朝日・・・・もんじゅ―開発はあきらめる時だ
高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)をめぐる高木義明文部科学相の発言が、波紋を呼んでいる。
高木氏は昨日午前、もんじゅについて「廃止とか、単純に継続とかではなくて、全体的なエネルギー政策の中で結論がおのずと出てくる」と述べた。
それが「開発中止を含め検討」と報じられたのを受け、夕方、改めて記者会見し、「中止なんて一言も言っていない」としつつ、「議論に予断は持つわけにはいかない」と語った。
未曽有の原発事故を起こし、原発依存を下げていく以上、政府がもんじゅのあり方を問い直すのは当然のことだ。
高速増殖炉(FBR)はプルトニウムを燃料にし、運転しながら燃料を「増殖」させる原発だ。この「夢の原子炉」によってエネルギーを支える構想を、核燃料サイクルとよぶ。
かつては多くの国が核燃料サイクルの実現をめざしたが、技術的な難しさ、コストの高さ、プルトニウムを扱うことによる核拡散の問題を理由に、欧米はほぼ撤退した。
日本の計画も遅れに遅れている。1970年代には「95~2005年ごろに実用化する」という計画を描いていたが、現在の原子力政策大綱では「50年ごろまでに実用化」としている。
もんじゅは初発電から間もない95年12月に冷却材のナトリウム漏れ事故を起こした後、ほとんど稼働していない。すでに9千億円以上を投じ、停止中も1日5500万円の維持管理費がかかる。
しかも、もんじゅは原型炉であり、この次に実証炉、実用炉と続く。実証炉をだれが主体になってつくるかも未定だ。つくるとしても、もんじゅとは違うタイプになる。実用化の見通しは立たない。
日本の原子力開発の歴史において、普通の原発(軽水炉)が外国から丸ごと輸入されたのに対し、もんじゅは国産開発のシンボルだった。
しかし、もんじゅで冷却材に使われるナトリウムは水と爆発的な反応をするため、制御が難しい。事故が起きた場合の危険性は極めて高い。
私たちは13日付の社説特集「提言 原発ゼロ社会」で、核燃料サイクル計画からの撤退を求めた。もはや巨額の予算をかけてFBRの開発を進める意味は乏しい。FBRはあきらめ、もんじゅは廃炉にすべきだ。
FBR時代が来ない以上、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理事業も、根本的に見直さなければならない。 ・・・・・・・・・・・
高木大臣の発言に西川知事が抗議をおこない、大臣も釈明の記者会見をおこなうなど「混乱」した。
しかし、地元との協議などは当然必要だが、原発の中でももんじゅ廃止というのはより国民合意がえやすい分野であることは間違いない。それは巨額の税金投入ということもあるが、耐震性の脆弱さや、冷却材にナトリウムをつかうなど危険性の大きさにある。
福井県議会議員のなかでも個人的に意見交換すると、「もんじゅはやめた方がいい」という議員は1人や2人ではない。
★
さて、昨日は大阪の吹田・摂津のみなさんの原発ツアーでお話もさせていただきました。曽呂利大阪府議や塩見吹田市議ら30名余のみなさんと、関西電力を見学した後、小浜市の明通寺で、中嶌住職、地元の宮崎市議とともに私も閉会した県議会での議論などを紹介させていただきました。
質疑応答の時間が十分とれなかったのは残念でしたが、今後とも「危険な原発ゼロへ」連帯してがんばっていきましょう。
中嶌住職はちかく、大阪の9条の会でもお話される予定になっているそうで、「そこへ参加して質問しよう」などと参加者の方から声があがっていましたね。
急いで福井市に戻り、夜は北陸新幹線を考える集会に参加しました。
「北陸新幹線福井延伸と在来線を考える会」の松原さんや橋川さんの報告は、あらためて北陸新幹線計画の問題点を浮き彫りにしたと思います。
私も、「もんじゅカードがつかえない状況」や朝日新聞の調査でも反対が5割を超えていることなど、また、県議会の議論状況などを発言で紹介しました。
敦賀の山本市議も敦賀駅舎をめぐる混迷ぶりなどを発言し、「敦賀市民は、誰も欲しいと思っていない」と述べました。
JR関係者からも発言があいつぎ、現場の労働者からみても大きな問題点のある計画だと痛感しました。
