前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

2015年12月県議会最終日。マイナンバーに反対。高浜原発再稼働に反対。

2016年02月17日 | 福井県政
 2015年12月17日 県議会最終日の本会議での佐藤正雄県議の討論を紹介します。

■マイナンバーに反対

◯議長(仲倉典克君) これより、討論に入ります。
 佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第76号議案県税条例の一部改正、第82号議案個人番号の利用に関する条例の制定、第83号議案個人情報保護条例の一部改正は、いずれもマイナンバー制度の導入に係る条例制定や改定であり、反対であります。
 9月議会、12月議会でマイナンバー制度の問題点などを指摘してまいりました。この制度には大きな危険性、リスクがあります。第一に、100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムの構築は不可能であること、第二に、意図的に情報を盗み取り、利益を得ようとする人間や組織が存在すること、第三に、一度漏れた情報は流通し、売買され、完全に被害を回復することは不可能なこと、第四に、マイナンバー制度のように情報の集積が高まるほど情報価値が高まり、狙われやすくなることです。
 例えば、福井県庁の理事者は、県職員には活用しないと約束されましたが、国家公務員はマイナンバーカードが身分証となるわけで、常に紛失などの危険にさらされることになります。現在の住基ネットカードでも全国的に悪用され、クレジットカードの偽造やサラ金からの借り入れなど、金融面での悪用が本人の知らない間に行われる事態が起こっております。
 また、コンビニでのマイナンバーカードの活用推進を行政改革の一環として進めようとしていますが、これは戸籍謄本や印鑑証明など財産管理の重要な部分について役所の公務員のチェックを経ないで、コンビニ交付を可能にするわけであり、財産詐取などの犯罪を誘発する危険性が増大します。しかも、安倍政権が臨時国会開催を拒否したために、マイナンバー制度の運営監視を行う個人情報保護委員会の増員分2名の人事も決まっておりません。このような異常事態のままでの1月からのスタートは許されません。県としても、県民にマイナンバーの個人カード取得は強制されず、任意であることはもちろん、そのリスクも広く広報を徹底し、マイナンバーによる新たな犯罪被害の発生を防ぐ手だてに全力を挙げるべきであります。
 次に、第78号議案県行政不服審査会条例の制定、第79号議案行政不服審査法等の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定は、行政不服審査法の施行によるものですが、本来の行政が認識し得なかったことが明らかとなり、よりよい行政の改善につながるべきところ、今回の制度改変は行政側の迅速化を進める意図で、逆に住民の権利救済の仕組みが後退しかねないものであり、反対であります。
 次に、請願・陳情についての委員長報告に反対の討論を行います。
 請願第5号から7号の3件は、いずれも正規の養護教諭・栄養教諭の増配置、通級指導担当教員・特別支援講師の増配置、学校司書の配置など、人材充実を求めるものであり、採択すべきであります。
 さきの福井市長選挙におけるマスコミの調査でも、新幹線整備よりも子育て支援、教育支援を求める声が3倍以上でありました。特に、20代から40代ではこの要求がトップでした。この県民の声に応えるべきであります。また、陳情第1号、4号、6号、7号は、これまでも討論しましたように、採択すべきです。特に、県議会議員選挙における選挙公報の発行は、私たち県議会の判断で決めることであり、採択すべきであります。
 最後に、今議会に人勧実施の条例議案が上程されなかったことは問題です。安倍政権が憲法に違反して臨時国会を開かなかったばかりに、全国の国家公務員、地方公務員に大きな迷惑をかけ、強いては年末年始の個人消費への影響も懸念されます。福井県は、独自に対応することが可能であったのに、国からの指導や土屋総務副大臣通知の言いなりになったことは、地方分権、地方創生のかけ声倒れと批判されても仕方ありません。隣の家から、うちは、ことしはクリスマスケーキを買わないから、おたくも買うなと言われて従ったようなものであります。余計なお世話だと断るべきでした。
 また、委員会でも指摘しましたが、県職員の間には、退職手当の支給方法変更への不安も出ています。理事者は、私の質問に対して、退職手当支給方法の変更は考えていないと答弁されました。何でもかんでも国の言いなりでは、県職員の士気にも影響しますし、公務労働に対する退職手当への格差の導入は、公務の性質をゆがめることになります。
 以上を申し上げて反対討論といたします。(傍聴席で拍手する者あり)


