世界にキリスト教徒は25億人いるという。なのにどうして戦争は無くならないのだろう。世界は今、近代戦争の恐ろしさを熟知しているのに、ロシアのウクライナ侵攻に対して、ウクライナは兵器の援助を求め、欧米は援助するという泥沼に向かっている。
イエスが捕らわれようとした時、イエスと一緒にいた者が剣を抜いて抵抗した。するとイエスは、「剣を鞘に納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる」と言われ、連行されていった。戦えば、必ず犠牲者がでる。私の好きな、イエスの言葉がある。
「あなたがたも聞いているとおり、目には目を、歯には歯をと命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。誰かがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をもむけなさい」と。
さらに、「あなたがたも聞いているとおり、隣人を愛し、敵を憎めと命じられている。しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。あなたがたの天の父の子になるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである」。
なのにどうして2000年以上経ても、戦争は無くならず憎しみの連鎖は続いているのだろう。いったいキリスト教徒は、イエスの言葉をどう信じ、何を守っているのか。イエスは戒律を守るだけでは神の国に入れないと教えたのに、これだけ多くのキリスト教徒がいながら、どうしてイエスの時代と変わらないのだろう。
キリスト教の基礎を築いたと言われるパウロは、イエスの直接の弟子ではない。パウロは「ローマの信徒への手紙」で、「人は皆、上に立つ権威に従うべきです。神に由来しない権威は無く、今ある権威はすべて神に寄って立てられたものだからです」(13-1)と書いている。
これでは、プーチン大統領やゼレンスキー大統領に逆らえない。イエスが聞いたら、「神を穢してはならない」と、言われると私は思う。