【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜Facebook「Haiku Column」〜 ☆【俳句界】2023年12月号☆

2023年12月01日 21時37分12秒 | 「俳句界」今月の秀句
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
 
〜Facebook「Haiku Column」〜
☆【俳句界】2023年12月号☆
 
◆俳句総合誌『俳句界』2023年12月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
 
The December issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the December issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
 
décembre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆ décembre aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
 
Haiku Column(俳句大学)(「俳句界」R5年12月号)
永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)
 
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】  
(Facebook「Haiku Column」より)
 
Ana Irina(Romania)
one more distant planet...
dew drops
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
Dewdrops" is a term that refers to the dewdrops that form on the surface of objects as water vapor cools. Dewdrops on leaves and plants are as beautiful as jewels, and one can truly feel the life of nature. The "planet" that is used as a dewdrop is undoubtedly the water planet Earth, as seen by astronauts from the moon. The earth, floating beautifully in blue in space, is a ball of dew itself.
アナ イリナ(ルーマニア)
もう一つ惑星があり露の玉 
〔永田満徳評〕
「露の玉」は水蒸気が冷えて、物の面に水滴となっている露を玉に見たてていう語。草木の葉などに結んだ露の玉は宝石のように美しく、まさに自然の生気を感じる。露の玉に見立てた「惑星」は紛れもなく、宇宙飛行士が月から見た水の惑星、地球だろう。宇宙に青く、美しく浮かぶ地球は露の玉そのものである。
Elena Zouain(Romania)
le retour à soi-
j'ouvre l'intimité d'une coque de noix
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Les noix à coquille dure sont difficiles à ouvrir, à tel point qu'il existe des outils spéciaux pour casser les noix. Cependant, le temps passé à casser les noix peut être très enrichissant. En cassant les noix en silence, on se pose des questions. Il s'agit d'une scène de casse-noix bien découpée, où l'on peut se retrouver "face à soi-même" sans le savoir.
エレネ ズアイン(ルーマニア)
胡桃割り自分自身と向き合ひぬ 
〔永田満徳評〕
硬い殻を持つ胡桃は割るのが大変で、胡桃割り専用の器具があるほどである。しかし、あえて手間をかけて胡桃を割る時間がとても豊かだったりする。黙々と割るうちに、いつしか自問自答している自分に気付く。知らず知らずに「自分自身と向き合」うことができる「胡桃割り」の一場面をうまく切り取っている。
Kim Olmtak Gomes(Holland)
ll the flavours of Matsuri
food stalls
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
The Netherlands is home to a vibrant yatai culture. From bustling cities to quaint countryside, numerous food stall festivals are held each year, featuring a variety of food trucks and stalls offering all manner of delicacies. This is one national phrase that describes a "festival" where the food stall culture unfolds with a rich variety of food tastes.
キム オルムタック ゴメス(オランダ)
屋台よりなべて味はふ祭かな
〔永田満徳評〕
オランダは活気に満ちた屋台文化の本拠地である。賑やかな都市から趣のある田園地帯まで、毎年数多くの屋台が出るお祭りが開催され、あらゆるものを提供するさまざまなフードトラックや屋台が登場する。食べ物を豊かに味わうことのできる屋台文化が繰り広げられる「祭」を詠んだもので、一つのお国自慢の句である。
 
今月の季語(Kigo of this month) 
(Facebook「Haiku Column」より)
 
【 秋 あき aki / autumn / automne 】
Neni Rusliana(Indonesia)
autumn morning
birds chirping from her cell phone ringtone
ネニ ルスリアニ(インドネシア)
秋の朝着信音に鳥の声 
Siu Hong-Irene Tan(Indonesia)
clear autumn lake
a lonely shadow
シウ ホング‐イレーヌ タン (インドネシア)
秋の湖寂しき影を一つ置き 
 
【 秋分 しゅうぶん shubun / autumnal equinox / autumn solstice 】
Gabriella De Masi(Italy)
equinozio d'autunno-
nel cappuccino il latte pari al caffè
ガブリエラ デ マシ (イタリア)
秋分やカプチーノに半分ミルク
Zamzami Ismail(Indonesia)
autumnal equinox
tap the gavel of the judge who handed down the verdict
ザンザミ イスマイル(インドネシア) 
秋分や審判下す小槌の音 
 