■民主党会派から出されました発議第8号関西電力高浜発電所の再稼働に関する決議案への反対

◯議長(仲倉典克君) これより、本件に対する討論に入ります。
 佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 昨日の高浜原発再稼働を議論する全員協議会を知事は欠席されました。先ほどの冒頭、お許しを得てと述べられましたけれども、昨日の全員協議会では全ての会派から厳しい批判が出されました。県議会軽視は県民軽視であることを申し上げておきたいと思います。
 ただいま、民主党会派から出されました発議第8号関西電力高浜発電所の再稼働に関する決議案は、その提起された項目については賛同できる部分も多いわけですが、前提が原子力規制委員会が新規性基準に適合すると認めた原子力発電所の再稼働については尊重すべきだとあり、工学的安全性確認が不十分との見解から賛同できません。
 また、この考え方では、安倍政権が進めようとしている規制委員会による不十分な規制基準に基づく審査で適合とした原発が相次いで再稼働していくことを容認することにもなるわけです。
 昨日の全員協議会でも指摘いたしましたが、さきの県議会への説明会で原子力規制庁の山形統括官は、炉心溶融に伴って原子炉容器の下のプールの水と溶け落ちた金属が爆発的に反応する水蒸気爆発の危険について、「俗に言う水蒸気爆発が心配されるということがある」と、よそごとのように答弁しただけでした。また、「炉心の中が全部溶け落ちた場合でも、放射性物質は格納容器の外に出ないので、脆性遷移温度についての基準は出てこない」などと開き直ったんです。
 では、何のために試験片を原子炉格納容器に入れて脆性遷移温度チェックをしているというのでしょうか。私は、本当に驚きました。このようないいかげんな規制委員会の審査で高浜原発は合格だと言われても信用できません。
 昨日の安全環境部長の答弁では、高経年化の対策を述べられましたが、原発のほかの部分は安全環境部長が答弁されましたように対策を講じて、例えば蒸気発生器などの取りかえが行われております。しかし、原子炉容器そのものは取りかえができない。老朽化が進む一方であり、これを食いとめる手だてがありません。うがった見方をすれば、一番重要な原子炉容器の老朽化について、規制委員会が規制基準をつくっても対策は不可能なので、規制委員会は最初から投げ出しているとしか思えません。
 このような重大な問題であり、知事の諮問機関である安全専門委員会に対して、再度工学的安全性についての審査を求めるべきであります。
 したがって、工学的安全性確認がまだまだ不十分な高浜原発3号機、4号機の再稼働容認はできませんし、本決議案の趣旨にも賛同できません。
 以上を申し上げて反対討論といたします。(傍聴席で拍手する者あり)


■自民党会派を中心に上程されました発議第9号関西電力高浜発電所3・4号機の再稼働に関する決議案への反対討論

◯議長(仲倉典克君) これより、本件に対する討論に入ります。
 佐藤君、細川君より反対討論、田中宏典君、西本正俊君、西本恵一君、井ノ部君より賛成討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
 傍聴人に重ねて申し上げます。静粛に願います。議長の注意に従わないときは退場を命じますから、念のために申し上げます。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯16番(佐藤正雄君) 議員の皆さん、注目は私をお願いします。
 討論を始めます。日本共産党の佐藤正雄です。
 自民党会派を中心にただいま上程されました発議第9号関西電力高浜発電所3・4号機の再稼働に関する決議案は、「福井県議会としては関西電力高浜発電所3、4号機を再稼働する必要があると判断する」と、明確に再稼働推進の決議であり、これは国民、県民理解が得られていない現状、また、工学的安全性確認が不十分であること、過酷事故時の実効的な避難体制の整備と訓練がこれからであることなどを考えれば賛成できません。工学的安全性についての規制基準と確認が不十分な点は、先ほど述べました。
 知事は、私の一般質問に答え、国民理解については、主に消費地の住民理解のことであり、福井県民は理解が進んでいるとの見解を述べられました。しかし、現実はそうではないのです。3月の20万5,000名余の再稼働反対署名提出に続き、14日に再度の署名提出が行われ、県内外30万名もの住民が、知事に再稼働に反対することを求めました。また、マスコミが10月に行った調査では、仮に福井地方裁判所が再稼働を認めない仮処分決定を取り消した場合に再稼働に賛成しますかと、かなり前提をつけた質問に対しても、大阪市では反対の意見が57.1%、福井県の敦賀市、美浜町と嶺北地域の調査では反対は52%でした。
 知事が胸を張るほど、福井県民の再稼働への理解は進んでおりません。消費地である大阪市とさほど大きな違いはありません。知事が答弁したような、消費地の理解は進んでいないが福井県民の理解は進んでいるという認識は間違っております。間違った認識で再稼働へ進むことはだめです。提案されたような決議は、多くの県民の望まないところであります。
 さらに重大な問題は、昨日の全員協議会での杉本副知事の答弁であります。私が、30万人もの再稼働反対署名に託された県内外の住民の声を受けとめるべきだと主張したのに対し、杉本副知事は、福井県民の署名はごく一部だと暴言を吐きました。県民軽視の姿勢の最たるのものであり、断じて許されません。そもそも、福井県知事宛に寄せられた30万人という署名自体が、空前のものではありませんか。30万人の声を無視する行政でいいのですか。謙虚さが足りません。
 国民理解をと口では言うが、福井県の原子力行政を国民に理解していただこう、そのためにもこういう署名を重く受けとめていこうという、そういう気持ちが知事や副知事からは全く感じられません。国が、国がという前に、福井県自身が考え方と対応を改善すべきであります。
 約6万人の福井県民の署名にしても、高浜町の人口の約6倍であります。その県民たちをごく一部だと切り捨てる態度は言語道断です。こんな態度だから県民理解も進まず、再稼働反対の世論調査の数字が大阪市とさほど変わらない調査結果が出るのではありませんか。
 西川知事が会うべきは、官房長官や経済産業大臣ではありません。原発再稼働を心配する県民と向き合い、知事自身が再稼働について語る県民説明会を県内各地で開催すべきです。国が、国がではなく、県が進める原子力行政の県民への説明責任は、第一義的に福井県が負うべきです。事故が起こっても、国が、関電がと言って責任逃れするようでは、県民がやりきれません。県民に対して説明責任を果たそうともしない、全く誠意が感じられない今の現状での再稼働容認の決議は行うべきではありません。
 以上、申し上げて反対討論といたします。(傍聴席で拍手する者あり)

