前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

マイナンバー、行政改革プラン、人勧、18歳選挙権

2016年02月16日 | 福井県政
  2015年12月県議会         総務部、国体推進局及び選挙管理委員会関係


◯佐藤委員  第76号議案と第83号議案について質問させていただく。今、マイナンバーの通知が届けられていると思うが、受け取った率は何%か。


◯市町振興課長  初回の福井県内での配達完了が本日の予定であり、11月25日現在だと79.4%である。配達しても、返戻されるものが1万6,000通余りあるので、具体的な率は計算して後ほど話をさせていただきたい。


◯佐藤委員  第76号議案の関係で言うと、例えば納税通知書など、税務関係の書類に番号を振られることになると思う。いろいろ報道されているが、情報漏えい対策はどのようになっているのか。


◯税務課長  納税申告書が出てきて、その番号をシステムに乗せるという形になる。その情報については、システム上漏れないようにしていく。
 また、システムだけでなく、紙ベースで保管したデータも、棚に鍵をかける形で対応をしていく。


◯佐藤委員  これから事業者にとって物すごく負担になる。いろんな初期投資、あるいはランニングコスト──いろいろな計算があるのだろうが、従業員が100人程度の事業所だと1,000万円近くかかるのではないかと報道されている。県内では、これに対する苦情や相談はあるのか。


◯税務課長  税関係では、今のところ聞いていない。


◯佐藤委員  それから、第83号議案の個人情報保護条例関係で伺う。以前もちょっと質問したと思うが、今回行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の関係で改正されるということになったのだが、これは県の個人情報保護審議会などで審議して今回条例提案されているのか、それとも県庁内の条例起案だけで提案されているのか。


◯情報公開・法制課長  個人情報保護条例の改正の際に、個人情報保護審査会にかけているかどうかということだが、個人情報保護審査会は、不服申し立てがあった場合に実施機関からの諮問に対する答申を行う、あるいは個人情報保護制度の運営についての調査、審議、建議することが所掌事務である。
 今回の個人情報保護条例の改正については、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第31条に、行政機関個人情報保護法の規定と同様の措置を講ずることとされていて、内容については全国一律の改正である。そのため、個人情報保護審査会の所掌事務には該当しないので審査の対象としていない。


◯佐藤委員  しかし、今後この改正された条例により個人情報保護審査会で審査されることになる。そこの審査にかかわる根幹の条例改正が、第三者機関的なところのチェックを受けないというのはいかがなものか。全国47都道府県あるが、47都道府県全てが行政の部内組織だけで条例提案しているのか。


◯情報公開・法制課長  先ほどの答弁したとおり、条例は全国一律で改正するということで、国から条例改正の概要も事前に示されていた。
 他県の状況について、東海北陸の6県は、どの県も個人情報保護審査会にはかけられていない。


◯佐藤委員  これだけ国民の関心がある問題であり、個人情報保護審査会には、今後いろいろな不服申し立てが出てくる。そこにかかるわけだから、その根幹となる条例がかけられないというのはいかがなものかと思う。
 それから、2つの議案について伺う。第78号議案と第79号議案の行政不服審査法等の施行に伴う条例の改定について、これまでは不服申し立てができたけれども、行政側からいえば、それが簡略化されるという問題があるという指摘があるのだが、この辺はどのように対応されているのか。


◯情報公開・法制課長  行政不服審査制度関係の条例改正だが、この改正の趣旨は行政不服審査法が改正されたことに伴い改正するものである。これは、行政審査の手続向上、具体的には公正性の向上ということを目的として改正するものである。
 具体的には、これまでは行政不服審査がされたときに、審理をする職員が誰かということが明確に規定されていなかったが、審理を公平にするために、審理を主宰する者を、処分に関与していない者を審理の主宰者とすると明確に規定して、その審理員と呼ばれる人が中心となって審査手続を行うというものである。もう一つは、より公正性を高めるということで、第三者機関である行政不服審査会を設置して、この審査会に諮問して、答申を受けて裁決するというものであって、これまで以上に公正性が向上されるということで、県民にとっても、より救済の道が高まるという制度だと認識している。


◯佐藤委員  参考人を呼んで議論することは可能なのか。


◯情報公開・法制課長  利害関係者で、審査の申立人以外の参加者に出席してもらうということはできる。また、審査会等の職権で、必要な場合には参考人を招致するということも可能である。


◯市町振興課長  先ほど佐藤委員からあった通知カードの交付率だが、国が通知カードの返戻率の調査をしていて、12月4日現在で4.9%である。
 そのため、本日初回の通知カードの送付が終わったとすると、大体95%の交付率になるかと考えている。




◯松田委員長  第四次行財政改革実行プラン素案について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  資料1の人材改革のところの「合同庁舎内にサテライトオフィスを設置するなど、働きやすい仕組みを検討する」と書いてある。これだけ読むといいと思うが、福井市など県内に何カ所か合同庁舎があり、そこにサテライトオフィスを設置するということは、例えば敦賀市在住の県職員が、通常は本庁に登庁しているのだが、敦賀の合同庁舎で仕事をすることも可能になるということを、どんどんやっていくということか。


◯人事企画課長  サテライトオフィスについてはいろんな考え方があるが、想定しているのは、委員から話があったように、敦賀や奥越の合同庁舎にオフィスをつくって──ただ県庁に勤めている者は、長期間ずっとサテライトオフィスに勤めることは現実的になかなか難しい。そのため、例えば週1回、敦賀、あるいは奥越の合同庁舎に勤務して、5時15分に帰り、通勤時間が短縮した分、お子様の育児などに専念できるといった環境整備をしたい。
 週1回程度であれば、復命書の整理や議事録の作成など、職場を離れていても取り組むことができる仕事があると考えていて、そういった仕事と服務管理の整合性をとりながらやっていきたいと考えている。


◯佐藤委員  いい話だと思うが、県庁の場合、以前、仕事上の書類やデータの持ち帰りを極力避けようとしていて、確か通知を出されたと記憶している。サテライトオフィスということになると、電子データの扱いをどのように考えるのか。


◯人事企画課長  今ほど申し上げたように、復命書や会議録など個人情報が含まれない情報を中心に計画している。例えば、通信データの中から業務をし、直して通信データに返す、そういった形にしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  情報管理はきちんとしていただきたい。
 それから、その下の段の「職員研修の拡充」として、「永平寺の参籠体験やTOEICテストの導入」とある。西川知事が英語教育に力を入れているということで、教員はかなり強力に言われているみたいだが、県庁職員に対しても、TOEICテストを受けなさいということなのか。


◯人事企画課長  県庁職員についてもTOEICテストの受験をお願いしたいと考えている。
 従来、新採用のときにTOEIC試験を受験しているが、ことしから新採用の後に、25歳、30歳、35歳と階層別で研修がある。その際にTOEICテストを受験して、自分の成績が伸びた、あるいは大学のころから落ちたといった自己判定、さらに自分の英語学習についての意欲につなげていきたい。


◯佐藤委員  職員の人事評価への連動はしないということか。


◯人事企画課長  人事評価とリンクするものではない。あくまでも研修であって、今ほど申し上げたように、英語能力の自分の位置というものを理解する、あるいは勉強への足がかりとするという趣旨である。


◯佐藤委員  それから、最後だが、2ページ目の一番上のところ、大学と協力した政策推進、これは前回も聞いた大学連携センターについてである。いよいよ4月から開設ということだが、何本ぐらいの講義を共通単位にするのか。また、以前から心配しているが、駅東の駐車場がなくなるということで、通学してくる学生の車の駐車はどうするのか。最近は県立大学でも皆車で通学している。そのため、車で県立大学へ行って授業を受け、今度はアオッサへ来て授業を受けるということになると思う。こうした駐車場の問題など、その辺に対する学生への便宜はどのようにされるのか。


◯大学・私学振興課長  まず、講義の本数は、県内5大学と調整しているが、20本以上の本数を確保できる見通しである。
 それから、学生に対するセンターへの通学支援だが、これから予算査定の作業の中で確定していくが、現在のところ、例えばシャトルバスの運行や、例えば福井大学や福井工業大学の学生の場合は、通常の公共交通機関等を使用する際に、学生の負担をゼロにするという方向で支援していきたい。



◯松田委員長  福井県過疎地域自立促進方針(案)について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  これは、なかなか悩ましい点が多々あると思う。資料2の(3)を見ると、「若い世代の流出防止とU・Iターンの推進」について書いてある。これは福井県が東京などと比較して言っていることと同様に、県内ではこのような格差が生まれているということだと思う。
 方針の中には、いい話はいっぱいある。池田町の取り組みにしても、あるいは南越前町の取り組みにしても、福井の旧美山町の取り組みにしても、まちづくりなど、そういう点ではいろんな取り組みをいっぱいやっていると思うが、なかなか人口がふえるところまで結びついていかない。これは、何も池田町が悪い、旧美山町の取り組みが悪いというだけではもちろんなく、ただ道路がついていないから人口が減るのだというだけでもないと思う。
 ただ、県全体と比べて急速に人口が減っているのは、このデータを見ると事実なので、この辺をもうちょっと抑える取り組みをする必要がある。そういう点では、やはりその地域に若い人が働く場所がないことが問題である。道路をつくることよりも働く場所をつくるほうが人口定着、あるいはそこで家族をつくるという点では大事だと思うが、その辺についてどういうことをやろうとしているのか。


◯市町振興課長  過疎地域を含む中山間地域には農林水産業があるので、そういったところでできるだけ働きやすくするために、就業から住宅や子育てなど、そういった点を包括的にサポートしていく。その辺はふるさと県民局ともよく意を通じながら、市町とともに働きかけていきたい。


◯佐藤委員  私もまだ詳しく知らないが、国が考えている新型交付金は、努力した自治体に交付金をたくさん出すということである。これは成果主義だから余りよくない面もあると思うが、福井県に来る交付金を、例えば、課長が言われたように、努力をしてこういう方向を打ち出そうとしている過疎地域に対して──池田町は池田町で交付金はあると思うが、県に来る交付金、地方交付税をより重点的に配分するということも含めて支援されるのか。


◯市町振興課長  過疎事業でも、地域再生枠というものがあり、優先的に事業採択されるものもある。また、新型交付金等についてはふるさと県民局のほうで、やはりU・Iターンとか移住などということに力を入れてやっているので、そういったところで必要な対策をしていく。





◯松田委員長  総務部、国体推進局及び選挙管理委員会関係のその他の所管事務について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  一般質問でも尋ねたが、再度質問する。県職員の給与改定について、12月議会で提案せず来年の2月議会に提案するということだが、国がやらないから県もやるなという話はいつ聞いたのか。


