▼しばらく経ってから読もうと思っていたのですが、真藤順丈作『われらの世紀』(2021年4月30日、光文社発行)を読み終えました。細かい文字の文庫本より、やっぱり読みやすいですね。
▼私が、ライフワークにしている「読んだ本に出てきたたばこの記述」は、本書に2か所ありましたので抜き書きさせていただきます。
❶「ダンディライオン&タイガーリリー」198ページ
新田花嬢が出演した劇場や演芸ホールでは、高い確率で火災が起きるというのです。あなたが知るかぎりでも、煙草(たばこ)の不始末で火を出して半焼したホールがあります。地方の営業先でも小火(ぼや)があって、従業員か^_^全治数ヶ月の火傷を負ったといいます。
❷「終末芸人」298ページ
あの劇場は、線路沿いの炭火焼肉屋と居酒屋とスポーツジムの並びにあった。-----風通しの悪い大部屋に籠る煙草(タバコ)の煙は墓所の霧のように陰湿で、脚光を浴びずに自我を腐らせた芸人たちがたむろする〈芸の暗渠(あんきょ)〉がそこにあった。
▼抜き書きしていて気づいたのは、❶と❷ともにたばこは漢字の「煙草」と記述されていましたが、ルビは「たばこ」と「タバコ」に異なってふられていました。そんなこと、どうでも良いですが気になりました。