マイナンバー、新幹線と小浜線、IAEAマネジメントスクール

2016年02月17日 | 福井県政
  2015年12月8日に開催された総務教育常任委員会 総合政策部、会計局、監査委員及び人事委員会関係での佐藤正雄県議の質疑です。


◯松田委員長  説明は終わった。
 
 第82号議案、第85号議案及び第86号議案の合計3件について、各委員より発言願う。


◯佐藤委員  第82号議案はマイナンバー法の関係であるということで質問する。これは、マイナンバーを公営住宅入居や児童扶養手当の支給など、その他行政事務でどんどん使っていこうということである。懸念しているのは、例えば、市民税を滞納していたら市営住宅の入居の対象には遠慮願うといったことを、現在は職員の判断でやっているが、マイナンバー制度の導入により、例えば県営住宅入居も含めた個人の情報を全部把握できることになるのか。


◯政策統計・情報課長  マイナンバー法の導入により、県民の情報をまとめて管理するというものではない。従来どおり、各課の所管事務は各課で管理するということで、1カ所で全部まとめて運用するものではないので、委員がおっしゃるような形のことは生じないと考えている。


◯佐藤委員  例えば、住宅は土木部関係であり、児童扶養手当は健康福祉部の関係である、税金は税務担当局の関係と分かれているということか。しかし、議案説明資料には、情報を相互利用できるようにすると書いてあるが、これはどういう意味か。


◯政策統計・情報課長  これまで所属の間で情報を共有しながら事務の効率化、県民の利便性の向上を図ってきた。しかし、マイナンバー制度が導入されることで、マイナンバーを含む情報は、勝手に情報を利用することができないことが前提になる。その中で、例えば先ほどの例によると、公営住宅に入居する場合、障害者の方であると家賃が減額になるので、その際に障害者手帳のコピーを持ってきてもらわなくても、マイナンバーを頼りに、その情報が県庁の中で相互に共有できるようにすることで、県民の利便性、つまり提出書類の削減を図ることを可能にする条例である。


◯佐藤委員  行政手続で市民が便利になる面と、情報照会が簡単にされてしまうという面の両面があるということだと思う。
 次に、もう一つの案件で、指定管理者の指定にあった若狭湾エネルギー研究センターについてである。指定管理者の資料の11ページの収支計画がある。見方がわからないが、収入がゼロになっているのはなぜか。


◯電源地域振興課長  収入がゼロになっているのは、直接、若狭湾エネルギー研究センターには入らず、県の歳入としているためである。


◯佐藤委員  直接、若狭湾エネルギー研究センターに入る収入はないからゼロになっている。つまり若狭湾エネルギー研究センターには収入が一切ないということか。


◯電源地域振興課長  そうである。


◯佐藤委員  予算決算特別委員会総務教育分科会で質問したのだが、電力事業者が若狭湾エネルギー研究センターに対して、協力金という形で出したお金はどこへ入っているのか。


