マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

『口移し』の食事は危険?

2014年09月26日 12時42分14秒 | いただきますの法則
歯科でよくご相談をされることの一つに、「口移し」があります。

まだ消化器官などが発達していない子供のために、親が先に食べ物をを噛み砕いたり柔らかくして食べやすくして与える食事の方法です。まれに、病人に対して取る場合もありますね。映画『もののけ姫』でサンがアシタカに干し肉を噛んで与えるシーンで、そんな方法があると知った方もおられるかもしれません。

さて、この「口移し」ですが、昨今、菌やウイルスが感染するということで、してはいけない育児法のトップに上げられてしまうようになりました。
唾液を介して、ピロリ菌や虫歯菌、歯周病菌が移ったり、胃がんになるなどと言われているようです。

おや、これが本当なら、大変なことになりますね。
まず、会話する時も唾がとばないようにマスクが必要になりますし、外部との接触も極力控えなくてはなりませんね。使ったスプーンや食器は、滅菌、殺菌し、消毒、消毒ということになってしまいます。

あ、でも、世間ではもうすでに『滅菌消毒ウイルス』に感染しているのかもしれませんね。
ホテルの部屋には必ずといっていいくらい、○ァブリーズを置いてますし、各種消毒系の家庭日用品であふれていますものね。

でも、でも、冷静に考えてみてください。

赤ちゃんは、お母さんのおなかの中で破水とともに産道を潜り抜け始めたところから、様々な細菌や微生物に暴露されていきます。
しかしこれと同時に、細菌や、微生物の感染を受けながら生きていくために必要な免疫力も付けていくのですよね。私たち、様々な細菌・微生物と共存し、互いに恩恵を受けることで、正常な営みができています。言い換えれば、細菌や微生物との共存なくして生きていくことは不可能なことなのです。

なのに、細菌を全て悪者に仕立てあげて、殺菌消毒に精を出していては、この地球上の生体の秩序や循環のサイクルが狂ってしまいます。今、取り立てて、エボラ出血熱やデング熱などで、必要以上に騒いで、各公園では殺虫剤などがまかれてまたどんどんイノチの輪を壊して行っています。何か、腑に落ちない、厭な気を感じるのは私だけでしょうか。

話はそれてしまいましたが、私たちの口腔内には、たくさんの菌が住んでいます。虫歯菌もその一種で、誰しも保菌しています。ですから、たとえ口移しで物を与えなくても感染する機会はいくらでもあります。親に限らず、他人の唾液に接触する機会はいくらでもあるのですから。

口移しで食べ物を与える習慣は、動物学的にはいかがでしょう?他の哺乳類や霊長類では当然の事のように繰り返し行われていることですよね。ヒト科においては、特別で例外なのでしょうか?

また、「口移し」と言う行為は、直接であれ、スプーンを使ってであれ、親と子のコミュニケーションであり、熱いものを親の口に当てて確認し、やけどしないようにしてやったり、噛み砕いて親の唾液と混ぜ合わせ、消化を助けてやったりと、肌を通して、デリケートな加減をしてやることができる、大切なプロセスなのではないでしょうか?子どもの情操教育にも一役担っているのではないかと思います。

子どもには口唇期と呼ばれる精神発展段階があり、どうしても口唇による接触が精神発達上必要な時があります。歯が生え始めた生後半年目くらいに必ず誰もが取る「なめまわし行動」はまさに口による心と脳の発達に欠かせないものなのです。
これが十分に行われないケースでは、感受性の未発達に陥ることが知られています

いろいろ考えてもやはり、愛情を深めることのできる「口移し」というスキンシップは、親にも子供にも、ある程度必要なことなのではないでしょうか。

もちろん親の口腔内の状態には気を付けてほしいと思います。
しっかりとした歯科知識を持って口腔内のケアを行っていれば、口移しでも問題はないと思います。たとえ、口移しをしなかったとしても、虫歯菌の感染は避ける事はできないですしね。

仮に、口移しをして、虫歯菌が赤ちゃんの口腔内に進入したとしても、虫歯菌が口の中で定着し増殖しない限りは虫歯菌の感染が成立しません。要は、虫歯菌の餌になるようなものを与えなければ大丈夫だということです。
外部から進入してくる虫歯菌が定着できないような生活習慣を作り、子供が自立して自己管理ができる6才くらい(6歳臼歯と言う初めての大人の歯が生える頃です)までの間は、親が歯科教育とともに子どもの口腔内管理をしていくことが大切になポイントになります。

