前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

新幹線推進などの福井県長期ビジョンに反対。核兵器禁止条約への賛同批准求める意見書、コロナ禍での医療機関・介護事業所への公的支援求める意見書不採択に反対討論

2020年09月07日 | 福井県政
2020年7月10日 福井県議会本会議での佐藤正雄議員の反対討論です。

◯議長(畑 孝幸君) これより、討論に入ります。
 佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕
21◯27番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 最初に、今回の九州はじめ各地の豪雨被災にお見舞いを申し上げます。
 また、予算案では杉本県政のもとで、県民の苦難改善ですね、コロナウイルス感染症に対する負担軽減に対する予算は評価をいたします。
 反対討論ですが、第56号議案福井県個人番号の利用等に関する条例の一部改正については、マイナンバー事務の拡大であり反対です。マイナンバーの課題は、さきの国民1人10万円給付金事務でも、県内含め全国で混乱が起きたことは御承知のとおりであります。
 次に、第58号議案福井県長期ビジョンの策定についてです。コロナウイルス感染症が引き続き世界を席巻しております。コロナ後の社会がどうなるか不透明な下で、決め打ち的な将来の社会像を土台とした2040年を目指す長期ビジョンを策定するには、時期が悪過ぎると思います。
 また、新幹線推進はこれまでも指摘してきましたが、福井県民にとっては、北陸新幹線沿線自治体の中で実質的に最大の負担金となります。さらに北陸の中でも、交直両用車両導入など一番負担の重い並行在来線、第三セクター鉄道の運行を担わされることになります。一番小さい福井県が、新幹線の建設費用負担でも在来線の三セク化でも一番重い負担を担うことになります。明るいばら色だけのビジョンとは裏腹に、県財政や市町財政にとっても、さらには新幹線や在来線利用の県民一人一人にとっても、旅行や通勤・通学の際の負担が増えることになります。
 さらに2040年まで原発推進を続けることは県民理解を得られません。現在、県内の全ての原発は40年を超え、老朽化していくわけです。将来にわたって原発依存に県民を拘束するような長期ビジョンの議決には賛成できません。

 次に、請願についての委員長報告に反対の討論を行います。
 請願第13号日本政府に核兵器禁止条約への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願は採択を求めます。この請願を出された実行委員会の皆さんは、コロナ禍の下でも様々な工夫をされて、福井県内の全ての自治体で平和行進をされました。今年の全日程参加の通し行進者は、福井県史の編さんにも携わられた松浦義則福井大学名誉教授御夫妻でした。行進の皆さんは各自治体を訪問されたわけですが、各地で歓迎を受けました。ある役所では、町長、議長、職員等、四十数名が出迎え歓迎されたとか、ある役所ではヒバクシャ国際署名を50名分集めて待っていてくれたなど、お聞きをいたしました。元教員の、ある教育長さんは、「教員時代は非核三原則がありながら核兵器に依存している日本のことを生徒に話すのが苦しかった」と挨拶をされたそうです。福井県民は核兵器廃絶を強く願っております。
 さて、人類史上初めて核兵器を違法なものとして定めた核兵器禁止条約が国連で採択されて3年がたちました。81か国が署名し、39か国が批准し、条約発効まであと11か国と迫っております。核保有国9か国は、昨年1年間に日本円で約7.8兆円もの財政を核兵器関連予算に充てています。核兵器禁止が実現すれば、このような予算が世界の貧困問題の解決や新興感染症対策に回せることにもつながります。福井県内の被爆者数も、高齢化に伴い44人にまで減っております。新たな核兵器の犠牲者を絶対に生み出してはなりません。肉親や友人たちを瞬時に木の葉のように焼き殺され、生きながらも原爆症の苦しみを与え続けた原爆の一日も早い廃絶を願い続けながら、県内でも多くの原爆被爆者の皆さんが亡くなられております。県内44名の被爆者と県民の皆さんの元へ福井県議会の意見書採択と核兵器禁止条約発効の朗報を届けるために、採択をお願いするものであります。
 最後に、請願第14号新型コロナウイルスの影響を大きく受ける医療機関・介護事業所の昨年度収益を確保し安全・安心の医療・介護を存続していくために新たな公的資金の導入を求める意見を国に提出することを求める請願の採択を求めます。この請願を提出した福井県社会保障推進協議会には、福井県内各地から98もの医療機関・介護事業者から賛同署名が寄せられております。ぜひ党派を超えて、全会一致での採択をお願いいたします。
 さて、先日、社会保険診療報酬支払基金から重大な事実が公表されました。4月中の診療に対する社会保険診療報酬支払基金の医療機関への支払額が前年同月比で10%減少し、延べ患者数も23%減少したとのことです。減少のトップは東京都の18%減少、次は福井などの15%減少です。外来では東京都が23%減少、次が福井県の22%減少です。歯科では東京が26%減少、次が福井県の20%減少であります。人口比でコロナ患者数が東京に次いで多いなどと報道されていた時期でもあり、それが反映した数字とも言えます。
 しかし、東京などではテレワークなどで都外から都内へ通勤の方々の医療機関利用も減少した面も強いでしょうから、福井県の減少状況はより深刻と見るべきでしょう。国民健康保険については、厚生常任委員会の質疑では理事者も承知していないとの答弁でしたが、高齢者加入も考慮すれば社会保険同様かそれ以上の減少と考えられます。つまり、この事実は何を示すのでしょうか。福井県の歯科を含む医療機関では、コロナ禍の下で……
22◯議長(畑 孝幸君) 佐藤君に申し上げます。
 今の討論は議案とは関係ありませんので終了してください。
23◯27番(佐藤正雄君) (続)全国トップレベルでの減収が起こっているということではありませんか。このような結果を受け、全国で最も被害の大きくなっている福井県の県議会としては、全国に先駆けて医療機関支援を国に強く求めて当然であり、医療機関と命がけで働く皆さんの御苦労を踏みにじる不採択などは許されません。あわせて、かかる福井県の状況を踏まえた県独自の支援策も強く求めて討論を終わります。

PCR検査の拡充を。障がい者就労事業所における生産活動活性化事業について。インフルエンザ流行期と新型コロナ対応。国保税減免を。

2020年09月07日 | 福井県政
2020年6月30日 福井県議会厚生常任委員会 健康福祉部関係での佐藤正雄委員の質疑です。

PCR検査の拡充を

◯佐藤委員  最初に、健康福祉部の皆さんには、この間先頭で頑張られて感謝申し上げる。
 PCR検査の関係であるが、今までの質疑を聞いていて、やはりどれだけ必要な人にきちんと検査するかが大事だと思う。この間、福井県でお医者さんからこの人は検査してほしいという要望があったのに拒否したのは何件あるか。要するに、保健所、帰国者・接触者相談センターで拒否された件数は何件か。

◯副部長(保健予防)  先ほどの部長の答弁の中でもお答えしたが、結構早い時期から医師からの要望については全て受ける体制になった。それまでに断った件数は四、五件、保健所との行き違いがあったものについて把握しているが、それ以降については、こちらまで報告としてあがってきたものはないので、全て検査を行ってきたものと考えている。

◯佐藤委員  検体を採る場所を増やすのと併せて、先ほども質疑があったように、検体そのものを検査する場所の確保がないと、詰まってしまうということになるので、かなり増やせるように衛生環境研究センターに機器を増設するという話だったと思う。日本全体で見れば、かなりの部分を民間でやっており、福井県内でも民間でやれるところはあると思うが、その辺はどうか。

◯副部長(保健予防)  県内の民間企業も、以前は東京に検体を全て送り、結果までに約3日から4日かかると言われていた。そういう意味では対応はできていたが、日にちがかかり過ぎて、臨床上役に立たないということで先生方のオーダーはほとんどなかった。その日数について、民間も近隣の検査機関に検査を出せるようになって、2日程度で結果が出るような体制になってきた。民間でも早急に整備を進めてくださっているので、その体制に乗れるように、我々も開業医の先生方に唾液によるPCRの提出を増やしていただけるような体制の強化を図っているところである。

◯佐藤委員  そうすると、衛生環境研究センターでやっていると1日400弱ぐらいが限度になるが、それが例えば800とか1,000とかになる見込みもあるわけか。

◯副部長(保健予防)  数までは正確には申し上げられないが、一つの民間の会社で対応できる件数は、衛生環境研究センターでできる件数よりも多いと聞いているので、倍増以上にはなろうかと思う。

◯佐藤委員  福井県内の大学、研究機関に対しても、文部科学省からPCR検査ができるかという照会が来ているとお聞きした。民間もあるし、実際大学はどうなのかなと、どこでもというわけにはいかないが、検査自体はそんなに特殊な検査ではなから、そういう点では広げられるという面はあると思う。
 衛生環境研究センターの中に自動検査できる装置があるが、それはちょっと古い旧式で使えていないので、新型に入れ替えたいという意向を聞いている。これは実際進んでいるのか。

◯副部長(保健予防)  オートで処理できる機器を希望されている旨は当然把握している。今度、民間の病院で整備させていただくのは、フルオートの機器を予定している。オートにすると検査件数が少し少なくなる部分があるので、衛生環境研究センターでは、今回もう1台PCR機器を購入させていただくが、なるべく数多くこなしていただく必要性から、従来と同じ方法のものを購入していく予定である。

◯佐藤委員  フランス製のものを購入する計画があるという話もお聞きしたが、県としてはそういう計画はないということか。

◯副部長(保健予防)  前処理を行う機器を取り入れて、一番手間のかかる部分を自動化する機器を購入する予定である。

◯佐藤委員  一番はやっぱり人だと思う。民間ももちろん人であるし、公務員もだが、ずっと見てみると、衛生環境研究センターの体制も人数的にかなり減らされている実態がある。20年ぐらい前と比較すると、当時、衛生研究関係で27名、病原菌のチームで3名、ウイルスのチームで3名、その他のチームで3名と9名体制でやっていた。それ以外に環境科学センターがあって、大気とか水質とかをしていて57名体制が、今はひっくるめて33名。ウイルス関係は7名であるから、行政改革もあったのであろうか、この20年間だけでも減っているわけである。当面お金で手当てするのは装置とか、そういうことであるが、今後いろんな感染症もまた来るとかいろいろ考えると、根本的には人を手当てしていかないといけないと思うが、その辺はどうか。

