暑さで部屋に閉じ籠り

　暑い。朝、ルーフバルコニーは日陰だからと思い、掃除をしていたら汗が出てくる。早めに打ち切って部屋に入るが、部屋の中も暑い。扇風機を回して、ひとりでテレビを見ながら朝食を食べる。カミさんは朝早く出かけて行ったので、今日は夕方までひとりだ。

　ルーフバルコニーで汗をかきながら作業をしていて、ここで熱中症で倒れても誰も気が付かないだろうから、蟻に噛みつかれながら死ぬのは嫌だと思った。ひとり暮らしの年寄りが部屋の中にいても熱中症になることがあるとテレビが報じていた。

　室温３２度、湿度６３％。ひとりで冷房を入れるのは気が引けるが、我が家の決まりでは３１度以上の時はエアコンを使っていいので、居間のエアコンを点ける。梅雨明けはまだ先らしいが、すっかり真夏のような暑さだ。暑さのせいか、何も考えられない。

　テレビは、俳優の三浦春馬さんの自死について繰り返し報道している。土曜の夜に、彼が出演していた映画『コンフィデンスマン』を偶然観たばかりだったので驚いた。カミさんは以前から知っていた俳優と言うが、私は記憶がない。

　テレビは番組の最後に、「一人で悩んでいる方はここへおかけください」と相談窓口の電話番号を映し出している。後追い自殺を警戒しているのだろう。自殺か、若い時の私はキリスト教に興味があったので、自らの命を絶つことは考えたことがなかった。

　高齢になって、もう充分生きたから早く旅立ちたいと願うが、自殺しようとは思わない。我が家はマンションの３０メートルほど上の階にある。若い時は、ルーフバルコニーのフェンスを乗り越えて掃除をしたが、今は怖くて出来ない。足が踏ん張れないのだ。

　暑さで部屋に閉じ籠り、コロナで閉じ籠り、コロナ鬱になりそうだ。後輩のブログに素敵な言葉があった。「私のために死んでくれる人には出会えなかったけれど　私と生きることを当たり前と思う人には出会えた　それで　充分」。