常に子供さんの口腔衛生に気をつけて管理をしてあげるなら(主食のごはんをしっかり与え、むやみに甘い物を与えない)、口移しについてそれほど神経質にこだわることもないと思います。

『口移し』は自然の節理だと思います。

親の口腔衛生レベルは、確実に子供は引き継ぎます。

いくら子供だけ気をつけていても、お母さんの口腔内がよろしくなければ、その口腔内を作った生活習慣を子供が受け継ぎ、同じような口腔内になることをよく知っておいてください。


結論から言いますと、『口移し』はしてもいい、むしろした方がいいということです。

ただし、親の口腔内に問題がある場合は、やはり、問題解決したほうがいいに決まってます。

ぜひ、細菌やウイルスに負けないような免疫力の高いカラダ作りの方を目指してほしいものです。
口腔内の問題を引き起こすような食生活こそ、子育てにおいてやめるべきことではないでしょうか?






矯正治療を始める前によくお話させていただくこと

2014年09月25日 12時13分44秒 | スタッフのブログ
院長が中学生だった約45年前には矯正治療をしている生徒はいなかったそうです。
私が中学生だった約20年前、矯正治療(ワイヤーをつけた矯正)をしている生徒は1クラスに1人いるかいないか程度でした。
全8クラスだったので、1学年約300名の生徒のうち、矯正をしている生徒は多くて8名程度、2%です。

また私が歯科衛生士になった13年前に比べると矯正治療が必要な子・先天的に歯がない子供たちが増えていると感じます。
矯正を経験した子供たちが親の世代となり、その子どもたちもまた矯正が必要となっている近年、当院に来られる保護者の方の想いを伺うと、
『歯を抜いて矯正させたくないんです。』
『私自身がお金もたくさんかかって矯正していたけれど、また歯並びが悪くなったので、子供はそうしたくない。』

歯並びをきれいにすることだけが歯列矯正の目的ではないと思って下さる保護者の方の存在は非常に嬉しいです。

歯の位置はどのように決定するかご存知でしょうか??
唇で押される力と舌でおされる力の均衡が取れる位置で歯の位置は決定します。
鼻の通りが悪い方なら、口呼吸でポカンと開いてしまった唇の力、中から押す舌の力で歯列不正が生じます。
ということは、歯並びのよくない方も今の口唇・舌の筋力に合わせて歯並びが悪くなったということです。
歯列矯正は100g~200g程度の力で歯を動かしていきます。
キュウリ1本分~玉ねぎ1個分ぐらいの力です。

その程度の力で歯は動くのです…が!
口唇と舌の筋力が歯並びが悪い時のまま変化していないと、矯正力を外した時に再び、弱い筋力にあわせて歯並びが悪かった歯の場所に戻ってしまいます。
これが後戻りです。

逆に言うと、口唇と舌の筋力をキュウリ1本分・玉ねぎ一個分ぐらい鍛え、歯列が悪くなった原因に対して対処していくことで、後戻りのない矯正ができるということです。

歯列不正が起こった原因を考える。
原因に対するアプローチ。
必要に応じて歯列拡大などの歯を抜かない矯正治療を行うのが顎歯列育成法松見メソッドです。

出来れば矯正しないのが一番のご希望かと思いますので、離乳の時期から食べ物の捕らえ方・食べ方・噛み方を練習していくことからいい歯並びを育成することも大切ですね。

巻き爪で長年悩まれて・・・マクロビオティックの落とし穴。

2014年09月24日 17時44分14秒 | いただきますの法則
ひと月ほど前に、巻き爪で悩まれているという若いママからのご相談をいただきました。

子どもさんができてからマクロビオティックのお料理を習われて、マクロ歴4年程になるということでした。

うん? 何故、巻き爪になるんだろう?