◯健康福祉部長  行政改革ということで、日本一人の少ない県庁であるので、そういうことはそれぞれの部署で発生していることは間違いない。今回PCR検査の24時間体制を組んだが、家畜もPCR検査というのが実はあって、畜産のPCR検査に当たっていた職員の応援を求めて、無理のない体制を組んだということもあった。今はもう戻っていただいているが、衛生環境研究センターの中でも平時の人材は確保できている。急場においては、応援体制を組むことも必要であろうし、今回、各病院にそういったものを置いていくというものも、それができる人材が病院にはいらっしゃるということであるので、そういった人材を有効に活用していきながら検査件数を増やしていこうという考え方である。
 今後だが、これは採用にも関わってくる話であるが、人員の必要数が増えるのか、増えないのか、今のPCR検査というのは、前処理が終わった後は見ているだけになり、前処理を自動化する機器を入れることによって手間も人員のかけ方も少しずつ少なくできるということもあるので、そういったことも活用しながらやっていくということかなと思っている。

◯佐藤委員  今は衛生環境研究センターだけの体制を言っているが、保健所も一緒で、統合されたり人が減っているわけである。要するに、感染症で保健所が窓口になって、保健所は後追いをしないといけないということで、大変だということもあるわけだから、今回のことを教訓にして保健所の体制、研究所の体制というのはトータルで、来年度の予算では積極的に拡充を求めるという方向で部長には臨んでいただきたいと思う。西川前知事が日本一、人を減らした県庁だと自慢したそうであるが、それでは何かいかがなものかと思うので、それは感想になるから答弁は求めないが、そういうふうに思う。
 それから、3ページの生活福祉資金貸付事業であるが、私も話を聞きにいった。かなり需要が高いが、現在の対応状況、件数はどうなっているのか。

◯地域福祉課長  生活福祉資金であるが、4月、5月で1,000件弱の貸付けがなされた。3月終わりから特例貸付けが始まったが、最初の週は申請が50件、次の週は100件というふうに増えていった。現在はほぼ落ち着いてきて、若干減少傾向かもしれないが、まだ減っていくというような感じではない。生活福祉資金で今多く貸付けているのは緊急小口資金で、これは最大20万円で、1か月の収入減を満たすようなイメージである。それを取りあえず借りるという方が多い。売上減であるとか、収入減であるとか、そういったことがこの後長く続いてくると、もう一つ資金の種類があって、総合支援資金、これは20万円を最大3か月続けて借りられるという制度で、まだ数はそれほど多くないが、そちらに移行される方がだんだん出てきている。今後の生活の戻り具合、売上げや収入の戻り具合で、この後どれだけ続いていくか表れてくると思うが、今はまだ見えていない状況である。

◯佐藤委員  話をお聞きすると、昨年度同時期には大体十数件だったのが、今おっしゃったように1,000件ということであるから、物すごい伸びで、それだけ需要があるということで、大事だと思う。
 先ほども人の話をしたが、政府の給付金だったら10万円渡し切りであるし、持続化給付金も例えば100万円なら100万円ということで渡し切りみたいになると思うが、これは、20万円なら20万円、40万円なら40万円を一応返してもらうことになっている。ふだんでは十数件だった申込みが、今1,000件の申込みで、2年たったら一気に回収作業に入るということで、ちょっと想像ができないような作業量になると思う。今年の予算の話ではないが、そういうことも見据えた制度の変更、これは国からのお金であるから、県が勝手に決めるわけにはいかないが、例えば生活困窮者に部分的に支給するパターンにするとか、生活が戻っている人から返してもらう場合に、人の手当てが一体どうなるのかというあたりも心配の材料になる。まだ先の話ではあるが、通常の50倍、100倍という単位でお金を貸し付けて、これが一体どうなるのかというあたり、今後のそういう体制の見通しはどうなのか。

◯地域福祉課長  今たくさん資金が出ているのは緊急小口資金であるが、これは1年据置き、その後2年で償還であるので、最終の償還期限が来るのは3年後である。そのときにどうなるかということであるが、制度上、きちんと通知はされていないが、国の説明では償還期限の時点、3年後であるが、その時点で収入減少が続いていて、住民税が非課税の水準にある方は、償還を免除する予定であるということがアナウンスされている。
 実際に回収時期になったとき、人手がということであるが、それまでに順々に返されていくので、その状況を見ながら対応をしていくことかと思うが、償還免除という点については、国からそういうアナウンスがされているところである。

◯佐藤委員  緊急小口資金は貸付制度であり、こういう緊急時であるから、国でも貸付けにとどまらない制度に少し見直してもらうと、数年後のことではあるが、県や社協の事務量を考えれば、今のうちからその辺を考えてもらうということが大事ではないかなと思ったので、こういう質問もさせてもらった。よろしくお願いする。


障がい者就労事業所における生産活動活性化事業について

◯佐藤委員  8ページの障がい者就労事業所における生産活動活性化事業について資料を頂いたが、実際に福井県内の事業所は160ちょっとあるが、このうちどのくらいの事業所がこの事業の対象になるのか。

◯障がい福祉課長  対象になるのは就労継続支援事業所であって、トータルで162ある。一定程度の売上げの減という条件があるが、まだ詳細が示されていないので、実際にどれだけの事業所が対象になるかは今の時点では不明である。

◯佐藤委員  詳細が示されていないというのは、国の基準が示されてくるということか。

◯障がい福祉課長  そういうことである。

◯佐藤委員  経済産業省の持続化給付金のときも5割という枠で、困っている事業所がたくさんあるという話はお聞きになっていると思う。この場合も、もし5割という基準では本当に困ると思う。全く減っていない、増えているところは対象にならないが、2割でも3割でも減収になっているところがカバーできるように、国の基準であれば国に働きかけていただきたいし、その辺、県の判断で多少柔軟に適用できる面もあるのかなと。要するに経済産業省の持続化給付金枠も国が窓口一本で受け付けているから、ばしっと切られるが、国が受け付けるわけではなく、県が受け付けるのであれば、多少柔軟に対応して、希望する事業所を活性化事業の対象で応援するということも可能なのか。

◯障がい福祉課長  基本的に国の交付金を活用して行う事業であるので、国の要綱に沿った形で実施することになると思う。

◯佐藤委員  分かった。県とか国への要望として販売機会の提供とか、収入が減少している事業所への補助とか、そちらにもいろいろ届いていると思うので、事業所を応援するというスタンスでお願いしたいと要望しておく。


インフルエンザ流行期と新型コロナ対応

◯佐藤委員  今のインフルエンザの関連で1点お聞きしたいが、インフルエンザとコロナというのは症状だけ見ると、せきとか発熱とか区別しにくい。今年の冬はインフルエンザの患者さんなのか、コロナの患者さんなのか、最前線が非常に迷うと言われている。
 先日、県立病院へお尋ねしたときに、どうされるのかと聞いたら、まずインフルエンザの検査をすると。インフルエンザが陰性だったらLAMP法で検査するという2段階で対応するという説明であった。これは何か標準的なやり方として示されているのか。

◯副部長(保健予防)  標準的なやり方が示されているとか、国からこうしなさいと決まっている状況ではないが、多くの先生方は今そういう形で、両方を鑑別するという言い方をするが、区別するために検査をやっている。コロナを否定する、もしくはインフルエンザを否定して、その後コロナをやるというような、そこの機関で行える最短で診断がつく方法を考えておられるのではないかなと思っている。

◯佐藤委員  これまでコロナが蔓延しているとき、普通の医療機関では、病院の中に入る場合の動線を分けてしまうとか、車の中で検査するとか、あるいは県立病院とか日赤に行っていただくということをやったと思う。インフルエンザの場合は身近な町の医療機関で検査して対応できたわけであるが、今年のインフルエンザ流行期には、そういう形での検査は、実際難しくなってくるのか。それともさっき言ったように唾液の検査とか、いろいろ組み合わせて、県立病院とか日赤に全部集中するのはかなわないから、それぞれのところでインフルエンザと分かればそこで処置してもらうとか、その辺りの流れはどのように考えておられるのか。

◯副部長(保健予防)  一般の医療機関においては、まずコロナを先に否定した上で、インフルエンザの検査を行う形にしないと、先にインフルエンザを疑うと、今はまだ唾液でインフルエンザの検査ができるか、はっきり示されていないので、完全防御がとれない形で、従来どおり鼻から採らなくてはいけなくなる。鼻から採るとなると、完全防備が必要になるから、初めにコロナかどうか唾液の検査をやって、1日様子を見てもらい、治りが悪いようであれば次インフルエンザの検査をするという、コロナの検査を優先して行っていく形で、一般医療機関では唾液の検査を含めて検討されていくのではないかと考えている。

◯佐藤委員  いろいろお話もさせてもらっているが、医療機関とかを含めて収入の減がある。今回議会にも要望書とか請願書も出ているが、これはやっぱり深刻だと思う。県立病院の場合は、お聞きしたときは4月、5月とも大体5億円ぐらいマイナス、実際の減少であると3億円ぐらいという話であった。正確な数字はあれであるが、実際に県立病院の3、4、5月ぐらいの昨年比の減収とか、利益のマイナスというのは幾らぐらいになっているか。

◯県立病院経営室長  委員がおっしゃったとおり、4月、5月とも約5億円の減収になっている。合わせると約10億円になっている。

◯佐藤委員  一般的には国に対してきちんと診療報酬を上げるとか、あるいは特別な補填をしてほしいという要望にはなるが、県立病院の場合は、国への要望も必要ではあるが、県の病院であるので、県独自の支援策というか、独立会計であるので単純に補填できるかどうか分からないが、どのように措置されるお考えなのか。

◯副部長(健康政策)  医療機関の減収については、これまでも答弁しているとおり、コロナ患者を受け入れるためにいろんな感染防護策をとったり、人員配置のために休止病床を作ったり、そういう手当てをしていただいている。このことに対しては公費で補填すべきものと考えている。
 その一方で、診療控えということで患者さん自らが感染を恐れて、病院を受診するのを控えるという動きがある。これについては全国的な課題であるから、国に対して何らかの措置を取っていただけないかということを要望している。

