2020年3月11におこなわれた福井県議会予算決算特別委員会での佐藤正雄委員の質疑を紹介します。
知事は原発に不安をもつ県民団体と対話を。プルサーマルは中止を。
◯佐藤委員 日本共産党の佐藤正雄である。
先ほど黙祷もさせていただいたが、きょうは東日本大震災、福島原発事故から9年ということであるが、福島原発事故では今なお8万5,000人もの福島県民の皆さんが自分のふるさとに戻ることができないと、こういう状況が続いている。帰還宣言が出されても、帰還者の多くは高齢者で、子どもや若者の多くは戻っておらず、地域社会としてまともに機能していないというのが実態だと思う。しかも、そういう中で日本の原子力政策は原発推進と核燃料サイクル政策の二本柱のいずれの面でも八方塞がりと、こういう状況になっているわけである。
しかし、本州ではこの福井県だけが原発の再稼働、しかも危険なプルサーマル運転ということで、県民は心配を募らせているわけである。再稼働反対の県民の運動も続いている。
そこでお尋ねをするが、知事、以前約束もしていただいたが、原発の運転に不安を持っている、そういう県民の運動団体の皆さんと面会をして、直接声を聞く機会というのをいつ持っていただけるのか。また、一般質問でも強調したように、危険なプルトニウム利用のプルサーマル発電については、これは国と関西電力に中止を求めていただきたいというふうに思うが、答弁を求める。
◯知 事 原子力団体との意見交換の件であるが、これについては、日ごろから県としては専門的知識を持った職員がしっかりとお話を聞かせていただいていると。誰であれ、県を代表するものとして会わせていただいているので、そういう意味ではきちっとお話を聞かせていただいているという状況かと思っている。
また、例えば原子力環境安全管理協議会、こういったところでも、例えば立地、非立地のところも含めて、嶺南の首長、産業界とか農林水産業、それから労働界、こういった代表の方の意見も3カ月に1回はお話を聞かせていただいているところである。
私がお話を聞かせていただくということについては、これは過去にも、栗田知事とか中川知事なんかにも例があるようであって、そういった例も参考にしながら、必要なときにはお話を聞かせていただくということをさせていただきたいと思う。
プルサーマル発電の件は担当から答弁申し上げる。
◯安全環境部長 私のほうからは、プルサーマルの関係、お話をさせていただく。
まず、高浜3・4号機でのプルサーマルについては、原子力規制委員会がMOX燃料の使用を前提として、新規制基準に適合しているということを確認しており、これまでも安全に発電が行われているというふうに認識をしている。
これは一般質問のときもお答えをしたが、基本的に国はエネルギー基本計画において、プルサーマルを推進すると、核燃料サイクルの中で推進するということを言っている。ただ、その中で、MOX燃料の処理処分については引き続き研究開発に取り組みつつ検討を進めるとしているので、ことし1月27日に国に対して使用済みMOX燃料の処理処分について、技術的な検討、研究開発を加速し、その具体的な方策を明らかにするように要請しているところであり、今後とも国にしっかりその方向性を示すように物を申していきたいと考えている。
◯佐藤委員 今、知事は栗田元知事、中川元知事の例を出された。私は前の西川知事のときにも栗田知事は面会しているじゃないかということを繰り返し主張したわけであるが、西川前知事は応じていただけなかったわけであるが、杉本知事はそういう例を出されたので、またそういう機会のときにはぜひお願いしたいというふうに思っている。
それから、MOX燃料は、一般質問の再質問で言ったが、100年、冷えて処理をするのにかかると。実際、専用の、要するに乾式貯蔵するにしても、容器もまだ完成して、できていないという状況があるわけで、そういう点では非常に無責任だと思う。こういう無責任なことを福井県として認めないでいただきたいということとは再度強調しておきたいと思う。
それで、原発関連の流れで、朝日新聞の3月7日付に、1987年関西電力が高浜で本来の約2倍となる11億円の高額の土地の買収をしたと。取引価格が周辺状況を考慮して、県として本来なら契約中止の勧告を出す取引ではないかと、こういう報道があった。ところが、関西電力の当時の内藤副社長が当時高浜町助役だった森山氏に、県との話し合いを依頼して、問題とされずに契約が成立したと、こういう報道だったと思う。
それで、県が調査した森山高浜町元助役についての県の調査委員会、これではまだ不十分じゃないかということで、市民団体からも請願が出されたし、私も県議会で要請したが、第三者委員会をつくって本当にきちんと調査しないとだめなんじゃないかということを指摘をした。今回のこういう新聞報道が出たということで、これが事実なら、県の調査とは違って森山氏によって県行政への大きな影響があったということはこれは明らかになるわけである。県としてこのような関係者による発言記録による報道がなされた以上、再度各方面の県行政と森山氏との関係について、第三者による調査委員会を立ち上げて、調査するべきではないか、見解をお伺いする。
◯総務部長 今ほど委員のおっしゃっていただいた朝日新聞の報道については、この報道された事案については私どもとしては承知をしていないというところである。本県の調査については、申し上げているが、調査委員会において、30年以上の期間にわたって関係する部署の存命する全ての職員を対象に必要な最大限の調査を行ったというふうに考えている。
◯佐藤委員 事案を承知していないって、総務部長はまだ新しい方であるから、総務部長自身が承知していないことを問題にしているのではなくて、私が言いたいのは、今回の事案は要するに県が調査対象とした、いわゆる教育委員会とか健康福祉部とか、あるいは一部の総務部関係とは違う部署である。土地取引であるから。要するに農林水産部とか、あるいは土木部とか、そういうところに関係する事案なわけである。もともと県の調査の対象にした職員以外のところで当事者による疑惑が報道されたわけであるから、これは調査すべきではないか。
◯総務部長 本件の報道の内容、それ自体において、県として特段調査を行うものはないというふうに認識をしている。
◯佐藤委員 14日に関西電力は第三者委員会による報告書を出すということで報道されている。この内容に仮に福井県行政がかかわる新事実が明らかとなれば調査するのか、それとも今の答弁のようにもう調査しないのか。
◯総務部長 14日に発表があるということであるが、現時点で仮定の質問へのお答えということになるわけであるが、第三者委員会、調査報告書が公表されて、仮に新しい状況変化が出てきた場合には適切に対応していきたいというふうに考えている。
◯佐藤委員 これは当然だと思う。この新聞報道も、どうも第三者委員会の内容、要するに第三者委員会から調査を受けたという関係者の証言も含めて報道されているわけであるから、きちんと対応していただきたいと思うが、知事どうか。
◯知 事 総務部長からもお答え申し上げたが、14日と言われているが、第三者委員会から報告書があって、新しい事実、必要性があればこれからそれに適切に対応していきたいと考えている。
新型コロナへの対応について
◯佐藤委員 次に、コロナウイルス対策について質問する。
