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村田沙耶香著『コンビニ人間』を読む(その8)

2016年09月24日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
【462ページ】
私は二人(店長と泉さん)の様子に衝撃を受けていた。コンビニ店員にとって、いつも130円のからあげ棒が110円のセールになるということより、店員と元店員のゴシップのほうが優先されるなんてありえないことだ。二人ともどうしてしまったのだろう。

[ken] 日本におけるコンビニの店舗数ランキングをみると、第1位はセブンイレブンの18,650軒、第2位がファミリーマート(サークルKサンクス統合後)の18,240軒、第3位のローソンは12,397軒であり、その他コンビニを含む総店舗数では55,699軒にのぼります。経営形態には直営もあればフランチャイズもあり、都市型、郊外型、駅中、ローカル型など全国津々浦々に浸透しています。
そんななかで、一番の悩みは人材確保と育成にあるようです。とくに、店長やスタッフの業務レベル維持が悩ましい課題だと思います。約5万5,700店舗となれば、いくら進んだ関連システムがあろうとも、そこで働く人たちは人間ですから感情までコントロールができるものではありませんね。
主人公は「コンビニ(優先)人間」ですから、そこで働く人たちの個人的な事情よりも、お店の時間的な流れを重視しているところが、とても面白く読めました。ゴシップよりも仕事優先ということですね。(つづく)
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あん焼き「こがねぎく。」というお菓子

2016年09月24日 | O60→70(オーバー70歳)
▼息子のいただき物は、虎屋のお菓子でした。
▼黒い紙袋の金色の虎は、とても描けそうになかったので、包装紙にしてみるか、と思って手にとってみたら、すごくいい感じでした。
▼正確さを無視し、いつものように黒のボールペンで、サラサラとやってみた次第です。
▼輪郭を描いて、線をつけるパターンが一つ、もう一つは線を塗りつぶすやり方ですが、これってやっぱり面白いんだ、と思いました。
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村田沙耶香著『コンビニ人間』を読む(その7)

2016年09月23日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
【454ページ】
「あの、悪いんですけど、もう夜なんで、寝てもいいですか? 帰りたいときは勝手に帰っていいし、眠りたいときは布団を自分で敷いて適当に寝てください。明日も朝からコンビニなんです。時給の中には、健康な状態で店に向かうという自己管理に対するお金も含まれるって、16年前、2人目の店長に習いました。寝不足で店に行くわけにはいかないんですが」

[ken] 本書ではパート従業員の時給を構成する項目として、「健康な状態で店に向かうという自己管理に対するお金も含まれる」と述べられています。いわゆる「労働力の再生産に必要な金額」のことですね。佐藤優さんはその著作で、マルクスの「資本論」にそって「労働力の価値である賃金はどう決まるのでしょうか。
それには3つの要素があります。第一は、次の一ヶ月働けるだけの体力を維持するに足るお金でなければならない。第二は継続して家族をもち、子供を育てて労働者として働けるお金であること。第三に技術進歩に対応できる自己教育のためのお金です」と繰り返し述べています。
現在の日本では、ずっと年収が減り続けてきた中で、業種ごとに差はありますが、これら三要素の確保が 難しくなっており、政府が経団連に対して来年も賃上げを要請しているほど、資本主義のシステムそのものが歪(いびつ)になっているのですね。(つづく)
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ヒガンバナが咲き始めました!

2016年09月23日 | ここで一服・水元正介
▼お彼岸といえばヒガンバナです。
▼昨日のお昼休み、都立旧芝離宮恩賜庭園のヒガンバナが一斉に咲き始めていました。
▼まさに季節は巡っているのですね。庭園をぐるっと一周し、喫煙所で一服して来ました。
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きんぴらごぼうとカレーライス!

2016年09月23日 | たばこの気持ち
先日、私は炊事当番でした。きんぴらごぼうとカレーライスを作りました。カレールーは、昨今、ハウスからグリコにシフトし、SBのカレー粉をちょい足しします。きんぴらごぼうを描いてみましたが、吸い殻のたまった大きな灰皿にも見え、失敗作でしたね。
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セロハンテープ・カッターです!