◯佐藤委員  一般的な考えは分かった。実際、県立病院に対して、県独自のさらなる支援策というのはどのようにお考えなのか。

◯副部長(健康政策)  今の繰り返しになるかもしれないが、県立病院においてもコロナ患者を受け入れるために病床を潰して人を当てるということを行った。県立病院について特別に補填するかどうかという問題は現時点ではまだ検討段階であるが、ほかの病院でも同じようにコロナ患者を受け入れるために発生した減収があるので、ここにどのような対応ができるかということを検討している段階である。

◯佐藤委員  県立病院も今60日間コロナの患者が出ていなくても、出たときのための対応というか、ベッドを空けてそういうスペースを保ったままにしている。この2か月間そういう体制で、いつ出ても大丈夫なようにしているわけで、それがもとで収入が入ってこないのは明らかである。コロナの患者さんを受け入れたことで、県立病院の患者さんが減るとか、いろんな影響が出ているというように聞いている。だから、トータルで県立病院そのものの経営ということを考えれば、県の責任になってくるわけであるから、国に対する要請、要望とともに、県立病院をいかに守っていくか、支えていくかという点で、もうちょっと踏み込んだ支援もお願いしたいと要望しておきたい。
 それから今回の場合は、県立病院は感染症指定医療機関ということで、一番矢面に立ったという面もあるのかもしれないが、県立病院にはいろんな診療科目があって、コロナ専用の病棟があるわけではない。県外ではコロナ専用の病棟を建てる病院もあるらしいが、県立病院にそんなスペースもないし、これまでどおりいろんな患者さんを受け入れることになっていくと思う。そうすると、例えば県立病院とか、日赤とか、済生会とか、それぞれの病院の役割を明確にしておかないと、とにかく患者が出たら行き当たりばったりでそれぞれの病院で対応する、また県立病院に頼むということでは、ちょっといかがなものかという話もあるわけである。その辺りは、どのように役割分担というか、整理をされていくのか。

◯副部長(健康政策)  第1波の段階において入院コーディネートセンターを立ち上げた。入院コーディネートセンターでは、例えば県立病院であったり、重症患者用の病床を持つ病院になるべく重症な方を集め、それ以外の病院で軽症患者を診ていただくというように、一定の役割分担をしていたので、第2波に向けても同じような考え方で収容をしていただきたいと考えている。

◯佐藤委員  要するに、それはコロナの関係の重症の患者さん、中等症とか、ちょっと軽い患者さんという区分けの仕方だと思う。だけど県立病院は、実際には緊急手術が必要な患者さんはほかの病院へ移して手術をしていただくという措置まで取って、通常の医療体制をストップしたわけである。そして、とにもかくにもコロナ最優先ということで取り組んだ。そういうことはやむを得ないというか、仕方ないという面もあるが、第2波が来たときも同じように県立病院だけが担えばいいのかということを整理しておかないと、公立病院なのだから、責任は公立病院で取れよという話だけでもないと思う。その辺は県の医師会さんとも相談して整理をして、それぞれの医療機関の果たす役割、県立病院もコロナだけを受け入れる専門の病院ではない。ほかの患者さんもいっぱい来られているし、そういう施設が必要な患者さんもいっぱいいらっしゃるわけであるから、トータルの医療をどのように支えていくのかセットで考えないと、とにかくコロナだけ乗り切ればあとは目をつぶろうということでは、県民全体の利益、県民益からすればいかがなものかという議論にもなってくると思う。その辺はどうお考えなのか。

◯副部長(健康政策)  コロナ以外の一般診療の方をどうするかということについては当然コロナ患者と一般診療と両立していく医療体制が必要になってくる。
 具体的に申し上げると、県立病院では、コロナの対応で重症病床をコロナ専用化した。その代わりにバックアップとして福井大学のICUを一般患者用に空けていただくという対応を取り、一旦は3次救命である福井県立病院で受けて、その後、やはり重症で、ICU管理が必要であるということであれば福井大学に送るということをやっている。その他県立病院ではなく、その周辺の市中病院で患者さんを受け入れることができるのであれば、そちらのほうに振るという役割分担を今回の第1波においては取っているので、第2波に向けても同じような考え方を取りたいと考えている。

◯佐藤委員  そういうことでお願いしたいと思うが、福井大学病院の方のお話をお聞きしても、今おっしゃったように、県立病院のバックアップで福井大学病院も大変であったという話も聞いている。看護師さんもコロナ鬱というのか、ちょっと精神に負荷がかかるという話も聞いていて、ある医療機関では、持病があるような中堅の看護師さんで、この機会に退職された方もいらっしゃったと聞いた。みんな負荷がかかっていると思うが、コロナのことを理由にして県立病院を退職された看護師さんもいらっしゃったのであろうか。

◯県立病院経営室長  大分ストレスがかかっていたのは確かのようであるが、実際辞めた方はいない。ただ気持ちとしてちょっとつらいということはあると聞いているが、人事課でメンタルケア専門医というのがあるので、そういった制度を周知したり、障がい福祉課のほうでもストレス関係の事業をやっているので、そういったことも師長会など通じて周知している。

◯佐藤委員  そういう大変な中で、お医者さんも看護師さんもスタッフみんなで頑張っておられるので、さっき言った財政的な面も含めて、支えていただきたい。よろしくお願いしたい。



国保税は引き上げるべきではない、減免を。

◯佐藤委員  先ほど医療機関の減収問題について質問させてもらったが、医療機関が減収になっているということは、患者さんが医療機関に行っていないことと表裏一体なわけである。ということは、社会保険にしても、国民健康保険にしても利用が減っているということだと思うが、市町の国保は4月、5月でどのくらい減っているのか。

◯副部長(健康政策)  申し訳ない。統計として4月、5月にどれだけの診療報酬であるか、あるいは受診人数が何人かというところがまだ明確ではないので、今お答えができない。

◯佐藤委員  いずれにしても相当の減りだということは予測できると思う。福井市は一月で1億数千万円減っているというふうな話を聞いたので、全県的には掛ける2倍か3倍ぐらいかなと思う。
 国民健康保険税も県単位の国保になって、新年度引き上げる自治体もあると思うが、こういう状況のもとで引き上げる理由が果たしてあるのかどうか。算定がもう終わって賦課の時期であるから、今さらどうかということはあるが、その辺は考慮の一つとしては考えられるのではないか。

◯副部長(健康政策)  保険税を賦課する時期であり、今の時点で医療費を見据えて、もう少し安い水準でいいのかどうかは市町の判断になるが、なかなか難しいのではないかと思う。今年度1年間の医療費が見えてくれば、次の保険税改定のときには加味できると考えている。

◯佐藤委員  政府もコロナで収入が減っているということで、3割程度収入が減った人には国民健康保険税を減免しようと、その幅は20%から全額減免まで減額しようということで制度を作った。これの市町への周知徹底と取組はどうなっているか。

◯副部長(健康政策)  保険税減免に関しては、既に保険税減免の規定がある市町を除いて、そうした規定を持っていないところは6月議会において減免の規定を整えるということになっている。その条例制定が終わった後に各被保険者に対して通知を発送するが、そのときにお知らせをし、減免に対応していくと聞いている。

◯佐藤委員  そうすると一度賦課してしまう、要するに税額を計算して、例えばあなたの税額は50万円であると通知を出して、その通知と一緒に前年度と比べて年収が3割以上減っている方は減免の対象になるという通知を入れるということか。

◯副部長(健康政策)  賦課通知の中に一緒に同封していただく、あるいはほかの方法もあるかもしれないが、こちらからは全ての方に周知できるように通知の中にチラシを入れるなりの広報をしていただきたいとお願いをしている。

◯佐藤委員  自営業者も収入が5割減っていれば持続化給付金の対象になるということで、機械的に見れば、そういう申請をした自営業者で、国保に入っている人であれば、みんな減免対象になるということで、かなり幅広い範囲で減免対象になると思う。市町とか県の国保財政に影響するわけではなく、国が全額補填をするわけであるから、そういう点では県民の生活を守る立場に立って積極的にPRして、必要な減免をしてもらうということで、一度の紙切れだけではなくて、市町の広報とか、いろんなやり方できちんと広報して減免申請を受け付ける。減免申請を受け付けた場合に、減免するまでの手続もややこしくするのではなくて、例えば持続化給付金の対象になった人は無条件に減免できるとか、書類など手続を簡単にするなど、簡単に減免ができるようにすべきだと思うが、その辺はどのようにお考えか。

◯副部長(健康政策)  なるべく書類を分かりやすく、記入しやすいようにするという工夫は必要だと思う。具体的にどのような書類を求めるのかを今承知していないので、よく勉強して、簡単にスムーズに書類の提出ができるように市町と協議したいと考えている。

◯佐藤委員  よろしくお願いする。国の関係でも手続が非常に煩わしいということで批判があるのは承知のとおりだと思う。減収して給付金をもらう、あるいは減収して減免してもらうということで、同じような書類を繰り返し提出しなくても、一つの証明があれば減免ができるようにしていただきたいと思っている。
 それと先日、外出自粛ということがあって、この間、介護保険の認定が非常に遅れていると時事通信で報道された。福井県全体ではなく県庁所在地ということで、福井市が全国の中でも介護保険の新規認定件数が大幅に減ったと。青森市とか福井市は3割ぐらい減っているということで、そういう点では、その制度の適用を受けられる人がきちんと申請できていないおそれがあるのではないかという報道であったが、これはどのように把握されているか。

◯長寿福祉課長  介護認定の場合には、調査というか、対象者と面談して、いろいろ状況を確認することが必要になっている関係で、コロナで外出自粛の中、調査がなかなか進まなかったということもあって、認定が遅れているということはあろうかと思う。調査の手法に関しては、国から通知というか、方法の見直し等もあると思うので、そういうところを踏まえ、適切に介護認定が行われるように、市と一緒にやっていきたいと考えている。

◯佐藤委員  例えば時事通信の記事は、敦賀市とか小浜市はなく、県庁所在地だけの記事だったが、福井市が全国で突出して極端に落ち込んだというのは、どういう分析をされているか。

◯長寿福祉課長  その点に関して、特に分析はしていないが、恐らく理由としては、先ほど申し上げた実際の面談調査の困難さに起因するものだと思うので、その辺は市町の実態を確認した上で、いろいろ対応を考えていきたいと思っている。

◯佐藤委員  医療にしても、介護にしても、介護保険料とか、そういうものを払って成り立っている制度であるから、それが必要なときにきちんと受けられないということにならないように、万全の対応で臨んでいただきたいと思っている。




