マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

生牡蠣と大根おろし

2020年03月29日 12時17分09秒 | いただきますの法則
自然食の宅配オルターさんから、北海道産生食用の牡蠣が届きました。
生牡蠣の下処理はどうれていますか?

片栗粉でされる方もいらっしゃると思うのですが、
私は大根おろしを使います。
割烹を営んでいた母がやっていたので何も疑問を持つことなく、そうするものとして受け継いできました。
TVで有名な和食の職人さんが片栗粉を使うと聞き、一度試したことがありますが、
少し面倒でも、やっぱり大根おろしがすっきりとして美味しくなると思います。

片栗粉は確かに汚れを洗うには手軽なのですが、大根おろしはタンパク質分解酵素であるプロテアーゼが牡蠣の表面のぬめりを溶かし、
生臭さも、そして牡蠣に付着している細菌もしっかりと拭い取ってくれるので、生牡蠣には大根おろしのほうが科学的にもおすすめしたいです。



大根おろしを水分ごとボウルに入れ、生牡蠣を入れます。
両手で優しくざっくりと大根おろしで牡蠣全体を包むように混ぜ、牡蠣のヒダの間の汚れも取り除きます。


牡蠣に付着している黒い汚れで、大根おろしの色が灰色に変わります。
牡蠣の汚れが落ちたら流水の力でで大根おろしを洗い流します。


ぷるんと、きれいになった生牡蠣。

汚れた大根おろしは、ぬめりを持っていますので、排水口の網に絡みつくかもしれませんので悪しからず。
それでも、安心してきれいで美味しい牡蠣を頂くためのひと手間です。
ぜひ、試してみてくださいね。

土鍋で玄米を炊く暮らし…生きる羅針盤

2020年03月28日 17時37分07秒 | いただきますの法則
仕事に追われたりすると、つい玄米ご飯の炊飯は機械頼みになってしまいます。
炊飯器がいけないということではないですし、炊き方は圧力鍋やステンレス鍋、鋳物鍋、土鍋、羽釜…、
ライフスタイルで選べることも楽しみの一つです。

最近まで、電気圧力炊飯器を使って炊飯をしておりました。

そして、今、土鍋で炊飯しています。
炊き方を変えたのは、新型コロナウイルスです。

中国武漢から発症した当時は、まさに対岸の火事でした。
長年食養を学び実践をする中で、どこか私は大丈夫という根拠のない、いや、根拠はあるけれど、
絶対ではないはずの危機感が薄れていたように思います。

そんな中、9年前の東日本大震災の日を迎え、
今でもボランティア活動を続けている友人たちの思いに触れ、
ハッと武者震いのような、電気が走るような不思議な感覚に落ちました。

あの時、横浜にいた私が受けた強烈な揺れ、TVから流れる見たことのない映像、原発事故の恐怖は
私を一瞬で揺り動かしました。
すぐさま石巻に行くことを決心できたのも、とてつもない大きなエネルギーに揺さぶられたからだと思います。
そして、多くの方が同じように感受して、共有した危機感を持てていたと思います。
でも、時とともに薄れていたんですね。
震災命日でもある3月11日に、あの時の絶対的なインパクトの記憶、動物的な直観が再び私を動かし始めたのです。

今や世界を震撼させている新型コロナウイルスは
発症当時から、震災の時と違い揺れもなく、五感で感じるものもなく、

香川は大丈夫。

実際のところ感染者情報は1名に留まっているということもあり、
本当に今でもどこか大丈夫なんじゃないかというバイアスがかかっていて、
自分たちだけが安全なシェルターにでもいるような錯覚を起こしていたのです。

しかし、田舎といっても地方都市の県庁所在地での暮らしは、そこそこ都市型ですし、
当院は8割が県外患者さまのため、コロナのためのキャンセルも相次いでいるのが現状で、
安心なのかどうか迂闊な判断は命取りになると思えます。
じわりじわり、まるで真綿で首を絞めるがごとく、
気が付いたら手遅れの状態がすでに都会では起きていることが証明しています。
私たちの意識の脆弱性が浮き彫りになって、改めて直観を働かせることの大切さを感じています。

そして、生きる。

そのために、私にできることは
玄米ご飯を他人任せ?機械任せにしないこと。

そんなことで?と思われる方もいるだろうし、
それが正しい方法なのだと声高に言うつもりもありません。
自分が納得できることをする…ただ、それだけ。
それは、人によって違うのだと思います。

玄米ご飯を炊くこと。
それはエネルギーの源であることは間違っていないと思うから、
コロナウイルスも含めて、自然は全てあるがまま。
一切の敵も味方もなく、なるようにしかならないのだから、怖がることもなく。
淡々とイノチの元を理にかなうよう明日に備えることを繰り返すのが、私の暮らし方。
きっと未来の羅針盤になると信じて。

はじめちょろちょろ、中ぱっぱ。
じゅうじゅう吹いたら…ごく弱火で30分。おこげが欲しいときは弱火で。
30秒強火にして火を消して蒸らし10分。
美味しい玄米ごはんの炊きあがり。


浸水は8時間以上。水を替えて炊く準備。


内蓋をします。


ドーム型の外蓋。オリジナル黒体セラミックぢわもん鍋。
炊き方が違うのは、浸水の違い、季節の違い、お米の違いなどがあります。炊き方は、その人、その時に合った方法を選択できるといいですね。


穴から湯気が上がります。


極弱火にして残り10分。木栓をして、圧をかけます。


カニの穴は美味しい証拠。






ナマコと進化

2020年03月19日 13時25分06秒 | いただきますの法則
先日、瀬戸大橋が通る島にご実家がある患者さまから、たくさんの海の幸を頂きました。
春の恵みの若芽、今シーズンは外食でもしなければもう食べられないとあきらめていた「ナマコ」も(⋈◍>◡<◍)。✧♡
近頃はスーパーも魚屋さんでも、生きたナマコを手に入れることが難しくなりました。
料れる方がいなくなったことが原因と思いますが、ナマコは活き作りでないと美味しくありません。
自分好みの口当たり。固すぎず、柔らかすぎず…。
これは料るときのちょっとしたコツがあります。生きているからこそできるコツ。
ナマコは、ギューッと緊張した状態で切ると固くて食べられません。
ナマコの状態を一番いい状態にして、料るのです。
こうして、活き作りで料ったナマコは薫りもよく本当に美味しいのです。

たくさん頂きましたので、スタッフのかずちゃん、ご近所さん、着付けのお師匠さまにもおすそ分けして
ありがたく頂きました。

さて、ナマコは無脊椎動物の一種です。
口から肛門までの消化器官を筋肉が覆った原始の形です。
形態学で内臓系といわれるイノチのカタチです。
進化の過程で、脊椎や尾ひれ、頭…内臓系を保護しより活動できるように体壁系という機能を持ち、
魚類、両生類、爬虫類、鳥類、ほ乳類、猿類と経て、イノチのカタチは私たちの形態にたどり着きました。
私たちのカラダの中にもこのナマコのようなイノチのカタチが残っていますから、
ナマコを食べるということは共食いといえば共食いですが、
それは進化の記憶の遠い向こうに誕生したカタチ。
肉食である牛や豚を頂くことよりも植物を頂くことに、より近い感覚です。
何より、動物なのにサポニンを持っているのです。

それにしても、ナマコを食してみようと思った先人に脱帽です。
割烹を営んでいた母を見て育ったので、私はナマコを料ることができますが、
このグロテスクな生き物を触れない方が多くなっているのも、わかる気はいたします。
私は、美味しそうって思えますけど(笑)
ちなみに、姉はいつも母に料ってもらっていたから捌けないと、おすそ分けを丁寧にお断りされました。
姉妹でも、いろいろ。多様性の時代です。