今回、科学的根拠のない一律休校ということが、患者がゼロの福井県にまで押しつけられて、いろんな委員の方がいろいろそれぞれのお立場で質疑されたように、混乱がいろいろ生じているわけである。これは大きな問題があったと思うが、知事の見解を問いたいと思う。これはインフルエンザの場合なんかでも、例えば学級閉鎖とか学校閉鎖とか、いろいろ病気の進展によってきちんと科学的に判断していくわけである。今回はもうざばっと日本中、北海道から沖縄まで、北海道は患者さんが出ているが、北海道から沖縄まで、そういうやり方自体が非常に乱暴だったのではないかというふうに思うわけである。
あわせて、特別支援学校についてであるが、これは施設でも、福祉施設の利用があるというふうに常任委員会で答弁があったが、実は福祉施設でも利用者が減っているところもあるというふうにお聞きをしている。もちろんいっぱい来ているところもあるということであるが、やっぱり施設に預けて逆に罹患するんじゃないかということで心配しているなどの声があるし、結局おじいちゃんおばあちゃんに預けるとか、そういうことで非常になるべくなら学校をやってほしいというような声もお聞きをしている。だから、まず一人一人の特別支援学校の生徒さんがどういう環境になっているのかということを調査を行っていただくとともに、スクールバス運行、給食の再開、学校再開、これをすべきではないか。これは教育長にお尋ねをする。
◯知 事 私からのコロナウイルスの当初の休校等の対応についてお答えを申し上げる。
委員の指摘の中に、科学的根拠なく今回の措置がとられたというような指摘があったが、私は必ずしもそういうふうには思っていない。もちろんコロナウイルスがどういうものであるのかとか、感染経路がどうであるかということは必ずしも明らかになっていないことは多くあるので、そういう意味では全てがわかっていてやっているわけではないのだとは思うが、とはいえ、おおむね2週間程度ぐらいは潜伏期間があるという病気であることは明らかになってきているので、そういうことからいえば、今福井県の中には感染者がいないということであるが、事実そうであるが、とはいえ、今現在罹患していないとは限らないわけであるし、それから、最近の欧米の状況を見ていると、一気にそういうところがふえてくるということもあり得るわけであって、そういう意味では国の、あれは2月27日だったかというふうに思うが、総理からの発言というのを私どもとしては1人もまだ感染者が出ていなかったけれども、重く受けとめて、3月2日からの対応を決めさせていただいたというところである。
いずれにしても、子ども、それから大人も、お年寄りも含めて、今はいかにコロナウイルスの拡大というのを食いとめるかということが我が国、それから世界の一番大切な事項だと思っているので、そういった県民の皆さんの健康を守るためにも、これからも国の動向等もしっかりと見ながら、適切に判断をしていきたいと考えているところである。
◯教育長 特別支援学校であるが、各特別支援学校においては、教員が電話や家庭訪問によって、幼児児童生徒一人一人の臨時休業中の状況を把握している。3月2日からきのうまでで申し上げると、入院している児童生徒を除いて、通学生878名のうち、1日平均であるが374名、43%が福祉サービスなどの施設を利用している。10名、これは1%であるが、開放した特別支援学校を利用している。残り494名、56%に当たるが、自宅で保護者が対応している。
私も先日この福祉サービス事業者のところへお邪魔して見てきたが、かなり個室が幾つか設けられており、そしてまた、部屋の中でも段ボールで仕切りをいろいろ設けたりするなど、工夫をいろいろ凝らしているという状況である。
◯佐藤委員 今教育長から丁寧な答弁もいただいたが、実際56%が自宅で親か祖父母か、いろいろ関係者が見ているということになっているわけで、ぜひやっぱり学校を再開してほしいという声があることは改めて強調しておきたいと思う。
それで、県立大学が先日入学式を中止するということが報道されて、このことが小中高の関係者にも不安を与えているわけである。仮に同じような、今、杉本知事が言われたような判断、これが県立大学の判断になって、さらに小中高の判断にも影響が及んでいくとすれば、4月以降の休校も続けば、これは教育が崩壊するということにもつながりかねないと思う。
しかし、知事も今おっしゃったように、一般的に感染症というのは、14日間、15日間とか潜伏期間と言われているが、終息宣言を出すためには、最後の患者が出てから同じ期間と、要するに約28日間、30日間ぐらいが必要だというふうに言われているわけである。そうなると、4月の入学式を考えればリミットぎりぎりなのである、きょうの時点で。どうするのかということが問われると思う。ここで、地方自治体とか、各教育委員会が自主的判断をして、うちは入学式をちゃんとやって学校を再開するという判断ができるのか、それとも、今知事がおっしゃったように、そんなことはできないということで、政府が判断しない以上は延長するということになるのか。これはやっぱり一定地方自治の自主性も問われてくるというふうに思うが、その辺はどのようにお考えかお尋ねをする。
◯知 事 今後このコロナウイルスの感染症がどういうふうな経緯をたどるのかというのは正直申し上げて私も全くわからない状況である。
ただ、昨日も総理からの発言があったりとか、19日まで様子を見ようと、それをある程度19日で、少なくともこの2週間、我々が努力していることの経過を見て、次のことを考えようという発言だというふうに認識をしている。今のところ、出口をどうするのかというところを、多分確たる考えを持って発言できる方がいらっしゃらないんじゃないかと思っている。私も同様である。
いずれにしても、福井県内だけが厳しい状況に置かれるというようなことを考えているわけではないし、また、本当に判断する際は大変難しい状況になるというふうには思っているが、いずれにしても現状はまずは今の状況を守りながら、国の動向等もよく見ていきたいと考えているところである。
◯佐藤委員 いずれにしても全国ではこの休校要請があって以降も一律にそれはしないと決めている県とか市町もあるわけであるので、やはりこれは一番の被害者は子どもさんということになるので、教育を受ける権利が奪われているという状況は、余りにも長期間続くのはこれは異常だというように思うので、そこは患者の発生状況とか、もちろん病気の関係が一番大事であるが、それを見ながら、自主的な判断ということをぜひ福井県庁や福井県教育委員会は考えていただきたいということを強調しておきたいと思う。
それで、先ほど質疑もあったが、県有施設のキャンセルについて、ちょっと関連してお尋ねをしたいと思うが、先ほど県の補助金の関係の話はわかったが、補助金を受け取っている、受け取っていない関係なく、例えば国際交流会館だとか、あるいは音楽堂だとか、県の施設がたくさんあると思うが、そこの利用者が、要するに政府とか、県の自粛要請などもあってイベントを中止した場合、その使用料とかの免除、これはほかの県ではやっている。やると表明した県もあると思う。近くで言うと富山県である。やると。こういう時勢であるからお金は要らないというように判断した県もあると思うが、福井県でもこれはやっぱり主催者に使用料を全額あるいは半額にしろ、負担させるというようなことがないように、こういう問題でイベントが中止になったのであるから、使用料は要らないという判断はしていただけるか。
◯総務部長 現在、県有施設の一部について、県のほうから閉鎖をさせていただいているというのはある。その上で、委員のほうからあった利用者の関係ということであるが、ちょっと事実関係など確認をまずはさせていただきたいというふうに思っている。