マクロビオティックの考え方にのっとった日本人の食事の仕方は概ね主食のごはん、野菜中心、豆類、海藻類などが使われる食材となります。

もちろん食事だけが原因ではありませんが、巻き爪の方の多くは、肉食中心、味が濃く、かなり陽性過多の食事を長きに渡って摂って来られた方に見られる症状なので、マクロビオティック食を4年続けて来られたのであれば、巻き爪にはなりにくいと考えられるのですが、かなり爪が肉に食い込んで、サンダルや下駄しか履けないとのことでした。

食事記録を見せていただいたんですが、肉や魚の多食もなく、一見、何の問題も無いように見受けられましたが、夏なのに、毎日、梅醤番茶を数杯飲み、おかずには毎食きんぴら牛蒡、ヒジキ蓮根が書かれていました。お味噌汁も毎日飲まれています。

「暑苦しくないですか?」とお伺いしますと、
料理教室の先生に「あなたは陰性だからもっと陽性になるような食事が必要」と言われ、4年間それをずっとされてきたのだそうです。当時は冷え症も酷かったので、なるほど自分は陰性だと理解納得をされたようです。

そして、いよいよ色々お尋ねしていくうちに、驚きのお話しを聞くことになりました。
それは、 「生野菜はこの4年間で一回も食べたことがない」 ということでした。

数年前にも同じような方がいらしたのですが、その方は特別だと思っておりましたので、またもやそんな方がいらっしゃるとは、本当にびっくりいたしました。

ご当人に問題があるのか、指導に問題があるのかはわかりませんが、
なぜ生野菜を食べてはいけないと思い続けることができたのでしょうか?
この頑ななある意味変な食事の在り方をマクロビオティックだと言われると、気絶しそうになりますね(笑)

イヌイット民族に胸を張って「玄米菜食が一番だ」とでも言うのでしょうか?
極寒の土地での玄米菜食では、あっという間に凍死ですよね。

本来なら夏には手に入りにくいだろう牛蒡や蓮根や人参などの冬の根野菜を煮炊きして頂くなんて、、30度越す夏の過ごし方として、自然に即しているといえるのでしょうか?

体質改善ではじめられたとしても、改善すれば陰陽調和のとれた中庸な食事の在り方があるでしょうし、季節に応じた調整も大切です。もちろん、年齢や性別、環境などに対応しなくては、それらは刻々と変化しているのですから、当然、食の在り方もそれらに合わせて変化させるものなのです。

この方には、トイレ回数や体温、感覚的体の変調を見ながら、きんぴら牛蒡などの煮締めた料理を控えて、生野菜をしっかり摂られることをお勧めしました。しばらくは梅醤番茶も止めて、巻き爪の状態を観察しながら、ゆっくりと季節に応じた食事に整えていきましょうということになりました。

そして一カ月、巻き爪がとてもよくなって、運動靴が履けるようになられたとのご報告をいただきました。

病院にいかれても治らなかった巻き爪が、食事を見直すことで改善できたようです。



食事の指導は、その方その方で違いますので、
巻き爪だから=生野菜と短絡的には判断はしないでくださいね。

みなさんの体質や体調、季節など、総合的な判断が必要になります。



マクロビオティックの落とし穴に落ちないための格言

『NON CREDO』

信じるな、然らば救われん。
つまり、自分で考えよう!ですね。




昨夜の一品。コリンキーのサラダです。
良二農園の炭素循環農コリンキー、松見歯科受付で絶賛発売中です。
生でおいしいよ~。












































糖質制限の問題点。

2014年09月21日 16時11分16秒 | いただきますの法則
昨日は、食改善のお話しの講座「理のコース」を開催いたしました。
テーマは

1.ごはんを食べよう。できれば未精製のごはんを。
2.パンの常食は危険。
3.砂糖は止めよう。糖質の選び方。

について、質疑応答も含めて4時間近くお話しをさせていただきます。

初診プログラムの中のカテゴリーなので、初診の患者さん向けの講座ですが、一般の方もお申し込みいただければご参加いただけます。

今や大きなブームとなって、心配しております「ローカーボダイエット(糖質制限ダイエット)」ですが、現代栄養学が、6大栄養素として、たんぱく質  糖質  脂質  ビタミン  ミネラル  食物繊維を推奨し、そのうち糖質(炭水化物)の中に、ごはんもパンも麺も砂糖も全てひっくるめてしまったことが、食の持つ意味を壊すことになった原因と考えます。

