がなかった。相手にしてもらえない父は、職場の女性と恋に落ちた。父の日記に、校長室に花を活けてくれる先生が、運動場に居る姿を見つめる歌があった。
若くして校長になった父は、早期に退職し、退職金で土地を買い家を建てる計画だった。買うつもりでいた土地をみんなで見に行った。なのに母は54歳で逝き、父の退職金は兄が作った負債に全て使われた。そして父も、母の後を追うように54歳で亡くなった。母は4つ歳上だった。