◯人事企画課長  給与情報については、手元に資料を持ってこなかったが、11月の中・下旬頃に通知があったと記憶している。
 12月4日に閣議決定が行われ、その閣議決定に伴う通知の中でも国の改正の状況を見た上で進めるという資料をいただいている。


◯佐藤委員  12月4日に閣議決定があり、それに伴い総務省から副大臣通知というのが出されているのを、私はインターネットで見た。これを読むと、地方公共団体における職員の給与改定の実施は、国における給与法の改正の措置を待って行うべきものであり、国に先行してやるなと書いてある。
 これについて基本的な考え方を部長に尋ねたい。この20年間、地方分権として、国と地方に上下はなく、対等、平等だと言い続けていて、現在は地方創生だと言っている。ところが、なぜこういう通知が出るのか、おかしいと思わないか。


◯総務部長  法律上、給与条例を改正する場合は、民間給与とともに、国及び他の地方公共団体の給与等を考慮して定めることとなっている。これに準じて、県民の理解を一番にという考えのもと、全ての条件がそろった段階で給与の改定を行わせていただきたいと考えている。


◯佐藤委員  質問の趣旨と答弁が違う。なぜ国がこういうことを地方に命令するのか、そういう時代とは違うのではないかということを聞いているのである。


◯総務部長  そういう見方をされる方もいらっしゃるかもしれないが、我々としてはあくまで県民目線でどう捉えるのかということを最重要視して行っているため、今までどおり給与法案が閣議決定されたというところを一つの目安にして捉えている。


◯佐藤委員  これは本当におかしいと思う。
 もう一つ伺う。県庁の中で──これは単なるうわさなのかもしれないが、退職手当についても変更されるということを聞いた。そんな事実はないとも聞いているが、退職手当について、支給方法の変更も含め、何か変更を考えているのか。


◯人事企画課長  現在、退職手当については議論されていない。現在のところ、そういった予定もない。


◯佐藤委員  福井県職員の退職手当は、ことしの春と来年の春は幾ら支給して、その財源はどうなっているのか。おおよそで結構なので教えてほしい。


◯人事企画課長  退職手当の数字については、後ほど正確な数字を報告させていただく。


◯佐藤委員  財源は何か。


◯人事企画課長  財源は一般財源である。


◯佐藤委員  退職手当債は発行しないということか。


◯財務企画課長  退職手当債を今年度発行する予定はない。


◯佐藤委員  これまでも発行しなかったのか。


◯財務企画課長  少なくとも昨年度は発行していない。制度はあるので、他の都道府県で発行している場合があるが、本県は昨年度、今年度とも退職手当債については発行せず、一般財源で手当てしているところである。


◯佐藤委員  職員の不安がうわさになるのである。数年間で退職金を何百万円も削る、あるいは今回のように国の責任で臨時国会が開かれないから差額が支給されないとなると、職員の士気にも影響してくる。そういうことは国に対してきちんと意見してもらいたい。
 もう1点、18歳選挙権の関係について伺う。先ほど教育委員会の審査の中でも質疑があったが、18歳から選挙に投票できることになることから、ネットで見ると、全国的には大学──福井市長選挙ではエルパなどに投票所をつくるという動きがあるようだが、福井県ではそういう考えはあるのか。


◯市町振興課長(選挙管理委員会書記長)  全国的には、そういう動きが進んでいる。
 投票所を設置するのは市町であるため、まず市町の選挙管理委員会が不安にならないように、1月下旬に先進事例として松山市の選挙管理委員会の方を招いて説明会を開催する。松山市は、愛媛大学と松山大学で期日前投票所を開設しているので、その際の問題点や、こういうことが大変だったという話をお聞きするとともに、今回の福井市長選挙では、福井市選挙管理委員会がショッピングセンターで期日前投票所を開設したので、その辺の苦労もあわせてお聞きする予定である。市町の選挙管理委員会の不安を取り除くことにより、できるだけ有権者の利便を図るため、ショッピングセンターや大学等での期日前投票所の開設が進んでいくものと考えている。


◯佐藤委員  課長の答弁のとおりだと思う。いつも20代の投票率が低いと言われているが、投票所へ足を運ばないから悪いと言っているだけでは、話がなかなか進まない。今回のショッピングセンターや他県での大学、あるいは高校での期日前投票所など、投票してもらうための対策にはいろいろあると思うので、ぜひ積極的に検討をお願いする。




◯人事企画課長  先ほど佐藤委員から質問のあった退職手当の平均額だが、平成26年決算で申し上げると1,890万円である。

教育振興基本計画、新聞の活用、県立図書館、寄宿舎指導員の採用について

2016年02月16日 | 福井県政
  2015年12月8日に開催された県議会 教育委員会関係の総務教育常任委員会での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。


◯佐藤委員  指定管理者の議案について伺う。指定管理者制度は、競争性を出すことにより、経済的効果を高め、施設の機能も向上させるということで、県でも10年ぐらい前から導入が始まったと思う。しかし、今回提出された議案は全部競争性がない。この場合、指定管理者制度にする必要があるのか、業務委託契約とどう違ってくるのか。次に、今回、福井県立ホッケー場を公募しなかったのはなぜなのか、競争性を求めた制度において非公募にしたのはどういう理由か。


◯スポーツ保健課長  まず1点目についてである。今回の5つの施設は、委員指摘のとおり、経費の節減や利用状況の改善等のために、平成18年に県が一体となって指定管理としたものである。これらの施設は、指定管理団体が利用者にアンケートを行って意見を聞くことにより、利用状況の改善が図られているという点が非常に進んでいる。
 また、競争性という観点から多くの申請団体が出てくるべきではないかという見方もあるが、馬術、ライフル、あるいはアーチェリーは、非常に利用者が限られていて、例えば、国体強化選手や部活動などが中心である。広く一般に活用していただきたいけれども、限られた利用者に対しての利便性も考えながら進めている。
 福井県立ホッケー場については、越前町が隣にホッケーコートを2面と屋内練習場を持っていることから、一体的な管理を行っていただくために、越前町にお願いしているということである。


◯佐藤委員  説明はよくわかるけれども、指定管理者制度を適用するのではなく、業務委託契約ではだめなのか、その辺がよくわからない。


◯スポーツ保健課長  指定管理者制度は、通常の業務委託と違い、指定管理者の選定や運営状況を第三者委員会でチェックする機能も持っているので、より開かれた管理制度になっていると考えている。




◯松田委員長  次に、教育委員会関係の所管事務の調査に入る。
 初めに福井県教育振興基本計画について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  福井県教育振興基本計画案の12ページに、県内高校卒業者のうち国公立大学進学割合が下がっているという表と、難関国立大学への進学希望割合が減っているという表がある。以前、この原因は学力の面や、家庭の経済状況から県外大学でなく県内大学へという家庭も若干ふえてきているためと聞いたが、その辺も考慮した分析だろうか。


◯高校教育課長  12ページの表は、県外の難関大学への志望者が減っているという実態をここに記載させていただいているが、経済的な理由で県外へ出ていかない生徒がふえているという分析には至っていない。


◯佐藤委員  学力面だけでなく、そうしたバックグラウンドも大事な要因になるので、分析するときには留意していただきたいと思う。
 同じく20ページに、地域や社会の出来事に関心のある児童・生徒の割合や、新聞を読んでいる児童・生徒の割合を示した表がある。小学校6年生と中学3年生と比べると、例えば、小学校のときは新聞を読んでいるのが33%だったのが、中学3年生になると26%、高校生になると20%となっている。9月議会の委員会で、高校教育課長からNIEを重視して取り組んでいると答弁があったけれども、余り成果が出てないということである。このNIEの取り組み自身の課題、問題点があれば教えてほしい。
 また、社会に関心を持たなくなる、新聞を読まなくなるというのは、学力偏重教育の弊害ではないか、学校から指定された課題で手いっぱいという理由もあるのではないかと思うけれども、その辺はどういう認識か。


◯企画幹(義務教育)  NIEについては、小・中学校と高校で事情が違うかもしれないが、今度の学習指導要領のアクティブ・ラーニング等で教科書だけではなく、身近な地域の題材を使った授業における議論等が大変重要になるということで、これからますます各学校で推進されていくと考えている。
 委員から、地域や社会の出来事に関心のある児童・生徒の割合が下がっているのではないかという話があったけれども、福井県教育振興基本計画案の中にも記載しているが、子供たちが社会に対して主体的に絡んでいく「福井型コミュニティ・スクール」を試している。全部お膳立てしてもらうのではなく、自分たちの地域にはどんな課題があるのかということを、地域と一緒に主体的に、子供たちが社会に参加し、社会をつくっていく。ただ新聞を読むだけの授業がふえるということではなく、今度は地域に確認に行く、先生だけではなく地域の多様な人材と子供たちが時間も共有するといったところを活性化できるよう考えている。


◯佐藤委員  今後、18歳から選挙権が得られる中で、小学校、中学校、高校と新聞をだんだん読まなくなっていくようでは問題である。また、現場の高校の先生の話をお聞きしても、やることがいっぱいあるので、新聞活用までなかなか手が回らないという声がある。現場では学力の向上や英語力の向上など、やることがいっぱいある。失礼な言い方になるが、新聞を読むというのは点数化されないから、結局点数化される、評価されるものに重きが置かれてしまうことになるのではないか。


◯企画幹(義務教育)  委員の指摘と関連して、先ほどのNIEであるけれども、先般、秋田県でNIEに関する大きな大会があり、その中で福井県の取り組みが全国から大変注目されている。
 繰り返しになるが、義務教育の段階で新聞や読書といったところにも非常に力を入れていきたいと思っていて、そういったことが地域とともに一体化していくことで、高校へ進学しても、アクティブ・ラーニングや大きな入試の改革に必ずリンクしていく。既に高い評価をいただいているが、今から仕込んでいき、さらに活性化させていくよう義務教育課として考えている。