ナマコの締まり具合が美味しさの決め手です。


このわたは珍味。


酢醤油、大根おろし、七味で和えます。

ちなみに、その昔、ナマコは「こ」と呼ばれていたのだそうです。
生の「こ」だからナマコ
「こ」のはらわただから、このわた。
なるほどです。

椎茸の切り方

2020年03月14日 12時50分30秒 | いただきますの法則
マクロビオティックのお料理で
まず最初に習うのは「野菜の切り方」です。
陰と陽の両極のエネルギーを、一切れの野菜のかけらに込めていきます。

陰は広がる力、上昇する力…。
反対に陽は求心力、下降の力…。

野菜のひとかけらひとかけらが大きな差がなく陰陽バランスの取れたものにすることで
お料理の味が、エネルギーが格段に変わるひと手間です。

そして、母から見て学んだもったいないのこころ。


ちょうど昨日の出汁がらの干し椎茸があるので、そんなこと、こんなこと、写真を通してお伝えできればと思います。


椎茸の石づき部分は鉛筆を削るように汚れたところだけを落とします。そうすれば椎茸の陽性の部分を余すところなく頂けます。


傘と軸を切り離します。


軸は手で割くように細くすれば固くなく味もしみこみやすいです。


傘は中央の陽の部分と開いた周囲の陰の部分が一切れになるように放射線状に切ります。


こうすることで、無駄なく、食材のエネルギーをバランスよく頂けるようになります。
ぜひ一度、試してみてくださいね。

出汁を取る暮らし。

2020年03月13日 10時30分52秒 | いただきますの法則
我が家では、毎朝その日のお昼、主に夜の食事作りに欠かせない
出汁を準備することから始まります。

以前は、昆布と干し椎茸の精進出汁、乾燥野菜やくず野菜の出汁、大豆の出汁(煮汁)など、動物性無しのもので作っていました。
そのずっと以前には、昆布と鰹の和風出汁。
もっとずっとずっと以前、一人暮らしの時にはインスタントの顆粒だしも使ったことがあります。

今でも、出汁が足りない時や作れなかったとき、急いでいるとき、
割とましな市販の出汁パックを使うこともあります。

そんな出汁の変遷を経て、今は昆布と干し椎茸、そしていりこ、あれば飛魚。
専用にしているピッチャーに、これらを放り込んで、浄水を入れます。
平戸から取り寄せた「イキな水」を使うときは、特別な日。
煮出しではなく水出しでゆっくりとうまみを抽出いたします。

いりこや飛魚を使うようになったのは、ミネラルの大切さを思うようになったから。

マクロビオティックは動物性食品を全く否定しているように思われがちだけれど、
本当はそんなことはないのですよ。
一物全体、丸ごと全部食べられるようなものであれば…。
例えば魚でいうと、回遊魚のマグロなど、一人で全部、頭から尾っぽの先まで一度に食べきれないような大型の魚は常食には向きませんが、
小魚のいわしを加工した「いりこ」などはその限りではありません。
もちろん、人それぞれ、合う合わないはありますし、食べてはいけないとか、食べなくてはいけないものでもありません。

ミネラル不足は、また別の機会にお話しできればと思いますが、
現代の食の在り方や、農の在り方、様々なことが要因となっています。
普段、マクロビオティックベースで、食材もオーガニックなものを選択しているとはいえ、
それでも私自身のカラダを眺めれば、年とはいえ白髪ですし、
ミネラルの補給は足りてはいても余ってはいないと思えますから。
以前に白髪とミネラルについて書いたものはこちらからご覧いただけます。

そんなことよりも、私は朝、出汁を取るということに心を置いています。

以前、作っていた和風出汁のように、昆布を煮出し、たっぷりの鰹節を引くような霽れのものではなく
普段着の出汁。お料理のお味もさることながら、当たり前の家事を淡々と繰り返す
そんな日常を大切にしたいと思っています。

それは、この料理はどうですか!美味しいでしょう‼ということではなく
家族を思う、そして我が身へも感謝ねぎらい、滋味を細胞の隅々まで届けたいと思うようになったからです。
こだわりがあるとしたら、自宅のパントリーで毎年備え足して蔵囲い風に十年以上熟成保存している昆布と天日熟成の干し椎茸。
薬物など使用していない無添加のいりこを選んでいること。









朝、この出汁を準備しておけば、
ほうれん草のお浸しもすぐにできますし、煮物や汁物が手軽に作れるのがうれしいです。



出汁がらは、佃煮にしたり、ペーストにしてレバーのパテ風にして野菜ディップにしたり、刻んでドレッシングにしたり、餃子の具にしたり…。



写真は酢漬けの切り干し大根と一緒に佃煮にしたもの。
切り干し大根が甘いので、もちろん砂糖もみりんさえもなくておいしいですよ。

手間なし、水出しの出汁。
ちょっと暮らしが豊かになります。


「万が一」おむすび

2020年03月11日 09時09分11秒 | いただきますの法則
東日本大震災から丸9年。

私はあの日、横浜にいました。
マクロビオティックの講師のお役を頂き、
ガスの火を落とし洗い物などの片づけをしている最中の出来事でした。
翌日も世田谷でセミナーの仕事を頂いていたこともあり、その二日後の13日まで東京に滞在することになり、
その一部始終は一生忘れることのできない一大事となりました。
東北の方々が受けた災害、事故の凄まじさは、私が持つ言葉では言い表すことのできない恐ろしいものであることは間違いがありません。

その後も、たくさんの甚大な災害が起き、傷だらけの日本列島を思う日が多くなりました。

そんな中、いつしか我が家では「万が一」おむすびの習慣が生まれました。
二日に一回な感じで、夜ご飯に3合から4合の玄米ご飯を炊くのですが、もちろん夫婦二人で全部を食べれるわけではなく、
半分以上を塩気を効かせたおむすび🍙にして、翌日のお昼や夜に頂きます。

何事もなくて幸せ。

もしかの時には、少し役に立つんじゃないかな。
そんな「万が一」おむすびです。

おにぎりじゃなくて、おむすび。
結ぶ。
陰陽両手で…。

今日の朝昼兼用ごはんは、「万が一」おむすび一個とお味噌にお湯を注いだだけのお味噌汁。

これで十分おいしく満足な一食になります。

あと20年生きるとして、一日二食だと、残り14,600回の食事回数です。
その半分が「万が一」おむすびだとしたら、何があっても取り敢えず無事に過ごしているということ。

家内安全を祈る「万が一」おむすびです。








お昼ごはん

2020年03月10日 15時04分25秒 | いただきますの法則
玄米ご飯を頂くようになって、かれこれ21年。
それと同時に普段の食事は砂糖無しの暮らしとなりました。
外食や加工食品を摂取するときにはその限りではありませんが、
マクロビオティックの実践としては、この2点については揺るぎがありません。

もともと歯科医の夫が、マクロビオティックとは関わりのない歯科治療の一環として
砂糖無し、玄米食を始めていたのです。
そんな中、その食事指導を私に託したところから我が家のマクロビオティック生活がスタートいたしました。

一時は完全に動物性食品も絶ち、いわゆる玄米菜食を実践した時期もあります。
出汁も精進出汁、白身魚さえも食べないという実験的な時期がありました。
おかげで、育ち盛りの息子と、体育会系の夫、食欲旺盛な姑のお腹も心も満たすためのお料理を作る知恵と技術はかなりついたと思います。
今現在は、近海のお魚を中心とした魚介類、鶏肉は時々頂きます。
本当にたまに豚肉、数か月に一度程度の外食時に牛肉が入ることもあります。
還暦を迎えてからは、本当にうどん屋さん以外の外食をすることがなくなりました。

別に禁欲的なわけではなく、毎日の晩酌は欠かさず、それは二十歳の頃から変わりありません。
若い頃には、グルメを気取ってご馳走もたくさん食べてきましたし、普通にジャンクフードも頂いてきました。
今でも時々食べたくなる時もあります。
でも大概頂くと後で後悔することになります。
甘いものもまず欲しいと思いません。
どなたかのご厚意で口にすることになっても、たくさんは頂けないので一口、二口。
甘いもの好きなご近所さんに頼まれて、二、三か月に一度くらいオーガニックの和洋菓子を自然食品の宅配で取り寄せることもありますが、
私や家族が食べることはありません。

