松本市勤労者福祉センターで県政報告会を開催しました。50人ほどの方にお集まりいただきました。
来賓で杉尾ひでや参議院議員、下条みつ衆議院議員にお越しいただき国政の状況についてもご報告をいただきました。お忙しいところありがとうございました。
2019年も師走となり何かと気ぜわしくなってまいりましたが、皆様にはご健勝でお過ごしのこととお喜びを申し上げます。
今年の4月の県議会議員選挙におきましては、絶大なるご支援を賜り返り咲くことができました。あらためて心より御礼を申し上げます。
■給食のオーガニック無償化の政策実現に向けて
すでに6月議会報告はお配りをさせていただきましたが、松枯れ対策についてその後の調査により、上田市でネオニコチノイドを散布し散布前・散布中・散布後にそれぞれ尿検査が行われた結果、どの時点においてもネオニコチノイドが検出されたこと、散布後にその値は増加しなかった研究結果が発表されていることが分かりました。つまり空中散布は、化学物質過敏症の方には大きな影響があるが、一般的には揮発性ではないので影響は極めて少ない、しかし、山の昆虫などへの影響から環境循環を破壊する点から農薬の空中散布はやはりやめるべきだと考えます。松本市は9月補正予算で空中散布をする財源で残すべき松を指定し樹幹注入を行うことと、マツノザイセンチュウに対する耐性がある松を植林することを決めました。私は賢明なご判断だと思います。
一方で、農薬の空中散布をした、しないにかかわらず尿中からネオニコチノイドの成分が検出されることから日常の食品や飲料水から摂取していることが疑われ、ネオニコチノイドを使わない農作物の普及に力をいれる政策の押出が必要だと考えるに至りました。このような中で6月議会でTPP関連法で廃止された種子法に変わり長野県種子条例ができたこと、この条例制定運動の中で遺伝子組み換え農産品をいかに排除していくのかといった問題意識が広がっていること、ソウル市では2020年からすべての小・中・高でオーガニック給食を無償で提供する、千葉県いすみ市などで有機米を学校給食で全量提供を始めていること、県内でも少しずつ有機農作物を学校給食に使ってもらうことで有機農家を拡大していくきっかけにしたいという動き・・・などからすでに先行してNAGANO農と食の会、子どもの食・農を守る伊那谷、北アルプス食を守る会などが活動を展開し、2月には私も参加してオーガニック議員連盟も立ち上がろうとしています。国も持続可能な社会を目指すために、これまで以上に有機農業の拡大に力を入れ始めています。
私は、こうした動きの中で給食のオーガニック・無償化を目指した取り組みにさらに力をいれて参りたいと考えています。
■防災消防ヘリ墜落事故問題について
また、9月定例会で2017年3月5日に起きた県消防防災ヘリの墜落事故問題を取り上げました。私が松本市役所に勤めていたころはまだ広域化されておらず消防職員には同期の仲間も沢山いましたし、航空隊の消防隊長をしていた仲間もいることから、この事故は他人ごとではありませんでした。落選をしていた時の事故であり、忸怩たる思いでいましたが、当時のパイロットが航空法違反で書類送検をされるというこの機会に一般質問で取り上げることとしました。国土交通省の事故調査報告書では、事故の原因は服薬の影響でマイクロスリープ状態になっていた疑いがあるとしながらも原因を明らかにするには至らず、パイロットは航空法に基づく薬の服用を申告していなかった罪で書類送検されたものです。結果としては被疑者死亡につき立件はされませんでした。その後の業務上過失致死においても同様の扱いとなりました。
私は事故以前から安全運航に係る提言が現場から県当局にあがっていたことをつかんでいましたので、一般質問をする前に県当局とのやり取りの中で「そうした現場からの意見はあったが組織的に議論が行われていなかった」と聞いていたので、事の重大さから「組織的な議論がなされていないことが、今回の事故を招いた原因の一つになっている」と追及をするつもりでした。しかし、議場では県当局から「現場から安全運航に係る提言があったのか詳細には承知していない」と逃げられてしまいました。極めて誠意のない態度だと言わざるを得ません。これでは、再び重大事故が起きる恐れさえあると感じています。
引き続き、様々な角度から調査を継続していきたいと思います。11月5日に報告方々事故現場へ赴き花を手向けて参りました。本年度の県予算で消防防災ヘリの墜落現場への遊歩道が整備され以前よりは歩きやすくなっていました。
■台風19号災害対策について
10月12日から13日にかけて上陸した台風19号は東信地方を中心に500ミリという異常な降雨をもたらし、千曲川や支流において越水・決壊などから住宅への浸水、道路の土砂崩壊、農業や産業全体にも大きな爪痕を残しました。社民党長野県連合は13日早朝台風19号災害対策本部を立ち上げ、情報の収集と関係機関への連絡に総力をあげてきました。人命救助から生活再建へ課題が移る中で、避難所の生活の改善などに取り組み、その後仮設住宅から生活再建を目指す段階へと入っています。
私にとっては、長野県内でこれだけの規模の激甚災害の経験がなく、様々な課題を勉強しながら対策に取り組んで参りました。現在は、松本市内での女鳥羽川と会田川の復旧に力を入れ、来春のコメ作りができるよう飛び回っています。また長野市内ではこれから住宅を立て直すため取り壊し工事が行われますがアスベスト対策をきちんと行うよう調査と長野市や県との意見交換をしています。
12月定例会では、被災地の県議がそれぞれ課題を分担して質問をしたことから、私は一般質問をしませんでした。2月定例会ではしっかり行ってまいりますので、是非ともご意見・ご要望をお寄せください。
主な点のみ報告をさせていただきました。重ねてお世話になった御礼を申し上げ、来年が皆様にとって良い年となることを心からご祈念申し上げます。
ゲストで来年3月の松本市長選挙に出馬予定の花村恵子さんが田口てる子松本市議のご紹介でご挨拶に来られました。松本市長選挙で現職が勇退して出ない選挙は最近では初めてのことです。一人ひとりの市民が「どんな松本市にしたいのか」考えるチャンスだと思います。