★請願第13号、日本政府に核兵器禁止条約への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願

◯田中(宏)委員長 
 これより、今回付託を受けた請願2件の審査に入る。
 審査は1件ずつ行う。
 まず、請願第13号、日本政府に核兵器禁止条約への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言を願う。

◯佐藤委員  核兵器廃絶問題というのは戦後75周年ということであるが、知ってのとおりアメリカ、中国を初め、北朝鮮の核開発など、私たち日本国民は非常に脅かされている。どこかの国1か所だけなくすということは、なかなか現実的ではないので、包括的に核兵器禁止の条約を作れば、北朝鮮も中国もアメリカも全ての国を対象に核兵器の保有、開発、使用を禁止することができる。
 福井県内でも原爆被爆者の皆さん、私が1981年に大学を卒業して福井へ戻ってきたときは、たしか200人ぐらいおられて、いろいろお話をお聞きした記憶があるが、先日、担当課でお聞きしたら、今県内に44名ということで、大分数も減ってきている。だから、こういう被爆者の皆さんの命があるうちに核兵器のない世界を実現するために採択でよろしくお願いする。

◯兼井委員  核兵器のない世界の実現に向けた関係国との交渉等については、国際情勢などを踏まえ、国が一元的に行うべきものと考える。よって、本請願については不採択でお願いする。

◯渡辺委員  この請願内容は、非常に重要なことではあるが、世界平和の前に様々な課題も多いと思うので、国の状況を見てということで、継続審議でお願いする。

◯田中(宏)委員長  ほかにないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯田中(宏)委員長  ないようであるので、本件に対する質疑、討論は終結をする。
 本件については、継続審査を求める意見があるので、まず、継続審査についてお諮りをする。
 本件を継続審査とすることに賛成の方は挙手を願う。

      〔賛成者挙手〕

◯田中(宏)委員長  賛成少数である。よって、本件を継続審査とすることは否決された。
 それでは、採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は挙手を願う。

      〔賛成者挙手〕

◯田中(宏)委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択とする。



★請願第14号、新型コロナウイルスの影響を大きく受ける医療機関・介護事業所の昨年度収益を確保し安全・安心の医療・介護を存続していくために新たな公的資金の導入を求める意見を国に提出することを求める請願

 次に、請願第14号、新型コロナウイルスの影響を大きく受ける医療機関・介護事業所の昨年度収益を確保し安全・安心の医療・介護を存続していくために新たな公的資金の導入を求める意見を国に提出することを求める請願を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言を願う。

◯佐藤委員  これはいろいろ付け足して言うことはないと思う。この委員会でも先ほどからいろんな議論があった。医療機関の減収、それが医療従事者の給与やボーナスカットになっていくということで、本当につらいものがあるし、第2波、第3波に備えた対策とはならない。国に対して責任ある財政措置を求めるものであり、ぜひ採択をよろしくお願いする。

◯渡辺委員  ここに書いてある内容はそのとおりであって、リスクを顧みず、第一線で頑張ってこられた医療従事者、あるいは介護従事者に対しての支援ということで採択をお願いする。

◯兼井委員  県はコロナ患者受入れのための病床や休床確保の単価引上げ等を国に求めるとともに、医療機関における受診控えによる減収については他業種とのバランスもあり、全国的な問題として経営改善策を講じるように求めている。
 また、介護施設については、国、介護報酬の特例措置を講じており、県は施設における感染対策や通所事業所における訪問サービスへの切り替えに要する経費等への支援を行うとのことである。
 このように県は既に様々な対応を行っているところであるから、本請願については不採択でお願いする。

◯田中(宏)委員長  ほかにないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯田中(宏)委員長  ないようであるので、本件に対する質疑、討論は終結する。
 それでは、採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は挙手を願う。

      〔賛成者挙手〕

◯田中(宏)委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定する。
 以上で請願の審査を終了する。

産業廃棄物処理公社に関して。コロナ禍での原子力防災訓練について。

2020年09月07日 | 福井県政
2020年6月30日 福井県議会厚生常任委員会 安全環境部関係審査での佐藤委員の質疑を紹介します。

産業廃棄物処理公社に関して

◯佐藤委員  産業廃棄物処理公社に関してだが、これまで事業を行っていた業者とは違う業者に変えるということで民間公募されるのだと思う。地元の皆さんの理解が得られていない状況というのは、要するに、これまで事業を行っていた廃棄物処理公社及びその民間事業者に対する地元住民の批判というか、懸念というか、そういうのがあるということか。

◯副部長(循環社会推進)  今までは公社がやっていたが、公社の土地を貸して、民間事業者を公募するということで、地元の代表者の方から了解を得て進めさせていただくということだったが、地区の一部の方からちょっと不安の声があるという話を聞いたので、その地区について役員会等で説明をさせていただいたというところである。
 これまでというよりも、民間がするということに対しての不安があるということであった。

◯佐藤委員  これまでも実際の焼却炉の運営というか作業は、民間事業者がやっていたのではないか。

◯副部長(循環社会推進)  あくまでも公社が実施主体ということで、運転管理の部分について民間に委託していたという状況である。


◯佐藤委員  私が質問したのは、その民間事業者の運営のやり方に対して、住民の皆さんから批判があったということではないか。

◯副部長(循環社会推進)  委託をしていた民間事業者の個別の話ではなくて、民間事業者がその焼却事業をやることに対しての不安ということであった。

◯佐藤委員  これまでも公社の廃棄物の処理、焼却等に関しては、きちんとした処理がなされていないのではないかということで、地元の住民の皆さんからも不安とか批判が出されているというようにお聞きをしていた。実際に焼却炉自体も古いということで、もう使用が不可能だということになって、今回このような公募になっていると思うが、これまでの地域住民の皆さんとの関係、それは公社がやっていたのであろうが、そういう作業は民間業者が請け負ってやっていたという実態があるわけである。そこのところをもうちょっときちんと議会にも説明していただくし、地元の皆さんにも今後はこういう点を改めるということで説明していかないと、やはり納得を得られるということにはなっていかないのではないか。

◯副部長(循環社会推進)  これまでのことについては公社が責任を持って地元に説明をしてきたし、委託業者についてもきちんと管理をしてきたということがある。公社の土地を貸すに当たっても、地主としてきちんと民間事業者にいろんな業務指導をしていくと説明もしたし、今後も改めて説明をしていきたいと考えている。

◯佐藤委員  ちょっと正確な話かどうか分からないが、その民間事業者は事実上、ここの場所でしか営業していないとお聞きした。そうなると、その民間事業者の営業はどうなるのかという問題が出てくるが、その会社はどういう状況になっているのか、今後どうなっていくのか。

◯副部長(循環社会推進)  委託をしていた民間事業者は、産業界からの出資を受けて設立して、公社の設立時から委託を受けていた業者である。公社では処分場の運営をしているので、それを受託して営業している状況である。

◯佐藤委員  しかし、焼却場の営業と比べ、少ない人手で済むということになってくると、従業員の皆さんの雇用は守られるのか。

◯副部長(循環社会推進)  既に希望退職を募って、今は処分場の管理ができる人員体制で営業しているという状況である。

◯佐藤委員  これまで民間事業者に委託してやっていて、その民間事業者のやり方に地元の皆さんからいろんな不安の声や批判もあった。その民間事業者自体は事実上そこだけの仕事ということになってくると、今希望退職とおっしゃったが、雇用が守られないということで、ある意味では働いている皆さんにとっては最悪というような事態にもなってきているわけである。その辺の県の責任はどう考えておられるのか。

◯副部長(循環社会推進)  あくまでも委託をしていたという状況である。受託事業者からいろいろ事情をお聞きしながら進めてきており、希望退職も募って、今はそういう体制でやっていると聞いている。

◯佐藤委員  県がもうちょっときちんと受託事業者に対して指導、監督をしていれば、これほど地元の人ともめるということにはならなかったかもしれないし、焼却炉にしても、もう少し早く入れ替えとかメンテナンス、いろんなことも含めて計画を立てられることもあったかもしれないと思う。そういった意味では、今回こういう形で出されたというのは残念だということだけ申し上げて、この件についての質問を終わる。



コロナ禍での原子力防災訓練について

◯佐藤委員  原発の関連であるが、先ほどの部長報告で、今日関西電力社長がこちらに見えられて、業務改善計画について説明されるというお話があった。今日のマスコミの報道でもいろいろ論評があるが、原子力事業本部などを監督する監査特命役員に2名任命されたが、それぞれ金品受領問題に対するきちんとした対応を取っていないということが書かれている。株主総会でも、社長の信任率は初めて6割を切ったというような報道もある。国民全体としても関西電力に対する信頼、そして株主さんからも関西電力の経営に対する信頼というのは、当然まだ取り戻せていないわけである。県としては、昨日国に報告されたという業務改善の計画についてはどのような評価をされているか。

◯原子力安全対策課長  業務改善計画のことであるが、本日、関西電力の社長から知事のほうに報告があるということなので、そこでしっかりとお聞きをしたいと思っている。

◯佐藤委員  先ほども言ったように、今日のマスコミの報道を見ても、やはりこれでは国民の理解を得るには厳しいのではないかというコメントが載っているわけである。今日社長が来られるが、社長に対して何を言うのか。

◯原子力安全対策課長  状況の説明を昼から受けるので、どういうことを申し上げるかは聞いてからのことかと思う。

◯佐藤委員  実際の舞台はどこなのか、福井県である。先ほど力野委員も福井県の地元がとおっしゃったが、国民が金品受領問題で関西電力に対しての信頼をなくした、この舞台は福井県なのである。その福井県の幹部の方が、昨日関西電力が国に出した業務改善計画、当然内容は御存じであろうが、それに対して一言もコメントできないというのは、いかがなものか。

◯安全環境部長  業務改善計画そのものについても今日お昼から説明があるので、その説明を受けて、県の考え方を述べるということになると思う。3月の終わりに、もともとの業務改善計画を出したときには、関西電力の社長が知事に説明に来た。業務改善計画そのものは電気事業法に基づいて電力会社の指導監督を行う国の責任においてしっかりと評価し、これを国民に説明するという、先ほどの話じゃないが、国の責任があると思う。一方で、地元としては、安全管理の体制が弱くなるようなことになっては、安全の確保に不安が残ってしまう。また、これまで国策に協力してきた地元とどう透明な形で共生していくのかということも3月に申し上げているところである。当然この3か月間、どういった考え方で関西電力が臨んできたのかというような報告が、関西電力からあるかと思うので、それを聞いてまた対応を行うということかと思う。