だから全く不調がないというわけではありません。
年相応というか…、
年とともに気持ちを押し殺すことも増え、若い頃よりもストレスは多く、
積もり積もった昭和な不満は令和になっても現在進行中だから(笑)、食だけで健康にとはいかないと実感するこの頃です。

とはあれ、風邪などひかずに過ごせているのは
一日2食のお陰かもしれません。
そして、夜は晩酌なので、一日の最初の食事は粗食な我が家です。
基本、玄米ご飯とお味噌汁。
プラス保存食。発酵食品の梅干しやお漬物も常備食です。
きんぴらごぼうやひじき蓮根、切り干し大根のたいたんなどもメインキャストですが、色々全てというわけではありません。

今日のお昼ご飯は、ちょっと湿気た板海苔で作った海苔の佃煮と大根葉の醤油炒め。
大根と小松菜のお味噌汁。出汁は昆布と干し椎茸といりこの水出し。
玄米ごはんの梅結び。

こんな粗食で健康になれるってところが、マクロビティックのいいところかも。












写真はiPadからPCに取り入れたら、あっち向いたりこっち向いたりで見にくくてすみません。

蓮根は動物に近い?

2020年02月22日 11時29分32秒 | いただきますの法則
蓮根の旬は10月から3月ですが、マクロビオティックでは通年で利用したい食材です。
主には常備食となるひじき蓮根やきんぴらごぼう、鉄火味噌や時雨味噌。
そして、お手当でも活躍してくれるありがたい野菜です。
松見院長は、うどん屋さんに行くと必ずサイドメニューから蓮根の天ぷらを選択するほどの蓮根好き。
我が家では蓮根は欠かせません。
夏の端境期は蓮根が手に入りませんので秋の新蓮根が待ち遠しいものです。

昨夜は久しぶりに「蓮根の棒煮」を作りました。



食養塾無何有庵の料理教室では初級クラスで皆さんにご紹介してきた献立の一つです。

いつもは蓮根を繊維に沿って縦に棒状に切るのですが、昨日は初めて輪切りにしてから棒に切りました。
こうすると穴が見えてちょっとかわいい❣

マクロビオティックでは食材を扱うとき、出来るだけそこに陰陽の両極を取り入れます。
牛蒡や人参を斜めに切るのはそういうこと。
陰陽の差にエネルギーが生まれると教えられました。
また、調理という人類の知恵により、陰陽の差を中庸にして負担なくカラダに取り入れるようにします。

その意味では、輪切りにするのは小さなエネルギーということになるかもしれません💦
でも見た目も大切。
穴が可愛いし…でも、菜箸が穴に引っかかって炒めにくいという新事実も判明。
あと、個人的な感想ですが、甘みは縦切りのほうが強いように感じました。

◆蓮根の棒煮レシピ(写真の分量)
蓮根 長さ15cm 直径5、6cm 1本(1節)
胡麻油 大さじ1
水 100cc
醤油 大さじ2~3

ライパンに胡麻油を引き、強火にかける。フライパンによっては中火で。
蓮根を入れて、きつね色に焦げ目がつくくらいになったら
水を回し入れてふたをする。
水気が無くなったらふたを取り、分量の醤油を回し入れて絡めて十分絡んだら出来上がり。
好みで山椒の粉を振って頂きます。冷えても美味しいのでお弁当のおかずにもおすすめ。


さて、タイトルの「蓮根は動物的?」ですが、
蓮根って穴が開いていますよね。
水生植物の蓮根は葉っぱから地下茎まで通気組織の気孔があり、空気を根っこに送っているんです。
これほどまでに気孔を大きくして酸素を取り入れる植物は他に類を見ません。
普通、二酸化炭素を吸い酸素を吐くのが植物、ですよね?
酸素を好む蓮根は、植物だけど動物的。
だからこそ?精進料理などでお肉の代わりとして使われる蓮根です。
ただし、中医学では生の場合は寒性となります。
マクロビオティックでも、熱を取る手当に使います。
酢蓮根のようなお料理は、少し体を冷すので、季節や体調、体質などを考慮してくださいね。

蓮根は、鉄分も多く、ビタミンB1、B2を多く含みますので貧血にもうれしい食材です。
腸を整える植物繊維も豊富。ビタミンCも多いです。
また、「IgE抗体」を抑制する働きがある「タンニン」などのポリフェノールが多く含まれており、アレルギーの原因物質の花粉にも効果があると言われています。
花粉症の季節、積極的に摂取してみては如何でしょうか?

旬の食材として、カラダにも美味しく頂きたいものです。

お手当としての蓮根の活用法はまた別の機会に。
 



いのちの質を上げる奇跡のセミナー

2016年11月02日 16時55分38秒 | いただきますの法則
久しぶりに食養塾無何有庵にて、ゲスト講師をお招きしてのイベントを開催いたします。





ご存じの方も多いかと思いますが空間診断士 船越耕太さん。 

(船越耕太オフィシャルサイトはこちら)

年間100本以上の講座、セミナーをこなしながら、顧客4万人の「食と掃除」のコンサルを実施。空間セラピスト&掃除カウンセラーの肩書きをお持ちです。

そう、健康雑誌を手がけているマキノ出版社の月刊誌「ゆほびか」の2016年12月号(ただ今発売中)にも2ページにわたって掲載されている今とっても旬の掃除の魔術師です。

何よりも、耕太さんのお父様は、岡山の山奥にあるメディアでも話題の民宿「百姓屋敷わら」、「WaRa倶楽無」のオーナーであり、重ね煮の大家としての料理人、マクロビオティックの継承者のお一人でもある船越康弘先生なんです。

耕太さんは、6歳の時から民宿を手伝い、掃除、薪割り、調理の下準備などをこなしてきました。
わらに行かれたことのある方ならお分かりだと思いますが、冬は雪に埋まるような山奥で、学校に行くのは何キロも下って行かなくてはならないような僻地です。冬はとにかく寒いのです。

自然豊かな民宿ですが、その側面ではそんな過酷な環境の中、幼い耕太少年はず~っと、毎日、家業を手伝いながら育ってきました。

中学に入って、「学校をやめたい」と父親に相談したところ、「学校をやめることは大賛成だ」「おまえができる“苦手なこと”“嫌いなこと”を、たったひとつでいいから毎日続けてみなさい。1000回超えたら人生が変わるから」と助言され、その日から現在に至るまでの毎日、欠かさず素手でのトイレ掃除を続けてきたのです。

このくだりは、ぜひ、著書「ぞうきん1枚で 人生が輝く そうじ力」(大和書房 2016年3月30日初版)をご覧ください。

そして、人生が変わりました!