◯佐藤委員  先日、教育フォーラムがあり、フォーラム自体は参加しなかったが、私の地元にある光陽中学校の授業を見学させてもらった。指定された授業だけでなく、それ以外の授業も見学させてもらったのだが、教え方が非常にうまい。例えばフランスで起こったテロの問題から入って、道徳の授業につなげていくなど、起こったことを題材するという、よく考えられた授業の入り方だと感じた。このように、現場の先生はいろいろと苦労され、努力もされていて、すばらしいと思ったので、そういうところを伸ばすようにお願いしたいと要望する。
 次に、55ページにある県立図書館に関することである。先日いただいた資料によると、県立図書館の図書の購入費が最近極端に減っていて、平成17年度から比べると約半分ぐらいになっている。また、利用者も1割以上減っているということである。55ページの表では、貸し出し冊数は伸びているということだが、本を買うお金が大きく減らされて、利用者もかなり減っているのが実態である。こうした実態を見ないで、貸し出し冊数が日本で一番であるとかいうことだけ言っているのでは、我々県会議員も誤解してしまう。なぜ図書の購入費を減らしているのか、その影響で利用者が減っているのではないか、その辺の分析はどうか。


◯生涯学習・文化財課長  県立図書館の図書の購入費だが、確かに平成17年度と比較すると、かなり減っている。この経緯を申し上げると、県立図書館は平成14年度に開館したが、まず開館準備として平成6年から計画的に蔵書をふやして、70万冊台にした。その後、開館以後7カ年の計画をつくり、集中的に整備した。蔵書数を100万冊にしようということでかなり強力に整備して、その結果、蔵書数が平成20年度には全国9位となった。その後、全国の平均レベルの購入費になるように段階的に予算を減らしているところではあるが、昨年度の数字でも蔵書数は120万冊ということで全国8位の蔵書数を誇っている。その結果、貸し出し冊数は高い水準を維持している。


◯佐藤委員  来館者は57万人から47万人に減っている、10万人も減っているではないか。


◯生涯学習・文化財課長  来館者数だが、全国的に貸し出し冊数は維持しているが、図書館の利用者数が減る傾向にある。これは分析すると、例えばインターネットやスマホの普及により、簡単な情報検索が可能となったためと考えられる。今まで図書館に行って調べていた比較的軽微な利用者が減ってきたというのが要因だと考えている。


◯佐藤委員  最後の質問だが、あわせて司書の数も平成18年は30人だったものが、平成27年は24人に減っているが、例えば、県立図書館のホームページに掲載されている「覚え違いタイトル集」というのはとても有名らしい。このようなものを企画した有能な司書も多いと思うので、有能な司書を育てて配置して、県民にもっと利用されるように頑張っていただきたいということを要望しておく。




◯佐藤委員  教育博物館について伺う。32ページに白川博士、南部博士と書いてあるが、県立図書館には白川先生の展示した部屋があり充実している。また、こども歴史文化館には南部先生も含めて教育展示がたくさんあり、そこは子供向けの施設になっている。
 同じようなものを幾つもつくるのはいかがなものか。福井市の城東にあり、今度は春江工業高の跡地にも、南部先生や白川先生に関する展示物を置き、子供を集める。これは、教育博物館は坂井市の子供を中心に来てください、こども歴史文化館は福井市の子供を中心に来てくださいというすみ分けを考えているのか。


◯企画幹(高校改革)  教育博物館を設置する教育研究所は、教育の実践としての研修・研究施設であるので、教育博物館は、白川先生の業績も含め、それを福井の教育の中でどのように教えているのかという教育面での成果を展示・発信していく施設だと考えている。
 そのため、生徒にも来てもらうが、対象は教員が中心となっている。32ページに、白川静博士、橋本進吉博士と書いているが、日本語、国語の文法、学校文法をつくられた先生方が、どのように教育してきたかを展示しようと考えている。そのため、県立図書館やこども歴史文化館とは違う面に焦点を当てていく。


◯小寺副委員長  ここで委員長を交代する。


◯佐藤委員  既に展示されている施設から展示物を移すことはないのか。


◯企画幹(高校改革)  現在展示されているものを移すということではない。現在、教育で使っているものや、新たに歴史的なものを収集する。既に展示されたものをそのまま持ってくることになると、元の施設の展示物がなくなることになるので考えていない。


◯佐藤委員  力野委員が指摘した、県外からの教育視察者に対して県民の税金を使うのはどうなのかという点は理解できる。県会議員も他県に視察に行く場合、レアケースだが、例えば1人当たり2,000円から3,000円程度の費用を徴収する自治体がある。そのかわり、バインダーつきのしっかりした資料を提供してもらえるのだが、もし教育博物館の対象が全国の教育関係者の視察ということであれば、金額は別として、一定程度の見学費を徴収することを考えているのか。


◯企画幹(高校改革)  教育博物館は教育研究所内の一フロアということであるので、料金を徴収することは検討していない。福井の教育を発信するにふさわしいしっかりした施設にしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  行政間でお互いさまのところがあるから、なかなか難しい面もあると思うが、県会議員の視察ではそうやって料金をとられる自治体もあるということで紹介しておく。
 それから17ページに、「学力検査において高校ごとの選択問題を導入」とあるが、今の高校入試の作成はそもそもどうなっているのか、これをどう変えようとしているのか。


◯高校教育課長  現在の高校入試は、全ての高校で同じ入試問題を使って実施している。これを、学校によっては、応用的・発展的な問題を取り入れる、もしくは基礎的な問題を取り入れるというように、選択することを検討していくというものである。


◯佐藤委員  現在の入試問題をつくっているのは、教育研究所がつくっているのか、現場の高校の先生が分担してつくっているのかわからないけれども、高校ごとに問題をつくるとなると、その高校の先生がつくる割合が高くなるのではないか。また、その場合、入試問題の取り扱いや高校の先生の仕事量の増加など、いろいろな課題が出てくると思うが、その辺は大丈夫なのか。


◯高校教育課長  学校ごとの選択問題を、その学校の先生が作成するということは今のところ考えていない。学校ごとに問題を選択できるという形にしていきたいと考えているところである。




◯松田委員長   次に、教育委員会関係のその他の所管事務について、各委員より発言を願う。


◯佐藤委員  先日、総務教育常任委員会で、嶺北特別支援学校を視察させていただいた。そのときに寄宿舎も見学させていただいて、寄宿舎の役割などいろいろわかったが、寄宿舎指導員の正規職員が採用されてないということであった。現場では非正規の方が一所懸命されているけれども、そうした方をきちんと正規の指導員として採用してほしいという要望が上がっている。これはどのように対応されるのか。


◯企画幹(高校改革)  寄宿舎指導員について、今年度は若干名で募集をかけているところであり、計画的に採用をしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  寄宿舎指導員も、正規職員かと思うが、平成18年度の86人から平成27年度は69名に減っている。しかし寄宿舎のニーズが大きくなっていると思うので、若干名と言わずに、必要な人数は計画的に採っていくという考えで取り組んでいただきたいと思うがどうか。


◯企画幹(高校改革)  今後とも計画的に採用していきたいと考えている。


高浜原発再稼働問題  2016年12月福井県議会 原子力発電・防災対策特別委員会

2016年02月16日 | 福井県政
2015年12月11日におこなわれた原子力発電特別委員会の佐藤県議の質疑を紹介します。


◯山本(文)委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。
 参考人を紹介する。
 資源エネルギー庁 原子力発電立地対策・広報室長、内閣府 地域防災・訓練担当参事官、原子力規制庁 福井担当地域原子力規制総括調整官である。
 本日は、お忙しいところ、当委員会に出席いただき、厚く御礼申し上げる。
 審査に入る前に、本日の委員会の進行について説明する。
 初めに、参考人からの意見聴取を行う。
 なお、さきの全員協議会において、各関係機関から説明を受けているので、本日は、それに対する質疑を中心に、各委員より発言を求めることとする。
 次に、参考人には退室いただき、理事者から報告事項の説明を求めた後、各委員より、理事者に対する発言を求めることとしたいと思う。
 これより審査に入る。
 本委員会の付議事件であるエネルギー研究開発拠点化計画を含む原子力発電に係る諸課題についての調査に関すること、原子力防災対策の総合的、計画的な推進のための調査に関することについてを議題とする。
 初めに、参考人に対する質疑に入る。
 各委員より発言願う。


◯佐藤委員  何点か質問したいと思うのだが、時間を節約するため、最初に質問点を列挙し、その後、担当から回答願いたいと思う。
 まず、1点目は、先日の説明の中で、高浜発電所3・4号機を再稼働すれば、現在値上げされている関西電力の電気料金を引き下げられるとあったのだが、関西電力は、再稼働を見込んだ料金設定を行っているとの話もあるので、一体どちらが本当なのかを尋ねる。
 2点目は、スクリーニング──避難退域時検査で出た汚染水は、関西電力が引き取るようになっているとの説明であったが、この関西電力が汚染水を引き取ることは、約束の文書のようなものがあるのかどうか、それから、例えば福島第一原発のような事故が起こったときに、大変たくさんの汚染水が出ると見込まれるけれども、一体、どの程度の量を、関西電力のどこの敷地で引き取るのかについて、説明願う。
 次に、原子炉容器内の燃料棒が溶け落ちて、容器の下の水と反応し、爆発的な燃焼──水蒸気爆発が起こる可能性について質問したところ、水でもキャッチャーのような受け皿でも、どちらでも効果は変わらないとの説明だったのだが、なぜ水蒸気爆発を否定できるのかを説明願う。
 それから、水素爆発を起こすジルコニウム‐水反応について、川内原発では100%反応することを想定して審査されたが、高浜発電所では、たしか75%プラス6%で81%の前提での審査である。しかし、高浜発電所のほうが川内原発よりも格納容器は小さいわけである。しかも、ジルコニウムの量は多いわけである。容器が小さくて、ジルコニウムの量が多い高浜発電所の審査を甘くしたのはなぜかを尋ねる。
 それから、地震対策だが、東日本大震災で、指針の見直しやガルの引き上げなど、かなりいろいろとやっているのはわかるのだけれども、阪神大震災でも、中越地震でも、東日本大震災でも、地震は何回も来るわけである。そうすると、仮に、最初に建物を建てて、これで大丈夫だとの設計は妥当だとしても、地震が繰り返し来ることによって、その建物のあちらこちら──平たく言えば、がたがくるというのか、これは民間の建物でも一緒だけれども、原子力発電所の建物でも、当初設計された耐震が保証されないことが出てくる可能性が当然あると思うのだが、その辺はどうなっているのかを尋ねる。
 それから、この間、原子力発電所は、巨大地震、巨大津波は経験したのだが、幸いにして、まだ巨大噴火は経験していないわけである。しかし、承知のように、火山も、日本列島のあちらこちらで活動期に入っている。地震と火山は連動するわけだが、近畿地方では歴史的な火山噴火で、数十センチから、多いときには1メートルぐらい火山灰が積もったとの研究もあるようである。原子力発電所に、その数十センチから1メートルぐらいの火山灰が降ったときの影響については、どのように評価しているのかを尋ねる。
 最後だが、これは前回も質問したのだけれども、正確に答えてもらえなかったので、もう一度尋ねる。原子力規制委員会は、高浜発電所内の工事内容をきちんと見ているとの説明だったけれども、原子力災害制圧道路の設計段階で地下配管を見逃し、もし、そのまま工事が施工されていれば、高浜発電所の地下の重要な配管を傷つける可能性もあったわけである。原子力規制委員会としては、原発の本体とか、地震や津波対策の工事はしっかり見るけれども、あとのことは余り見ていない、あとのことは事業者に任せているという姿勢なのかどうかを尋ねる。