◯佐藤委員  関西電力との関係では、使用済燃料の問題でも約束の期限というのは年内だったと思うが、この点も含めて、今日は確認されるのか。

◯廃炉・新電源対策室長  中間貯蔵施設の県外立地については、3月のときにも森本社長から、社長自身が強い覚悟を持って取り組むと言われている。知事からも約束の年にきているので、立地地域との信頼関係を回復するためにも確実に実行してほしいと言っているので、そこは今日も確認はしていきたいと考えている。

◯佐藤委員  関西電力の使用済燃料はそうであるが、日本原電と原子力機構の使用済燃料については、県はどういうスタンスであるか。

◯廃炉・新電源対策室長  日本原電については、中間貯蔵はむつのほうに持っていく計画になっているし、原子力機構の使用済燃料については、まず「ふげん」は文部科学省がフランスのオラノサイクル社と契約をして、2023年度までに輸送キャスクを製造して、2026年度までに燃料466体を全て搬出するという計画となっている。「もんじゅ」は、これからの検討ということで、国がしっかり検討して進めていくことだと考えている。

◯佐藤委員  日本原電は、いつ使用済燃料の搬出を完了するのか。

◯廃炉・新電源対策室長  使用済燃料は基本的には六ヶ所で再処理をするために搬出するというのが大前提である。その上でむつの整備が出来次第、搬出するという計画だと認識している。

◯佐藤委員  中間貯蔵問題では、むつ市は関西電力の計画に市長さんも含め大反対という報道もあったので、その後どうなっているか分からないが、いずれにしても使用済燃料の問題は曖昧にはできないと思う。
 西川前知事のときには、県としては発電を引き受けたが、使用済みの燃料は引き受けていないと。杉本知事も基本的には同じスタンスであるが、地元の立地の町長さんからは、敷地内で乾式貯蔵するのも選択肢ではないかという提案もあるわけであるが、これは県としては受け入れないということでよいか。

◯廃炉・新電源対策室長  乾式貯蔵については、地元の首長の方から一つの選択肢であるということを言われているのは認識している。ただ、県としては使用済燃料というのは全て再処理するために県外に搬出するということであるので、まずそれをしっかり進めていくということだと考えている。

◯佐藤委員  先ほど説明があった、8月に行う原子力防災訓練であるが、これはどういう想定と規模で行う予定であるか。

◯危機対策・防災課長  8月27日木曜日に、原子力防災訓練を予定している。中身については、新型コロナウイルス感染症対策も踏まえた住民避難を一応予定はしてはいるが、密になったりすると感染拡大といったこともあるので、住民避難の規模といったところを今検討しているところである。
 対象については、大飯発電所と高浜発電所の両地域を対象にした訓練を予定している。今申し上げたとおり、避難所の運営訓練であるとか、大飯発電所と高浜発電所が同時に被災した場合のオフサイトセンターの統合訓練といったところを中心に予定をしている。

◯佐藤委員  そうすると地震か何か分からないが、地震と原発事故という、これまでの想定と、コロナ感染症がはやっているという、要するに3つ想定した訓練ということであるか。

◯危機対策・防災課長  まだ調整をしているところであるが、基本的にはそういう内容での訓練になろうかと思う。

◯佐藤委員  これまでの地震と原子力発電所の事故の訓練も、実際の大地震のときに住民が避難できるのかというような声は、地元の皆さんからも寄せられていると思う。そのたびにいろんな検証もされていると思うが、今回はコロナ感染症も流行しているという想定でこの訓練をやられるということであるから、先ほど言ったように、避難場所や避難所も密になってはいけないとか、これまで以上にいろいろ厳しい想定にはなると思う。その辺はどのようにクリアするのか。つまり、参加者を減らしてクリアするつもりなのか、それとも、一定の参加者を見込みながら、住民に納得できるような訓練の内容にするつもりなのか。

◯危機対策・防災課長  住民避難の訓練については、一旦、一時集合場所に集合していただいて、そこからバスに乗って避難するという想定で考えている。一時集合場所で密になるのもいけないので、住民の方の参加は少し配慮させていただいて、規模は縮小という形での実施を今のところ検討している。

◯佐藤委員  訓練としてうまくやろうと思えばそういう考え方になると思うが、それでは住民の懸念というか、実際に役に立つ訓練なのかと。県議会でも訓練をやるたびにここがおかしいのではないかという議論がいろいろ出されたと思うが、人の数を減らして訓練をやって、三密にならなかったねというのでは、逆に言うと何のための訓練なのかと。実際3つの条件、コロナと大地震と原発事故とか、そういう状況のときに、本当に大丈夫なのかということにもなる。だから縮小してやって、うまく訓練としての成果を出すということを目標にした訓練だけではなくて、もうちょっと考える必要があるのではないか。

◯安全環境部長  原子力防災訓練については、先ほどの報告のとおり、8月27日で考えている。新型コロナのことについては、第1波は収束したところだが、大都市部では感染者が増えている状況もあり、訓練そのものに集まることに対する第2波への懸念にも答えていかなければいけないという中で、どういう形で訓練ができるかを考えている。
 その中で申し上げると、大飯、高浜については、一昨年であるが訓練を行った。そこで出てきた課題の検証というものがまずあると思う。その上で今年、新型コロナウイルスの対応、これは一般防災も一緒であるが、避難所での過ごし方というところも検証していきたい。参加する方の健康に配慮しながらも、万が一のときの原子力災害に対する避難なり、対処の仕方という手順を確認していく。この両方をかなえるためにどういう訓練の規模であるとか、内容がいいかということを現在検討しているところである。

◯佐藤委員  説明は分かるが、今言ったように、これまでも実際に事故が起こったときに、こういうことで大丈夫なのか、これでは実際の事故には間に合わないのではないかという声は、皆さんのところにも再三届いていると思う。私ども議員のところにも、私どもは見学させてもらったりしているので、そういうことが実際にある。今回これまでより、もう一つコロナという条件を加えて訓練をやるのであれば、訓練としてはスムーズにうまくいったという評価ができなくても、住民を安全に避難させることができなかったということになっても、逆に言えば、こういう課題がある、コロナのときにはこういう対策がもっと必要だということを明らかにする訓練があってもいいと思うわけである。
 また兵庫県とか県外へ避難する場合に、福井から来てもらっては困るというような話も出るかもしれない。だから、通常の原子力防災訓練で立てた計画が、全国的なコロナの蔓延、今はちょっと収束して、またちょっと部分的に広がっているが、もし緊急事態宣言が出されているような状況で事故想定となったら、これまでの県外避難計画も役に立たないというような、向こうからもちょっとごめんなさいと言われることもあり得るということも考える必要があるのではないか。

◯安全環境部長  原子力防災、一般防災も同じだと思うが、防災というのは絶えずその確認をして、少しずつ進化をさせていくことが重要かと思う。避難所のことについては代表質問でも答弁させていただいたが、一般防災と同じように避難所における新型コロナ対策を行うということで、密を避けるような対応ができることにはなっている。
 一方で、訓練の手順であるとか、そこで出てきた課題を次にどう生かしていけるのか、県民の方に分かりやすく訓練の実態を説明していけるのかということも含めて、訓練の内容を考えてまいりたい。

◯佐藤委員  要するに、県を越えた移動を自粛していただきたいということを今回やってこられたわけであるから、災害時はそれを取り払おうということになるかといえば、そう単純な話ではないと思う。もちろん成功してうまくいったという訓練になるにこしたことはないかもしれないが、たまたまうまくいかないことがこれだけあるということを逆に明らかにして、国に対してもいろんな対策を求めるということも必要だと思う。前から言っているように、そういう危ない原子力発電所なら、コロナ感染症が蔓延しているときには原発の稼働を一旦停止するという選択肢もありだと思う。その辺はどうか。

◯安全環境部長  当然今、事業者は平常にも増して安全対策を講じているところである。その中身については我々も確認をしているところであるが、この対策にも終わりがないわけで、日頃からしっかりと新型コロナウイルスの対策を行う中で、安全管理に努めていただきたいと思うし、我々もそれを求めていきたいと考えている。


災害時対応での自治会長の補償は

◯佐藤委員  福井市の話にもなるが、今年4月から災害時の町内会長、自治会長の万が一の場合の補償が変わった。これまでは準公務員的な扱いで、例えば自治会長さんが災害時に町内の人を助けて、おぶって転倒して、けがをしたら公務災害という扱いであったが、これからはそういう扱いにならない。市役所とか消防団とか、そういう指示命令系統の中で作業したならともかく、町内会長が自主的に町内の人を助けてけがをしてもそれはあなたの自己責任という制度に変わったと聞いた。県内17市町、災害時の自治会長さんのそういう災害補償はどうなっているか。

◯危機対策・防災課長  申し訳ない。その資料を持ち合わせていないので、また調べさせていただきたいと思う。




新型コロナ禍、医療機関への支援を。学生支援について。公共施設での名簿提出と個人情報保護の問題。夏季授業にはエアコン利用制限すべきではない。

2020年09月07日 | 福井県政
2020年6月24日におこなわれた佐藤正雄議員の一般質問です。

◯副議長(島田欽一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 佐藤君。
 なお佐藤君より、資料を使用したい旨の申出があり、これを許可いたしましたので御了承願います。
    〔佐藤正雄君登壇〕

43◯27番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。新型コロナ危機の下で、医療・介護など感染症と最前線で向き合っておられる皆さんをはじめ、日々頑張っておられる全ての県民の皆さんに敬意を表しながら、この間いただいた声を基に質問してまいります。