そんな船越耕太さんが、渾身のエネルギーを持って、「いのちの質を上げる」奇跡のような体感ワークをお届けくださいます。

あなたの人生が、少し曇っているとお感じの方や、なにかしら満足していない、自分の力をしっかりと実感できない、生きる目的が見つけられない、生き方が器用ではない・・・、そんな方におすすめのセミナーです。

10代から30代の若い方はもちろん、思春期の子どもさんをお持ちの方、学校の先生、職場で部下の育成にかかわっている方、いろいろな方に、きっとご満足頂ける内容です。

今回は、クリスマスシーズンを迎えますので、重ね煮のお料理を使ったクリスマス仕様のフルコースのお料理もご堪能いただけます。

人生をクリエイトする船越耕太さんを、丸ごと体感していただきたい1日です。


空間診断士 船越耕太の
いのちの質を上げる
奇跡のセミナー



日 時 2016年12月17日(土)
     10:00~15:00

会 費 10,800円(15名限定)

お申込み、お問合わせ
松見歯科診療所 食養塾 無何有庵
087-881-2323



健康と自己責任

2016年10月15日 17時55分03秒 | いただきますの法則
さわやかな秋らしい毎日が続いていますね。
庭には、アケビの実が紫色に色づき、ホトトギス、紫式部、秋桐、などなど、さまざまな紫色の花々が競い合っています。五行では秋の色は白とありますが、自然界は紫に輝き、陰の様相が深まってきました。
今朝は、5時前に起床しましたが、パジャマでは寒くて、思わずガウンを一枚羽織りました。


9月から、診療室の人手不足で、久しぶりの受付嬢を任されており、患者さんと接する機会が多いこの頃です。

そんな中、歯科を受診される多くの患者さんが、難病を抱えておられたり、重篤な病気を併せ持っていたり、歯科の問題だけではおさまらない状態でおられ、あらためて、カラダ丸ごとを捉えながら俯瞰視いたしております。

まず、慢性的な大変な病気を持っている方の口腔内は正比例して多くの問題をかかえておられます。
重篤な病気の方で口腔内は完璧という方に出会ったことがありません。

歯肉炎、虫歯、歯周病、根尖性歯周炎、不正咬合、唾液の分泌低下(ドライマウス)、舌癒着、さらには鼻咽腔の炎症など、広範囲の歯科領域に問題が見られるのです。

視点を変えると、口腔内に大きな問題を抱えておられると、いずれは口腔内だけではおさまらないと言えるでしょう。

ということで、標題に掲げた「健康と自己責任」について、私見ではありますが、考えてみました。

先日よりネットで話題になりましたので、ご存じの方も多いと思いますが、
元フジテレビアナウンサー<長谷川豊氏>の、
人工透析患者さんへの目に余るバッシング騒動が起きました。

長谷川アナは9月19日、「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」と題したブログを投稿し炎上。という内容です。

このひどい論理に、もちろん同意しているわけではありません。

人工透析は、簡単に申しますと、腎臓に甚大な問題が起き、自力で血液の濾過ができなくなることで、人工的に腎臓の代わりを機械が行なわなければならない患者さんに施す治療です。
一週間に何度か、長時間をその治療に割かないといけない、患者さんにとって、とても大変な治療です。

詳しく知りたい方には、こちらのサイトに譲ります。

その治療費は、年間五百万円もかかる高額医療です。

ですから国は患者さんの負担を軽減するために、高額療養費の特例措置を作り、保険給付されるため、個人負担は一か月一万円(上限)となり、それ以外は税金が投入されるシステムになっています。


先日、日本の医療費が41兆円を越えたことがニュースになりました。
この医療費は、保健制度に則ったものですから、高齢者や介護などにかかる医療費投入は別途となります。
つまり、国家予算の半分以上が総医療費に費やしているということです。

これって、なんとかならないのでしょうか?

医療費が削減できたら、それを子育てに、食の安全に、減税にと、いろいろいいこと一杯に思えます。

食養の世界では「健康(病気)は自己責任」と言われます。
病気になるには何か理由があって、多くは、それぞれの生活習慣や心がけで未然に防げると考えているからです。
ですから、まずはできることは自己責任においてやる、と教えられます。

できるだけ外食を控え、ごはんとお味噌汁だけであっても自炊するだけでずいぶんと健康は取り戻せます。
主食(主なる食べ物)を真中にど~んと置いた食事であれば、間食(甘食)を減らすことができます。
一口を良く噛んで頂くだけで、消化器官はとても楽になります。
お肉やお魚など、いただくとしてもご馳走だということを忘れずに。

できること、いろいろあると思います。

日本生活習慣病予防協会が2011年1月27日に「透析患者数が30万弱に増加。導入の45%は糖尿病が原因」と発表いたしました。

日本では糖尿病の95%がⅡ型で、まさに生活習慣病からなる病気です。
つまり、生活習慣を改善していれば罹患するリスクを避けられるというものです。

松見歯科でもHbA1cが11くらいまで上がっていた患者さんが
歯周病を改善するための治療と併せて食事をかえることで5.8以下になられた方など、
糖尿病を改善、完治された方はたくさんおられます。

糖尿病が原因でよくみられる合併症は、神経障害、網膜症、そして糖尿病腎症の三つで、これらは糖尿病の三大合併症と呼ばれています。

残念ながらわが国では糖尿病が原因で透析療法を受ける人が少なくありません。現在透析を受けている人の数は全国で30万人弱、その45%が糖尿病性腎症によるもので透析導入原因のトップを占めているということなのです。
2011年からすでに5年を過ぎ、人工透析を受ける患者さんは増える一方だというのです。

でも、人工透析の患者さんの45%の患者さんが、もし、普段から生活習慣に気をつけていたら、もし、糖尿病と診断されても改善、完治させることができれば、もっと医療費は減るはずです。

国家予算のうち税収入は約半分。ということは医療費=まるまる税金といって過言ではありません。むしろ税金による収入では全医療費は賄えていないという、恐ろしい現実です。

これ以上、赤字国債を増やさないように、税金を無駄遣いしていないかどうか、もう一度しっかり考えてみなくてはなりませんね。

もちろん、人工透析というのは、話の例えです。
ほかにも、たくさんの難病や重篤な病気はあります。
それらも、何かしら、原因があり、未然に予防できることがあったかもしれません。

医療現場で働いていると、安易に病気になられている方を多く見ます。
ご当人は、病気で長年苦しんでこられているのですが、
歯科的治療と併せて、食事を見直したり、呼吸に注意したり、心の持ち方だったり、カラダの機能の改善をはかったりすることで、本当に苦しかった病気を完治させることができるという<ご本人にとっては奇跡?>が起きるのです。

「健康(病気)と自己責任」

多くの病気は自分で作ったのだということに気づくこと。食養の極意のように思います。

私たちは、自己責任に気づかれますよう、患者さんをしっかりサポートすることが仕事だと感じるこの頃です。



ハートのしょうが。







野菜の陰陽から、自然界を直観する。

2015年11月21日 13時10分02秒 | いただきますの法則
おととい、マクロビオティックのお仲間さんから、
鉄火味噌についてのご質問を頂きました。

「鉄火味噌を作るのだが、油がどんどん出てきて、飴のようになって固まってしまう」

ということでした。

久しぶりに作られたそうで、今回は、八丁味噌ではなく麦味噌を使われたそうです。
鉄鍋、ステンレス鍋、テフロンのフライパンといろいろ試してもうまくいかないとのことでした。

皆さんは、何故、うまくいかないのかわかりますか?


さてさて、昨夜のこと。

夜ごはんの支度で、鍋の準備をしていたのですが、大根、人参を鍋に入れたときに、そうそう、野菜の陰陽が頭で感じるのではなく、野菜たちの動きを見て感じる事が出来るということを、マクロビオティックを学ばれた皆さんならご存じだと思いますが、マクロビオティックを学ばれていない方にとっては必要な情報だと思い、写真に撮ってみました。



よくご覧になってください。
鍋に張った出汁の中で、人参は底に沈み、大根は水面に浮いているのが確認できると思います。

出汁の同じ環境下において、沈んでいる人参と浮いている大根では、人参が陽性が強く、大根は陰性が強いということになります。





ちなみに、それぞれの重さを測ってみました。
人参より大根の方が重量は倍ほどあるというのに・・・なのに、大根は浮き、人参は沈みます。

とても不思議に思われるかもしれませんが、大根と人参では、それほど陰陽の差があると言うことなのです。

マクロビオティックのお手当法の第一大根蕩や第二大根蕩を学ばれた時、大根は根菜なのに、なぜ、カラダを冷やすの?清熱(熱を下げる)の効果があるの?と、感じた方がいらっしゃると思います。

例え根菜で冬野菜でも、大根のように色白で水分が多く、大きくて太い形からしても陰の力が大きいことがわかりますが、このように、水に浮く、沈むという現象を見ることで、眼に見えない力を知ることが出来るのです。

調理の段階で、火にかけるということは、野菜の持つ力を陽性にするというということです。
ですから、陰の力が大きいものから順番に調理をし始めます。陰性が強いものは、陽性が強いものよりも火のエネルギーをたくさん加えるということです。
そうすることで、陰陽にバラツキのある食材の組み合わせでも、調理という手間を経て、同じような力に整えることができます。重ね煮などは、その性質を調理法として応用して確立されたものです。


さぁ、冒頭に書きました、鉄火味噌の問題、解けましたか?