◯資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力発電立地対策・広報室長  最初の電気料金の話について答える。
 この5月に関西電力から提出された2度目の値上げの申請に対し、経済産業省は答えを返したところであるが、その段階では、委員が言われるとおり、原価算定の中で、一定程度の原子力発電所の稼働を織り込んでいることは事実である。
 ただ、同じ5月15日に経済産業省から出した、関西電力の値上げ申請についての査定方針の中で、今回の値上げの原因というか、値上げになった背景が、もともと予定をしていた原子力発電所の再稼働がかなりおくれていることが原因で必要となった値上げであったことから、この「事象が解消された場合」、つまり、原子力発電所が稼働した場合には、「速やかに料金の値下げを実施するよう、条件を付す」と明確に書いてあるところである。
 委員も関西電力のホームページ等、ごらんになっているかと思うけれども、関西電力のホームページには、そういった方針を受け、稼働があった場合には値下げをするとの社長のコメントが載っているところである。時間があるときに確認いただけたらと思う。
 ただ、承知だと思うけれども、料金はさまざまな要因、原価を計算して決まってくるものであるので、どれだけ下がるかについては、現時点において見通すことはできない。同じ査定方針の中に、一意的に決めることは困難なので、具体的な値下げ率そのものについては、その事象が起こったところで、もう一度、必要に応じてフォローアップをする──これは、経済産業省の中に、専門家の方に集まってもらう場があるけれども、そちらでフォローアップをし、適正な値下げがなされることを確保することが記されているところである。
 今、私から答えることができるのは、ここまでかと思う。


◯内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災・訓練担当)  先ほど質問があった、スクリーニングポイントなどで出てくる放射性物質を含む汚染物を関西電力が引き取ることについて、文書によるものがあるのかとの質問については、現段階において、文書による約束にはなっていないが、こういった検討については、福井エリア地域原子力防災協議会作業部会高浜分科会で、これまで14回議論してきた。そこにはオブザーバーとして関西電力にも出席してもらっている。その場で、今申したことについて明示的に約束もしてもらっているし、今後また、緊急時対応を公表していくに当たっては、そういったことも明記する形でやっていくことになろうかと思っている。
 次に、そのスクリーニングポイントなどで出てきた汚染廃棄物などが、どの程度の量で、敷地のどこにとの質問である。敷地のどの辺かについては、関西電力が、引き取った後、どのように処理するかについて、今後検討していくと考えている。
 また、どの程度の量かについては、福島第一原発の事故の例でどの程度のものかという質問にもあったけれども、福島第一原発の事故の関係では、環境省が除染に関して「除染等の措置に係るガイドライン」を出している。その中で、放射性セシウムの多くは、土壌粒子に強く吸着した状態で存在しており、水にはほとんど溶出しない特徴があるため、堆積物の除去、拭き取り等を行うことが効果的だと示されている。そしてまた、堆積物の除去を行った場合には、基本的に排水を処理する必要はないことになっている。ただ、排水の濁りが多い場合などには、基本的に排水の処理を行うことになるが、これは集水設備──ポリタンクに集めるとか、仮設プールに集めるとか、そういったことをして沈殿させて、上澄みを放流するということがガイドラインにも示されているところである。
 そういったことで、今、委員は汚染水と言われたけれども、このような処理をすることで、基本的にはそういったものは発生しないとは思っているが、ただ、残った堆積物については、汚染物ということになろうかと思うので、それは先ほど申したように、関西電力が引き取った上で、適切に処理することになると考えている。


◯原子力規制庁地域原子力規制総括調整官(福井担当)  5点ほど質問いただいた。
 まず、1点目、原子炉圧力容器から内容物が溶け出してきた場合の水素爆発に関する評価の根拠についてだが、水素爆発に関しては、欧州と我が国では、原子力発電技術機構がやった大規模な実験があり、その結果を参照して、実機の条件と比較した上で、水素爆発の可能性が極めて低いことを確認している。
 次に、ジルコニウム‐水反応、いわゆる水素爆轟についての質問である。川内原発と比較してとのことだが、審査ガイドにおいては、全炉心のジルコニウム量の75%が水と反応する場合に、さらにMCCIというコンクリートとの反応を考慮しても、基準で定めた爆轟条件を下回ることを規定しており、それを満足することは確認している。
 高浜発電所の場合は、先ほど話があった75%に加えて、MCCIというコンクリートとの反応を考慮しても下回ることを確認しているけれども、川内原発の場合は、格納容器の大きさが比較的大きいということがあるので、参考のための感度解析を行う目的でそういった解析を行ったと確認しており、事業者による自主的なものと位置づけてある。
 それから、地震対策の話で、繰り返しの地震が来るのではとの指摘であったけれども、まず、地震の最初に来る本震と呼ばれるものについては、基準地震動に当たるものだが、そういった本震の揺れが繰り返し発生することはないと考えている。
 なお、本震が来た後に余震が発生することは、指摘のように、これまでの事例でもあったと思うけれども、耐震上重要な施設については、本震を想定した基準地震動による地震力に対して、終局耐力とか、あるいは破断の延性限界に対して十分な安全余裕を持つことが求められていて、そのことが確認できたことで、余震に対しても耐震性は確保されると考えている。
 それから、巨大噴火に関する質問があった。
 まず、委員の指摘は、近畿地方で数十センチから1メートルの降灰があったとの話であったが、高浜発電所においては、事業者のほうで、現地における文献を調査したり、あるいは地質調査によって、どの程度の降灰が予想されるかを評価し、数値シミュレーションによって降下火砕物の検討も行っており、最大の厚さは10センチとの評価になっている。
 また、実際にそういったものが湿った状態で堆積することも想定した上で、構造の健全性が維持されることであるとか、あるいは降下した火砕物の特徴も踏まえて、例えば機械に影響を及ぼさないかとか、あるいは間接的に、その外部、例えば交通が途絶えたり、外部電源が喪失したりなどということも考慮した上で、安全機能が損なわれることはないとの評価になっている。
 それから、最後に、原発敷地内の工事のみを見るのかとの指摘があった。原子力災害制圧道路の話と伺っているが、恐らく、今、福井県が工事や設計を進めていて、ちょうど高浜発電所の取水口の上に橋をかける工事をやっているが、その原子力災害制圧道路の話かと思う。
 敷地内における重要な配管に関する工事が行われるのであれば、工事計画の届け出とか、あるいは工事計画の変更などの手続があるし、その後には使用前検査があるのだが、それ以外については、事業者が自主的に必要な管理を行うと確認している。
 きのうの県原子力安全専門委員会でも指摘があったのだが、福島第一原発の場合は、特に、深層防護まで考えていなかったところが反省点であるので、より重要なことに、必要な規制の支援をしっかりと投入することが重要であると思っており、安全上重要なものに特に力を入れて確認をするという方針である。
 たしか、9月末の当委員会会議録に、実際にそのように設計を見直したことが記されてあったので、それを確認させてもらったのだが、私自身は具体的な構造物が何かまでは把握していなかったところである。


◯佐藤委員  今、最後に話があったように、原子力発電所は、地下の配管も含めて、トータルで安全が確保されていると思うのである。だから、本体の部分だけが安全であれば、あとのところはどうでもいいという施設ではないわけである。水を取水するところ、排水するところを含めて、トータルで原子力発電所の安全が担保されるのである。しかし、今、答弁があったように、原子力規制庁は、そんなところは見ていないとのことである。そういうことでは、本当に大丈夫なのかとなるわけである。規制基準の問題はいろいろとあるとは思うのだけれども、原子力発電所トータルで、その安全性の問題などを見ないと、例えば、取水口が詰まれば、冷却できなくなるわけである。だから、いろいろなことをきちんと考えるべきではないかという点での考えは、確認したいと思っている。
 もう一点は、これも原子力規制庁の関係なのだが、さっき説明があったけれども、前回の全員協議会での説明のときには、いわゆる構造物──燃料棒などが全部溶け落ちてしまっても大丈夫なのだとの説明だったのである。全部溶け落ちても、なぜ大丈夫と言い切れるのか。福島第一原発の事故を見ても、溶け落ちても大丈夫なのだという言い方は、説得しているつもりかもしれないけれども、福井県民──我々原発立地地域の住民にとっては、全く逆効果である。
 今、県原子力安全専門委員会も、いざというときには非常用電源車が入るとか、あるいは津波はこうやって防ぐ、そういう事態が起こらないことに万全を尽くしている、そういう事故は起こらないとの説明を中心的にされているわけである。ところが、先日、原子力規制庁から来られた実用発電用原子炉規制総括官の説明は、全部溶け出しても大丈夫であると、安心してほしいとまでは言わなかったけれども、そう言わんばかりの説明なのである。
 これは、福井県や県原子力安全専門委員会が取り組んでいる方向とは違うと思うのである。だから、全部溶け落ちても大丈夫であると軽々に言うのは問題ではないかと思うのだが、その辺はどうか。


◯原子力規制庁地域原子力規制総括調整官(福井担当)  まず、1点目のトータルでしっかり見るべきではないかとの指摘は、そのとおりだと思う。ただ、これまでの反省から、全て、すべからく同じように力を注ぐのは、ちょっと違うのではないかということがあるので、必要なところにはしっかりと資金を投入し、そうでないところには──例えば、今回の工事計画についても確認することになっているけれども、特に重要なところにはこれまでどおりやるけれども、そうでない既存の設備であるとか、あるいは、安全上それほど大きな影響を及ぼさないものについては、事業者がしっかりと品質管理をやっていくかということを重点的に確認するということで、物事には軽重をつけて、規制の方式を投入していく考えである。
 それから、もう一つ、炉内構造物が溶け出た場合でも大丈夫と捉えられた、そういう説明があったとの指摘であるが、資料の中でも繰り返し申していたのは、まずは事故が起きないように必要な対応をとることを確認したということであり、それでとどまるのではなく、さらに重大事故が起きた場合でも、しっかりと対応できるか、環境に影響を及ぼさないか、そういったリスクをかなり下げることができるかといった観点で確認したことを説明したわけである。炉内構造物が溶け落ちた場合については、資料の後ろのほうで、あえてそういったことが起こることを想定した上での対応を説明している。議論になっているけれども、安全対策には決して終わりはないということで、さらなる努力を重ねていくことで進めている。