◯佐藤委員 事実関係を確認して、その主催者の都合ではなくて、今回のコロナウイルスの関係でイベント中止という場合には使用料の免除も考えていただくということでよろしいか。
◯総務部長 まずは現状どのようになっているかというところを確認させていただくというところからかなというふうに思っている。
フリーランスへの支援を
◯佐藤委員 ぜひ他県の例も調べていただいて、福井県民が不利益にならないようにお願いしたいというふうに思っている。
それから、もう一つは資料をちょっとお配りしたが、資料1である。個人事業主の方が非常に大変になっているということで、これはネットでちょっと拾った声であるが、越前市の人形劇団の方と福井市のインストラクターの方の声であるが、結局3月の公演がなくなって収入ゼロと、4月もどうなるか心配だと。それから、福井県のフィットネス人口も、ふくい健康の森も利用できず困っていると、東山運動公園とかのスタジオプログラムも全てお休みだと、3月は無理やりお仕事をお休みさせられ、収入がほとんどないと、こういう状況が、これは幅広く会社員だけの話ではなくて、こういう自営業者、あるいはフリーの方のこういう問題というのは起こってきていると思う。
それで、政府の対策も日額4,000円とか、いろんな新聞報道がきょう出ていたが、政府の対策とか県の補正の案も議会では説明が一部あったが、それだけでは救われない。貸し付けではこの先どれだけ仕事がなくなるのかわからない中で、不安材料は増すだけだと思う。そういう点では、国のいろんな支援に一定状況も見ながら、県独自のさらに上積み支援というのか、そういう個人事業主、あるいはフリーのそういう職業の皆さんへの上積み支援というのを検討すべきではないか、お尋ねをする。
◯総務部長 今回のコロナウイルスの関係を踏まえて、県としても、もろもろ対策について検討させていただいているところである。昨日国のほうから方針というところも示されたので、そういった状況を踏まえながら対応していくということになろうかというふうに思っている。
◯佐藤委員 これも知っていると思うが、山梨県なんかでは独自に4,000円ぐらいであったか、そういう支援制度を考えるとか、いろいろ県によっては出てきているので、ぜひ国の支援と県の支援と合わせてやっぱりいろいろ個人の営業が継続していけるように支援をぜひお願いしたいというように思う。
それから、医療の関係でいうと、国民健康保険の問題で、今資格証明書が何世帯、何名に発行されているのかお尋ねをする。この資格証明書というのは知ってのとおり、10割負担なのである。だから、10割負担であるから事実上医療機関にはかかれないというような状況があるわけである。医療機関から事実上排除されてしまうと。仮にコロナウイルスに罹患された方が資格証明書の場合、感染の拡大につながりかねないわけである。要するに4日たとうが5日たとうが医者には行かないということであるから、その人を中心にクラスターができるということにもなっていくわけで、コロナウイルス対策としては緊急に必要な保険証を出す、渡すということが必要ではないか。
◯健康福祉部長 現在、国民健康保険の被保険者資格証明書ということで出ているのが昨年度6月1日現在の数字であるが、1,130世帯、1,350名の方に発行されているということである。今ほど10割負担で医療機関から排除されているというお話があったが、そうではなくて、医療機関で10割をお支払いいただいて、滞納金などもあるので、国民保険の市町の窓口へ行っていただいて、そこで還付を受けるという仕組みであるので、医療機関にはかかれるわけであるが、コロナウイルス対策についてはこれに加えて、国の通知が2月28日付であって、この資格証明書を持っておられる方でも被保険者証明書として取り扱うことができると、コロナウイルス関連については、という通知が出たので、私どもは市町、それから医療機関等に対してこの取り扱いを通知しているところである。
◯佐藤委員 国の通知は一歩前進だと思うが、要するにコロナウイルスにかかっているかどうかというのは検査しなきゃ白黒はっきりしないわけである。だから、そういう点では、白だったら10割負担ということになるわけである。だから、そうじゃなくて、こういうことであるから、そういう特別に3割負担、特別にというか、もともと3割負担であるが、3割負担で安心して受けていただけると、そういうことを徹底していただきたいと。検査したが陰性だったから、はい、あなたはまず10割払っていただきたいということになるのは、ちょっと逆に医療機関へのアクセスを阻害するということになるんじゃないかというように思うが、どうか。
◯健康福祉部長 資格証明書というのは本来いわゆる保険料をちゃんと支払っていただくための一つの方策として持たれているものだとは思うが、今委員がおっしゃったように、これによってコロナウイルス対策が滞るというか、本当に医療なり検査なりを受けなければいけない方が受けられないということになってはこれはもう本当にいけないことだと思うので、そういったことをしっかりと広報することが大事だと思うので、そのように扱っていきたいと思う。
コンビニオーナーの実態
◯佐藤委員 じゃあ、次に、県内のコンビニの店舗数、また、文房具店、書店の店舗数についてこの10年間の推移をお尋ねをする。
実際福井市内でも書店の閉店がずっと続いているわけである。さらに西武新館の閉鎖が来年であるが、紀伊国屋書店がどうなるのかと、それから西口の駅前の再開発で、勝木書店がどうなるのかということで、市民の間には駅前に書店がない、そういう一定の規模の書店がない、そういう県都になってしまうのではないかと、こういう心配の声が広がっている。県は読書計画などもつくるわけであるが、読書推進方針があっても書店が減り続けている、こういう現状では子どものためにも、もちろん大人のためにもまずいんじゃないかと思うが、現状の認識と対応策をお尋ねをする。
◯地域戦略部長 書店、文房具小売業の店舗数であるが、平成18年396事業所である。その10年後であるが、平成28年が282事業所、おおむね10年間で約3割の減少ということである。
コンビニについては、平成19年に256事業所に対して、平成28年は334事業所であって、10年間で1.3倍に増加ということである。
◯教育長 公立図書館は蔵書の充実も図っているし、また、時季時局に応じた本の紹介、子ども向け行事なども開催して、県民が本に触れる機会を提供している。
また、最近やっぱり予約システムというのもの結構利用ふえているので、そういったものを十分県民にも周知しながら、図書館を利用していただくように努力していきたいと思う。
◯佐藤委員 資料3にもつけておいたが、何キロ四方の土地に書店が1つあるのかということでいえば、福井県は残念ながら今の時点でも下位のほうである。だから、それがさらに貧困な福井県になるということがあっては困るな。これは県の行政が介入できる面じゃない部分ももちろんあるが、そのように思う。
それで、次に資料の2に関して質問するが、長期ビジョン素案の実行プランでは、社員ファースト企業の拡大ということで、日本一社員を大切にする県を目指すという説明があった。
