物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

【書籍】思考の整理学

2008年02月16日 | Weblog
 「思考の整理学」(外山滋比古著、ちくま文庫)を読む。

 もう20年以上前に出版された本だがなぜか今売れている。新大阪駅構内の書店でも入口前に平積みされており、売れ筋No.1であった。本書のことは以前から知っていた。しかし、思考法関係の本は、特に最近様々な種類が出ており、仕事がら割と読む方なので、一瞬どうしようか迷ったが、文庫本で520円ということもあり、一回お茶したくらいの感覚で購入。

 読んでみると参考になるところが結構あった。特に、「見つめるナベは煮えない」ということわざが随所に引用されていた。要は、人間の思考というのはずっと考えていても、かえって要領が悪くなる。煎じ詰めて考えた後、しばらくそれを忘れて放っておいたり、あえて寝たりして、“熟成”させることによって、アイデアが出てきたりするものである、ということ。なるほど、分かるような気がする。自身も、文章を書いたり、企画を立案する場合、ブレインストーミングでメモ書きなどしながら、発散させるだけさせておいて、一晩寝て朝それを見るとスーッとつながってくることが経験的にある。

 本書にはその作用について特に科学的な側面から理由を述べたりしているわけでなく、筆者の思いで定性的に綴っている。1テーマ6~7ページで構成されており、細切れで読める。最近はロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった欧米系のエッジの効いた思考法が流行りだが、こういった「スローシンキング」もアプローチの一つとして是非身に着けておきたい。



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文部科学省学習指導要領改定

2008年02月16日 | Weblog
 文部科学省がこの度、幼稚園教育要領、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領の改訂案を公表した。現在の「ゆとり教育」の弊害を憂慮して、授業時間数などは、前回改定前のレベルに戻すとのこと。実際のカリキュラム案も見たが概ね方向性は間違っていない。

 確かに現行の指導要領では、小学生の子供を持つ親から見ても教育内容はぬるく感じる。感覚的には8割以上の児童は、「楽に」付いてこれるレベルである。学力の高くない児童にレベルを合わせ、指導教育が行き届くように、といえば聞こえは良い。反面、能力のある児童がストレッチなカリキュラムにより“伸ばされる機会”を逸してしまっているのは大きな損失である。私学志向や塾への依存が高まってしまったというのもうなずける。

 また新聞やTV報道ではあまり論じられていないが、現行の指導要領では教師の教育力も育めないのではないか。従来の基礎科目数を減らして、理念として掲げている「生きる力」を養う目的で現行の指導要領が導入されているが、どれほど目的にかなっているのか。教師も「ゆとり」という大義名分を掲げ、自身の仕事力(すなわち教育力)を高める努力が不足しているのではないか。(これは教師を批判しているのではなく、仕組みとしてそうなってしまっていると言いたいのである。)

 会社でも小中学生の子供がいるメンバー間の雑談レベルで結構このニュースが話題にのぼっている。「授業数が少ない」、「円周率が3なんて考えられない。」等々。教育については皆一家言あるんだなあ。国家反映のためには初頭教育は極めて重要である。市民・庶民の声を反映させながら時代のニーズにマッチした効果的改訂を行ってほしい。
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