【 無月 むげつ mugetsu / night without the moon / nuit sans lune 】
Nani Mariani(Australia)
rainy moon
her breathing could be heard clearly(Tunisia)
ナニ マリアニ(オーストラリア)
息遣い聞こえてきたる無月かな 
Amel Ladhibi Bent Chadly
nuit sans lune
les questions sans réponses
アメル ラドヒビ ベント チャディ(チュニジア)
無月の夜答えなき質問よ 
 
【 流れ星 ながれぼし nagareboshi / shooting star / étoile filante 】
Angela Giordano(Italy) 
shooting star
a wish on his grandfather's lips
stella cadente
sulle labbra del nonno un desiderio
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
流れ星老夫の唇に願ひごと 
Ariani Yuhana(Indonesia)
shooting star
the singer's appreciated abroad
アリアニ ユハナ(インドネシア)
海外で人気ある歌手流れ星 
 
【 秋の虹 あきのにじ  akinoniji / autumn rainbow / arc-en-ciel d’automne 】
Nuky Kristijno(Indonesia)
autumn rainbow
hand in hand we run towards the meadow
ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)
秋の虹手に手を取りて草原へ 
Elena Zouain(Indonesia)
arc-en-ciel d'automne -
la lumière dans tes yeux sans frontières 
エレネ ズアイン(ルーマニア)
秋の虹君の目には国境なき光 
 
【 啄木鳥 きつつき kitsutsuki / woodpecker / pivert 】
Rufliyandhi Rambe(Indonesia)
woodpecker
an ax stuck in the trunk of a cinnamon tree
ルフリヤンディ ランベ(インドネシア)
啄木鳥やシナモンの木にささる斧 
Dyah Nkusuma(Indonesia)
wood pecker~
tireless tapping sound
ディア ヌクスマ(インドネシア)
啄木鳥や疲れ知らずの音続く 
 
【 紅葉 もみじ momiji / red maple tree / érable rougi de l’automne 】
Florence Mühlebach(France)
toujours ces feuilles d'automne ~
le vent guide mes pas
still these autumn leaves ~
the wind guides my footsteps
フロランス ミュールバッハ(フランス)
紅葉や風の導くわが歩み 
タンポポ  亜仁寿(Indonesia)
a maple leaf floating in my tea cup
missing my mother
タンポポ  亜仁寿(インドネシア)
母恋し紅葉の浮かぶティーカップ 
 
【 菊 きく kiku / chrysanthemum / chrysanthème 】
Irma Reeves(Indonesia)
chrysanthemums ~
mother's embroidery on her lap
イルマ リーブ(インドネシア)
膝の上に母の刺繍や菊の花 
Ana Irina(Romania)
chrysanthemum -
just a shadow of who I was
アナ イリナ(ルーマニア)
影でしかなかったわたし菊の花
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Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2023.年12月号〜

2023年12月01日 21時21分20秒 | 「俳句界」華文俳句
俳句大学国際俳句学部!
 
Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2023.年12月号〜
 
◆2023年『俳句界』12月号が発行されました。
◆「俳句四季」11月号(2023年)に於いて、菫振華氏はいみじくも「漢俳」について「日本の俳句とは別物だ」と述べています。
「漢俳」とは五·七·五の形と漢字で綴られた三行詩。
     趙朴
緑蔭今雨来     緑陰に今雨来たり
山花枝接海花開   山花、枝接ぎて海花が開く
和風起漢俳     和風 漢俳を起こさん
◆そこで、華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
 
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2023・12〜
◆2023年『俳句界』12月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2023,12月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
華文俳句(俳句界12月号)
 
衝出樊籠的飛鳥
雙十節
雨靈
〔永田満徳評論〕
中華民國的建國紀念日(國慶日)設定在1911年武昌起義的日子,即每年的10月10日,也被稱為「雙十節」。國慶節慶祝儀式在台北總統府前的廣場舉行,包括升國旗儀式和國慶節慶祝大會等活動。透過描繪自樊籠升起的「翔翼之鳥」,象徵著所有事物都在慶祝國慶節儀典。
 
ケージより翔び立つ鳥や国慶日
雨靈
〔永田満徳評〕
中華民国の建国記念日(国慶日)は1911年の武昌蜂起の日、10月10日に設定されていて、「雙十節」とも呼ばれている。国慶節祝賀式典が台北の総統府前の広場で行われ、国旗掲揚式や国慶節祝賀大会などがある。「鳥籠(樊籠)」から一斉に「翔び立つ鳥」を描くことによって、あらゆるものが国慶節祝賀節式典を祝っていることを示している。
 