◯電源地域振興課長  それは出資金である。


◯佐藤委員  毎年出しているものであるがどうか。


◯電源地域振興課長  毎年出されているものは、その事業の執行する収入として入っている。
 説明資料に記載されているものは、指定管理料を計算するときの収支計画であり、具体的な収入支出の規模としては、若狭湾エネルギー研究センターでは10数億円あるが、それは指定管理料の計算からは除いている。


◯佐藤委員  わかりにくい。これ以外の指定管理者の場合は、収入と支出の差額を出しているが、ここだけは特別扱いで、収入はよく見えず、かかる経費だけ出して、23億円も県から出すというのでは、議会として疑問を持つことになる。


◯総合政策部長  これは指定管理料を計算するための収支計画であり、法人の事業収支を説明する資料ではない。当然、法人は収入がなければ事業ができない。例えばサンドーム福井であれば、館の貸出業務を行うので貸出料が入ると、それは差し引いて指定管理料が入るという仕組みであるが、若狭湾エネルギー研究センターを管理すること自体で、法人に歳入が入るわけではないので、ここはゼロになっている。この収支計画はあくまでも指定管理料の算出のためのものであり、財団の収支計画ではない。


◯佐藤委員  指定管理とは別の話になるが、県がお金も出し、人材も派遣しているところだから、若狭湾エネルギー研究センター全体の収支の分かる資料を示してほしい。


◯電源地域振興課長  決算の状況として出しているので、それを出したい。




◯松田委員長  次に、総合政策部、会計局、監査委員及び人事委員会関係の所管事務について、各委員より発言を願う。



◯佐藤委員  新幹線関連について、時間も少なくなくなってきたので、まとめて四つ尋ねる。
 1点目は、旅客流動調査である。調査結果と、今後、それをどう生かしていくのかということについて、平日の1日だけの調査でいいのか。観光客の流れをつかむために日曜日や連休にも調査するなど、サンプル数をふやす必要はないのか。
 2点目は、現在、敦賀以西ルートの問題が議論になっているが、若狭ルートになった場合に、福井県内区間の事業費は幾らになるのか。通常は距離数で計算しているが、念のために確認したい。
 3点目は、一般質問でも挙げたが、小浜線の問題である。小浜線が並行在来線かどうかということはともかくとして、JRが堂々と小浜線は経営しないということを口にしたというのは、重大な問題だと思う。
 新幹線の並行在来線という問題と、JRが小浜線を経営しないと言い出した問題は、密接に関連しているのは確かだが、ローカル鉄道を守っていくには、小浜線は並行在来線ではないと言っているだけではいけないのではないか。
 4点目は、これも一般質問で挙げたが、福井駅東口駐車場の代替措置についてである。現状で何台分くらいの駐車場を確保できているのか。


◯新幹線建設推進課長  1点目の旅客流動調査であるが、先月12日に調査した。実際に、牛ノ谷から敦賀まで、全ての駅及び列車内に乗り込んで調査したが、この調査結果のとりまとめは年度末までかかる。その結果については、並行在来線対策協議会等で報告させていただきたいと思うが、今、速報値としては、対象が約4万7,000人いて、調査カードを配布した枚数が約3万枚、配布率は64%である。また、回収枚数が2万7,000枚、回収率は90%という状況である。調査当日は264人の調査員を動員して行ったが、他県の調査も1日だけで行っていて、これをもとに今後、将来需要予測調査をJRのデータ等も生かしながら進めていくという状況である。
 なお、調査カードでは、時間帯ごとの利用区間が明らかになるので、時間帯別の利用者に応じた効率的な列車の運行計画や必要車両数が検討可能になっていく。
 2点目の若狭ルートの事業費であるが、関西広域連合が試算したものでは9,500億円となっている。


◯佐藤委員  福井県内の区間だけではどれくらいか。


◯新幹線政策監  現在、想定している額としては、実質負担で約300億円である。


◯新幹線建設推進課長  3点目の小浜線の並行在来線の問題であるが、知事も、特急列車が新幹線にかわるところが並行在来線と示されているため該当しないと言っている。また、JR西日本の社長は、小浜線を廃線すると言っているわけではない。11月18日の記者会見では、小浜ルートが小浜線全体に沿って走っているわけではなく、現時点でどこを通るのかわからないため、並行在来線だと判断する時期ではない、これから協議していくと発言している。小浜線についてはルートが決まったら国、自治体、JRの三者で議論していくことになるのかと思っている。
 4点目の、福井駅東口駐車場の代替措置についてである。部長からの答弁もあったが、JR西日本が中心となって代替駐車場を探しているので、もうしばらく待っていただきたい。なお、福井駅東口駐車場は、この前も言ったが約160台駐車が可能であり、そのうち40台分を、JR西日本と関連会社の職員が月極で使っている。残りの120台分を一般の方が使っている状況である。