多くの栄養士さんは、パンでも麺でもごはんでも主食だといいますし、糖質というくくりで、最終分解されたものがブドウ糖であれば、どれを食べても同じという発想はあまりにも乱暴で、カラダのことを解っていないと思います。香川でも、11月にオーソモレキュラー(栄養療法)の講演会があるそうで、糖質制限で日本一の管理栄養士さんといわれる方も講演されるそうですが、どうか、ごはんを糖質の括りに入れないでほしいなと切に願います。

糖質といっても、まず精製されているものと未精製のものは全くカラダにとっての作用が違います。調理前の加工度も同様です。加工食品は未加工のものと比べると、概ね体へのリスクが高まります。
また、糖質には単糖類から多糖類まで幅広くあり、代謝のスピードの違いはゴキブリとカタツムリ(笑)くらい違います。
さらに、最終的にブドウ糖であっても、その摂取分解過程で、歯(虫歯、歯周病、歯肉炎、歯並びなどなど)を壊す糖質と壊さない糖質があります。


ちなみに、単糖類と多糖類の違いについてご説明します。

単糖類とは、これ以上加水分解されない最小の糖です。(さらに分解すると糖で無くなってしまいます。)

主な単糖類は

・ブドウ糖(グルコース)
・果糖(フルクトース)
・ガラクトース 

などです。

この単糖類が2つ結合することによって2糖類(少糖類)になります。

・ブドウ糖と果糖が結合するとショ糖(砂糖の主成分)
・ブドウ糖とガラクトースが結合すると乳糖
・ブドウ糖とブドウ糖が結合すると麦芽糖 

になります。

そして多糖類といわれるものは、単糖類(ブドウ糖など)が10個以上結合したものとされることが多く、グリコーゲン、セルロース、デキストリン、でんぷんなどが主な仲間です。

2糖類(砂糖)も多糖類(デンプン、食物繊維)も炭水化物の仲間ですが、味だけを言えば全然別物です。極端に言えば砂糖は甘いけれど、多糖類は甘くない。デンプンの代表格、片栗粉をなめたらわかりますよね。

ちなみに、2糖類の砂糖と多糖類のデンプン、セルロースの間には、単糖類が3個結合した3糖類、単糖類が4個結合した4糖類などがあり、オリゴ糖がその代表です。

わかりやすくまとめますと、

単糖 (単糖類・・ブドウ糖・果糖など)
単糖+単糖 (2糖類・・砂糖・麦芽糖・乳糖など)
単糖+単糖+単糖 (3糖類・・オリゴ糖など)
  ・
  ・ (このあたりはオリゴ糖など)
  ・
単糖+単糖+単糖・・・+単糖 10個以上(多糖類・・でんぷん、食物繊維など)

となります。
 
ちなみに、  

・上白糖はショ糖(2糖類)の割合が97.8%位
・三温糖はショ糖の割合が96.4%位
・グラニュー糖はショ糖の割合が99.9%位
・黒砂糖(黒糖)はショ糖の割合が80%位です。
     
               (食品標準成分表より)

よく黒糖だったら精製度が低いからいいのではと聞かれますが、ご覧の通り、成分でいいますと、五十歩百歩ということがお分かりかと思います。


マクロビオティックをされている方に、非常に虫歯や歯周病が多いことを、ことあるごとにお話しさせていただいておりますが、白砂糖はいけないけれど、甜菜糖、メープルシロップ、アガベ、羅漢果などなど、代替甘味料を良しとする傾向が強く、ひょっとしたら、市販のケーキよりも甘いマクロビオティックスイーツを多食なさっておられることが原因だったりいたします。玄米ごはんちょっとで、おかずが中心、必ず食後にデザートなんて、毎日の食事だと、体を壊しますよ。

はちみつも果糖ですので、単糖類で、非常に甘く代謝スピードが早いものです。(ちなみに、はちみつは1歳未満の摂取を制限していますが、これは「はちみつ」の中にボツリヌス菌が含まれている場合があり、 これを乳児期の赤ちゃんが摂取すると、ボツリヌス中毒を起こす危険性があるからです。)

精糖メーカーは、「砂糖は脳の栄養素」などと高らかに謳います。ブドウ糖が脳の栄養となることは周知のことではありますが、だからといって、ブドウ糖を取ればいいかというとそうではありません。砂糖(ショ糖)は二糖類で、非常に単糖類に近い結合形をしており、分解が簡単だけに血中に入るスピードはとても早く、血糖値の乱高下をきたし、私たちのカラダはそのスピードに付いていけず不具合を起こしてしまいます。