そこで、どうしてもここで一つ提案したいのは、コンビニオーナーの実態である。今コンビニはふえているというお話があったが、コンビニオーナーが休暇もとれない。近所へのドミナント出店で利益が激減、廃棄負担は店側持ちのコンビニ独自のコンビニ会計システムということで非常に苦しんでいると、こういう実態がある。その苦しんでいる実態は資料2に幾つか、これは福井市内だけの例であるが、多分ほかの市町でも同じ状況があると思うが、幾つか紹介しておいたが、結局見切り販売をしても、見切り額がそのまま廃棄と同じ会計処理になってオーナーの負担になる、店の負担になると。本部は全然金を持たないと。それから、小さい子どもがいるので、土日は朝8時から夜6時、7時まで子どもを店において出勤していると。とても人を雇えるような状況ではないなど、大変厳しい状況がある。ぜひ2009年から休みが1日もとれていないと、休みをとって半年に1回ぐらいは家族で温泉にでも行きたいという声であるとか、10年間で1日も休めないと、親が死んだときもお通夜の後、店に出て、火葬場からまたすぐに店に戻ってと、バイトも見つからないと、こういうちょっと悲惨な労働状況にあるわけである。
ぜひ知事としても知事会なども通じて、営業時間、日数は加盟店の独自の判断を尊重して、加盟店の意に反して本部が強制することを禁止するとか、本部が既存店の近隣商圏に出店することを原則禁止するとか、そういうコンビニフランチャイズ法の制定によって働く人たちの人権と営業権をぜひ守るようにしていただきたいというように思う。また、県独自に必要な県条例の制定も考えていただきたいと思うが、知事の見解をお尋ねする。
◯知 事 コンビニにおける、特にフランチャイズの所有者というか経営者の方を含めて、大変状況的に厳しいということは報道を通じたりして私も存じ上げているところである。そういう意味では、経産省のほうでも助言というのか要請というのか、フランチャイズ協会のほうにも、新規出店ばかり考えないで既存店のほうを売り上げを伸ばしていくことで何とか利益を確保する方法をよく考えたらどうだというような助言等も行っているようには伺っている。そういう意味では、自分の利益だけを考えて経営をするということについては、やはり経営者の倫理というか、そういったところも少し考えていただく必要はあるかなというふうには思っている。
また、既存の店舗があるところに新規出店をしてくるというようなことも時々見受けられるわけである。できれば共存共栄がいいのであるが、結果として1つのほうが潰れていくということも実態としてあるという現状なのかなというふうに思っているところである。ただ、この部分は、今の日本社会というか資本主義の根幹の部分で、やっぱり経済活動の自由というところは守られなければいけない部分ではあるので、そういう意味では、法律とか条例で直接そこに何らかの手当をするのは今のところ難しいかなというふうに思っているところである。
◯佐藤委員 もちろん経済活動は自由であるが、今言ったように、非人間的な働かせ方はいけないということでいろんな規制が出てきているわけであるから、働く労働者は一定そういうことで労働法で守られているが、この人たちは労働法が適用されないと。あるいは、下請法も適用されないと。法の要するに暗闇にいるわけである。だから、そこはぜひいろんな形で取り組んでいただきたいということは要望しておく。
「県民の暮らし支える福祉行政を」
◯佐藤委員 次に福祉関係で何点か、時間の許す範囲でお尋ねするが、資料4に、これは障がい関係だけのデータなのであるが、補聴器の問題、補聴器とか難聴のデータを県からいただいたやつをお配りしている。高齢化に伴って、耳が聞こえにくくなると、社会生活に困るという高齢者がどんどんふえてきている。しかも、補聴器は結構高いと、数十万円、20万円、30万円とかすると。我慢して買わないという方もいる。加齢性難聴は生活での人づき合いに影響を与えるだけでなく、鬱とか認知症の原因になるとも指摘されている。欧米のように医療のカテゴリーで捉えずに、日本では障がい者のカテゴリーで捉えるために、補聴器の所有率も低くなっている。長期ビジョンで掲げる人生100年時代ということを応援するサポートシステムの中で、ぜひ補聴器購入への補助制度を位置づけていただきたいと思うが、見解をお尋ねする。
◯健康福祉部長 今ほど紹介もいただいたが、いわゆる聴力が高度の重度難聴レベルに該当すると障がい者手帳の交付が受けられて、それで補装具として支援が受けられるという状況はあるわけである。
一方で、加齢によるということであるので、介護保険制度をちょっと見ると、介護保険制度自体は身体の一部の欠損とか低下した特定の機能を補完することを主たる目的とするものは給付の対象としないという国の大原則というか考え方があって、わかりやすい例であると、眼鏡、老眼鏡とか、本当に障害のレベルまでいけば、補装具の対象にもちろんなるが、老眼鏡は介護保険の対象にならないということである。そういうようなこと、これと同じようなことが補聴器に対しても適用されているということである。
全国では独自に支援制度を持っているところ、2都県、東京と群馬であったか、2都県だけあるが、本来加齢によるお困りのことというか、難聴、聞こえにくいとか、そういうこと、別に福井県だけでもないし東京都だけでもないので、これは全国的な問題として、これをどうするかということはまず国がしっかり制度を持つか持たないかを検討すべきものであると思うので、そういったところは我々としても伝えていきたいというふうに思う。
◯佐藤委員 ぜひいろんな機会に国に対しても要請していただきたいし、県としても考えていただきたいというように思う。
次に、昨年の一般質問でも取り上げたし、全国の幾つかの県でも、県内自治体でも始まっている、妊産婦への医療費助成制度についてである。さきの長期ビジョン特別委員会でも、北陸信越5県の中で福井県が人工妊娠中絶の割合が一番高いということを指摘して、カウンセリングなどの体制整備、事情を踏まえた経済支援などを提案をした。
そこで、そのためにも妊産婦医療費助成制度を行うことを再度、提案するが、見解をお尋ねする。
◯健康福祉部長 特に現代的な事情として、出産、妊娠の年齢が高くなっているということもあるので、妊産婦の方への医療費助成を含めて支援というのが大事であることについてはよくよく理解しているし、これからも常に考えていきたいと思っているが、妊産婦への医療費助成ということになると、県内では2つの町が今そういう制度を持っており、来年度からもう1つ加わるというふうに伺っている。
今後、こういった市町の状況も伺う必要もあるし、県内のニーズとかの把握というのも必要である。一般的な検診とか妊娠出産に係る費用についてはもう制度があるので、それ以外の疾病についてどういうふうに考えるかというのをこれからいろいろ検討も進めていきたいというふうに思う。
◯佐藤委員 最後であるが、国保の問題で、時間が余りないが、必要保険税のこの間の推移、そして国の激変緩和措置がなくなった場合の1人当たりの必要保険税についてお尋ねをする。
また、子どもへの均等割、これも繰り返し要望しているが、これはぜひ減免してほしいということを要望するが、再度答弁をお願いする。
◯斉藤委員長 答弁は簡潔に願います。
◯健康福祉部長 それでは、3つお尋ねいただいたが、まず、必要保険税の推移であるが、昨年少し上昇しているが、今年度は私どもで示させていただいた標準保険税1,000円ほど下がっているので、これを受けて今、市町がどういう保険税を課税するかということが決められるというふうに考えている。
それから、激変緩和措置、今年度は1.5億円国から交付される予定があるので、これを割ると1,062円ほどが軽減されるという見込みである。
それから、子どもの均等割については、私どもも大事なこととは思うが、その分がほかの方の負担に転嫁されてはいけないと思うので、子どもの均等割をなくす場合には国のほうでしっかりその財源を持ってやっていただくということが大事だと思っているので、そういったことは知事会も含めて私どもとしては訴えていきたいと思う。
