【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

俳誌「火神」第76号

2022年12月08日 11時38分15秒 | 「火神」

俳誌「火神」第76号よりのお知らせ!

 

〜「火神」No.76 発行 (11月30日)〜

 

・総ページ:106p

◉特集「三世代合同句集『俳壇坂本の会』38p〜86p

☆「三世代合同句集『俳壇坂本の会』(序文:永田満徳)について

▽「俳句界」(6月号)の特集『「三世代俳人」~受け継がれるもの~』に坂本真二さんのエッセイ「三世代で俳句を詠むこと」、さらに坂本一家5人のそれぞれ5句が掲載された。

▽「俳句界」(9月号)のレポート④で、「『肥後の城』『俳壇坂本の会』出版祝賀会」の様子が取り上げられた。

▽「熊日新聞」(4月2日付)の県南版で、「句集『俳壇坂本の会』〈3世代家族をつなぐ五七五〉」の見出しで紹介。

 

【「火神」76号(いてふ集)巻頭句】

 

  牛蛙   永田満徳

 

眼鏡拭くおぼろの世事を見んがため

湧水のありかや春のきらめきて

ライオンの檻を行き交ふ日永かな

春昼や合図のやうな河馬の耳

猫の子の地になじまざる足づかひ

置き去りにされぬやうにと蜥蜴の尾 

牛蛙沼の発するこゑならん

蛇の尾の隠るるまでに間のありぬ

田水張る千枚の田に千の空

タンカーに隠るる島や夏の海

 

「火神」(命名:鍵和田秞子「未来図」元主宰)

「火神の会」とは、

一、本会は写生を基本とし、直感·連想によって自然·生の実相にアプローチする俳句を目指します。

一、会員は、 句会に参加し、俳誌「火神」に作品を発表できます。

一、同人は、句会·吟行·講演会等各種集まりや、俳誌「火神」を通して相互研鎖を積み、俳句深耕を計ります。

 

「火神」編集長 永田満徳

 

画像:表紙と火神抄と巻頭句

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〜 季語で一句 37 〜『くまがわ春秋』12月号

2022年12月07日 14時49分31秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 37 〜
 
◆『くまがわ春秋』12月号が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
 
季語で一句(R4.12月号)
 
露(つゆ)           「秋-天文」
大工原一彦
「さよなら」とクルマの窓の夜露かな 
【永田満徳評】
「露」は〈儚さ〉という要素がある。永遠の別れではなくて、単なる、その場の別れであろう。「露」という季語によって、二人の関係があまり長続きのしない、危ういものであることをおもしろく表現している。
【季語の説明】
「露」は空気中に含まれている水蒸気が放射冷却などの影響で植物の葉や建物の外壁などで水滴となったもの。物に露が着くことを結露という。一日の内でもっとも気温が下がるのは夜明け前。露を見つけやすいのは朝で、朝露といわれる。夜になってからでも、露が降りることも少なくないが、夜間の露を夜露という。
冬の山(ふゆのやま)      「秋-地理」
桧鼻幹雄
相棒はトリスの小瓶冬の山 
【永田満徳評】
「冬の山」の楽しみは登山であろう。冬の山の寒さは尋常ではなく、ウイスキーで体は温めようとしているのである。「トリスの小瓶」を「相棒」と呼び、切って切れない関係を示し、一息入れているところがいい。
【季語の説明】
「冬の山」の魅力は強風が作り出す独特の景色にあり、空気が澄んでいて遠くまでよく見える。本格的な冬に向かうと、日本の山は日本海側を中心に、深い雪に包まれる。夏山からは想像できないような異次元の銀世界が広がり、神々しさ、荘厳さを感じる。雪が被らない低山では、草木が枯れ、殺伐とした姿となる。
鷹(たか)         「秋-動物」
茂木寿夫
鷹一羽千羽の野鳥飛び立てり
【永田満徳評】
「鷹」は鋭い目つきで遠くの獲物を見つけ、捕えることができる。鷹は多くの野鳥にとって恐怖そのものである。「一羽千羽」と数詞で、鷹の出現によって多くの野鳥が右往左往している様を的確に描いている。
【季語の説明】
「鷹」はタカ目タカ科。昼行性猛禽の内、中・小形のものの総称。曲がった鋭い嘴、脚には強い爪を持つ。鷹といえば「大きい」「かっこいい」「強い」といったイメージがあるのは、肉食性であり、他の動物を捉えて食べる習性があるからであろう。古来、鷹狩が冬の季語として定着していたから、鷹も冬となったという。
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