◯山本(文)委員長  次に、理事者より報告事項があるので、説明を求めることにする。
 説明は、総合政策部、安全環境部、産業労働部の順序で行う。
 なお、委員からの発言は、全ての部の説明終了後に求めることにする。
 それでは、理事者より説明願う。


・・・・・・・・・


◯佐藤委員  きのう開かれた県原子力安全専門委員会である。報告の中でも触れていたが、もう少し丁寧な説明があるかと思ったのだが、想定に反してさらりとしか触れていなかったので、質問する。
 マスコミでも報道されているが、県原子力安全専門委員会の委員の何人かから、記述の不十分性などの問題は出されたと思うけれども、委員長一任で取りまとめることについては、異議が出されなかったと思っている。だから、この高浜発電所3・4号機にかかわる県原子力安全専門委員会としての審議については、事実上、きのうで終了になるのかと思っているが、そういう認識でよろしいのか。


◯原子力安全対策課長  昨日の県原子力安全専門委員会は、先月30日の現地調査についての事業者の対応と、今、委員が言われたように、これまでの審議の取りまとめの報告書案を審議した。
 県原子力安全専門委員会の委員の中からは、例えば高経年化への対応であるとか、地震については新たな知見をこれからも収集していったらどうかという話、安全対策の弱点を常に見出し、その安全性向上に努めること等の意見があった。これについて、今後、報告書の記載を修正していくことになろうかと思っている。
 今、報告書はまだ委員会のところにあるわけであり、その取りまとめが委員長に一任されたことに関して、いつごろ報告書が取りまとまるのかについては、委員会終了後に、委員長が日程的にはわからないとの見解を示しているところであり、現状としては、そういうことかと思っている。


◯佐藤委員  この間の全員協議会のときも、きょうも原子力規制庁に尋ねたのであるが、県原子力安全専門委員会では、例えば、私が9月定例会でも取り上げ、この間の全員協議会でも質問したような、炉心本体そのものが壊れてしまうといった、脆性破壊の問題などは審議されていないのである。そして、そのことによって、壊れた炉心が下に落ち、水蒸気爆発を起こす危険性とか、国内では専門家からも、そういう危険性の問題や、可能性の問題などが指摘されていることについては、この報告書を見る限り──私も議事録を全部、読んでいるわけではないのだが、審議されていないように思えるのである。
 先ほど、原子力規制庁 福井担当地域原子力規制総括調整官と質疑したように、原子力規制庁は、別に全部取り壊しても大丈夫である、そういう設計になっていると言われる。しかし、では、県原子力安全専門委員会で、そのことがきちんと検証されているかというと、そうでないように思えるのだが、そういう点では、まだこの審議を終わる段階ではないと思うのであるが、どうか。


◯原子力安全対策課長  ことし2月に、高浜発電所3・4号機については、原子炉設置変更許可が出た。その後、3月、5月、7月、9月、11月と審議を進めており、その許可が出たときには、県原子力安全専門委員会の各委員が許可証を見て、その内容について確認をしている。
 その中では、さまざま──例えば、水素爆発の話が先ほどあったけれども、水素濃度をどのように低減するのかについては、化学的なものと、燃焼するものとがあるので、そういうことについては、これまでも審議をしてきたところである。また、せんだって11月30日には、現場で確認を行った。その際には、格納容器外、また、格納容器の中も入って、実際、どういう機器がどこに置かれているのかの内容についても確認しているところである。


◯佐藤委員  私の質問に答えていないのだが、現場確認で格納容器を見たか、見ていないかとかということではなく、炉心そのものが溶け落ちてしまうとか、あるいは、そのことによって、水素爆発ではなくて水蒸気爆発、高浜発電所の場合は下に水をためるわけだから、その水の中に、熱い何百度か1,000度かの金属が落ちれば、物すごい爆発が起こる危険性が指摘されているわけである。
 だから、そのような学術的に指摘されている危険性について、県原子力安全専門委員会では検証されていないのではないかと、だから、まだ議論が不十分ではないかと尋ねたのである。


◯原子力安全対策課長  先ほど原子力規制委員会から説明があったけれども、構造的な問題については、まずは原子炉設置変更許可の中で、このような対策をするとの検証をしているわけであるが、その中で、例えば水蒸気の問題、水素の問題といったものが当然審査され、それに基づいて許可されているという前提のもとに、県原子力安全専門委員会の委員は皆、それぞれ専門の方々であるので、例えば、このような形で水素を燃やすのかとか、水蒸気の部分については、格納容器の大きさから考えて、こうなのかというところは、それぞれ確認されている。各委員の中から意見があったかなかったかで、その部分が審査していないのではないかということではないと思う。


◯佐藤委員  おかしなことを言う。委員から発言があったかどうかではないのだと言うけれども、知事は、この県原子力安全専門委員会の審査の内容の結論、それと並行する県議会の審議の内容と言っているわけであるから、我々県議会の一つの参考として、私は、県原子力安全専門委員会の委員長にも質問があるから、呼んでもらえないかとお願いしたけれども、それは、場所が違うとのことで受け付けてもらえなかった経過があるので、ここで伺っているわけである。県原子力安全専門委員会で審査していないことは認めるのであろう。


◯原子力安全対策課長  審議する前提として、県原子力安全専門委員会の各委員の方々には、その許可書を含めて見てもらい、それに対する事業者からの説明も受け、それに対して、県原子力安全専門委員会のそれぞれの委員の方が疑問に思っていることをあの場で言われているのであるから、今、佐藤委員が言われている許可の内容については、県原子力安全専門委員会の委員の方々それぞれが、自身で確認した上で、それぞれ質疑をされている状況かと思っている。


◯佐藤委員  結局、県原子力安全専門委員会では検証されていないのである。私が全員協議会で指摘した点などを含めて検証されていないのである。だから、そういうことでは、福井県民は安心できないのである。原子力規制庁から、溶け落ちても大丈夫だとの発言があったけれども、本当にそれで大丈夫なのかという点は、検証されていないと思う。
 それから、その脆性遷移温度をはかる試験片である。関西電力の資料をもらったけれども、これを見ても、美浜発電所3号機は4個残っている。高浜発電所1・2号機は4個残っている。大飯発電所3・4号機は、3個残っている。ところが、高浜発電所3・4号機は、もう2個しか残っていない。今、言ったように、それで、脆性遷移温度の問題なども管理していこうというわけであるから、一番少ないではないか。これから何年運転するかわからないけれども、チェックしていく試験片の数が一番少なくなっている状況で、今、言ったような問題について、本当に安全が担保できるかどうかわからないではないか。


◯安全環境部長  先般の全員協議会の議事録を拝見したけれども、佐藤委員と原子力規制庁実用発電用原子炉規制総括官の質疑が必ずしもかみ合ってはいないと感じている。例えば、水素爆発と水蒸気爆発を混同していたり、脆性遷移温度の説明の仕方についても必ずしも、うまく議論がかみ合っていなかったのではなかったかと思っている。
 昨日の県原子力安全専門委員会でも、高経年化対策の部分が、まだきちんと記載されていないのではないかとのことであったので、そこは今後、報告書の修正の中で、どのように対応していくのか、脆性遷移温度もその一環だと思うけれども、そのあたりの取り扱いは、委員長などとよく相談していきたいと思っている。
 脆性遷移温度に関しては、9月定例会の一般質問の答弁で答えたとおりであるが、基本的には高経年化技術評価の中で、60年の運転を想定してやっている。今言われたのは高浜発電所3・4号機であるが、この具体的な脆性遷移温度は、今、4回ぐらい試験片調査をしているかと思うけれども、これは今後、60年を想定したときの高経年化技術評価にどう影響してくるか、関西電力としては、この辺も十分踏まえて考えていると思っているが、先ほど言ったように、今後、高経年化対策をどのように記載するかという中で、委員指摘のことも考えていきたいと思う。


◯佐藤委員  部長の答弁はわかるのだが、私は、県原子力安全専門委員会の場で、このような大事な問題、高経年化と絡むような問題、脆化の問題が審議されていないこと自身が、論点が抜け落ちているではないかと指摘をしているのである。だから、きのうの審議で終わりとするのではなく、事務局は県なのだから、もっとこういう点を審議してほしい、県議会でもこういう疑問が出されたので、審議願うと言ってもらえばいいのである。


◯安全環境部長  昨日は、今後の取りまとめの方法は委員長一任とのことであって、次回の県原子力安全専門委員会を開催する必要があるかどうかも含めて、今後、委員長が各委員と相談ということであるので、現時点で、もう委員会審議をしないと決まったわけではない。必要があれば、そのようなこともあるかもしれない。ただ、これは、昨日の県原子力安全専門委員会を踏まえた上で、事務局として取りまとめる最終の報告書案に対し、これから寄せられる各委員の意見などにもよるので、現時点で、どのような取り扱いにするかはわからないけれども、いずれにしても高経年化のところはもっとしっかりと書くべきだとの県原子力安全専門委員会委員の指摘があったわけであるから、しっかりと対応していきたいと考えている。





◯佐藤委員  私も議会で、国民理解、県民理解の問題について、知事に質問した。知事は、ざっくり言えば、国民理解はだめであるけれども、県民理解はいいとの答弁だったと思う。
 しかし、承知のように、10月のNHKの調査を見ると、高浜発電所の再稼働に、いわゆる反対派は、高浜町では24%である。周辺地域では55%、福井県全体では52%である。それから、行政や電力事業者から、高浜発電所の再稼働の必要性について説明を受けたかというと、受けていないとの回答が、高浜町で47%、周辺地域で80%超、福井県全体で76%である。高浜発電所の再稼働の決定について、自分の意見が反映されているかということでは、反映されていないとの回答が、高浜町で56%、周辺地域で78%、福井県全体で72%である。
 だから、高浜町も含めて福井県全体、また、京都府、滋賀県など、周辺地域も含めて、実は、まだまだなのである。知事は、福井県民は理解していると強弁されたけれども、そういう実態ではないのである。だから、理解しているということで事を進めるから間違うのである。高浜町民も含めて、福井県民全体で、まだまだ理解されていないという謙虚な立場に立って、県がきちんと表に出て、なぜ、説明会などを開かないのかと、何遍も言っているのである。調査ではっきりしているではないか。もっと謙虚になりなさい。違うか。