かつて、私たち人間が進化の過程のなかで、狩猟から農耕に生活スタイルを変え、その後奇跡のような進化を遂げた理由は、穀類のでんぷんを得て、咀嚼し、ゆっくりとブドウ糖に分解をし、それが大脳皮質の栄養となり、今日の文化を築くまでになったのです。(この進化の過程は、生まれたばかりの赤ちゃんが、母乳という究極の動物食を得て歩けるようになる体を作り・・・でも、牛のおっぱいのようにタンパク質中心ではなく糖質が多く、1年間ママに抱っこされて心と脳の発達を促すことができているのですよ・・・その後、離乳とともに穀類中心の食事スタイルに変化し、情操や知識を育みながら成長し社会性を形成していく過程となんか似ている気がします)

それが、お口の前にすでに単体ブドウ糖に近い形の状態で摂取すると、口腔内が壊れる(虫歯、歯周病、歯肉炎、叢生歯、口呼吸などなど)どころか、心身(physical:体、mental:心、spiritual:脳・精神・魂)ともに崩壊していく臨床を数多く体験してきました。そして、現在進行形です。




さて、皆さんは、何かを思う時どこで思うのか、その場所に手を当ててみてください。


いかがでしょうか?
「胸」に手を当てた方、「頭」に手を当てた方、あら?どちらだろうって迷った方・・・(笑)

どちらも正しいのです。

実は進化の過程で、バクテリアのような単細胞だった私たちの遠い祖先が、分裂を繰り返し、ようやく生き物らしくなったのが、海底に生息したミミズのようなものです。口から肛門があり、体のほとんどが消化器官のような生物です。そこから背骨、あばら骨、頭、尾、手足を持ち魚と進化しました。
無脊椎動物から脊椎動物になったわけです。

この劇的進化を、生態学では、二つのパーツに分類しました。

口から肛門を内臓系、後付けの背骨、あばら骨、頭、尾、手足を体壁系と呼び、それぞれのシンボルが、心臓であり、脳であるとしたのです。
なるほど、それで私たちは何かを思う時、胸で感じているような気がしたり、頭で思っているような気がしたりする訳ですね。

漢字の「思」という字は、田と心の合体ですが、実は、田というのは頭を俯瞰して見た象形文字で、脳を表しているのだそうです。
つまり、脳と心で「思」なのです。すごくないですか?

そして、口は内臓系の入り口でもあり、体壁系の頭の一部でもあり、つまり内臓系と体壁系をつなぐジョイント部分なんです。とても大切な器官であることが伺えますよね。


みなさん、赤ちゃんが生まれてきて、生後6カ月目くらいに下の前歯がチュって生えてきますが、これは何を意味しているかというと、お母さん、もうしばらくしたらもっと歯が生えてきてそろそろおっぱいから離乳する時期になりますよっていう合図なんです。(もちろん、半年で離乳は早すぎますよ。心の準備をしてくださいという意味です)

そして、その時を境に、必ずどの赤ちゃんも同じ行動を始めます。
それは、そこらじゅうにあるものを、手当たりしだいになめまわすことです。(なめまわし行動といいます)

この行動は、これは食べてもいいかどうかということの確認作業なんです。つまり、成長過程での捕食の情報収集をしているのです。言葉を変えれば「感受」する力を養っているということです。ですから、この行動をしっかりさせて上げられるかどうかで、「感受性」が培われるかどうかということになります。

口に持って行ったものの「感じ」を内臓系のシンボルである心で察知し、その情報を電気信号で体壁系のシンボルの脳に送り記憶させ、その結果私たちは判断することができるようになるのです。判断力が良いかどうかは「生きる」ために必要な「食べるもの」がどんなものなのかという、食べものと一番最初に出会う「口」での感受によるわけです。

(ちなみにミミズは目もなければ、耳も無く、鼻もないけれど、何を食べたらいいかということだけはわかっているんですね。全身消化器官というミミズ、ホントすごい能力を持っていますね。)