◯佐藤委員 時間になったので終わる。
知事は原発に不安をもつ県民団体と対話を。プルサーマルは中止を。
◯佐藤委員 日本共産党の佐藤正雄である。
先ほど黙祷もさせていただいたが、きょうは東日本大震災、福島原発事故から9年ということであるが、福島原発事故では今なお8万5,000人もの福島県民の皆さんが自分のふるさとに戻ることができないと、こういう状況が続いている。帰還宣言が出されても、帰還者の多くは高齢者で、子どもや若者の多くは戻っておらず、地域社会としてまともに機能していないというのが実態だと思う。しかも、そういう中で日本の原子力政策は原発推進と核燃料サイクル政策の二本柱のいずれの面でも八方塞がりと、こういう状況になっているわけである。
しかし、本州ではこの福井県だけが原発の再稼働、しかも危険なプルサーマル運転ということで、県民は心配を募らせているわけである。再稼働反対の県民の運動も続いている。
そこでお尋ねをするが、知事、以前約束もしていただいたが、原発の運転に不安を持っている、そういう県民の運動団体の皆さんと面会をして、直接声を聞く機会というのをいつ持っていただけるのか。また、一般質問でも強調したように、危険なプルトニウム利用のプルサーマル発電については、これは国と関西電力に中止を求めていただきたいというふうに思うが、答弁を求める。
◯知 事 原子力団体との意見交換の件であるが、これについては、日ごろから県としては専門的知識を持った職員がしっかりとお話を聞かせていただいていると。誰であれ、県を代表するものとして会わせていただいているので、そういう意味ではきちっとお話を聞かせていただいているという状況かと思っている。
また、例えば原子力環境安全管理協議会、こういったところでも、例えば立地、非立地のところも含めて、嶺南の首長、産業界とか農林水産業、それから労働界、こういった代表の方の意見も3カ月に1回はお話を聞かせていただいているところである。
私がお話を聞かせていただくということについては、これは過去にも、栗田知事とか中川知事なんかにも例があるようであって、そういった例も参考にしながら、必要なときにはお話を聞かせていただくということをさせていただきたいと思う。
プルサーマル発電の件は担当から答弁申し上げる。
◯安全環境部長 私のほうからは、プルサーマルの関係、お話をさせていただく。
まず、高浜3・4号機でのプルサーマルについては、原子力規制委員会がMOX燃料の使用を前提として、新規制基準に適合しているということを確認しており、これまでも安全に発電が行われているというふうに認識をしている。
これは一般質問のときもお答えをしたが、基本的に国はエネルギー基本計画において、プルサーマルを推進すると、核燃料サイクルの中で推進するということを言っている。ただ、その中で、MOX燃料の処理処分については引き続き研究開発に取り組みつつ検討を進めるとしているので、ことし1月27日に国に対して使用済みMOX燃料の処理処分について、技術的な検討、研究開発を加速し、その具体的な方策を明らかにするように要請しているところであり、今後とも国にしっかりその方向性を示すように物を申していきたいと考えている。
◯佐藤委員 今、知事は栗田元知事、中川元知事の例を出された。私は前の西川知事のときにも栗田知事は面会しているじゃないかということを繰り返し主張したわけであるが、西川前知事は応じていただけなかったわけであるが、杉本知事はそういう例を出されたので、またそういう機会のときにはぜひお願いしたいというふうに思っている。
それから、MOX燃料は、一般質問の再質問で言ったが、100年、冷えて処理をするのにかかると。実際、専用の、要するに乾式貯蔵するにしても、容器もまだ完成して、できていないという状況があるわけで、そういう点では非常に無責任だと思う。こういう無責任なことを福井県として認めないでいただきたいということとは再度強調しておきたいと思う。
それで、原発関連の流れで、朝日新聞の3月7日付に、1987年関西電力が高浜で本来の約2倍となる11億円の高額の土地の買収をしたと。取引価格が周辺状況を考慮して、県として本来なら契約中止の勧告を出す取引ではないかと、こういう報道があった。ところが、関西電力の当時の内藤副社長が当時高浜町助役だった森山氏に、県との話し合いを依頼して、問題とされずに契約が成立したと、こういう報道だったと思う。
それで、県が調査した森山高浜町元助役についての県の調査委員会、これではまだ不十分じゃないかということで、市民団体からも請願が出されたし、私も県議会で要請したが、第三者委員会をつくって本当にきちんと調査しないとだめなんじゃないかということを指摘をした。今回のこういう新聞報道が出たということで、これが事実なら、県の調査とは違って森山氏によって県行政への大きな影響があったということはこれは明らかになるわけである。県としてこのような関係者による発言記録による報道がなされた以上、再度各方面の県行政と森山氏との関係について、第三者による調査委員会を立ち上げて、調査するべきではないか、見解をお伺いする。
◯総務部長 今ほど委員のおっしゃっていただいた朝日新聞の報道については、この報道された事案については私どもとしては承知をしていないというところである。本県の調査については、申し上げているが、調査委員会において、30年以上の期間にわたって関係する部署の存命する全ての職員を対象に必要な最大限の調査を行ったというふうに考えている。
◯佐藤委員 事案を承知していないって、総務部長はまだ新しい方であるから、総務部長自身が承知していないことを問題にしているのではなくて、私が言いたいのは、今回の事案は要するに県が調査対象とした、いわゆる教育委員会とか健康福祉部とか、あるいは一部の総務部関係とは違う部署である。土地取引であるから。要するに農林水産部とか、あるいは土木部とか、そういうところに関係する事案なわけである。もともと県の調査の対象にした職員以外のところで当事者による疑惑が報道されたわけであるから、これは調査すべきではないか。
◯総務部長 本件の報道の内容、それ自体において、県として特段調査を行うものはないというふうに認識をしている。
◯佐藤委員 14日に関西電力は第三者委員会による報告書を出すということで報道されている。この内容に仮に福井県行政がかかわる新事実が明らかとなれば調査するのか、それとも今の答弁のようにもう調査しないのか。
◯総務部長 14日に発表があるということであるが、現時点で仮定の質問へのお答えということになるわけであるが、第三者委員会、調査報告書が公表されて、仮に新しい状況変化が出てきた場合には適切に対応していきたいというふうに考えている。
◯佐藤委員 これは当然だと思う。この新聞報道も、どうも第三者委員会の内容、要するに第三者委員会から調査を受けたという関係者の証言も含めて報道されているわけであるから、きちんと対応していただきたいと思うが、知事どうか。
◯知 事 総務部長からもお答え申し上げたが、14日と言われているが、第三者委員会から報告書があって、新しい事実、必要性があればこれからそれに適切に対応していきたいと考えている。
新型コロナへの対応について
◯佐藤委員 次に、コロナウイルス対策について質問する。