◯原子力安全対策課長  高浜発電所3・4号機の再稼働について、高浜町においてはビデオ放映のほか、住民説明会をやっているが、そのほかでも、例えば小浜市では、以前からずっと環境安全対策協議会を開いている。また、おおい町には原子力発電所がある。それについて今、おおい町は、防災をどうするかとか、原子力の問題についても、こういう状況になっていると、各町内を回っていろいろと話をしている。そういったことで、この高浜発電所3・4号機の問題に限らず、原子力の問題については、長年ずっと、福井県内の原発周辺の市町がそれぞれやっている。


◯佐藤委員  だから、知事の答弁を課長が覆すわけにいかないのはわかる。部長、1点だけ伺いたいのは、もう少し謙虚に考える必要性を全く感じないのか。福井県庁だから、直接の対象は福井県民だろうけれども、もう少し県民に謙虚に向き合って、理解を求める必要性を感じないのか。


◯安全環境部長  日ごろから謙虚を旨としている。




TPP、新幹線、福井駅東口駐車場の代替を、高浜原発再稼働、融雪装置について

2016年02月16日 | 福井県政
2015年12月4日におこなわれた佐藤正雄県議の一般質問です。


◯16番(佐藤正雄君) おはようございます。日本共産党の佐藤正雄です。

TPP


 安倍政権が進めるTPP、地方創生などについて県の見解と県民への影響について質問いたします。
 まず、TPPに関して質問します。TPP交渉に関する国会決議は、農産物の重要5品目、米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源作物を聖域とし、数年かけた関税撤廃も認めないとしましたが、安倍内閣はこの重要5品目について輸入規制の制度は残しますが、全ての分野で輸入の拡大と関税の引き下げが行われるという重大な譲歩を行いました。
 さらに、この5分野の貿易細目586品目のうち174品目の関税が撤廃されます。日本農業新聞の農政モニター調査でも、国会決議に違反すると考える人が69%にも上ったのに対し、遵守していると考える人はわずか7%でした。これにより経営悪化になると考える人は70%にもなっており、将来の日本農業への希望を打ち砕きかねません。
 鈴木宣弘東京大学教授が今回のTPP大筋合意について被害試算をしたところ、米では約1,100億円、牛肉は3,262億円、豚肉は4,141億円、乳製品は約960億円、小麦は約80億円、主要な果実は1,895億円となり、1兆1,000億円を超える被害であり、2013年の農業生産額8兆5,000億円の13%にも及びます。
 そこで知事に質問いたします。今回のTPP交渉の内容についての見解と、知事御自身は今回のTPP交渉内容が国会決議に違反していると思うのか、遵守されていると思うのかどちらですか、お尋ねをいたします。
 政府や県が示している事後対策の中心は、規模の拡大と品質格差による輸出の拡大です。農地の基盤整備も最も影響を受ける中山間地ではなく、これまで以上に大規模化が可能な地域に限られてくるでしょう。これでは、地域で頑張っている家族経営、兼業農家など、現に生産に携わっている多彩な担い手を排除することになり、農業による地域と地域住民の活性化にはなりません。
 今、福井県農業の将来を考えても大事なことは、このような多彩な担い手への支援を強めること、地域農業が成り立つ条件拡大に支援を行うこと、機械や資材購入への支援などを通じて、農家と農業者の所得をふやすことこそ必要です。
 国会決議に違反し、日本農業と国民の食の安全を根底から崩しかねないTPPからの撤退を強く求めるものであります。


福井市の中核市移行計画

 次に、政府が進める中核市移行政策について質問いたします。
 福井市は、人口要件の緩和などを生かして、中核市に移行することを目指していますが、これは国の連携中枢都市構想とタイアップしたものであり、ひとり福井市だけの問題にはとどまらず、県としての方針の明確化も求められてくると思います。安倍政権は、政策誘導で中核市や連携市町には交付税の特別措置などを決めております。
 また、特に県から移譲される業務のうち、保健所業務が最大の問題になってきます。例えば、現在の福井健康福祉センターの建物を福井市が購入するとしても、60名から80名近い医師、薬剤師、保健師、獣医師などの専門職を含めた人員を新たに確保しなくてはなりません。つまり、福井県にとっては、ある意味行革になるでしょうが、福井市にとっては過大な行政機構を抱えなくてはならなくなるわけです。つまり、福井県の自治体トータルでは、逆に負担がふえかねない事態をつくり出しかねません。
 今でも、たかだか26万人程度の福井市で、今後さらなる人口減少を考えたときに、国の意向に沿った方向で進むのは、将来の行政コストのリスクが大きくなる面もあるのではないでしょうか。しかも、福井市は平成30年度中に準備を終えて、平成31年4月から移行することを考えているようですが、保健所関連の人材の採用と育成だけ考えても無謀な計画であります。
 福井市の中核市の移行、連携市町の考え方、保健所設置の課題について、福井市との協議状況と県の考え方をお尋ねをいたします。


人勧実施を

 次に、人勧についてです。
 安倍政権が野党の要求にもかかわらず、憲法の規定を無視して臨時国会を開会せずに国の給与法の改定がなされず、人勧実施が見送りされようとしています。これ自体、国家公務員の皆さんの争議権の代償措置を怠るものであり、重大な問題であります。
 あわせて、総務省が、国が差額を支給しないのだから、地方もするなと、こういう筋違いの圧力をかけているとお聞きをいたしましたが、これも全く法の秩序を無視した、地方分権、地方創生議論の底が透けるようなめちゃくちゃな議論であります。
 このような法に基づかない安倍政権の指示に福井県がおつき合いをしなくてはならない理由があるのですか。県独自で必要な議案を今議会に追加上程し、財源の手当ても行い、実施すべきではありませんか。地方の時代がかけ声倒れにならないよう、知事の責任ある答弁を求めます。


新幹線と並行在来線の3セク化

 次に、新幹線の建設と並行在来線の第三セクター化に関して質問いたします。
 県は今回、中長期の財政計画の見直しを表明いたしました。私も提案してきたことであり、当然であります。
 そもそも、県の行財政計画の取り組みの根本には、財政問題があります。しかし、今の福井県は足羽川ダム、高速道路、新幹線と在来線の引き受け、さらに新幹線若狭ルートなどなど、行財政改革が必要となった以前の野放図な公共事業計画推進に逆戻りしたかのようであります。田中角栄時代の日本列島改造論の亡霊の復活だと言いましたが、かつての狂乱が今日の日本経済、財政の困難と国民の社会保障切り捨ての原因となっていることを忘れてはなりません。今再び、かつての過ちを繰り返すかのような野放図な巨大公共事業の推進に、行政、議会、マスコミ挙げて推進していくのは、後の世代への財政倫理を欠くものであります。
 ところで、JRは若狭ルートなら小浜線をJRの経営から切り離すと発言しています。これ自体は、新幹線に伴う並行在来線ではないという県の認識と違うわけですが、問題は並行在来線であるかどうかだけではありません。経営主体のJR西日本が小浜線を経営しないと言い始めていることであります。そのことは、最近の三江線をめぐって鉄道経営をやめると言い出していることと共通するでしょう。今後、さらに本線が第三セクターで切り離される越美北線も含めて、同様の問題が自治体に突きつけられてくる可能性があります。
 つまり、急速な人口減少は、必ず利用者減少をもたらし、経営を悪化させるからです。これを突破するには、市街地への通勤の車の乗り入れを強制的に規制し、通勤の交通手段を車から鉄道や電車に振りかえなくてはならないとの意見もあります。そうすれば、一時的にせよ昭和30年代、40年代のような電車や鉄道の隆盛をよみがえらせることができるでしょう。いずれにしても、鉄道の廃線問題が全国でも出てくる時代に、JRから鉄道経営を地方自治体が次々引き受けていくようでは、自治体が倒れてしまうではありませんか。
 先日、福井県主催で富山の第三セクター鉄道社長のお話もお聞きいたしましたが、つまるところ経営は、税金頼みであります。これまでの地方自治体財政でも大変な状況なのに、さらに大きな財政リスクを担ぐことになるのです。したがって、小浜線の経営をJRはしないという意向が当事者から示されたわけですから、それでも新幹線が大事なのかということを若狭地域の住民に問いかけることが必要です。この点では、北陸本線のJRからの経営分離を決めた福井県の手続には大きな問題がありました。つまり、国への経営分離了解に際して、肝心の沿線自治体議会の承認を得なかったことです。
 このような、議会制民主主義を軽視するやり方を繰り返してはなりません。今のうちから、敦賀市、美浜町、若狭町、小浜市、おおい町、高浜町の各沿線自治体はもちろん、自治体議会と住民の声を聞き、小浜線の第三セクター化反対が多数なら、若狭ルートの新幹線計画は見直すべきではありませんか。知事の責任ある答弁を求めます。
 さて、いよいよフリーゲージトレインは厳しさを増してまいりました。JRも300億円以上かけて高価な車両や施設をつくっても、開発がおくれて運転期間が短くなれば費用の回収もできません。そこで、福井県としては本腰で在来線特急の存続に総力を挙げなくてはなりません。JRは、自分の言いたいことを言うわけです。そもそも、並行在来線の地方引き受けというのは、法律で強制されているわけではありません。福井県も遠慮なく、県民と利用者の利便性最優先でフリーゲージトレイン開発が間に合わないのならば、サンダーバードとしらさぎは、JRと国の責任で運行してくださいよとはっきり意見を出すべきであります。


福井駅東口駐車場の代替を

 ところで、9月議会でも取り上げました、福井駅東口駐車場が利用できなくなる代替措置について、JRとの協議はどのようになっているのかお尋ねをいたします。県営駐車場の利便性の改善はもちろん、地下駐車場を持つハピリンの開業まで閉鎖を延期するとか、駅付近の高架下の駐車場利用についても、福井市と協議をして進めるべきではありませんか。
 また、この面でも、大企業であるJR西日本に責任をとらせる強い姿勢が必要です。この間、新幹線用地をみずからのもうけのために駐車場として活用してきたのです。そのもうけを福井市民、福井県民の利便性のために還元することを求めるべきです。仮に、福井駅から一定離れたところに駐車場が確保されたとして、そこから福井駅間の無料のシャトルバスを15分間隔ぐらいで運行してもらえれば、切符の購入やプリズムでのお買い物などでも現行に近い利便性が確保されるとにもなります。
 県としても、小松空港利用の便宜を図る以上に、福井駅利用者への便宜をしっかり考えるべきではありませんか。年間、百数十万人が利用している福井駅東口駐車場がなくなることについて、JRや福井市とともに、福井県が責任を持った対応策を講じられることを強く求めます。現在の協議状況と対策をお尋ねをいたします。


