前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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北陸新幹線は立ち止まって考えよう

2009年11月29日 | Weblog
     北陸新幹線の福井延伸は、前原誠司国土交通相の「年末の予算編成までに着工の可否を決めるのは無理だ」との発言で、来年度の着工が不可能になったことで、県内の政財界は大騒ぎをしています。

    推進してきた立場としては、「黙ってはいられない」ということでしょう。今回、以前のように「新幹線が駄目なら原発もんじゅも認めない」という議論はあまり聞かれません。このことは、冷静になったといえばそれまでですが、「福井駅部」と「もんじゅの改造工事」をバーターとした当時のような「勢い」がない、「勝ち目が無い」ということであり、「そんな無茶をいってもあかん」ということでしょう。そういう意味で「原発カード」をきることができなくなった背景は大事です。

    こういう事態の中で、NHKなどでは「新幹線よりももっと必要なことに税金を使ってほしい」「新幹線の必要性もあまり感じない」など県民の声を報道していました。率直な県民の気持ちだと思います。
     県民の気持ちと乖離した行政をつづけてきたことが、ある意味今回の結果ともなったことを政財界の皆さんはどこまで自覚できているのでしょうか。

新幹線は立ち止まって考えるいい機会ではないかと思います。
● 新幹線建設費負担のみならず、現行JR線の第三セクター負担は県民生活とのバランスに耐えられるか。将来におおきなツケをのこすひとつにならないか。
● 福井県の「エゴ」ではなく、本当に利用客にとって利便性が向上するのか。東京駅まで行かず大宮どまりの新幹線ができることで逆に利便性が悪くなるのではないか。富山・金沢方面から関西アクセスのお客さんは福井乗換えで利便性は悪くなる・・など。

    JR経営にとっても、このまま高速道路無料化政策が実行されていくとなると鉄道経営にも少なくない影響がでてくることが予想されます。こういう面の考慮も必要です。

    あらためて、わたしたちの「当面、新幹線は金沢まで。福井延伸は凍結を。行政は地域交通の充実を」の提案が生きてくる情勢になってきました。