味噌を八丁味噌というとても陽性の強い味噌から、八丁味噌よりも陰性な麦味噌を使われたのですが、レシピは同じ。ゴマ油の量も同じでした。八丁味噌ほど陽が強くない麦味噌は、陰性の油を八丁味噌ほど引き付けることはできません。ですから、居場所のない余分な油が、鍋に残りべたべたになり、味噌が飴のように固まることになったのです。
麦味噌を使うのであれば、油の量は減らさなくてはうまく作れません。


野菜たちは、あるいは、食材たちは、それぞれの性質(陰陽)で、自分の居場所を決めるのです。
これは、人参や大根に限ったことではありません。全ての野菜、自然界の全てが、ちゃんと自分の今の居場所を知っているのです。

そんなところに目をやると、目に見えない宇宙の法則がココロに刻まれていくのではないでしょうか?









マクロビオティックと動物性食品

2015年04月13日 17時39分47秒 | いただきますの法則
昨夜は、サングラハ教育心理研究所が主催される「論理療法4回講座」の後の交流会で、京都からご参加のお坊様から、「ベジタリアンの友人に何故肉食はいけないのかと聞いても、ピンとくる答えが求められないのだが、マクロビオティックを実践している松見さんはどうお考えか?」という問いを頂きました。
それなりにお応え出来たのかなと思いますが、改めて考えてみました。

解りやすい話として、ここ1、2年、我が家でも実践している「出汁」を例に考察してみたいと思います。
以下、少し長くなりますが、お時間があればお読みくださいませ。



(写真は、昨日開催いたしました「さぬきオーガニックマルシェ」にてご提供した玄米汁ビーフンのスープをうつしたものです。蔵囲いの昆布、原木干し椎茸、焼きアゴ、イリコを使用しています)

マクロビオティックなのに?って言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「出汁」を考えて、考えて、考え尽すと、植物性の精進出汁にこだわらず、動物性の鰹も、イリコも、アゴも、そして鶏ガラさえも必要になってきます。そこにはちゃんとマクロビオティックの思想がしっかりと息づき、「身土不二」、「一物全体」、「陰陽調和」といった自然の理が根づいています。
そして、イノチある自然の恵みから抽出した珠玉のエキスは、日本の文化そのものをあらわし、失われ続けてきた大切な「食」をもう一度私たちの手に取り戻すための一滴となり一流となるものと思う、今日この頃です。

相反する性格を持った植物と動物の関係性は実に豊かで、常に相補の歩み寄りを成し遂げ、ともにこの地球に存在しています。元は、地球が太陽の惑星であり、太陽光と言う未曽有のエネルギーに支えられ、植物がこれを受けて自立型生命体を確立したところから排泄物として酸素を大量に増産し、非自立型生命体の動物がそれらの恩恵により誕生し、また死をもって有機物となり植物にめぐっていくという循環の関係が確立されたのです。

動物となる生命体は植物の進化を追いかけて多種多様な生き様を遂げながら人間という高度な生命体に発達しました。この発達段階で私たちは私たちそのものの核のなかに動物でありながら植物であるという、動植物の相補的関係の縮図を小惑星として持っています。

動物の原始の姿である口から肛門というミミズのような生命は、人間の体の中にも内臓され、太古の姿を残し、形態学では「内臓系」と言われるいわゆる口から肛門までの内臓をあらわし、それは植物性器官と呼ばれ循環系を中心とした吸収―循環―排泄の植物的機能を担うものです。進化の過程でこの無脊椎動物が脊椎を持ち、口から肛門をガードするように機能されたのが「体壁系」と呼ばれる感覚―神経―運動を担う動物性器官で神経系が中心となり、この二重性により私たちの身体は成り立っています。動物でありながら植物の生き方をも持つ所以です。

つまり、マクロビオティックでは一般的に動物性排除のような定義を正としている風潮がありますが、身体の二重性から見えるのは、実は植物性器官である内臓は動物性をも求めうるということです。

では、どんなときに?

それは、飢餓のときです。

通常は、動物である私たちは植物を求めるのが順当な行為となりますが、植物は動物の死後の有機体を摂り入れた動物の化身でもあるわけです。大地は常に動物の死がもたらす有機物と無機物であるミネラルにあふれ、それを摂り入れた植物だけで十分、生きていけました。しかし、いよいよ植物が無くなった飢餓状態に陥るとき、動物性のものをも共食いし、命につなげる行動を取らざるを得ないのです。もちろん、共食いによる動物的同系統である神経の破壊を防ぐため、できるだけ遠い血統を選択するわけです。

文明の発展により、狩猟文化から農耕文化へと生活様式を発達させ、飢餓から少しでも免れるように私たち人間は智慧を働かせてきました。

それでも天災などの避けては通れない自然の中で、ことあるときの備えとして、動物性のものも多少は取り入れてきたのです。

そして、現代。

残念なことにこの現代においては、人類史上最大の飢餓状態となってしまいました。

農耕文化は、工業化され、農薬や化学肥料にまみれ、植物に含まれるミネラルなどの栄養成分は劣化をたどり、植物だけを頼りに生きていくことができない状態にまで来ています。
ミネラル不足による様々な心身の病気の蔓延が物語ります。

また、戦後、とくに日本において、欧米化された食文化に現を抜かし、飽食に飽食を重ねた結果、生命力を落としているのが実態です。
私たち人類の歴史は飢餓との戦いであり、飢餓を乗り越える力はついていても、飽食への耐性はほとんどないといって過言ではありません。事実(臨床)が表しています。
進化に近い血統の動物性摂取を頻繁に行ってきた私たちは、体壁系のシンボルである脳の働きが低次元となり、判断力の低下を招くようになりました。

現を抜かすとは、「ある事に夢中になり、心を奪われる」状態のことを言いますがまさに「心を奪われる」→内臓系のシンボルであるココロを失うことであり、植物性機能の低下をも招き限りなくアニマル化(野獣)になっていくということです。

さらに、飽食と利便化にともない、精製度の高い砂糖や塩、化学調味料、添加物の普及なども、心身の不調を加速しています。

現実に起きている社会性の崩壊はまさに食源性シンドロームといえるでしょう。

マクロビオティック的な発想では、ならば主食である未精製穀類や植物をたくさん摂り入れる、ということになるのかもしれませんが、環境悪化により土壌が疲弊し、植物があまりにも劣化しすぎていてその役目を担えないことを認識しなくてはなりません。

植物性機能である内蔵系は相補の関係から相反にある陽性エネルギー(ミネラル)を必要とするわけで、畑の植物に望めない分を、海藻や進化の阻害の危険性の少ない魚からせいぜい鶏までの範囲の遠くの親類に頼らざる得ないのではないかと考えます。

料理研究家、辰巳芳子さんの御本で「命のスープ」として多くの方に知っていただくことになった「玄米スープ」も食養の世界で受け継がれてきた「イノチの素」となるものです。

私たちが生命の条件として持っている「細胞被膜」である他者との区別を通り越して、植物が、あるいは動物が、個のイノチに成変わり、イノチの鼓動を鳴らし続けてくれるイノチの連鎖の本質は、「生きる」であり、その言葉の思念は、イをキル(命を斬る、伐る、殺る、kill、そして着る)であり、イキをルする(息をスル)、つまり生き物たちの営みそのものなのです。生と死の調和です。

これだけインスタント化された食のありさまに、多くの方が疑問を持ち、不安を感じるからこそ、あえて手間暇のかかる「命のスープ」は大きなムーブメントになったのだと思います。

香川県三豊郡にある仁尾小学校では、学校給食にいりこやあごの粉末をお汁もおかずにも使用する取り組みを実践しています。驚くことに、子どもたちの体温が上がり、授業態度や成績もよくなってきたという結果をたたきだしています。さらに、夏休みや冬休みなどの長期の休暇になると学校給食を食べない期間に体温は低下し、始業後、体温が上がるというデータが出てきました。これは、いかに家庭における食事内容が子どもたちの育成を阻害しているかということが浮き彫りになったのです。

家庭の手作りの食事が、子どもの成長に役立っていないのはなぜなのでしょう?