高浜原発再稼働問題

 次に、原子力の課題について質問します。
 まず、高浜原発再稼働をめぐる情勢について、知事は県の原子力安全専門委員会の審議状況、国の対応、今議会での審議状況を踏まえて判断すると答弁されております。知事は、国民の理解促進を訴えられておりますが、当然この中には福井県民も入ると思われます。
 そこで、県の専門委員会の審査が結論を出す段階で、県が責任を持って県民説明会を開催すべきだと提案いたしますが、知事の見解をお尋ねをいたします。
 また、使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、国のアクションプランに伴う関西電力の案が示されましたが、電力消費地各地の自治体や議会では強力な反対があり、実効性ある担保になるかどうかは甚だ疑問であります。
 県が示した条件としては、県外への中間貯蔵施設の設置場所が明確にされない限り、空手形となる危険があるのではありませんか。条件を提示された知事の見解をあわせてお尋ねをいたします。
 次に、「もんじゅ」についてです。
 知事の提案理由は、数十年の歳月と1兆円を超す国費を投入しながらも失敗続きの「もんじゅ」について、未練たらたらであります。世界最大のナトリウム火災事故からもう20年です。それでも立ち直れない原発にいいかげん見切りをつけるべきです。技術的難しさと経済合理性のなさから、アメリカやヨーロッパなどでも中止しています。
 知事は、「同じことの繰り返しになったのではいけない」と答弁しておりますけれどももう20年も繰り返してきたではありませんか。この間、知事は副知事時代も含め、県政の中枢を担ってこられた政治家として、御自分の手で幕引きを決断しなくてはならない特別の責任があるのではありませんか。この数十年間、「もんじゅ」と向き合ってこられた知事の見解をお尋ねをいたします。
 
教育行政

 次に、教育行政について質問します。
 県の教育振興基本計画素案が示されました。何より、教育現場を拘束することになるわけであり、策定に当たっては校長先生だけではなく、全ての教職員が意見を出せるように工夫をすべきではありませんか。
 また、中学生、高校生に対する英検やGTECなどの受検を支援するとありますが、特定の試験にだけ税金投入で支援することは、教育現場での差別化になり、問題ではありませんか。やるならば、やる気のある各種資格試験など、全てについての支援制度をつくって、英語に取り組む生徒も、さまざまな技能資格検定にチャレンジする生徒も平等に支援すべきではありませんか、お尋ねをいたします。
 また、このような膨大な計画遂行は、人的な増員抜きに取り組めば、現場の過重労働がますます強化されることになります。そこで、まず現状の確認ですが、教育庁の本庁に勤務する職員で平成26年度に残業手当を支給した職員の人数と総残業時間数、総支払い額、また残業手当が支給されない教員身分の職員の人数と総残業時間数をお尋ねをいたします。本庁では、学校現場以上に残業が多いとの声もあります。ただ働き残業の拡大の改善を強く求めるものです。


融雪装置について

 最後に、土木行政について質問いたします。
 いよいよ冬を迎え、雪に対する備えの強化が必要ですが、この分野でも最小の経費で最大の効果をいかに出すかを考えなくてはなりません。昨年の12月議会で当時の土木部長は、「積雪センサーにつきましては、県管理道路に432台設置されており、そのうち42台が県で開発したもの」と答弁されております。答弁にある積雪センサーは、降雪の有無のセンサーを含めたものでしょうが、積雪センサーは県が開発したものしかありませんから、それが42台ということだろうと思います。
 私ども議員のところにも、雪が降る時期になりますと、「道路の水が出ていないぞ」とか、逆に「雪が積もっていないのに散水して歩行者に車がはねた水がかかって迷惑だ」など、いろいろ苦情や要望が寄せられ、その都度土木事務所の皆さんにはお世話になります。一見、矛盾するかのような県民の要望も、センサーの工夫とそれを各地域での融雪装置にフィードバック、連動させることによって、大きく改善することは可能であります。
 実際、福井県内でも越前市で、また、豪雪地帯の新潟県でも福井県が開発したセンサーが使用されて効果を上げているとお聞きをしました。このことは、効果的な融雪とともに、無駄な地下水のくみ上げを抑制する、地下水を涵養するという、環境政策上の効果もあるわけです。しかしながら、現状は、福井県は福井駅の東側、西側でも、従来の雪が降っているかどうかの降雪センサーでの制御に頼ってる問題があります。これでは、路面実態に合わない地下水の使用が続き、電気代と地下水の無駄遣い、さらにはそれが福井市の下水道に流れ込むわけですから、下水設備で処理されるわけで、その無駄遣いにつながっております。
 福井市は、福井駅周辺での地下水は逼迫しているとの認識があるようです。県開発の積雪センサー利用では、地下水利用を6割程度カットできるとのことです。県管理道路やJRや国管理の部分も含めて、福井市中心部では特に福井県が開発した効率的な積雪センサーの利用を進め、融雪も効果的に行う、地下水も大事にする、歩行者にも優しい、そして電気代の節約にもなる、環境に優しい施策を推進すべきではありませんか。県の認識と今後の取り組みをお尋ねをして、私の質問を終わります。

◯副議長(大久保 衞君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、安倍政権が進めるTPP、地方創生に関してであります。今回のTPP交渉の内容についての見解、また交渉内容が国会決議に反していると考えるがどうかということであります。
 この国会決議という問題に限って申し上げますと、国会決議についてさまざまな意見が世の中にあるのは事実でありますが、安倍総理は、米、麦等の重要5品目を守ることとの国会決議に関しましては、「国会決議の趣旨に沿う合意を達成できた」と、国会や記者会見で発言しているようであります。こうした交渉結果に対する評価につきましては、国会の決議でありますので、国会の役目として、国会において評価をなすべきことであるわけであります。
 今後、批准の手続などが行われるわけでありますので、国会でしっかり議論されるべきものと考えております。
 いずれにしても福井県としては、福井県の農業や農家、農林水産業を守っていくことが必要であります。今後の対策が重要であり、国が責任を持って農林水産業をしっかり進め、それを要請していくことがまず重要でありますが、県独自で県としての農業政策を進める必要があります。規模拡大の問題や中山間地域のさまざまな施策、あるいは農業人材の育成などをしっかりと進めていく必要があると考えております。
 次に、原子力行政についてであります。
 いわゆる、高浜原子力発電所の再稼働に関連いたしまして、県の原子力安全専門委員会の審査が結論を出す状況になっているけれども、県が責任を持って県民説明会をやるべきではないかという御提案であります。
 県民に対する説明でありますが、福井県には多くの発電所が立地しております。それぞれ状況が異なることから、住民に一番近い市や町の段階でこれまでの経緯、地域の実情に応じて対応する方法を講じてきているところであります。その際、県は国や事業者に対し、責任者の派遣など市町の意向に適切に対応するよう協議、また調整をしてきているわけであります。
 こうした方針のもと、高浜3・4号機の再稼働につきましては、高浜町においては、本年3月にケーブルテレビなどを活用し、規制庁が作成したビデオなどを放映しております。また、4月末には町の求めに応じ、国が住民の代表に対し、安全審査の結果について直接説明を行っているところであります。このほか、小浜市においても、市民の代表者で構成する協議会を11月に開くなど、原子力について各市町においてさまざまな対応が行われているところであります。
 次に、原子力行政の問題について、「もんじゅ」について、「もんじゅ」はもう厳しいんじゃないかという、そういう判断をすべきではないかという、そういう御質問かと思います。
 「もんじゅ」につきましては、高速増殖炉の研究開発と放射性廃棄物の低減・低毒化研究を行う核燃料サイクル政策の中核施設として、昨年4月、政府がエネルギー基本計画を閣議決定しており、関係閣僚による政府の責任体制を整備し、どのような方向に進むにしろ、政府が一体となってこの問題をしっかり解決をする必要があります。
 一昨日は、馳文部科学大臣に対し、「もんじゅ」のあり方は我が国の原子力全般に深くかかわる課題であり、政府が一体となって体制を立て直し、原子力政策の方向を示す機会とするよう、改めて強く求めているところであります。

◯副議長(大久保 衞君) 総務部長東村君。
    〔総務部長東村健治君登壇〕

◯総務部長(東村健治君) 私のほうからは2点お答えいたします。
 まず、福井市の中核市移行についてのお尋ねでございます。
 中核市移行につきましては、福井市がみずからの判断で新たに生じる負担などを考えて行うものでございまして、県がどうこう指導しているものではございません。これをまず申し上げたいと思います。中核市移行に必須となります保健所設置につきましては、専門的人材の確保、育成、それとか福井健康福祉センターの取り扱いなどの課題があると認識しております。
 また、連携中枢都市圏を形成するに当たりましては、福井市が中核市となることが前提でございまして、中核市移行にあわせて周辺市町と連携に向けた協議が進められるものと考えております。
 2点目でございます。
 人事委員会勧告について、議案を今議会に追加上程し、財源手当てを行い、実施すべきとの御提言でございます。県職員の給与は、地方公務員法の規定によりまして、民間給与とともに国及び他の地方公共団体の給与等を考慮して定めることとされております。県民の理解が得られるよう、国の給与改定を待って行うこととしております。給与条例改正案を今議会に上程していませんのは、現時点で国家公務員の給与法改正案の決定がされていないということでございます。給与法改正案が決定された場合には、2月議会に議案を上程することといたしまして、可決後速やかに給与の引き上げを行いたいと考えております。

◯副議長(大久保 衞君) 総合政策部長山田君。
    〔総合政策部長山田賢一君登壇〕

◯総合政策部長(山田賢一君) 私からは、新幹線と並行在来線について2点お答え申し上げます。
 まず、小浜線の第三セクター化反対が多数であるならば、若狭ルートでの新幹線を見直すべきではないかというお尋ねでございます。並行在来線につきましては、旧運輸省から、並行在来線とは新幹線が走行することにより、特急が新幹線に移る線区という見解が示されております。したがいまして、特急が走っていない小浜線は、経営分離される並行在来線には当たらないと考えております。
 県としましては、与党の委員会も新しいメンバーでスタートいたしましたので、若狭ルートの実現、平成28年中の若狭ルート決定に向けて今後も政府・与党に対して強く求めていきたいと考えております。
 次に、福井駅東口駐車場の代替措置につきまして対応策を講じることを求めるが、現在の協議状況、対策について伺うとの質問でございます。
 駅東側の駐車場の土地は、JR西日本が新幹線の用地として確保したものでございまして、新幹線工事が始まるまでの間、臨時的に駐車場として有効活用をしているものでございます。JR西日本は現在、駅周辺にあるあきスペースの活用など、必要な駐車場の確保に努めておりまして、県もこれに協力をしております。また、あわせて駅の利用者の方々には、鉄道やバスなど公共交通機関の利用促進も呼びかけてまいりたいと考えております。