医療機関への支援を

 まず、今回の国と県の事業で医療従事者に5万円から20万円の慰労金支給は、新型コロナ感染症第1波の最前線で御苦労された皆さんへの気持ちの表し方として大事なことだと思います。
 一方、医療機関自体は県立病院でも4月だけで昨年比5億円近い減収となっているとお聞きしましたが、新型コロナの患者を受け入れた医療機関でもそうでない医療機関でも軒並み大幅な減収となって、危機的な状況にあることは福井県医師会の発表でも明らかにされました。県立病院に関しては、お手元に配付した資料で、いかに県立病院が本来果たすべき医療が抑制されたか明らかです。治療すべきは新型コロナだけではないわけで、このことも今後は十分検討されなくてはならないと思います。
 ともかく、働いている皆さんへの慰労金とともに、新型コロナで大きく財務が毀損している医療機関本体への財政支援が急務です。これは融資だけでは、第2波、第3波を考えれば乗り切れるものではありません。東京などでの試験的な抗体検査結果では、抗体を持っている方は0.1%程度です。まだまだ感染爆発の余地があると見なくてはなりません。だからこそ、ここで医療機関と医療従事者、介護事業所を支えなくてはなりません。
 医療現場の医師、看護師、事務職の皆さん方の声もお聞きしてまいりましたが、「感染の危険の中で一生懸命に働いても給与やボーナスが減るのでは心がもたない」との叫びであります。今回、県議会に請願されている福井県社会保障推進協議会には、多くの医療機関、介護事業者から切実な訴えが届けられているとお聞きいたしました。例えば「給与の支払いや借入金返済にも影響が出てきている」、「事業者の自助努力だけでは新しい生活様式の継続は非常に困難。収益を減らして継続して運営している状況です」、「介護崩壊が起こる前に一刻も早く必要な手当てをお願いします、助けてください」などなどの叫びです。医療機関、医療従事者などに感謝の心とともに、それに見合うものが必要であります。
 そこでお尋ねします。県として国に対して、歯科も含めてコロナの影響での減収に苦しむ全ての医療機関への昨年比実績での概算払いや診療報酬引き上げなど、公的支援を求めるべきではありませんか。
 また、県独自で医療機関、介護事業所への支援を行うべきではありませんか、知事の見解をお尋ねいたします。
 また、慰労金の支給で院外薬局は対象にならないのではとお聞きいたしました。もともと政府の方針で医薬分業が進みました。薬局にも発熱の患者さん含め来られるわけですから、新型コロナとの緊迫した取組は薬剤師の皆さんも同様であります。
 国の制度設計の中でカバーできないのであれば、今回は県独自に薬剤師はじめ院外薬局スタッフも対象として慰労金を配るべきではありませんか、お尋ねいたします。


 ところで、医療機関の経営課題として消費税があります。患者の支払う医療費からは消費税を預からないのに、医療資材などに係る消費税は納税の負担を負わなくてはならず大きな負担となっております。例えば県立病院の消費税納税額は、平成22年度は約2,900万円、8%増税後の平成27年度には約4,800万円、10%増税の令和元年度には年度途中の増税でありますけれども約5,400万円の消費税額となっております。
 医療費には消費税がかからず、患者転嫁していない医療機関への支援策の一つとして、暫定的でもこの不合理な医療機関の消費税納税を免除する措置を国に求めるべきではありませんか。それだけでも消費税分を給与やボーナスなどの資金に回すことができるわけです。

 次に、社会保険料算定の基礎となる月額報酬算定についてです。
 これは毎年4月、5月、6月の3か月間の給料や報酬を元に、1年間の標準報酬月額を決めて社会保険料を算定するものです。今回は、コロナの影響でこの月の収入が大幅に減少した、歩合制などで働く労働者も多くいます。経営者の皆さんは月額報酬算定が下がると見ていましたが、国は7月1日時点で休業要請していない事業者は従前の、つまり昨年の4月、5月、6月の数字を使うとの方針です。こんな手法では、コロナ禍で会社も労働者の収入も大きく減少している場合でも労使双方が支払う社会保険料負担は変わらないことになります。
 私が日本共産党の藤野やすふみ衆議院議員を通じて問い合わせたところ、厚生労働省は、「前期の営業収益の落ち込みを補償する制度はありません。給与水準が変われば、保険料改定の手続を取って保険料を引き下げることができます」という回答でした。保険料負担を下げたいのであれば、給与を下げればいいではないかと言わんばかりのひどい話であります。
 ある経営者の方は「これまで真面目に国に税金を払ってきてよかったとはとても思えない」と怒りをあらわにされておりました。この会社では、年間の社会保険料負担は数百万円だそうですが、むしろこの負担を軽減するほうが、1回100万円とか200万円とかの持続化給付金の手続に手間をかけるよりも、社会保険料負担分を回転資金に回せてメリットがあると話されました。
 中小企業の事業継続支援の観点から、県としても実態に全く合わない月額報酬算定の見直しを国に求めるべきではありませんか、お尋ねいたします。


学生支援を

 次に、学生支援について質問します。
 県立病院で看護実習を行う県立看護専門学校では、県外に出てはいけません、県外に出たら2週間自宅待機です、県外の親戚の法事にお参りしたら2週間自宅待機になりました、アルバイトも禁止です、お金が大変ですと、こういう状況があるとお聞きいたしました。感染症対策で、実際の県立病院の中に、学生から万が一にでもウイルスを持ち込ませないための対策だと思います。
 しかし、単純に2週間の自宅待機ではなくPCR検査を行い、自宅待機の期間を短縮することなどはできないのでしょうか。
 また、アルバイト収入が重要な生計を占める看護学生に対する独自の支援金などの支援策をつくるべきではありませんか。例えば、国の休業支援金はアルバイトでも対象になるわけです。看護学生の場合は、アルバイトを休業せざるを得ない事情を、いわば県の側がつくり出しているわけですから、ここは県が責任を持って、本来受け取ることができる休業支援を行い、将来の看護の担い手支援を行うべきではありませんか、お尋ねをいたします。
 また、県立大学の前期の学費の納期限を5月12日から7月末に延期するとか、学費減免などが提案されており、歓迎いたします。授業料減免は昨年43人が受けたそうですが、今年は140人と3倍以上となっていることから見ましても、コロナによる本人、あるいは御家族の生活への影響がうかがえるわけです。福井大学でも国の緊急支援金を受ける学生が330人ともお聞きいたしました。
 そこで、コロナで生活が大変になっている学生をバイトで雇用することを県庁や教育委員会は打ち出しておりますけれども、生活支援での公的バイト創出ではせめて時給を1,000円以上にすべきではありませんか。
 また、民間がこのような学生をアルバイトで雇用する場合に時給1,000円以上なら、例えば300円程度は県が支援するなどの制度創設を提案いたしますが、見解をお尋ねいたします。


公共施設での名簿提出と個人情報保護の問題

 次に、公共施設での名簿提出と個人情報保護の問題で質問いたします。お手元に資料も配付をいたしております。
 県内の公共施設では、コロナウイルス感染症対策として入館の際や会合の参加者に、氏名、住所、連絡先などの名簿の提供を本人や会合主催者に求めるところが増えております。全国的にも名簿の提供を求めるところ、求めないところ、自治体によって対応はばらばらであり、このことは何か法的に強制力があることではないこと、任意であることの証左だと思います。
 2008年3月の最高裁判決でも、憲法13条によって保障された個人の私生活上の自由の一つとして、何人も個人に関する情報をみだりに第三者に開示または公表されない自由として確立しております。つまり、個々人がどういう趣味を持っているのか、どういう宗教や政治活動に関心があるのかなどについて、これまでは、ある歌手のコンサートに行っても、ある画家の絵画展に行っても、ある方の講演会とか、あるテーマの集会に行っても、名簿化されて施設側に提供されることはなかったわけであります。こういうことに関する個人情報の提供が強制されることは、憲法上の思想信条の自由、集会の自由などへの侵害につながりかねない懸念を含むと思われます。
 しかも、県の施設では、名簿の保存期間はばらばらであります。2週間という施設もあれば1年間、3年間、5年間と、コロナウイルス対策を口実に異常に長い名簿の保存期間を定めているところまで多数あります。
 そこでお尋ねいたします。県の施設で保存期間がばらばらな問題、ましてや新型コロナ対策と称してウイルスの潜伏期間をはるかに超える長期間にわたり名簿を保存することは、新型コロナウイルス対策とは全く関係のない悪乗りの措置ではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 そこで提案します。新型コロナ対策と参加者のプライバシーや集会などの自由の観点を考慮すれば、一つは、個人で入館した方の名簿は施設側で管理をする、ウイルスの潜伏期間、いわゆる15日間程度が過ぎたら、これはもう処分をすると。二つ目に、団体などが主催した催しの場合は名簿などの管理はその主催者が行う、施設側への提供は求めないとすることを求めます。こうすれば、仮にある期日にその施設を新型コロナ感染者が利用していたことが判明した場合、個人には施設側の責任で、団体利用者には主催者側の責任で連絡が行きます。団体利用者から感染者が出た場合には、直ちに施設側に連絡してもらうことも当然であります。
 このようにすれば、感染症対策と集会の自由など、憲法上の要請の両方をクリアできると考えますが、見解をお尋ねします。

教育行政。学校エアコンの活用

 次に、教育行政について質問いたします。
 まず、県立学校への1人1台のタブレット配付について質問します。
 現場の先生方からは、「いろいろ予算が下りてくるのはいいが、設定作業やメンテナンス作業も含めた予算にしてほしい」、「環境や設備がよくなれば、それだけ情報担当者の負担が増える。情報担当者が担うなら、その分加配が必要だし、それより専門の知識を持った外部の方に委託をお願いしてほしい。とにかく現場は今でも人材が足りないんです」と、こういう声をお聞きいたします。
 さらに、貸与ですから、卒業後には返却を求めるのでしょう。私たちのスマホなどもそうですが、問題は数年間使い続けたタブレットには膨大な量の文書、写真、ネットの閲覧記録、メール記録などが残されている可能性が高いことです。現在は情報担当教員が初期化作業を原始的な手作業で行っているようですが、機器が100台、200台となれば大変な作業です。個人情報漏えいの危険も高まります。
 個人情報漏えいなどの事故が起こってからでは取り返しがつきません。このようなデータ消去、初期化などの作業は教員任せではなく、県が一括して専門業者と契約すべきではありませんか。そして、そもそもこのような個人単位の機器を大量導入するのであれば、最初から設定やメンテナンス込みの予算と契約にして、現場の情報担当教員の負担とならないようにすべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 次に、夏休みの短縮についてです。
 これまで電気代の節約から、学校のクーラーについては使用に制限がかけられております。夏季休暇中の授業となれば、従来の方針を転換し、熱中症予防のためにも授業中のクーラーの使用制限などは行うべきではなく、充分な光熱費を学校現場に措置すべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 次に、池田町中学生指導死事件についてです。
 6月15日、御遺族が県と池田町に対して損害賠償請求の訴訟を起こされました。この事件は県内外に大きな衝撃を与えましたが、県議会としても2017年12月議会において、二度とこのような事件を起こさないために、県の教育行政の在り方を根本的に見直すよう求める意見書を採択いたしました。
 県は、遺族代理人からの国家賠償請求する旨の書面に対して、今年2月に「池田町と遺族の協議を見守りたい」、「池田町が国家賠償法上の責任があると認めるのであれば、責任はあると考えます」などと回答したと訴状には書かれております。
 そこでお尋ねします。県議会の意見書で指摘しましたように、この事件は池田町固有の教育行政の責任ではなく、県のそれまでの教育行政全体の責任を問い、是正を求めました。属人的なことでも校長はじめ教員の人事異動や研修は県教委が行っております。その点では、「池田町と遺族の協議を見守りたい」とか「池田町が国家賠償法上の責任があると認めるのであれば、責任はあると考えます」と、こういう説明では、当時の県の教育行政についての責任感を感じ取ることはできません。この点をどう考え、原告側への回答文書の真意はどこにあるのか、お尋ねいたします。