高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)をめぐる高木義明文部科学相の発言が、波紋を呼んでいる。
高木氏は昨日午前、もんじゅについて「廃止とか、単純に継続とかではなくて、全体的なエネルギー政策の中で結論がおのずと出てくる」と述べた。
それが「開発中止を含め検討」と報じられたのを受け、夕方、改めて記者会見し、「中止なんて一言も言っていない」としつつ、「議論に予断は持つわけにはいかない」と語った。
未曽有の原発事故を起こし、原発依存を下げていく以上、政府がもんじゅのあり方を問い直すのは当然のことだ。
高速増殖炉(FBR)はプルトニウムを燃料にし、運転しながら燃料を「増殖」させる原発だ。この「夢の原子炉」によってエネルギーを支える構想を、核燃料サイクルとよぶ。
かつては多くの国が核燃料サイクルの実現をめざしたが、技術的な難しさ、コストの高さ、プルトニウムを扱うことによる核拡散の問題を理由に、欧米はほぼ撤退した。
日本の計画も遅れに遅れている。1970年代には「95~2005年ごろに実用化する」という計画を描いていたが、現在の原子力政策大綱では「50年ごろまでに実用化」としている。
もんじゅは初発電から間もない95年12月に冷却材のナトリウム漏れ事故を起こした後、ほとんど稼働していない。すでに9千億円以上を投じ、停止中も1日5500万円の維持管理費がかかる。
しかも、もんじゅは原型炉であり、この次に実証炉、実用炉と続く。実証炉をだれが主体になってつくるかも未定だ。つくるとしても、もんじゅとは違うタイプになる。実用化の見通しは立たない。
日本の原子力開発の歴史において、普通の原発(軽水炉)が外国から丸ごと輸入されたのに対し、もんじゅは国産開発のシンボルだった。
しかし、もんじゅで冷却材に使われるナトリウムは水と爆発的な反応をするため、制御が難しい。事故が起きた場合の危険性は極めて高い。
私たちは13日付の社説特集「提言 原発ゼロ社会」で、核燃料サイクル計画からの撤退を求めた。もはや巨額の予算をかけてFBRの開発を進める意味は乏しい。FBRはあきらめ、もんじゅは廃炉にすべきだ。
FBR時代が来ない以上、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理事業も、根本的に見直さなければならない。 ・・・・・・・・・・・
高木大臣の発言に西川知事が抗議をおこない、大臣も釈明の記者会見をおこなうなど「混乱」した。
しかし、地元との協議などは当然必要だが、原発の中でももんじゅ廃止というのはより国民合意がえやすい分野であることは間違いない。それは巨額の税金投入ということもあるが、耐震性の脆弱さや、冷却材にナトリウムをつかうなど危険性の大きさにある。
福井県議会議員のなかでも個人的に意見交換すると、「もんじゅはやめた方がいい」という議員は1人や2人ではない。
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さて、昨日は大阪の吹田・摂津のみなさんの原発ツアーでお話もさせていただきました。曽呂利大阪府議や塩見吹田市議ら30名余のみなさんと、関西電力を見学した後、小浜市の明通寺で、中嶌住職、地元の宮崎市議とともに私も閉会した県議会での議論などを紹介させていただきました。
質疑応答の時間が十分とれなかったのは残念でしたが、今後とも「危険な原発ゼロへ」連帯してがんばっていきましょう。
中嶌住職はちかく、大阪の9条の会でもお話される予定になっているそうで、「そこへ参加して質問しよう」などと参加者の方から声があがっていましたね。
急いで福井市に戻り、夜は北陸新幹線を考える集会に参加しました。
「北陸新幹線福井延伸と在来線を考える会」の松原さんや橋川さんの報告は、あらためて北陸新幹線計画の問題点を浮き彫りにしたと思います。
私も、「もんじゅカードがつかえない状況」や朝日新聞の調査でも反対が5割を超えていることなど、また、県議会の議論状況などを発言で紹介しました。
敦賀の山本市議も敦賀駅舎をめぐる混迷ぶりなどを発言し、「敦賀市民は、誰も欲しいと思っていない」と述べました。
JR関係者からも発言があいつぎ、現場の労働者からみても大きな問題点のある計画だと痛感しました。