今回、科学的根拠のない一律休校ということが、患者がゼロの福井県にまで押しつけられて、いろんな委員の方がいろいろそれぞれのお立場で質疑されたように、混乱がいろいろ生じているわけである。これは大きな問題があったと思うが、知事の見解を問いたいと思う。これはインフルエンザの場合なんかでも、例えば学級閉鎖とか学校閉鎖とか、いろいろ病気の進展によってきちんと科学的に判断していくわけである。今回はもうざばっと日本中、北海道から沖縄まで、北海道は患者さんが出ているが、北海道から沖縄まで、そういうやり方自体が非常に乱暴だったのではないかというふうに思うわけである。
あわせて、特別支援学校についてであるが、これは施設でも、福祉施設の利用があるというふうに常任委員会で答弁があったが、実は福祉施設でも利用者が減っているところもあるというふうにお聞きをしている。もちろんいっぱい来ているところもあるということであるが、やっぱり施設に預けて逆に罹患するんじゃないかということで心配しているなどの声があるし、結局おじいちゃんおばあちゃんに預けるとか、そういうことで非常になるべくなら学校をやってほしいというような声もお聞きをしている。だから、まず一人一人の特別支援学校の生徒さんがどういう環境になっているのかということを調査を行っていただくとともに、スクールバス運行、給食の再開、学校再開、これをすべきではないか。これは教育長にお尋ねをする。
◯知 事 私からのコロナウイルスの当初の休校等の対応についてお答えを申し上げる。
委員の指摘の中に、科学的根拠なく今回の措置がとられたというような指摘があったが、私は必ずしもそういうふうには思っていない。もちろんコロナウイルスがどういうものであるのかとか、感染経路がどうであるかということは必ずしも明らかになっていないことは多くあるので、そういう意味では全てがわかっていてやっているわけではないのだとは思うが、とはいえ、おおむね2週間程度ぐらいは潜伏期間があるという病気であることは明らかになってきているので、そういうことからいえば、今福井県の中には感染者がいないということであるが、事実そうであるが、とはいえ、今現在罹患していないとは限らないわけであるし、それから、最近の欧米の状況を見ていると、一気にそういうところがふえてくるということもあり得るわけであって、そういう意味では国の、あれは2月27日だったかというふうに思うが、総理からの発言というのを私どもとしては1人もまだ感染者が出ていなかったけれども、重く受けとめて、3月2日からの対応を決めさせていただいたというところである。
いずれにしても、子ども、それから大人も、お年寄りも含めて、今はいかにコロナウイルスの拡大というのを食いとめるかということが我が国、それから世界の一番大切な事項だと思っているので、そういった県民の皆さんの健康を守るためにも、これからも国の動向等もしっかりと見ながら、適切に判断をしていきたいと考えているところである。
◯教育長 特別支援学校であるが、各特別支援学校においては、教員が電話や家庭訪問によって、幼児児童生徒一人一人の臨時休業中の状況を把握している。3月2日からきのうまでで申し上げると、入院している児童生徒を除いて、通学生878名のうち、1日平均であるが374名、43%が福祉サービスなどの施設を利用している。10名、これは1%であるが、開放した特別支援学校を利用している。残り494名、56%に当たるが、自宅で保護者が対応している。
私も先日この福祉サービス事業者のところへお邪魔して見てきたが、かなり個室が幾つか設けられており、そしてまた、部屋の中でも段ボールで仕切りをいろいろ設けたりするなど、工夫をいろいろ凝らしているという状況である。
◯佐藤委員 今教育長から丁寧な答弁もいただいたが、実際56%が自宅で親か祖父母か、いろいろ関係者が見ているということになっているわけで、ぜひやっぱり学校を再開してほしいという声があることは改めて強調しておきたいと思う。
それで、県立大学が先日入学式を中止するということが報道されて、このことが小中高の関係者にも不安を与えているわけである。仮に同じような、今、杉本知事が言われたような判断、これが県立大学の判断になって、さらに小中高の判断にも影響が及んでいくとすれば、4月以降の休校も続けば、これは教育が崩壊するということにもつながりかねないと思う。
しかし、知事も今おっしゃったように、一般的に感染症というのは、14日間、15日間とか潜伏期間と言われているが、終息宣言を出すためには、最後の患者が出てから同じ期間と、要するに約28日間、30日間ぐらいが必要だというふうに言われているわけである。そうなると、4月の入学式を考えればリミットぎりぎりなのである、きょうの時点で。どうするのかということが問われると思う。ここで、地方自治体とか、各教育委員会が自主的判断をして、うちは入学式をちゃんとやって学校を再開するという判断ができるのか、それとも、今知事がおっしゃったように、そんなことはできないということで、政府が判断しない以上は延長するということになるのか。これはやっぱり一定地方自治の自主性も問われてくるというふうに思うが、その辺はどのようにお考えかお尋ねをする。
◯知 事 今後このコロナウイルスの感染症がどういうふうな経緯をたどるのかというのは正直申し上げて私も全くわからない状況である。
ただ、昨日も総理からの発言があったりとか、19日まで様子を見ようと、それをある程度19日で、少なくともこの2週間、我々が努力していることの経過を見て、次のことを考えようという発言だというふうに認識をしている。今のところ、出口をどうするのかというところを、多分確たる考えを持って発言できる方がいらっしゃらないんじゃないかと思っている。私も同様である。
いずれにしても、福井県内だけが厳しい状況に置かれるというようなことを考えているわけではないし、また、本当に判断する際は大変難しい状況になるというふうには思っているが、いずれにしても現状はまずは今の状況を守りながら、国の動向等もよく見ていきたいと考えているところである。
◯佐藤委員 いずれにしても全国ではこの休校要請があって以降も一律にそれはしないと決めている県とか市町もあるわけであるので、やはりこれは一番の被害者は子どもさんということになるので、教育を受ける権利が奪われているという状況は、余りにも長期間続くのはこれは異常だというように思うので、そこは患者の発生状況とか、もちろん病気の関係が一番大事であるが、それを見ながら、自主的な判断ということをぜひ福井県庁や福井県教育委員会は考えていただきたいということを強調しておきたいと思う。
それで、先ほど質疑もあったが、県有施設のキャンセルについて、ちょっと関連してお尋ねをしたいと思うが、先ほど県の補助金の関係の話はわかったが、補助金を受け取っている、受け取っていない関係なく、例えば国際交流会館だとか、あるいは音楽堂だとか、県の施設がたくさんあると思うが、そこの利用者が、要するに政府とか、県の自粛要請などもあってイベントを中止した場合、その使用料とかの免除、これはほかの県ではやっている。やると表明した県もあると思う。近くで言うと富山県である。やると。こういう時勢であるからお金は要らないというように判断した県もあると思うが、福井県でもこれはやっぱり主催者に使用料を全額あるいは半額にしろ、負担させるというようなことがないように、こういう問題でイベントが中止になったのであるから、使用料は要らないという判断はしていただけるか。
◯総務部長 現在、県有施設の一部について、県のほうから閉鎖をさせていただいているというのはある。その上で、委員のほうからあった利用者の関係ということであるが、ちょっと事実関係など確認をまずはさせていただきたいというふうに思っている。
◯佐藤委員 事実関係を確認して、その主催者の都合ではなくて、今回のコロナウイルスの関係でイベント中止という場合には使用料の免除も考えていただくということでよろしいか。