女性の社会進出なども手伝い忙しい主婦。主婦のために次々と開発される加工食品や、インスタント製品、お惣菜、各種ラインナップのドレッシングやソースなどの調味料。ぜひ、食品の裏側を見てください。カタカナが並ぶ原材料は、家族の健康に役立っているでしょうか?

普通だと思っているライフスタイルを何処からか見直して、少しのことで、うんとイノチが輝くとしたら素敵ではないでしょうか? 

その扉は「出汁」にあるかもしれません。

動物性のものを限りなくカラダに負担なく頂くための、日本の出汁。
旨味や甘味、ふくよかな香り、奥深い味・・・。
あえて、四足動物や鶏などではなく、進化の上では遠い存在の魚を使います。
それも、頭からしっぽまで一物全体で頂ける小魚です。
生臭さは炙ることで香ばしくします。

本当においしい・・・カラダが喜びます。
それは、きっと、私のカラダがミネラルを欲しているからでしょう。

あなたのカラダはいかがですか?

さて、さて、それでもマクロビオティックの食事法だから「精進出汁」でなければと思われますか?

それとも時には動物性のものに助けてもらうことも必要になるということが「自然の摂理」だということ、おわかりいただけたでしょうか?

余談ですが、マクロビオティックが楽しいなぁって思うのは、
こうやって、いろいろ学んだことをつなぎ合わせて、こうかな? って実践してみて、結果を感じて、
それを何度もくりかえして、いよいよ発見することです。
でも、この発見は、またいつか覆されることもあるのが面白いですね。

ぜひ、あなたも、いろいろ考えてあなたのマクロビオティックを深めていってくださいね。

『口移し』の食事は危険?

2014年09月26日 12時42分14秒 | いただきますの法則
歯科でよくご相談をされることの一つに、「口移し」があります。

まだ消化器官などが発達していない子供のために、親が先に食べ物をを噛み砕いたり柔らかくして食べやすくして与える食事の方法です。まれに、病人に対して取る場合もありますね。映画『もののけ姫』でサンがアシタカに干し肉を噛んで与えるシーンで、そんな方法があると知った方もおられるかもしれません。

さて、この「口移し」ですが、昨今、菌やウイルスが感染するということで、してはいけない育児法のトップに上げられてしまうようになりました。
唾液を介して、ピロリ菌や虫歯菌、歯周病菌が移ったり、胃がんになるなどと言われているようです。

おや、これが本当なら、大変なことになりますね。
まず、会話する時も唾がとばないようにマスクが必要になりますし、外部との接触も極力控えなくてはなりませんね。使ったスプーンや食器は、滅菌、殺菌し、消毒、消毒ということになってしまいます。

あ、でも、世間ではもうすでに『滅菌消毒ウイルス』に感染しているのかもしれませんね。
ホテルの部屋には必ずといっていいくらい、○ァブリーズを置いてますし、各種消毒系の家庭日用品であふれていますものね。

でも、でも、冷静に考えてみてください。

赤ちゃんは、お母さんのおなかの中で破水とともに産道を潜り抜け始めたところから、様々な細菌や微生物に暴露されていきます。
しかしこれと同時に、細菌や、微生物の感染を受けながら生きていくために必要な免疫力も付けていくのですよね。私たち、様々な細菌・微生物と共存し、互いに恩恵を受けることで、正常な営みができています。言い換えれば、細菌や微生物との共存なくして生きていくことは不可能なことなのです。

なのに、細菌を全て悪者に仕立てあげて、殺菌消毒に精を出していては、この地球上の生体の秩序や循環のサイクルが狂ってしまいます。今、取り立てて、エボラ出血熱やデング熱などで、必要以上に騒いで、各公園では殺虫剤などがまかれてまたどんどんイノチの輪を壊して行っています。何か、腑に落ちない、厭な気を感じるのは私だけでしょうか。

話はそれてしまいましたが、私たちの口腔内には、たくさんの菌が住んでいます。虫歯菌もその一種で、誰しも保菌しています。ですから、たとえ口移しで物を与えなくても感染する機会はいくらでもあります。親に限らず、他人の唾液に接触する機会はいくらでもあるのですから。

口移しで食べ物を与える習慣は、動物学的にはいかがでしょう?他の哺乳類や霊長類では当然の事のように繰り返し行われていることですよね。ヒト科においては、特別で例外なのでしょうか?

また、「口移し」と言う行為は、直接であれ、スプーンを使ってであれ、親と子のコミュニケーションであり、熱いものを親の口に当てて確認し、やけどしないようにしてやったり、噛み砕いて親の唾液と混ぜ合わせ、消化を助けてやったりと、肌を通して、デリケートな加減をしてやることができる、大切なプロセスなのではないでしょうか?子どもの情操教育にも一役担っているのではないかと思います。

子どもには口唇期と呼ばれる精神発展段階があり、どうしても口唇による接触が精神発達上必要な時があります。歯が生え始めた生後半年目くらいに必ず誰もが取る「なめまわし行動」はまさに口による心と脳の発達に欠かせないものなのです。
これが十分に行われないケースでは、感受性の未発達に陥ることが知られています

いろいろ考えてもやはり、愛情を深めることのできる「口移し」というスキンシップは、親にも子供にも、ある程度必要なことなのではないでしょうか。

もちろん親の口腔内の状態には気を付けてほしいと思います。
しっかりとした歯科知識を持って口腔内のケアを行っていれば、口移しでも問題はないと思います。たとえ、口移しをしなかったとしても、虫歯菌の感染は避ける事はできないですしね。

仮に、口移しをして、虫歯菌が赤ちゃんの口腔内に進入したとしても、虫歯菌が口の中で定着し増殖しない限りは虫歯菌の感染が成立しません。要は、虫歯菌の餌になるようなものを与えなければ大丈夫だということです。
外部から進入してくる虫歯菌が定着できないような生活習慣を作り、子供が自立して自己管理ができる6才くらい(6歳臼歯と言う初めての大人の歯が生える頃です)までの間は、親が歯科教育とともに子どもの口腔内管理をしていくことが大切になポイントになります。

常に子供さんの口腔衛生に気をつけて管理をしてあげるなら(主食のごはんをしっかり与え、むやみに甘い物を与えない)、口移しについてそれほど神経質にこだわることもないと思います。

『口移し』は自然の節理だと思います。

親の口腔衛生レベルは、確実に子供は引き継ぎます。

いくら子供だけ気をつけていても、お母さんの口腔内がよろしくなければ、その口腔内を作った生活習慣を子供が受け継ぎ、同じような口腔内になることをよく知っておいてください。


結論から言いますと、『口移し』はしてもいい、むしろした方がいいということです。

ただし、親の口腔内に問題がある場合は、やはり、問題解決したほうがいいに決まってます。

ぜひ、細菌やウイルスに負けないような免疫力の高いカラダ作りの方を目指してほしいものです。
口腔内の問題を引き起こすような食生活こそ、子育てにおいてやめるべきことではないでしょうか?






巻き爪で長年悩まれて・・・マクロビオティックの落とし穴。

2014年09月24日 17時44分14秒 | いただきますの法則
ひと月ほど前に、巻き爪で悩まれているという若いママからのご相談をいただきました。

子どもさんができてからマクロビオティックのお料理を習われて、マクロ歴4年程になるということでした。

うん? 何故、巻き爪になるんだろう?