2016年09月22日 | O60→70(オーバー70歳)
▼この文房具は、若い頃、友人女子から誕生日プレゼントとしていただきました。おそらく銀座の伊東屋あたりで選んだものでしょう。
▼私が根っからの文房具好き、ということもあって、ずっと使っています。形がいいし、使い勝手も最高ですね。そして、シンプル・イズ・ベストなのです。
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村田沙耶香著『コンビニ人間』を読む(その6)

2016年09月22日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
【445ページ】
正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。
そうか、だから治らなくてはならないんだ。治らないと正常な人達に削除されるんだ。
家族がどうしてあんなに私を治そうとしてくれているのか、やっとわかったような気がした。
【450ページ】
「でも白浜さん、ついさっきまで迎合しようとしてたじゃないですか。やっぱりいざとなると難しいですか? そうですよね、真っ向から世界と戦い、自由を獲得するために一生を捧げる方が、多分苦しみに対して誠実なのだと思います」

[ken] 本書にある「正常な世界」とは現在の資本主義社会、それも高度に発達したといわれる日本資本主義の世界です。そこに適応できない人は「異物」として「削除」される、しかも静かにというところが不気味ですね。たしかにそういう厳格な現実はあるのですが、資本主義社会でさえ長い人類の歴史からすれば、ほんのわずかな期間限定の社会かも知れず、少なくとも永遠に続く社会ではないといえます。
法律や制度、会社の組織、家族制度、社会の雰囲気といったものは、言葉を換えれば一種の「フィクション(物語)」であるとの考え方もありますから、現在の状況だけで自分を追い込むのは得策ではありません。しかし、白浜さんのように、「苦しみに対して誠実」ではあるにしても、真っ向か ら世界と戦う手法だけではなく、もっとうまく立ち回りながら生きていくことが、自分や他者への誠実さではないかと思います。口で言うより困難だけれど----。(つづく)
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読書が止まらない!

2016年09月22日 | O60→70(オーバー70歳)
9月14日は3か月に一度の血液検査と尿検査、あいにくの小雨でしたが、診察までの待ち時間に、佐藤優さんの『いま生きる階級論』を読みました。本書は『いま生きる資本論』の姉妹編で、質疑応答や時事に触れた話も多く、とても面白かったです。
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ゴロワーズの好きな先生!

2016年09月21日 | たばこの気持ち
▼「なるようになる」ことと、「急ぎつつ、待つ」ことは対立もしないし、論理的な矛盾でもない。
▼それが、この本(佐藤優著「先生と私」幻冬社)を読み、著者の1960年〜1975年と自分の1953年〜1975年を重ね合わせて追体験する中で、なんとなく正しいのではないか、と感じています。
▼本書には、ゴロワーズの好きな塾の先生が登場しています。今では、滅多に見かけないフランスのたばこですね。
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村田沙耶香著『コンビニ人間』を読む(その5)

2016年09月21日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
【441ページ】
「いや、人手不足だったからさー」
「あの年齢でコンビニバイトをクビになるって、終わってますよね。あのままのたれ死んでくれればいいのに!」
皆が笑い声をあげ、私も「そうですね!」と頷きながら、私が異物になったときはこうして排除されるんだな、と思った。
「また新しい人探さないとなー。募集かけるか」
こうして、また一つ、店の細胞が入れ替わっていく。

[ken] 7月26日、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が、2016年度の最低賃金(時給)の引き上げ幅の目安を、全国平均で3%相当の24円とすることを決めました。目安通りに上乗せされれば、最低賃金は時給822円となりますしかし、現下のパートさん事情をみると、潜在的な労働力不足も手伝って、時給を少々アップしても思い通りの採用ができないようです。。子どもたち(高校生や大学生の労働観)、外国人労働者(中国・韓国人よりもベトナム人、ミャンマー人、タイ人が増加)の多国化により、一緒に働く日本人のパートさんたちは、何かとご苦労が多いと聞きました。本書にあるような、「また新しい人探さないとなー。募集かけるか」という会話が日常化しているのでしょうね。主人公が、それを「また一つ、店の細胞が入れ替わっていく」と表現しているのは、コンビニを「生き物」として位置づけているからですね。(つづく)
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