 
瑪尼堆上添加石子
上弦月
黃士洲
〔永田満徳評論〕
「瑪尼堆」是一種由白色石頭堆積而成的結構,通常呈方形或圓形。它們被放置在山頂、交叉路口、湖畔、寺廟、墓地等地,被視為西藏族人的守護神。「上弦月」被認為有助於精神的淨化。透過結合供奉的「瑪尼堆」和具有靈性效應的「上弦月」,它們共同營造出一種宗教氛圍。
 
マニ堆に加ふる石や上弦月
黃士洲
〔永田満徳評〕
「マニ堆(瑪尼堆)」は白い石などを四角く、または円形に積み重ねた祭壇である。山頂、交差点、湖畔、または寺、墓地などに置かれ、チベット族の人の保護神となっている。「上弦月」は精神の浄化を促すとされる。祈りの対象である「マニ堆」」とスピリチュアル効果のある「上弦月」とを取合せることによって、宗教的雰囲気を醸し出している。
 
 
影子從後迫近
秋聲
鄧紹佳
〔永田満徳評論〕
「秋聲」意指物體相互接觸的聲音,如風雨聲,樹葉聲,昆蟲鳴叫聲等。這些聲音深刻地傳達出秋天的氛圍。當一個人獨自在夜晚的道路上行走時,從身後悄悄接近的「影子」是在微弱的月光下顯現的身影,決不是黑暗的陰影。這個微妙的人影中,可以感受到秋天的氛圍,也感受到秋天的聲音,這顯示出一種敏銳的感性。
 
後ろより近づく影や秋の声
鄧紹佳
〔永田満徳評〕
「秋の声」とは物の触れ合う音、風雨の音、木の葉の音、虫の鳴く音など、しみじみと秋の気配を感じさせる響きを声にたとえたもの。夜道を一人で歩いているときにひたひたと後ろから近づいてくる「影」はほのかな月明かりに映る影で、決して暗い影でない。密やかな人影に、秋の気配とも、秋の声とも感じる繊細な感性を窺うことができる。
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〜 季語で一句 (49) 〜『くまがわ春秋』2023年12月号(第93号)

2023年12月01日 20時57分25秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 (49) 〜
 
◆『くまがわ春秋』2023年12月号(第93号)が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R5.12月号)
 
行く秋(ゆくあき)     「秋-時候」
 
檜鼻幹男
行く秋や二行書きては破る文
【永田満徳評】
「書きては」の助詞「は」の使い方がポイント。「二行」書いたところで、何度も、「文」を破っているのである。名残惜しい気持の行く秋と、心残りのする恋文とをうまく取り合わせていて、心惹かれる。
【季語の説明】
「行く秋」は「秋去る」とともに、過ぎさってゆく秋のことで、秋から冬へと移ろい行くさま。秋の季節の終わりを指す。去り行く秋を見送る思いがこもり、寂寥感に満ちて、秋を惜しむ気持が現れた季語。移ろい行く季節を、旅人になぞらえて「行く」と形容するが、春と秋だけのもので、「行く夏」「行く冬」とはいわない。
 
 
後の月(のちのつき)     「秋―天文」
 
中野千秋
身の飾り外してよりの十三夜
【永田満徳評】
服飾を着飾った時よりも、「身の飾り外して」、くつろいだ時の気持の良さを表現している。名月とは違った趣向の「十三夜」と取り合わせることによって、余裕のある、粋な女性を表現したところがいい。
【季語の説明】
「十三夜」は「十五夜」に次いで美しい月とされていて、栗や豆の収穫期に当たるため、「栗名月」「豆名月」と呼ばれる。十三夜は旧暦の9月13日で、現代の暦では年ごとに異なる。十三夜の月を鑑賞するという風習があるのは日本独自のもの。名月とは違った趣を楽しもうという日本人独特の美意識が働いている。
 
 
狐(きつね)        「冬―動物」
 
西村楊子
ふさふさの尾をひたひたと銀狐
【永田満徳評】 
「銀狐」は銀色に輝く毛並みで、モフモフ毛に長い尻尾が特徴。雪原の上、前足の跡に後ろ足を乗せて、一本のラインを残しながら歩く。オノマトペだけを使って、銀狐の尻尾と歩行の特徴を見事に描いている。
【季語の説明】
「狐」はイヌ科の中でも群れを作らず、食性は雑食で、毛や耳の長さによって異なる種類がある。人を化かす動物と考えられたり、稲荷神社の神の使として信仰されたりしている。狐は女はもちろん、妖怪、灯籠、馬や猫に化けるほか、雨(狐の嫁入り)や雪の自然現象を起こすなど、バリエーションに富んでいる。
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