長期ビジョンについて

 最後に、長期ビジョンについて質問いたします。
 先日、福井商工会議所でお話をお聞きした際に、「感染症と人類の闘いは環境破壊への取組など世界全体で取り組むべき。こういうときに国同士が争っている場合ではない。経済界もコスト優先、海外生産からの脱却、見直しを考えることが必要だ。経済活動も今後変わっていく。そういう点での備えが必要と考えている」とお聞きいたしました。新型コロナの取組では、「先が見えないのは厳しい、事業転換を考える機会でもある」ともおっしゃいました。
 もともと私は、長期ビジョンそのものは、新幹線推進や原発活用などの骨格で賛成できない点があるわけですが、この点を脇に置いても、ポストコロナを見据えた計画として微調整にとどまるのではなく、大本の理論づけがこれでいいのかの検討が必要ではないでしょうか。このことは国内外の多くの経営者らも「コロナの前の社会に戻ることはない」との認識を示していることからも明らかであります。
 ゴリラなど霊長類の研究で著名な京都大学総長の山極壽一先生は、「資本主義が利潤をあくまで追求し、そのための自然破壊をためらわない。コロナ禍の下で誰もが資本主義は限界だと感じているのではないでしょうか」と、ずばり指摘をされています。
 新型コロナパンデミックは、社会の在り方の全体を深いところから問うものとなっております。このときに従来の発想での長期ビジョンでいいのかも問われてくるのではないでしょうか。国と国との経済活動や観光など交流の在り方、企業経営や労働者の働き方、個人の生活様式などなどが今後数年、10年、20年でどうなっていくかは、少なくともコロナの第2波、第3波が終わった後でないと十分見通せないのではありませんか。
 第2波は第1波より被害は大きくなるとの予測も出されております。議論を重ねてきた長期ビジョンではありますが、コロナ禍の最中に議決を求めるのはタイミングが悪いのではありませんか。
 また、コロナ禍での原発事故時の避難計画、避難所確保などの不十分さを考えれば、日本科学者会議なども提言していますように、コロナ禍時には原発停止や3密となる作業の中止を含めたビジョンとすべきではありませんか。
 以上、知事の見解をお尋ねし、答弁を求めます。