マクロビオティックの考え方にのっとった日本人の食事の仕方は概ね主食のごはん、野菜中心、豆類、海藻類などが使われる食材となります。

もちろん食事だけが原因ではありませんが、巻き爪の方の多くは、肉食中心、味が濃く、かなり陽性過多の食事を長きに渡って摂って来られた方に見られる症状なので、マクロビオティック食を4年続けて来られたのであれば、巻き爪にはなりにくいと考えられるのですが、かなり爪が肉に食い込んで、サンダルや下駄しか履けないとのことでした。

食事記録を見せていただいたんですが、肉や魚の多食もなく、一見、何の問題も無いように見受けられましたが、夏なのに、毎日、梅醤番茶を数杯飲み、おかずには毎食きんぴら牛蒡、ヒジキ蓮根が書かれていました。お味噌汁も毎日飲まれています。

「暑苦しくないですか?」とお伺いしますと、
料理教室の先生に「あなたは陰性だからもっと陽性になるような食事が必要」と言われ、4年間それをずっとされてきたのだそうです。当時は冷え症も酷かったので、なるほど自分は陰性だと理解納得をされたようです。

そして、いよいよ色々お尋ねしていくうちに、驚きのお話しを聞くことになりました。
それは、 「生野菜はこの4年間で一回も食べたことがない」 ということでした。

数年前にも同じような方がいらしたのですが、その方は特別だと思っておりましたので、またもやそんな方がいらっしゃるとは、本当にびっくりいたしました。

ご当人に問題があるのか、指導に問題があるのかはわかりませんが、
なぜ生野菜を食べてはいけないと思い続けることができたのでしょうか?
この頑ななある意味変な食事の在り方をマクロビオティックだと言われると、気絶しそうになりますね(笑)

イヌイット民族に胸を張って「玄米菜食が一番だ」とでも言うのでしょうか?
極寒の土地での玄米菜食では、あっという間に凍死ですよね。

本来なら夏には手に入りにくいだろう牛蒡や蓮根や人参などの冬の根野菜を煮炊きして頂くなんて、、30度越す夏の過ごし方として、自然に即しているといえるのでしょうか?

体質改善ではじめられたとしても、改善すれば陰陽調和のとれた中庸な食事の在り方があるでしょうし、季節に応じた調整も大切です。もちろん、年齢や性別、環境などに対応しなくては、それらは刻々と変化しているのですから、当然、食の在り方もそれらに合わせて変化させるものなのです。

この方には、トイレ回数や体温、感覚的体の変調を見ながら、きんぴら牛蒡などの煮締めた料理を控えて、生野菜をしっかり摂られることをお勧めしました。しばらくは梅醤番茶も止めて、巻き爪の状態を観察しながら、ゆっくりと季節に応じた食事に整えていきましょうということになりました。

そして一カ月、巻き爪がとてもよくなって、運動靴が履けるようになられたとのご報告をいただきました。

病院にいかれても治らなかった巻き爪が、食事を見直すことで改善できたようです。



食事の指導は、その方その方で違いますので、
巻き爪だから=生野菜と短絡的には判断はしないでくださいね。

みなさんの体質や体調、季節など、総合的な判断が必要になります。



マクロビオティックの落とし穴に落ちないための格言

『NON CREDO』

信じるな、然らば救われん。
つまり、自分で考えよう!ですね。




昨夜の一品。コリンキーのサラダです。
良二農園の炭素循環農コリンキー、松見歯科受付で絶賛発売中です。
生でおいしいよ~。












































糖質制限の問題点。

2014年09月21日 16時11分16秒 | いただきますの法則
昨日は、食改善のお話しの講座「理のコース」を開催いたしました。
テーマは

1.ごはんを食べよう。できれば未精製のごはんを。
2.パンの常食は危険。
3.砂糖は止めよう。糖質の選び方。

について、質疑応答も含めて4時間近くお話しをさせていただきます。

初診プログラムの中のカテゴリーなので、初診の患者さん向けの講座ですが、一般の方もお申し込みいただければご参加いただけます。

今や大きなブームとなって、心配しております「ローカーボダイエット(糖質制限ダイエット)」ですが、現代栄養学が、6大栄養素として、たんぱく質  糖質  脂質  ビタミン  ミネラル  食物繊維を推奨し、そのうち糖質(炭水化物)の中に、ごはんもパンも麺も砂糖も全てひっくるめてしまったことが、食の持つ意味を壊すことになった原因と考えます。

多くの栄養士さんは、パンでも麺でもごはんでも主食だといいますし、糖質というくくりで、最終分解されたものがブドウ糖であれば、どれを食べても同じという発想はあまりにも乱暴で、カラダのことを解っていないと思います。香川でも、11月にオーソモレキュラー(栄養療法)の講演会があるそうで、糖質制限で日本一の管理栄養士さんといわれる方も講演されるそうですが、どうか、ごはんを糖質の括りに入れないでほしいなと切に願います。

糖質といっても、まず精製されているものと未精製のものは全くカラダにとっての作用が違います。調理前の加工度も同様です。加工食品は未加工のものと比べると、概ね体へのリスクが高まります。
また、糖質には単糖類から多糖類まで幅広くあり、代謝のスピードの違いはゴキブリとカタツムリ(笑)くらい違います。
さらに、最終的にブドウ糖であっても、その摂取分解過程で、歯(虫歯、歯周病、歯肉炎、歯並びなどなど)を壊す糖質と壊さない糖質があります。


ちなみに、単糖類と多糖類の違いについてご説明します。

単糖類とは、これ以上加水分解されない最小の糖です。(さらに分解すると糖で無くなってしまいます。)

主な単糖類は

・ブドウ糖(グルコース)
・果糖(フルクトース)
・ガラクトース 

などです。

この単糖類が2つ結合することによって2糖類(少糖類)になります。

・ブドウ糖と果糖が結合するとショ糖(砂糖の主成分)
・ブドウ糖とガラクトースが結合すると乳糖
・ブドウ糖とブドウ糖が結合すると麦芽糖 

になります。

そして多糖類といわれるものは、単糖類(ブドウ糖など)が10個以上結合したものとされることが多く、グリコーゲン、セルロース、デキストリン、でんぷんなどが主な仲間です。

2糖類(砂糖)も多糖類(デンプン、食物繊維)も炭水化物の仲間ですが、味だけを言えば全然別物です。極端に言えば砂糖は甘いけれど、多糖類は甘くない。デンプンの代表格、片栗粉をなめたらわかりますよね。

ちなみに、2糖類の砂糖と多糖類のデンプン、セルロースの間には、単糖類が3個結合した3糖類、単糖類が4個結合した4糖類などがあり、オリゴ糖がその代表です。

わかりやすくまとめますと、

単糖 (単糖類・・ブドウ糖・果糖など)
単糖+単糖 (2糖類・・砂糖・麦芽糖・乳糖など)
単糖+単糖+単糖 (3糖類・・オリゴ糖など)
  ・
  ・ (このあたりはオリゴ糖など)
  ・
単糖+単糖+単糖・・・+単糖 10個以上(多糖類・・でんぷん、食物繊維など)

となります。
 
ちなみに、  

・上白糖はショ糖(2糖類)の割合が97.8%位
・三温糖はショ糖の割合が96.4%位
・グラニュー糖はショ糖の割合が99.9%位
・黒砂糖(黒糖)はショ糖の割合が80%位です。
     
               (食品標準成分表より)

よく黒糖だったら精製度が低いからいいのではと聞かれますが、ご覧の通り、成分でいいますと、五十歩百歩ということがお分かりかと思います。


マクロビオティックをされている方に、非常に虫歯や歯周病が多いことを、ことあるごとにお話しさせていただいておりますが、白砂糖はいけないけれど、甜菜糖、メープルシロップ、アガベ、羅漢果などなど、代替甘味料を良しとする傾向が強く、ひょっとしたら、市販のケーキよりも甘いマクロビオティックスイーツを多食なさっておられることが原因だったりいたします。玄米ごはんちょっとで、おかずが中心、必ず食後にデザートなんて、毎日の食事だと、体を壊しますよ。