◯総務部長 まずは現状どのようになっているかというところを確認させていただくというところからかなというふうに思っている。
フリーランスへの支援を
◯佐藤委員 ぜひ他県の例も調べていただいて、福井県民が不利益にならないようにお願いしたいというふうに思っている。
それから、もう一つは資料をちょっとお配りしたが、資料1である。個人事業主の方が非常に大変になっているということで、これはネットでちょっと拾った声であるが、越前市の人形劇団の方と福井市のインストラクターの方の声であるが、結局3月の公演がなくなって収入ゼロと、4月もどうなるか心配だと。それから、福井県のフィットネス人口も、ふくい健康の森も利用できず困っていると、東山運動公園とかのスタジオプログラムも全てお休みだと、3月は無理やりお仕事をお休みさせられ、収入がほとんどないと、こういう状況が、これは幅広く会社員だけの話ではなくて、こういう自営業者、あるいはフリーの方のこういう問題というのは起こってきていると思う。
それで、政府の対策も日額4,000円とか、いろんな新聞報道がきょう出ていたが、政府の対策とか県の補正の案も議会では説明が一部あったが、それだけでは救われない。貸し付けではこの先どれだけ仕事がなくなるのかわからない中で、不安材料は増すだけだと思う。そういう点では、国のいろんな支援に一定状況も見ながら、県独自のさらに上積み支援というのか、そういう個人事業主、あるいはフリーのそういう職業の皆さんへの上積み支援というのを検討すべきではないか、お尋ねをする。
◯総務部長 今回のコロナウイルスの関係を踏まえて、県としても、もろもろ対策について検討させていただいているところである。昨日国のほうから方針というところも示されたので、そういった状況を踏まえながら対応していくということになろうかというふうに思っている。
◯佐藤委員 これも知っていると思うが、山梨県なんかでは独自に4,000円ぐらいであったか、そういう支援制度を考えるとか、いろいろ県によっては出てきているので、ぜひ国の支援と県の支援と合わせてやっぱりいろいろ個人の営業が継続していけるように支援をぜひお願いしたいというように思う。
それから、医療の関係でいうと、国民健康保険の問題で、今資格証明書が何世帯、何名に発行されているのかお尋ねをする。この資格証明書というのは知ってのとおり、10割負担なのである。だから、10割負担であるから事実上医療機関にはかかれないというような状況があるわけである。医療機関から事実上排除されてしまうと。仮にコロナウイルスに罹患された方が資格証明書の場合、感染の拡大につながりかねないわけである。要するに4日たとうが5日たとうが医者には行かないということであるから、その人を中心にクラスターができるということにもなっていくわけで、コロナウイルス対策としては緊急に必要な保険証を出す、渡すということが必要ではないか。
◯健康福祉部長 現在、国民健康保険の被保険者資格証明書ということで出ているのが昨年度6月1日現在の数字であるが、1,130世帯、1,350名の方に発行されているということである。今ほど10割負担で医療機関から排除されているというお話があったが、そうではなくて、医療機関で10割をお支払いいただいて、滞納金などもあるので、国民保険の市町の窓口へ行っていただいて、そこで還付を受けるという仕組みであるので、医療機関にはかかれるわけであるが、コロナウイルス対策についてはこれに加えて、国の通知が2月28日付であって、この資格証明書を持っておられる方でも被保険者証明書として取り扱うことができると、コロナウイルス関連については、という通知が出たので、私どもは市町、それから医療機関等に対してこの取り扱いを通知しているところである。
◯佐藤委員 国の通知は一歩前進だと思うが、要するにコロナウイルスにかかっているかどうかというのは検査しなきゃ白黒はっきりしないわけである。だから、そういう点では、白だったら10割負担ということになるわけである。だから、そうじゃなくて、こういうことであるから、そういう特別に3割負担、特別にというか、もともと3割負担であるが、3割負担で安心して受けていただけると、そういうことを徹底していただきたいと。検査したが陰性だったから、はい、あなたはまず10割払っていただきたいということになるのは、ちょっと逆に医療機関へのアクセスを阻害するということになるんじゃないかというように思うが、どうか。
◯健康福祉部長 資格証明書というのは本来いわゆる保険料をちゃんと支払っていただくための一つの方策として持たれているものだとは思うが、今委員がおっしゃったように、これによってコロナウイルス対策が滞るというか、本当に医療なり検査なりを受けなければいけない方が受けられないということになってはこれはもう本当にいけないことだと思うので、そういったことをしっかりと広報することが大事だと思うので、そのように扱っていきたいと思う。
コンビニオーナーの実態
◯佐藤委員 じゃあ、次に、県内のコンビニの店舗数、また、文房具店、書店の店舗数についてこの10年間の推移をお尋ねをする。
実際福井市内でも書店の閉店がずっと続いているわけである。さらに西武新館の閉鎖が来年であるが、紀伊国屋書店がどうなるのかと、それから西口の駅前の再開発で、勝木書店がどうなるのかということで、市民の間には駅前に書店がない、そういう一定の規模の書店がない、そういう県都になってしまうのではないかと、こういう心配の声が広がっている。県は読書計画などもつくるわけであるが、読書推進方針があっても書店が減り続けている、こういう現状では子どものためにも、もちろん大人のためにもまずいんじゃないかと思うが、現状の認識と対応策をお尋ねをする。
◯地域戦略部長 書店、文房具小売業の店舗数であるが、平成18年396事業所である。その10年後であるが、平成28年が282事業所、おおむね10年間で約3割の減少ということである。
コンビニについては、平成19年に256事業所に対して、平成28年は334事業所であって、10年間で1.3倍に増加ということである。
◯教育長 公立図書館は蔵書の充実も図っているし、また、時季時局に応じた本の紹介、子ども向け行事なども開催して、県民が本に触れる機会を提供している。
また、最近やっぱり予約システムというのもの結構利用ふえているので、そういったものを十分県民にも周知しながら、図書館を利用していただくように努力していきたいと思う。
◯佐藤委員 資料3にもつけておいたが、何キロ四方の土地に書店が1つあるのかということでいえば、福井県は残念ながら今の時点でも下位のほうである。だから、それがさらに貧困な福井県になるということがあっては困るな。これは県の行政が介入できる面じゃない部分ももちろんあるが、そのように思う。
それで、次に資料の2に関して質問するが、長期ビジョン素案の実行プランでは、社員ファースト企業の拡大ということで、日本一社員を大切にする県を目指すという説明があった。
