▼一昨夜のNHK 『逆転人生』再放送は、坂根さんの「宗教2世、葛藤の物語」でした。
▼現在は、正しいことより楽しいことを自分で選択できるようになり、否定ばかりしていた人生から、前向きに生きています。自分を幼少の頃から宗教に染めて、離れたら突き放した母には産んでくれたことに感謝し、今でも手紙を書き続けています。
▼離れたきっかけは、教団からの除名によって病気になり、入院先の上部医師から、世の中は正悪の二つしかないのではなく、「中庸」という言葉で「ほどほど」の生き方を教えられ、自分を取り戻します。
▼しかし、一般社会で働いたら厳しい世間の前に挫折しそうになりましたが、作家になることで立ち直ります。誰にも手助けされないために、宗教にすがらざるを得なかった母、弱者ゆえに宗教を選んだ母を100%許せたそうです。
▼世の中には宗教2世どころか、3世、4世まで大勢な人が存在しています。加えて、共産主義者や社会主義者といったイデオロギーの呪縛に侵され、自分の人生を破壊された人たちも少なからず存在しているのですね。
▼初めて吐露させていただきますが、ある活動家として夢中になっていた頃、友人たちが私から一斉に去っていきました。その時、「これでいいのか?」と自問自答したのが、呪縛から逃れるきっかけになったのです。
▼しかし、その「教条主義的世界観」や「自分の居場所」への未練を断ち切れないまま、数年間にわたり、内部での疑問を様々な場や幹部の人たちにぶつけていたのです。
▼離れようとしても難しかったという坂根さんの気持ちはよくわかります。私は「宗教的社会主義」と揶揄されたり、「結局、彼は保守主義者であり、将来は反革命の右翼になるよ」と断言されたりしたのです。それでも、「同志の前に友だちだよね。それは絶対に譲れない」という感覚を持っていたのが救いでした。
▼そして、坂根さんが今、同じ悩みを持ち悩んでいる人たちにかける言葉は「自分が楽しくない、好きじゃない、ワクワクしないことからは、一歩身を引いてみること」という言葉にとても共感できました。