はちみつも果糖ですので、単糖類で、非常に甘く代謝スピードが早いものです。(ちなみに、はちみつは1歳未満の摂取を制限していますが、これは「はちみつ」の中にボツリヌス菌が含まれている場合があり、 これを乳児期の赤ちゃんが摂取すると、ボツリヌス中毒を起こす危険性があるからです。)

精糖メーカーは、「砂糖は脳の栄養素」などと高らかに謳います。ブドウ糖が脳の栄養となることは周知のことではありますが、だからといって、ブドウ糖を取ればいいかというとそうではありません。砂糖(ショ糖)は二糖類で、非常に単糖類に近い結合形をしており、分解が簡単だけに血中に入るスピードはとても早く、血糖値の乱高下をきたし、私たちのカラダはそのスピードに付いていけず不具合を起こしてしまいます。

かつて、私たち人間が進化の過程のなかで、狩猟から農耕に生活スタイルを変え、その後奇跡のような進化を遂げた理由は、穀類のでんぷんを得て、咀嚼し、ゆっくりとブドウ糖に分解をし、それが大脳皮質の栄養となり、今日の文化を築くまでになったのです。(この進化の過程は、生まれたばかりの赤ちゃんが、母乳という究極の動物食を得て歩けるようになる体を作り・・・でも、牛のおっぱいのようにタンパク質中心ではなく糖質が多く、1年間ママに抱っこされて心と脳の発達を促すことができているのですよ・・・その後、離乳とともに穀類中心の食事スタイルに変化し、情操や知識を育みながら成長し社会性を形成していく過程となんか似ている気がします)

それが、お口の前にすでに単体ブドウ糖に近い形の状態で摂取すると、口腔内が壊れる(虫歯、歯周病、歯肉炎、叢生歯、口呼吸などなど)どころか、心身(physical:体、mental:心、spiritual:脳・精神・魂)ともに崩壊していく臨床を数多く体験してきました。そして、現在進行形です。




さて、皆さんは、何かを思う時どこで思うのか、その場所に手を当ててみてください。


いかがでしょうか?
「胸」に手を当てた方、「頭」に手を当てた方、あら?どちらだろうって迷った方・・・(笑)

どちらも正しいのです。

実は進化の過程で、バクテリアのような単細胞だった私たちの遠い祖先が、分裂を繰り返し、ようやく生き物らしくなったのが、海底に生息したミミズのようなものです。口から肛門があり、体のほとんどが消化器官のような生物です。そこから背骨、あばら骨、頭、尾、手足を持ち魚と進化しました。
無脊椎動物から脊椎動物になったわけです。

この劇的進化を、生態学では、二つのパーツに分類しました。

口から肛門を内臓系、後付けの背骨、あばら骨、頭、尾、手足を体壁系と呼び、それぞれのシンボルが、心臓であり、脳であるとしたのです。
なるほど、それで私たちは何かを思う時、胸で感じているような気がしたり、頭で思っているような気がしたりする訳ですね。

漢字の「思」という字は、田と心の合体ですが、実は、田というのは頭を俯瞰して見た象形文字で、脳を表しているのだそうです。
つまり、脳と心で「思」なのです。すごくないですか?

そして、口は内臓系の入り口でもあり、体壁系の頭の一部でもあり、つまり内臓系と体壁系をつなぐジョイント部分なんです。とても大切な器官であることが伺えますよね。


みなさん、赤ちゃんが生まれてきて、生後6カ月目くらいに下の前歯がチュって生えてきますが、これは何を意味しているかというと、お母さん、もうしばらくしたらもっと歯が生えてきてそろそろおっぱいから離乳する時期になりますよっていう合図なんです。(もちろん、半年で離乳は早すぎますよ。心の準備をしてくださいという意味です)

そして、その時を境に、必ずどの赤ちゃんも同じ行動を始めます。
それは、そこらじゅうにあるものを、手当たりしだいになめまわすことです。(なめまわし行動といいます)

この行動は、これは食べてもいいかどうかということの確認作業なんです。つまり、成長過程での捕食の情報収集をしているのです。言葉を変えれば「感受」する力を養っているということです。ですから、この行動をしっかりさせて上げられるかどうかで、「感受性」が培われるかどうかということになります。

口に持って行ったものの「感じ」を内臓系のシンボルである心で察知し、その情報を電気信号で体壁系のシンボルの脳に送り記憶させ、その結果私たちは判断することができるようになるのです。判断力が良いかどうかは「生きる」ために必要な「食べるもの」がどんなものなのかという、食べものと一番最初に出会う「口」での感受によるわけです。

(ちなみにミミズは目もなければ、耳も無く、鼻もないけれど、何を食べたらいいかということだけはわかっているんですね。全身消化器官というミミズ、ホントすごい能力を持っていますね。)

この内臓系と体壁系のジョイントである「口」を壊す食べ物と壊さない食べ物の選択は、生きていくためにとても大切なことなのですが、残念なことに、栄養学では壊す食べ物でも壊さない食べ物でも、糖質という括りで同等扱いをしてしまっています。

一般的に砂糖を代表する甘いものが、精神(精心)疾患を招くことは周知のことですが、それは当然で、口腔内を壊すわけですから、当然感受する力が落ち、心の問題を起こし、問題児の心で感受して脳に送られた情報は判断に欠く結果となり、いろいろな社会問題を起こすことになるのです。

社会的犯罪を起こしてしまった人の食生活が乱れているということは、たくさんの調査で周知されていますよね。


話をもとに戻しますが、栄養学で、ごはんも麺もパンも炭水化物、糖質で、砂糖も糖質だという分類の方法は、私たちの体のシステムが解っていない、吸収段階で全て同じブドウ糖になれば、同じ物質であるというあまりにも大雑把なものではないでしょうか?

糖質制限に穀類を入れてしまうのは、まさに脳の暴走であり、判断力が低いとしか言いようがない気がします。

口の前ですでに糖化(甘い)しているようなものは、どんなに体にいいと吹聴されても、しっかり検証し、もちろん、糖質だけが栄養素ではないので、摂取の仕方、組み合わせ方、主食、副食、嗜好品の棲み分けをして、節度をもって素敵な食事の在り方にしてほしいと思います。

甘いものは心の栄養素❤なんて、気持ちはわかるけど、決して言わないでね!

オーソモレキュラーという栄養療法についても、もちろん、食事においての指導もありますが、欠乏栄養素をサプリメントで補うという考え方には、対処療法として一過性に用いることは否定しませんが、やはり、生きた食材を使って栄養を摂取するという本来の食事を基本に考えていくことが望ましいと思います。

松見歯科でも、鬱の患者さんや不妊の患者さんにおススメして、オーソモレキュラーの指導で、見事に回復、妊娠したという症例はありますが、やはり、健康の本筋ではない気がいたします。この療法では肉をかなり推奨されますが、日本人は欧米人に比べると腸がかなり長いですから、肉中心の食生活では、体に負担がかかりますし、タンパク質も必要ですが、摂取の仕方も昔ながらの伝統食をお手本にしながら行きたいなと思う次第です。


主食はごはん。できるだけ未精製のものがベスト!(体調や体質に合わせてチョイス。炊き方もそれぞれです。)良く噛んで、ごはんのでんぷんをゆっくりと唾液と混ぜ合わせて、分解していくのが、ジャパニーズスタイルかなと思います。
そして、どうしても甘いものが欲しい時は、できるだけ多糖類の米由来の甘味をチョイスしてくださいね。
玄米甘酒とか玄米米飴とか・・・。(これも毎日だと歯は問題を起こします)



さて、みなさんは、どうお考えになるでしょうか?