◯佐藤委員  平成28年度拠点化推進方針の概要にある、IAEAマネジメントスクールというのは、具体的にどういう内容で、どういう方々を対象に開催するのか。


◯電源地域振興課長  IAEAの研修については、現在も三つコースがあるが、このIAEAマネジメントスクールは来年度から新しく誘致していこうと考えているものである。内容は、国内外の電力事業者の将来の幹部候補生といった方を集めて、原子力関連の安全対策や業務管理を学ぶ研修であり、通常の研修よりも、若干長く、2週間以上の研修となるものである。
 そういった方が本県に来てもらうことによって、人的ネットワークを築き、将来も人を派遣してもらうなど、つながりを強固にしたいという目的で、これを誘致してくるものである。


◯佐藤委員  これまでの研修でも外国から集まっていると思うが、参加主要国と、大まかな参加人数を伺う。


◯電源地域振興課長  参加国は、世界各国から参加していただき、30名ぐらいを予定している。
 ことし10月のIAEAの国際会議についても、22カ国と、世界各地からきていただいている。そういった形で、世界各国から来ていただいて、研修をしたいと考えている。


◯佐藤委員  聞いているのは、既に福井県で行われている安全研修や広報研修について、最近では、どういう国から、どの程度の人数が来ているのかということである。


◯電源地域振興課長  現在行っている研修の参加国は、インドネシア、フィリピン、マレーシアなどである。アジア各国から数十名の方々に来ていただいている。


◯佐藤委員  資料1には、「大学との連携による原子力規制人材の育成」ということが書かれている。原子力規制人材の育成というのは、福井県のどういう分野の産業と関わってくるのか。


◯電源地域振興課長  この事業は、現在、原子力規制庁が新規で概算要求をしている予算である。全国で5億円の枠で要求している。
 原子力規制庁が人材育成に予算要求するのは初めてだが、原子力人材が足りないということで、基礎的な安全対策に資する人材を育成したいということである。そういった予算を、福井県でも積極的に確保し、安全に資する人材の育成をさらに進めていきたいということである。


◯佐藤委員  私は、育成した後の出口について聞いている。ここで勉強して、例えば福井県内の電力事業者に就職して、廃炉作業などで安全性を担保する人材になることを考えているのか。それとも、原子力規制庁自体が人材が欲しいということで予算をつけて、将来原子力規制庁に就職する人材を育成していくものなのか。


◯電源地域振興課長  概算要求している内容を見ると、電力事業者に就職する、あるいは国の機関に就職するなど、進路はさまざまであると考えられる。


◯佐藤委員  いずれにしても、廃炉作業や、廃炉に至るまでの安全管理なども含めて、原子力発電施設がある以上は、人材育成は非常に大事である。そのため、福井県内で活躍できる人材を、きちんと育ててもらうというのは、福井県の安全にとっても大事だと思う。
 気になるのは、先日新聞に、アメリカ軍の研究予算が福井大学を含めた全国の何カ所かの大学に流れているという記事あった。原子力と軍事利用を結びつけて考える人がいるし、実際にそういう面もある。福井大学とアメリカ軍が一緒に軍事研究をやっていくというのと、この拠点化推進方針にある、福井県の原子力人材育成が重なってくるという懸念が出てくるのだが、この辺はどうか。


◯電源地域振興課長  拠点化推進方針の事業は人材育成に限ったものであって、一緒に研究開発をやるという性質のものではない。


◯佐藤委員  記事は福井大学のことであるから、この場で質問するものではないかもしれないが、懸念があるということだけは指摘しておきたい。
 話はかわるのだが、新型交付金の活用について、福井県内ではどのような計画になっているのか。


◯電源地域振興課長  新型交付金とは、今回、概算要求されているエネルギー構造転換の補助金のことではないかと思う。その内容の詳細等は決まってないが、今後、廃炉に伴い交付金が減少していくので、県を含め、市町の財政に影響が出ないよう、エネルギー構造転換の補助金を積極的に確保していきたいと思っている。