◯副議長(大久保 衞君) 安全環境部長櫻本君。
    〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕

◯安全環境部長(櫻本 宏君) 私からは、原子力行政について1点、県外への中間貯蔵施設の設置場所が明確にされない限り、空手形となる危険があるのではないかとのお尋ねについてお答えをいたします。
 国は、本県の要請に基づきまして、本年10月に使用済燃料対策に関するアクションプランを策定し、使用済み燃料対策について、政府がこれまで以上に積極的に関与する方針を示しました。これを受けて関西電力は先月20日に使用済燃料対策推進計画を策定し、中間貯蔵施設の県外立地につきまして、2020年ごろに計画地点の確定、2030年ごろに2,000トン・ウラン規模で操業することとし、できる限りこの前倒しを図るとしたところでございます。
 今後、国は政府と事業者で構成する使用済燃料対策推進協議会におきまして、この計画を進行管理することとしており、政府の責任において計画を次の実行段階に進めることが重要と考えております。

◯副議長(大久保 衞君) 土木部長浦君。
    〔土木部長浦 真君登壇〕

◯土木部長(浦 真君) 私からは、土木行政について、県が開発した積雪センサーの利用を進め、環境に優しい施策を推進すべきと考えるが、県の認識と今後の取り組みについて伺うとの御質問についてお答えいたします。
 県管理道路の消雪装置、融雪装置を作動させるためのセンサーにつきましては、降雪センサーと積雪センサーの2種類を設置しているところでございます。前者の降雪センサーにつきましては、雪が降り出したことを感知し作動する方式であるのに対しまして、後者の福井県建設技術研究センターが開発いたしました積雪センサーは、路面に雪が積もったことを感知して作動する方式となっております。具体的には、路面をカメラで監視いたしまして、路面が積雪で白くなってきましたら積雪があったと判定をいたしまして、消雪装置等を作動する方式となっているものでございます。
 この後者の積雪センサーによる方式は、積雪を感知してから作動することになるため、結果として消雪装置の運転時間が短縮されて、地下水の利用量や電気料金等のコスト低減が期待できるものと考えております。
 しかしながら、積雪センサーの普及に当たりましては、カメラ画像の処理をするなどの仕組みになっておりますので、センサーの価格が高いことが課題でございまして、平成26年度からこのセンサーを改良いたしまして、さらにコスト縮減を図る研究を進めているところでございます。

◯副議長(大久保 衞君) 教育委員会教育長森近君。
    〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕

◯教育委員会教育長(森近悦治君) 私からは、教育行政について2点お答えをいたします。
 まず、英検やGTECなどの特定の試験のみを支援するのではなく、各種資格試験など全てに支援制度をつくり、英語に取り組む生徒も技能資格検定にチャレンジする生徒も平等に支援すべきと考えるとの質問でございます。
 資格取得を幅広く応援する目的から、今年度既に「福井フューチャーマイスター制度」を創設して、職業系の生徒の幅広い資格取得の支援を始めておりまして、生徒の意欲も高まり、また、企業からもいい評価をいただいているところでございます。
 英語教育につきましては、国際化が進展する中で海外はもちろん、県内にあっても産業、また観光で仕事の中、生活の中で外国語を使う機会がふえてきておりまして、これから社会人となる中高生は、使える英語を身につけることが必要であると考えています。
 また、大学入試におきましても、話す力を含む英語資格を評価する大学もふえてきております。また、国のほうの実施するテストでも導入される予定となっているところでございます。このため、授業での指導に加えまして、検定試験を活用して英語力を向上させることとし、中学校、高校において生徒全員を対象とした受検の支援を行いたいというふうに考えているところでございます。
 次に、教育庁本庁に勤務する職員のうち、平成26年度に残業手当を支給した職員数、また時間、支払い額、また、残業手当が支給されない教職員身分の職員数と残業時間数の御質問でございます。
 教育庁本庁に勤務する職員の平成26年度超過勤務手当支給人数は117名でございまして、1人当たりの月平均の超過勤務時間は30時間で、総支給額は1億3,000万円となっているところでございます。また、そのうち月60時間以上の超過勤務者数は、全部局の中でほぼ中位の状況にあるといった状況でございます。
 それから、超過勤務手当が支給されない教育職の職員につきましては、本庁に18名在籍をいたしておりまして、超過勤務の状況につきましては、他の職員とほぼ同様な状況であるというふうに考えております。
 教育職の職員につきましては、超過勤務手当は支給されないということになっておりまして、行政職より水準の高い──年齢によっては多少違いはありますが、6%ぐらい高いんですけれども、そうした教育職の給料表が適用されております。また、さらに給料の4%相当の教職調整額が支給されているところでございます。学校教育に関する専門的な指導事務に従事しているところでございます。
 いずれにしましても、今後とも超勤というのは削減する必要があるというふうに考えておりまして、ノー残業デーやライトダウンデーの取り組みの徹底、また、所属長による早期退庁の声かけ、所属内における協働体制など、鋭意、超過勤務時間の削減に努めてまいりたいというふうに思っております。

◯副議長(大久保 衞君) 佐藤君。

◯16番(佐藤正雄君) 知事に2点、原子力関係で質問しますが、県民説明の関係なんですが、要するにこれは、私は国民理解とセットで質問したんです。やはり知事は、原子力行政についての国民理解がなかなか進んでおらんと、国はもっとしっかりやれと、こうおっしゃっているわけですね。それはそれとして大事なことなんです。
 しかし、国民の中では福井県も当然含まれると。当然、福井県民の中でも原子力再稼働反対だという県民もまだまだ多いわけです。ですから、それは高浜町でやるのはもちろん大事です、立地地点でやるのはもちろん大事ですけれども、県の責任で、県民全体を対象としたそういう理解を求める、再稼働へ進もうとするんであればね。きちんと福井県の責任で、知事の責任でそれについて理解を求める、説明会を開くべきではないかということをお尋ねしたので、これが1点。
 もう一つは、中間貯蔵の問題は、これはさっきも言いましたように空手形になるんではないかという質問なんです。だから、一定ここかここですよと、関西電力としてはここを考えていますよということぐらい示されているのかいないのか、そういう場所も示されないまま、とにかく信用しましょうだけでは、これは事が進められないんではないかということを知事に2点お尋ねします。
 それからもう一点、ここは東村部長なんですが、中核市の関係なんですが、県が指導はしていないんだということは、それはいいんですけれども、要は県の機構と大きくかかわってくるわけです。つまり、保健所、福井の健康福祉センターが丸ごと県の機構としてなくなるかどうか。福井市がこれを引き受けるかどうかという問題になるわけですから、余り関係ないようなことでは困るので、県と協議はどうなっているのかということを質問したんです。

◯副議長(大久保 衞君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) 国民理解というのは、地元というよりもむしろ福井県といいますか、それ以外の消費地など、全体的な国民理解が進んでいないということを絶えず私は申し上げているわけでありまして、それを先回、安倍総理大臣にも申し上げた。これをしっかりやっていただかないと、原子力に対する理解、あるいは本当の意味がわからないということで申し上げているわけです。
 それから、県内の理解については、他の地域より進んでおりますし、特にこの県議会では、どの県議会よりも人一倍熱心にこの議論をしっかりしていただいているわけでありますし、我々、原子力安全専門委員会、そして市町村を中心にこうした問題を十分に説明し、我々がサポートしていると、こういう体制をとっているということであります。

◯副議長(大久保 衞君) 安全環境部長櫻本君。

◯安全環境部長(櫻本 宏君) 中間貯蔵施設についてお答えをいたします。
 これまでの中間貯蔵施設の県外立地に関しては、関西電力が努力をするといいますか、そういうことをずっと言っていたわけでございますけれども、これらはあくまで事業者としてのお考えだったわけです。それではいかんということで、私ども国の積極的関与というものを求め、今般10月にアクションプランができた、そういう仕組みができたわけでございます。
 今回、それに基づいて、先ほど言ったような計画地点の確定、あるいはその操業という目標年次とその実行への道筋が示された、今はそういう段階でございますので、今後これは事業者のみならず、政府もまじった協議会でこれを進行管理していくことということでございますので、政府の責任において、今後実行段階に進めていくことが重要だというふうに考えております。

◯副議長(大久保 衞君) 総務部長東村君。

◯総務部長(東村健治君) 中核市の移行につきまして、福井市からは主に保健所の移譲事務につきまして、必要な職員数であるとか、それから職種、それから建物の状況、設備の状況などについて問い合わせがございますので、それについて県は今お答えしているというような段階でございます。

◯副議長(大久保 衞君) 佐藤君。
 佐藤君に申し上げます。残り時間が50秒近くですので、簡潔にお願いいたします。

◯16番(佐藤正雄君) 櫻本部長にもう一度お尋ねしますが、要するに、何か物をつくるとき、例えば体育館をつくりますというときに、場所がどこかわからんけれどもでは、議会は承認できないわけです、そうでしょう。ここにつくるから、議会も認めてほしいという話になるわけです。この施設だけ、何でそういうことになるんですか。場所がどこかわからないけれども、とにかくこれで議会は了解してください、こんなことできないでしょう。

◯副議長(大久保 衞君) 安全環境部長櫻本君。

◯安全環境部長(櫻本 宏君) 目標年次、あるいは道筋を今回事業者がしっかりしますし、それを政府としても進行管理すると、そういう仕組みを福井県が要請し、それに国も事業者も応えたと、そういうふうに理解をしております。

街頭宣伝。生活相談、陳情、打ち合わせなど。福井県がTPP影響額試算

2016年02月16日 | 福井県政
昨日は冷え込みました。山田参議院候補と朝の福井県庁前宣伝。
山田さんは、戦争法廃止、消費税増税中止を力強く訴えました。
私は、今週、来週のママの会や総がかり実行委員会の戦争法廃止の企画なども紹介し、力を合わせましょう‼️と呼びかけました。




 その後、各種生活相談や陳情、打ち合わせなどが夜までつづきました。県民各分野のみなさんのご意見をいただきました。ありがとうございます。


  福井県がTPPの影響額試算を発表しました。議会に向けて、県民的な検証がもとめられますね。