この内臓系と体壁系のジョイントである「口」を壊す食べ物と壊さない食べ物の選択は、生きていくためにとても大切なことなのですが、残念なことに、栄養学では壊す食べ物でも壊さない食べ物でも、糖質という括りで同等扱いをしてしまっています。

一般的に砂糖を代表する甘いものが、精神(精心)疾患を招くことは周知のことですが、それは当然で、口腔内を壊すわけですから、当然感受する力が落ち、心の問題を起こし、問題児の心で感受して脳に送られた情報は判断に欠く結果となり、いろいろな社会問題を起こすことになるのです。

社会的犯罪を起こしてしまった人の食生活が乱れているということは、たくさんの調査で周知されていますよね。


話をもとに戻しますが、栄養学で、ごはんも麺もパンも炭水化物、糖質で、砂糖も糖質だという分類の方法は、私たちの体のシステムが解っていない、吸収段階で全て同じブドウ糖になれば、同じ物質であるというあまりにも大雑把なものではないでしょうか?

糖質制限に穀類を入れてしまうのは、まさに脳の暴走であり、判断力が低いとしか言いようがない気がします。

口の前ですでに糖化(甘い)しているようなものは、どんなに体にいいと吹聴されても、しっかり検証し、もちろん、糖質だけが栄養素ではないので、摂取の仕方、組み合わせ方、主食、副食、嗜好品の棲み分けをして、節度をもって素敵な食事の在り方にしてほしいと思います。

甘いものは心の栄養素❤なんて、気持ちはわかるけど、決して言わないでね!

オーソモレキュラーという栄養療法についても、もちろん、食事においての指導もありますが、欠乏栄養素をサプリメントで補うという考え方には、対処療法として一過性に用いることは否定しませんが、やはり、生きた食材を使って栄養を摂取するという本来の食事を基本に考えていくことが望ましいと思います。

松見歯科でも、鬱の患者さんや不妊の患者さんにおススメして、オーソモレキュラーの指導で、見事に回復、妊娠したという症例はありますが、やはり、健康の本筋ではない気がいたします。この療法では肉をかなり推奨されますが、日本人は欧米人に比べると腸がかなり長いですから、肉中心の食生活では、体に負担がかかりますし、タンパク質も必要ですが、摂取の仕方も昔ながらの伝統食をお手本にしながら行きたいなと思う次第です。


主食はごはん。できるだけ未精製のものがベスト!(体調や体質に合わせてチョイス。炊き方もそれぞれです。)良く噛んで、ごはんのでんぷんをゆっくりと唾液と混ぜ合わせて、分解していくのが、ジャパニーズスタイルかなと思います。
そして、どうしても甘いものが欲しい時は、できるだけ多糖類の米由来の甘味をチョイスしてくださいね。
玄米甘酒とか玄米米飴とか・・・。(これも毎日だと歯は問題を起こします)



さて、みなさんは、どうお考えになるでしょうか?




































83歳の歯科治療

2014年09月05日 13時27分45秒 | 庵主の日記

83歳の母が、前歯を新しいコーヌスという義歯にするために朝から我が家に。
もちろん、一人でJRに乗ってやってきました。JR前後はそれぞれ1、2kmは歩き。
相棒の猫と暮らす独居老人ですが、ありがたいことに元気です。
自前の歯は22本。8020は達成しています。
もともと、すごく歯並びが悪く相当な叢生歯でしたので、なんと歯茎の中に映えきれなかった歯が1本埋まっていて、もうすぐ23本になる?らしい(笑)

今回の歯科治療で、技術料別に100万円くらいかかりますが、83歳の母の歯に100万円かけるのは、それ以上にプラスの意味があるからです。

主人の母は86歳まで診療室に顔を出していましたが、
いつも口癖のように

「歯の齢は人生より少し長くて丁度」

と申しておりました。

人生の最期まで、美味しく食事ができて、あ~、おなか一杯♪と満足げに天国に行けたらこんなに幸せなことはありません。
そして、しっかり食事が摂れる人生は、ココロもカラダも健全に最期まで十分に全うされる方が多いようです。

元気で長生きが一番の目標です。

私たち子どもから、思いを込めたプレゼントです。

それにしても、元気過ぎてよくしゃべる。

朝から11000歩しか歩いていないと携帯の万歩計で確認中の母を見ながら、
幸せな朝のひとときです。