44◯副議長(島田欽一君) 知事杉本君。
    〔知事杉本達治君登壇〕
45◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、コロナ禍における経営・生活支援の中で、国に対して減収に苦しむ全ての医療機関への公的支援を求めるべきではないか、また、県独自でも医療機関や介護事業所への支援を行うべきではないかといった点についてお答えを申し上げます。
 まず、おっしゃられるとおり、このコロナ禍においても県民の皆さんが安心して医療を受けられる、介護を受けられる、そういう体制をずっと続けていくのは極めて重要なことだというふうに思っています。そういう意味で、今回のコロナウイルス対策などによって生じている医療機関等の減収についても十分に手当てをしていかなければいけないと考えているところでございます。
 まず、医療機関について、大きく言うと二つの原因で減収が生じているだろうと思います。一つは、コロナの患者さんを受け入れて治療をすることで、例えば病床を空けざるを得ないとか、もしくは手術ができないとか、または救急を停止せざるを得ない、こういった形で直接的な影響を受ける部分というのがあると思います。こういったものにつきましては、全体としては公費でそこを補填していくということは必要だろうということで、これに対しては国に対して要請もしておりますし、県としましても、今回の6月補正ではとりあえず休床の部分の補償もやらせていただいております。その他の先ほど申し上げた手術とか救急の停止とかの影響についても、引き続き単価の引き上げや診療報酬の見直し等を進めるように国にも申し上げますし、県としても配意してまいりたいと思います。
 もう一つ、受診控えと言われるものについての減収、これは全国一律に広く起きているものでございまして、このノンコロナの部分につきましても、これは国全体としてどういうふうに医療を守るのか、こういった点については特に厚労省に対して申し上げていきたい。先日も自見政務官に直接そういった要請もさせていただきました。引き続き我々としても努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 介護施設につきましては、主に通所の施設で影響を受けているわけですけれども、アンケート等を行わせていただいたところ、国において報酬の見直し等も行われている関係もありまして、多いところで10%前後というような減収になっております。そういうことで県としては、まずは通所を訪問に切り替えるときに費用がかかるとか、消毒対策等をするということについての経費がかかる部分に助成等させていただいております。また、これが長期化してきたときにどうするのか、国の対応も見ながら県としても検討していきたいと思っております。
 続きまして、長期ビジョンの策定について、この最中に議決を求めるのはタイミングが悪いのではないか、また、原発停止とか3密となる作業の中止を含む内容にすべきではないかといった点についてお答えを申し上げます。
 長期ビジョンにつきましてはこれまでも御説明申し上げておりますけれども、市町別とか分野別とか、いろんな形で県民の皆さんの御意見を伺ったり、アンケートも取らせていただいたり、また、県議会での御意見も何度も伺っているところでございまして、その都度できるだけ反映させていただいているところでございます。
 また、今回のコロナウイルス感染症の拡大を受けまして、例えばコロナ後──アフターコロナを見据えて、一つには分散型国土をつくっていく必要性がある、さらには働き方が新しい形になって、働く場所にこだわらないライフスタイルが可能になっているといった点を踏まえて今回書き直しもさせていただいておりまして、具体的にも大学とか、それから企業が地方に分散する税制のお話とか、また、新しい働き方改革、さらには感染拡大防止の具体策等も書かせていただいているところでございます。
 一方で逆に、ある意味地方にとってのチャンスの時期にビジョンがないままに物事を進めていくのか、また、新幹線を含めて百年に一度の基盤整備のチャンスを迎えているときでございますので、できるだけ早期に長期ビジョンは策定させていただいて、福井県内のまちづくりや観光地の磨き上げを進めていきたいと考えているところでございます。
 原子力政策につきましては、これは安全第一、最優先ということは明記させていただいております。その上で発電所内、それから避難のときの感染リスクということがあるのであれば、これについては個別に十分対応してまいりたいと考えているところでございます。
 そのほかについては、担当より御答弁申し上げます。
46◯副議長(島田欽一君) 総務部長近松君。
    〔総務部長近松茂弘君登壇〕
47◯総務部長(近松茂弘君) 私からは2点、お答え申し上げます。
 まず、県庁、教育委員会で学生のアルバイト雇用を行っていることにつきまして、生活支援での公的バイト時給を1,000円以上にするべきではないか、それから、民間が雇用する場合に時給1,000円以上であれば例えば300円支援するなどの制度創設についてということにつきましてお答えさせていただきます。
 新型コロナウイルスの影響によりまして経済的に困窮している大学生などを対象に、事務補助などに従事いたしますアルバイト──会計年度任用職員でございますけれども、これを15名程度募集させていただきました。これにつきまして30名応募がございまして、選考の結果、全員を採用するということにしたところでございます。こちらにつきましての報酬でございますけれども、4月に会計年度任用職員に移行いたしました事務補助に従事する職員と同等の時給900円を勤務の対価として支給しておりまして、水準といたしましては適正な水準ということで考えてございます。
 国におきましては、学生支援緊急給付金に加えまして新たに授業料等の軽減措置を設けたところでございまして、県立大学におきましても独自の授業料減免制度を創設しておりまして、学生の継続的な学びというところを支援しているものでございます。その上で、学生をアルバイトとして雇用いたします学生版ニューディール、こちらにつきましても引き続き、県だけではなく市町、各大学などの御協力もいただきながら展開してまいりたいと考えている次第でございます。
 続きまして、県の施設で名簿の保存期間がばらばらであること、また、ウイルスの潜伏期間を超える保存が対策として適切であるか、また、潜伏期間を過ぎたら処分すること、団体主催であれば施設への名簿提出を求めないということについてのお答えでございます。
 県内の公共施設におきまして収集しております個人情報を記載いたしました文書につきましては公文書でございまして、県の文書規定におきまして、公文書の保存年限につきましては最短でも1年ということで定められているところでございます。
 もとより各施設が収集いたしました個人情報につきましては、当該施設の管理運営上の必要性に基づく判断でそれぞれ管理するというものでございますけれども、以前から入館者に関する情報を収集しておりました施設は除きまして、新型コロナウイルス感染症対策という趣旨で必要最低限の個人情報を収集し始めた施設につきましては、できる限り保存年限に違いがないということが望ましいと考えておる次第でございます。
 そのため、県が管理いたします公共施設につきましては、コロナウイルス感染症に係ります個人情報の保存年限は1年を目安とするよう改めて周知をいたしまして、また、指定管理施設につきましても1年を超えているものにつきましては県の取扱いを参考とするように、所管課を通じて周知をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、コロナウイルス感染症対策として記入をお願いする様式、こちらのひな形として各施設にお示ししているものにおきましては、代表者の氏名、住所、それから連絡先を記入するということになっておりまして、個々人の名簿の提出というところにつきましては求めていないところでございます。
48◯副議長(島田欽一君) 健康福祉部長窪田君。
    〔健康福祉部長窪田裕行君登壇〕
49◯健康福祉部長(窪田裕行君) 私からは3点、お答えをいたします。
 まず、院内薬局について、慰労金の対象となっていないという状況を受けて、県独自に薬剤師をはじめとした院内薬局スタッフにも慰労金を配るべきではないかという御提案でございます。
 この、国の新型コロナウイルス感染症に対応します医療従事者への慰労金交付事業につきましては、まず病院、診療所、それから訪問看護ステーション、それから助産所、ここが対象になっておりまして、こちらに勤務される医療従事者の方は交付対象となっておりますけれども、おっしゃいますように薬局は対象外ということでございます。
 この制度が明らかになりましたときに、私どもは国に、どうしてこういうふうになっているのかということを尋ねております。それに対しまして国の回答は、薬局での患者さんへの対応というのは、今挙げましたほかの機関では直接患者さんに触れて対応するということがあるんだけれども、院内薬局ではお話はするんだと思いますけれども直接患者さんと接触するということがないという、そういう意味で感染リスクであるとか精神的な負担が軽いということで除外したと、そういう回答を国のほうからいただいているわけでございます。今回の福祉施設も含めて、慰労金の考え方の基本的な考え方はこういうところにあるのだろうと私どもとしては理解をしているところでございます。
 これとは別に、6月16日に国の感染拡大防止等支援事業の概要というのが明らかになりましたけれども、この中で、こういう院外薬局を含めまして、薬局で今年度に入ってから感染防止対策のために費用が生じた場合には、1施設当たり最大70万円の給付ができるという概要が明らかになりました。まずこうした制度を県内の薬局の皆さんにお知らせをしていくと。県独自の慰労金ということではなく、まずこの制度を広める、活用の周知ということから始めていきたいというふうに考えております。
 次に、消費税を患者転嫁していない医療機関への支援策、消費税の納税を免除するような措置を国に求めるべきではないかというお尋ねでございます。
 御指摘の中にもありましたように、患者さんが支払う医療費は診療報酬に基づいていますが、これについては非課税、消費税がかかっていないにもかかわらず、病院はいろいろ物を購入するというときには消費税を払わなければいけないということで、その負担をどういうふうにするのかという問題だと思います。
 医療機関における消費税負担につきましては、制度的には、診療報酬の中で一部補填されているというような算定方法になっているように伺っております。けれども、ちょっと古いですが平成28年度に国が行った調査によりますと、その補填割合は病院全体では平均約85%程度ということで、残りの15%は病院が負担しているという状況にございます。特に公立病院におきましては、民間に比べて比較的外部委託というものが多くなっておりまして、そういう場合には、先ほど85%であった数字が70%ほどしか補填されていないという状況になっておりまして、より公的病院の負担というのが大きくなっている状況にございます。
 こうしたことから、全国自治体病院開設者協議会というのがございますが、こちらのほうで従来から診療報酬による100%の補填、それから、場合によっては病院が支払っている消費税の還付など、そういう抜本的な税制改正の要請をしてきております。全国の自治体、病院開設者はたくさんございますので、こういったところと手を組みながら、県としても引き続き国に対してこういう要請はしていきたいというふうに思っております。
 3点目、県立看護専門学校の話でございます。
 県外に出た学生の自宅待機の期間を短縮できないのか、それからアルバイトができないということで、看護学生に対する独自の支援金を設けるべきではないかというお尋ねでございます。
 県立看護専門学校の学生につきましては、実習先の医療機関がございます。これはしょっちゅう実習に出るわけでございますけれども、そこにおける院内感染──リスクの多い方がたくさんいらっしゃいますので、それを防止しなければいけない、それが第一義的にございまして、現在も原則として県外の往来を自粛していただく、それから3密を避けるというようなことを指導しているという状況でございます。
 今回の第1波の間、看護専門学校では、法事に行かれた方、それから就職支援のためにやむを得ず県外に出ざるを得なかった方、そういう方が合わせて4人いらっしゃいました。2週間の自宅学習をお願いしたわけでございますが、その期間中は個別に電話で先生方に指導していただいたり、授業の資料をお送りしたりするなどして、学習に遅れが出ないということをまず配慮していたわけでございます。
 それから、御指摘のありました学生のアルバイトでございますけれども、これも実習先の医療機関においての院内感染ということがこのフェーズの中では一番大切でございますので、原則禁止としておりました。その禁止に当たりまして、経済的事情からアルバイトをしている学生さんがたくさんおられたわけで、学生全員──119人ですが、在学生全員にそういったことで不安、心配はないかという確認を取りまして、その中で6人の方が非常に困るというお話がございましたので、個別面談を行ってどういうふうに解決していくかというようなことを先生方が相談に応じているという状況でございます。現在、そのうちの1人につきましては、授業料減免の申請手続に関する相談が始まっているという状況でございまして、今後も学生の皆さんの状況に応じてしっかりと対応していきたいというふうに思います。
50◯副議長(島田欽一君) 産業労働部長吉川君。
    〔産業労働部長吉川幸文君登壇〕
51◯産業労働部長(吉川幸文君) 私からは1点、社会保険料の月額報酬算定の基準の見直し、つまり中小企業の社会保険料減免を国に求めるべきではないかという御質問にお答えいたします。
 国におきましては、社会保険料の費用負担軽減につきまして、社会保険料が事業者と被用者全体が納める保険料によって成り立っている制度でありまして、制度を持続的に維持していくためにはそうした点を十分に留意していく必要があるという見解でございます。
 その上で、国は、新型コロナウイルス感染症の影響による事業者の負担に考慮しまして、令和2年2月以降の任意の期間において、収入が前年同期に比べおおむね20%以上減少している事業主に対しまして、厚生年金保険料の納付を1年間猶予する特例を設けております。特例の対象につきましては、令和2年2月1日から令和3年1月末までに納期限が到来する保険料でございまして、担保の提供は不要、延滞金もかからないため、県としては、まずこの特例措置をぜひ御利用いただきたいというふうに考えてございます。
52◯副議長(島田欽一君) 教育委員会教育長豊北君。
    〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕
53◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私から教育行政について3点、お答えいたします。
 まず、個人情報漏えい防止のため学校タブレットのデータ消去、初期化などは一括して専門業者と契約すべきではないか、また、個人単位の機器を大量導入するのであれば、最初から情報担当教員の負担とならないようにすべきとのお尋ねでございます。
 県立学校に本年度整備するタブレット端末の初期設定につきましては、業者に委託することとしているため、学校では設定等の作業を行う必要はありません。また、端末を紛失したときの使用制限やパスワードの再設定などの端末管理につきましては、生徒一人一人の端末を直接操作することなく、教職員が手元の端末で一括して操作できる管理ツールを導入することとしておりまして、学校の教職員に過度の負担が生じないようにしております。
 なお、学習内容等の個人情報につきましては、端末のハードディスクではなくクラウドに保存するため、端末を使用する生徒が替わった場合であっても従来のような初期化作業は必要なく、また、端末からの情報漏えいのリスクも低いと考えております。
 2点目は、夏季休暇中の授業となれば、熱中症予防のためにも充分な光熱水費を学校現場に措置すべきとのお尋ねでございます。
 各学校では、感染症対策として授業等での発言や会話時のマスク着用、また、換気の徹底等を実施しているため、例年以上に子どもたちは暑さを感じていると考えられます。このため、子どもたちの健康を第一に考え、必要な空調を稼働させることが重要であることを県立学校、市町に周知しております。
 特に今年度はエアコンだけでなく、特別教室や体育館にスポットクーラーや大型冷風扇などを新たに設置することとしており、例年以上の電力需要が見込まれるため、県立学校につきましては、今後、毎月の電力需要を注視しながら必要な予算を措置してまいります。
 3点目は、池田中指導死事件に関して、遺族代理人からの国家賠償請求する旨の書面に対する今年2月の回答は、県教育行政の責任をどのように考え、原告側への回答文書の真意はどこにあるかとのお尋ねでございます。
 平成29年3月、池田中学校で尊い命が失われたことは大変残念であり、改めて生徒の御冥福を祈り、哀悼の意を表します。
 県では県議会の意見書や遺族の要望を受け、研修の充実や学級運営に関する指導書の改定等を通して、さらなる生徒理解に向けて教員の資質向上を図ってきました。また、今年度から中高生がいじめなどについて気軽に相談できるSNSを活用した相談窓口を開設します。新たに策定した福井県教育振興基本計画では、引き出す教育、楽しむ教育の推進を掲げ、教職員の働き方改革にも取り組んでおります。
 今年2月の遺族側からの文書では、損害賠償に関し、「池田町は、国家賠償法第1条1項に基づく損害賠償責任を、また、教職員の給与等を負担している福井県は、同法第3条1項に基づく損害賠償責任をそれぞれ負う」と記載されておりまして、第一義的には池田町の責任を問題としていたことを踏まえて県としても損害賠償についての回答を行ったところであり、遺族には引き続き丁寧、誠実に対応してまいります。
54◯副議長(島田欽一君) 佐藤君。
55◯27番(佐藤正雄君) 時間が終わりましたのでこれで終わりますが、引き続き委員会等でまた要望していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

老朽原発動かすな!大阪集会に連帯して福井市と高浜原発前で行動

2020年09月07日 | 福井県政
 昨日はコロナ禍で福井から参加できなくなった老朽原発動かすな!大阪集会に連帯して福井市と高浜原発前で行動がおこなわれました。私は福井駅前の行動に参加しました。オール福井反原発連絡会の30名がスタンディング、スピーチをおこないました。
 原発問題住民運動連絡会の林事務局長があいさつ、司会。立憲民主の野田代表、社民の龍田代表、日本共産党の金元書記長はじめ各運動団体の代表らがスピーチ。私も、安倍政権の原発輸出・原発再稼働戦略は失敗した、老朽原発再稼働を許さない新しい政治をつくろう!などと訴えました。




 共産党の金元書記長、西村きみ子前市議、立憲の野田代表と




 巨大台風10号がせまっています。沖縄、九州などでは厳戒態勢です。
これだけ巨大化し、勢力が衰えない背景には地球温暖化による海水温の上昇があります。
 「地球が壊れている」という言葉がありますが、壊しているのは人間です。
 巨大台風、新型感染症。要因をつくりだした人類、資本主義の今後のあり方が問われています。

 写真は雑誌milsil の北極特集のページより。「北極は地球温暖化の影響が激しく現れる」と指摘しています。海氷面積が小さくなり、高温記録が顕著に増加、極端な大雨などが増えているといいます。