そこで、どうしてもここで一つ提案したいのは、コンビニオーナーの実態である。今コンビニはふえているというお話があったが、コンビニオーナーが休暇もとれない。近所へのドミナント出店で利益が激減、廃棄負担は店側持ちのコンビニ独自のコンビニ会計システムということで非常に苦しんでいると、こういう実態がある。その苦しんでいる実態は資料2に幾つか、これは福井市内だけの例であるが、多分ほかの市町でも同じ状況があると思うが、幾つか紹介しておいたが、結局見切り販売をしても、見切り額がそのまま廃棄と同じ会計処理になってオーナーの負担になる、店の負担になると。本部は全然金を持たないと。それから、小さい子どもがいるので、土日は朝8時から夜6時、7時まで子どもを店において出勤していると。とても人を雇えるような状況ではないなど、大変厳しい状況がある。ぜひ2009年から休みが1日もとれていないと、休みをとって半年に1回ぐらいは家族で温泉にでも行きたいという声であるとか、10年間で1日も休めないと、親が死んだときもお通夜の後、店に出て、火葬場からまたすぐに店に戻ってと、バイトも見つからないと、こういうちょっと悲惨な労働状況にあるわけである。
ぜひ知事としても知事会なども通じて、営業時間、日数は加盟店の独自の判断を尊重して、加盟店の意に反して本部が強制することを禁止するとか、本部が既存店の近隣商圏に出店することを原則禁止するとか、そういうコンビニフランチャイズ法の制定によって働く人たちの人権と営業権をぜひ守るようにしていただきたいというように思う。また、県独自に必要な県条例の制定も考えていただきたいと思うが、知事の見解をお尋ねする。
◯知 事 コンビニにおける、特にフランチャイズの所有者というか経営者の方を含めて、大変状況的に厳しいということは報道を通じたりして私も存じ上げているところである。そういう意味では、経産省のほうでも助言というのか要請というのか、フランチャイズ協会のほうにも、新規出店ばかり考えないで既存店のほうを売り上げを伸ばしていくことで何とか利益を確保する方法をよく考えたらどうだというような助言等も行っているようには伺っている。そういう意味では、自分の利益だけを考えて経営をするということについては、やはり経営者の倫理というか、そういったところも少し考えていただく必要はあるかなというふうには思っている。
また、既存の店舗があるところに新規出店をしてくるというようなことも時々見受けられるわけである。できれば共存共栄がいいのであるが、結果として1つのほうが潰れていくということも実態としてあるという現状なのかなというふうに思っているところである。ただ、この部分は、今の日本社会というか資本主義の根幹の部分で、やっぱり経済活動の自由というところは守られなければいけない部分ではあるので、そういう意味では、法律とか条例で直接そこに何らかの手当をするのは今のところ難しいかなというふうに思っているところである。
◯佐藤委員 もちろん経済活動は自由であるが、今言ったように、非人間的な働かせ方はいけないということでいろんな規制が出てきているわけであるから、働く労働者は一定そういうことで労働法で守られているが、この人たちは労働法が適用されないと。あるいは、下請法も適用されないと。法の要するに暗闇にいるわけである。だから、そこはぜひいろんな形で取り組んでいただきたいということは要望しておく。
「県民の暮らし支える福祉行政を」
◯佐藤委員 次に福祉関係で何点か、時間の許す範囲でお尋ねするが、資料4に、これは障がい関係だけのデータなのであるが、補聴器の問題、補聴器とか難聴のデータを県からいただいたやつをお配りしている。高齢化に伴って、耳が聞こえにくくなると、社会生活に困るという高齢者がどんどんふえてきている。しかも、補聴器は結構高いと、数十万円、20万円、30万円とかすると。我慢して買わないという方もいる。加齢性難聴は生活での人づき合いに影響を与えるだけでなく、鬱とか認知症の原因になるとも指摘されている。欧米のように医療のカテゴリーで捉えずに、日本では障がい者のカテゴリーで捉えるために、補聴器の所有率も低くなっている。長期ビジョンで掲げる人生100年時代ということを応援するサポートシステムの中で、ぜひ補聴器購入への補助制度を位置づけていただきたいと思うが、見解をお尋ねする。
◯健康福祉部長 今ほど紹介もいただいたが、いわゆる聴力が高度の重度難聴レベルに該当すると障がい者手帳の交付が受けられて、それで補装具として支援が受けられるという状況はあるわけである。
一方で、加齢によるということであるので、介護保険制度をちょっと見ると、介護保険制度自体は身体の一部の欠損とか低下した特定の機能を補完することを主たる目的とするものは給付の対象としないという国の大原則というか考え方があって、わかりやすい例であると、眼鏡、老眼鏡とか、本当に障害のレベルまでいけば、補装具の対象にもちろんなるが、老眼鏡は介護保険の対象にならないということである。そういうようなこと、これと同じようなことが補聴器に対しても適用されているということである。
全国では独自に支援制度を持っているところ、2都県、東京と群馬であったか、2都県だけあるが、本来加齢によるお困りのことというか、難聴、聞こえにくいとか、そういうこと、別に福井県だけでもないし東京都だけでもないので、これは全国的な問題として、これをどうするかということはまず国がしっかり制度を持つか持たないかを検討すべきものであると思うので、そういったところは我々としても伝えていきたいというふうに思う。
◯佐藤委員 ぜひいろんな機会に国に対しても要請していただきたいし、県としても考えていただきたいというように思う。
次に、昨年の一般質問でも取り上げたし、全国の幾つかの県でも、県内自治体でも始まっている、妊産婦への医療費助成制度についてである。さきの長期ビジョン特別委員会でも、北陸信越5県の中で福井県が人工妊娠中絶の割合が一番高いということを指摘して、カウンセリングなどの体制整備、事情を踏まえた経済支援などを提案をした。
そこで、そのためにも妊産婦医療費助成制度を行うことを再度、提案するが、見解をお尋ねする。
◯健康福祉部長 特に現代的な事情として、出産、妊娠の年齢が高くなっているということもあるので、妊産婦の方への医療費助成を含めて支援というのが大事であることについてはよくよく理解しているし、これからも常に考えていきたいと思っているが、妊産婦への医療費助成ということになると、県内では2つの町が今そういう制度を持っており、来年度からもう1つ加わるというふうに伺っている。
今後、こういった市町の状況も伺う必要もあるし、県内のニーズとかの把握というのも必要である。一般的な検診とか妊娠出産に係る費用についてはもう制度があるので、それ以外の疾病についてどういうふうに考えるかというのをこれからいろいろ検討も進めていきたいというふうに思う。
◯佐藤委員 最後であるが、国保の問題で、時間が余りないが、必要保険税のこの間の推移、そして国の激変緩和措置がなくなった場合の1人当たりの必要保険税についてお尋ねをする。
また、子どもへの均等割、これも繰り返し要望しているが、これはぜひ減免してほしいということを要望するが、再度答弁をお願いする。
◯斉藤委員長 答弁は簡潔に願います。
◯健康福祉部長 それでは、3つお尋ねいただいたが、まず、必要保険税の推移であるが、昨年少し上昇しているが、今年度は私どもで示させていただいた標準保険税1,000円ほど下がっているので、これを受けて今、市町がどういう保険税を課税するかということが決められるというふうに考えている。
それから、激変緩和措置、今年度は1.5億円国から交付される予定があるので、これを割ると1,062円ほどが軽減されるという見込みである。
それから、子どもの均等割については、私どもも大事なこととは思うが、その分がほかの方の負担に転嫁されてはいけないと思うので、子どもの均等割をなくす場合には国のほうでしっかりその財源を持ってやっていただくということが大事だと思っているので、そういったことは知事会も含めて私どもとしては訴えていきたいと思う。
◯佐藤委員 時間になったので終わる。