運動会が近づいて来ると、行進練習と共に、集団演技の練習が活発に行われる。「ソーラン、ソーラン」の掛け声が響き渡る。『ソーラン節』が運動会の演技種目となったのは何時からだろう。
『ソーラン節』は北海道の日本海地方に伝わる労働歌と言ってもいいだろう。沖にニシンの群れを見つけると、漁民は一斉に船を出し、網を張ってからめ捕る。力を揃えるためにこの時、掛ける声が「ソーラン」である。
先生たちもこうした歌の背景を子どもたちに教えていることだろう。歌はその歌詞の意味を知ると、よりいっそう身近に感じる。でも、私にはいまだによく分からない歌がある。童謡の『7つの子』がそれだ。
カラスの鳴き声が、「可愛い、可愛い」と聞こえるとは上手い表現だと思った。「カアー、カアー」と鳴くカラスの声は、どこかもの寂しくて、母親が子どもを探しているように聞こえる。
でもその歌詞には、「可愛い7つの子があるからよ」とある。「7つって?」、「7羽の子ガラス」のことなのか、それとも「7歳の子」のことなのかと考えてしまった。カラスは一度に7羽も産まないし、7歳になっていればもう大人のはずだ。
そんな疑問を持った人は、発表された大正10年の当初から居たようだ。作詞した野口雨情がどのように答えているのか分からないが、きっと、「口ずさんでいただければ、それでいいです」と思っていたのではないだろうか。
同じ野口雨情の童謡に、「赤い靴 履いてた女の子 異人さんに連れられて 行っちゃった」があるが、初めて聴いた時は、人さらいの歌かと思った。本当のところは分からないが、異人の家で幸せに暮らしている歌かも知れない。
短い言葉から想像することの楽しさを教えてくれる。そんな特集が今朝の朝日新聞にあった。